「相続税は、税理士で数千万円変わる」—専門性こそ最大の顧客利益。チェスターが貫く“相続専門”の矜持
河合 厚:税理士法人チェスター 東京本店代表、税理士
国税OB税理士(国税庁出身)。現在、税理士法人チェスター東京本店代表。
国税在籍時には、2か所の税務署長を務めたほか、国税不服審判所で部長審判官、税務大学校で主任教授、国税局訟務室で主任訟務官、国税庁で審理担当課長補佐などを歴任。
税務署側の考え方・指摘ポイントを熟知しており、その知見を活かして業界でも珍しい「審査部」を設置。河合を中心に複数名の国税OBが、社内で作成された申告書の税務論点の検討や、税務調査での立会い・交渉対応を行っている。
インタビュアー:本日はよろしくお願いいたします。まずは、現在の体制について、組織図や部署構成などを伺えますでしょうか?
はい。まず私たち「税理士法人チェスター」は、相続税専門の税理士法人です。
現在の体制としては、本店を含めて全国に16の拠点があります。北は大宮から、東京都内、千葉、神奈川、そして名古屋、大阪、京都、神戸、福岡と、ほぼ全国的に展開していますね。
税理士の数自体は82名(※)おりまして、これは全国の税理士法人の中でも9位か10位にランクインする規模です。特に、全従業員数に占める「税理士資格者」の割合は、おそらく全国でもトップクラスではないかと思っています。
※インタビュー時点(2025年11月)の人数です。

インタビュアー:創業が平成20年と拝見しましたので、そこから十数年でその規模まで成長されているのは本当にすごいですね。創業当初から、これだけ大きくしようという構想があったのでしょうか?
はい。私自身は創業者ではないのですが、創業者自体は、チェスターを立ち上げた当初から「将来、日本一の相続税専門の税理士法人を目指す」というビジョンを掲げていました。それがまさに実行に移され、ここまで大きくなってきていると認識しています。
また、部署構成という観点ですと、私たちは相続税専門ですので、相続に関連するあらゆるニーズに対応できる体制を整えています。相続の場面では、相続税の申告だけではなく、財産の分割でお困りの方や、不動産登記の変更、銀行口座の変更など、さまざまな手続きが発生します。
そのため、税理士だけでなく、行政書士、司法書士、弁護士、さらには不動産売却に伴う株式会社などもグループで展開しており、お客様のあらゆるニーズにワンストップで対応できる法人構成にしています。グループ会社全体ですと、400人近い社員が対応している形になります。

インタビュアー:「相続税専門」という点について、もう少し深くお伺いできればと思います。あえて相続税に特化されている強みは、どういった点にあるのでしょうか。
はい。私たちが相続税専門であること。そのこと自体が一番の強みです。
というのも、相続税という税目は、担当する税理士によって、例えば財産が数億円あれば、納税額が数千万円単位で変わってくることが本当にあるんです。それは、まさに“良い税理士”につくか、つかないかで、お客様の納税額が大きく変わってしまうことを意味します。
この差は、相続税の申告時だけではありません。生前の対策、例えば財産の分割をどうするか、納税資金をどう確保するか、そして税額自体をどう節税していくか、といったあらゆる場面で専門知識が問われるからです。
インタビュアー:税理士によって数千万円も変わるというのは、聞き捨てならない話ですね…。
ええ。ですので、よくお医者さんを例にお話ししています。「外科の手術を、町の診療所に依頼するのか、それとも専門の病院に依頼するのか」と。相続税の申告も、それとまったく同じように考えていただきたい、と。
最近のトレンドで言えば、昨年の税制改正で、生前贈与(暦年贈与)の財産を相続財産に足し込む期間が「3年」から「7年」に延長されました。また、相続時精算課税制度にも基礎控除が新設されました。
こうした最新の制度を活用した生前対策のご提案や、それを踏まえた申告書の作成は、やはり専門に扱っているからこその知見が活きる分野です。もちろん、経営者の方の「事業承継」や、富裕層の方の「資産承継」といった複雑な生前対策も、専門チームが対応しています。
インタビュアー:ホームページなどで拝見したのですが、貴法人の相続税に関する「税務調査率」が1%というのは、非常に驚異的な数字だと感じました。この点について詳しく教えていただけますか?
はい。まず、世間的な相続税の税務調査率は、昨年(令和6年事務年度)の発表で6%でした。つまり、相続税の申告があったうち、だいたい16〜17件に1件は調査を受けている計算です。それに対して、私たちが手がけた申告は、調査率を1%に抑えられています。
この背景には、私たちの「プロフェッショナル品質」を担保するための体制があります。チェスターには、申告書の品質を担保する独立した「審査部」という部門を置いており、ここには国税OB、つまり税務署出身のベテランが4名在籍しています。
インタビュアー:国税OBの方々が、内部でチェックをされているんですね。
その通りです。申告書をお客様に提出する前に、この審査部が法律や法令に沿っているか、財産評価は適正か、といった点を厳格にチェックします。
その結果、税務署側からも「チェスターの申告は、まず間違いないだろう」「チェスターが作成した申告書に調査に入っても、不正はまず出てこないだろう」という絶対的な信頼感を得ています。
この信頼関係は、お客様にとって非常に大きなメリットとなります。税務署が「漏れが大きそうな」申告を優先的に調査する傾向がある中で、私たちの申告はその対象になりにくい。結果として、お客様には「正しく、かつ税額を適正に抑えた」申告書を、安心とともにお届けできていると自負しています。

インタビュアー:国税OBによる「審査部」という存在も強力ですが、それ以外にも、申告書作成のフローや体制で工夫されている点はありますか?
はい。私たちは、お客様への対応や申告書の作成を、すべて「チーム」で行っています。
他の税理士法人では、法人として仕事を受けても、担当者一人に任せきりになってしまい、チェック体制がない、という話を時々聞きます。担当者が税理士でない場合もあるようです。
私たちは、そうした属人化を徹底的に排除しています。まず、ベテランの税理士が「シニア(部長)」としてチームリーダーとなり、その下に申告書を実際に作成する「スタッフ」が3名ほどつく形が基本です。
インタビュアー:チーム制にすることで、品質にどのような違いが出ますか?
まず、チェック体制が多重になります。担当スタッフが作成した申告書は、必ずチームリーダーであるシニアが確認し、その後、拠点の責任者(拠点長)がさらに確認します。本店ではもちろん、その途中で審査部も確認します。
このように多くの専門家の目を通すことで、チェック項目の漏れを防ぎ、資産評価がより適正に行われているかを徹底的に確認できます。また、お客様の状況に応じて、「この案件は複雑だから本店のチームに任せよう」とか、逆に「大宮の拠点のほうがお客様は近いから、そちらで対応しよう」といった拠点間の連携も柔軟に行っています。
こうした体制が維持できるのも、「相続専門」だからこそです。所得税や法人税を扱うと、どうしても確定申告などの繁忙期が発生し、働きにくさが出ます。私たちは相続専門なので、年間の業務量に波がほとんどなく、社員が働きやすい「ホワイト」な環境だと言われます。結果として、税理士の離職率が極端に低く、高度なノウハウが組織に蓄積され続けるという好循環が生まれています。

インタビュアー:盤石な体制を築かれている中で、今後の展望や、さらにサービスを良くしていくためのお取り組みがあれば教えてください。
はい。私たちは今、年間の相続税申告件数が3,000件をオーバーしてきたところです 。これを数年後には5,000件にまで引き上げることが、当初から掲げている目標です。
すなわち、申告件数においても、そしてサービスの内容においても、「日本一の相続税専門の税理士法人」となることを目指して進めています。その一環として、新たな拠点展開も進めています。まず、来年の3月頃に、つくばの方にも新たな拠点を出す予定です。
インタビュアー:新たな拠点展開も活発ですね。
それに加えて、直近では今年の12月下旬に東京の赤坂にもオフィスを新設します。
こちらは、これまでの拠点とは少し色合いを変えまして、「生前対策」と「富裕層」の方々をメインの業務とする事務所にする予定です。
これまでも本店の中で生前対策チームはあったのですが、富裕層の方々からの生前対策の需要が非常に高まっており、チームも充実してきました。そこで、あえて赤坂に別途事務所を設け、富裕層の方々へのサービスを強化しているというアピールも兼ねて、専門チームを配置します。生前対策チームと申告チームが連携し、より大きく複雑な事案にも対応できる体制を整えていきますね。

インタビュアー:ありがとうございます。記事の最後に、読者となる経営者の方々、あるいは相続について考え始めた方々へメッセージをお願いします。
はい。企業の経営者の方々は、すでに顧問の税理士先生がおられるかと思います。相続税の申告についても、まずはその先生にご相談されるでしょう。
ただ、私たちは「相続税専門」として、顧問の先生方と連携を取りながら対応を進めるケースも非常に多く経験しています。顧問契約や法人の税務業務には一切干渉せず、あくまで相続税申告というお客様個人のプライベートな部分だけをサポートしていますので、顧問の先生は変える必要はまったくありません。専門分野を切り分けつつ、相続税や事業承継という分野において、私たちに相談していただくことで、より良い申告や資産承継ができるものと自負しておりますので、気兼ねなくご相談いただければと思います。
もちろん、会社員であった方が亡くなられた場合などでも、土地の評価ひとつで納税額は大きく変わります。私たちは相続税に関して深い知識と経験がありますので、どんな立場の方でも気軽にご相談ください。
インタビュアー:すでに申告が終わった方や、まさに今、調査を受けているような方でも相談は可能でしょうか?
はい、もちろんです。
すでに他の事務所で相続税の申告をされた方で、「ちょっと内容がおかしいな」と疑問に思っている方。あるいは、申告が終わった後に「税務調査に入られてしまった」という方。
私たちは、そうした方々のための「セカンドオピニオン」や、「調査のみの対応」というのも積極的に行っています。相続税に関することであれば、どのようなフェーズであっても対応できますので、ぜひ私たちを頼っていただければなと思います。
インタビュアー:本日はありがとうございました!
📣 税理士法人チェスター の詳細はこちら
