立川市 / 草津市

滋賀県に根を張って15年——会社設立から相続まで、滋賀の経営者に長く伴走する税理士法人GrowUp

滋賀県に根を張って15年——会社設立から相続まで、滋賀の経営者に長く伴走する税理士法人GrowUp

越智 崇実史(おち たかみち):税理士法人GrowUp 代表社員/税理士・行政書士

兵庫で生まれ育ち、立命館大学経営学部に進んだことで滋賀と縁を持つ。大学3年の終わりに本格的に税理士を目指し始め、専門学校・大学院を経ておよそ3年で税理士資格を取得。大学院在学中から勤めた事務所でマーケティング担当としてHP集客を学び、5年の実務を経て20代で独立した。滋賀・草津を開業の地に選び、以来およそ15年。会社設立・相続・経営支援を軸に事務所を広げ、現在は草津・東京の2拠点、スタッフ24名規模を率いる。京都大学経営管理大学院(EMBA)修了。

会社設立から相続まで、滋賀・草津でワンストップ——GrowUpの現在地

まず、現在の事務所の体制とお客様の傾向について教えてください。

越智:
今はスタッフ24名ほどの体制で、草津を本拠に、東京にも事務所を構えています。お客様は滋賀県の方がほぼ100%で、草津が中心ですが、県の北も南もいらっしゃいます。業種の偏りは特になく、幅広く対応しています。顧問契約は月次で法人が140社ほど、個人が40社ほど。これに加えて相続が年間30件ほど、私自身が担当している経営コンサルティングが数件、という構成です。

問い合わせの入口は、やはりWebが大きいのでしょうか。

越智:
そうですね。HPからの相談だけで相続は年間120件ほどいただけているので、入口はしっかり取れている状態です。一方で、年に一度の決算だけ・確定申告だけ、というご依頼はお受けしていません。私たちが価値を出せるのは、月々の数字に伴走しながら経営の土台を一緒につくっていく関わり方だと考えているからです。会社設立から相続まで、滋賀の経営者の方が必要とすることをワンストップでお手伝いできる体制を整えてきました。
税理士法人GrowUp
「ここなら行ける」——京都育ちが草津を選んだ理由

越智先生は京都のご出身と伺いました。最終的に「草津で開業」を選ばれた経緯を教えてください。

越智:
実家は京都なのですが、転勤族のような家庭で、いわゆる「地元」と呼べる土地が自分にはなかったんです。そんな中で立命館大学に進んで、草津のキャンパスに通いました。滋賀との縁はそこからですね。妻が滋賀県の出身というのも一つの理由ではあったのですが、いちばん大きかったのはマーケティング的な判断でした。

マーケティング的な判断、というと。

越智:
開業を考えていた15年ほど前は、会社設立を安く請け負うのが業界で流行っていた時期でした。ただ、京都や大阪でその領域に飛び込んでも、競合が多すぎて勝つのは難しい。一方で、大学時代に通っていた滋賀で他の事務所様のHPなどを見てみると、「ここなら自分でも戦えるかもしれない」と感じたんです。当時の滋賀県にもHPを作っている事務所はありましたが、これは太刀打ちできない、という競合が正直なところいなかった。これから開業する自分でも食い込める、と。地縁よりも、勝てる場所を冷静に選んだ感覚に近いですね。

開業前から、マーケティングのご経験があったのでしょうか。

越智:
はい。勤めていた事務所で、たまたま「webの見直しをやってほしい」と頼まれたのがきっかけでした。正直、最初はそこまで関心があったわけではないのですが、その機会にHPや集客の仕組みを自分で触って勉強したんです。この経験があったからこそ、「草津ならいける」という読みが持てたのだと思います。
父の一言から、3年で税理士へ——20代・最年少クラスでの独立

税理士を志されたきっかけは何だったのでしょうか。

越智:
実は、一族に事業をやっている人間は一人もいない、ごく普通のサラリーマン家庭で育ちました。父が自動車のディーラーに勤めていて、お客様に中小企業の社長が多かったんです。その父から「お前は調子もいいし数字も得意だから、会計士でもやれ」と、昔から言われていました。大学も経営学科に進んでいたのですが、就職を意識し始めた頃に改めて「勉強しないのか」と言われて、大学3年の終わりにようやく勉強を始めたんです。

そこから資格取得までは、どのような道のりだったのでしょうか。

越智:
一度勉強を始めてからは、税理士になること以外は考えていませんでした。簿記2級を取って専門学校へ進み、大学院にも通って、およそ3年で資格を取りました。大学院を出る間際から、先ほどお話しした事務所に勤め始めて、5年ほど実務を積んですぐに独立しました。当時の草津では最年少クラスの開業だったと思います。

もう一段、どこかで経験を積んでから、という選択肢はなかったのですか。

越智:
なかったですね。集客は本気を出せばできるだろうという手応えがありましたし、何より20代で、まだ子どももいなくて身軽なうちに開業してしまおうという気持ちが強かったので、勢いもあったと思います。ただ、独立してからは毎年のように何かしら起きてます。毎年のように改善を求めて新しい試みをする変化の多い事務所なので、スタッフやお客様の入れ替わり、税理士法人の共同代表が辞めたこともありました。最近も半年前までは人員に余裕があったので案件を増やしたいと思っていたら、今度は人手が足りなくなりと。正直、安定したと思えたことは一度もありません(笑)。

それでも続けてこられたのは。

越智:
毎年大変なことは起きるけれど、諦めずにやればなんとかなる——その繰り返しでここまで来た感覚です。そして、こうした浮き沈みを自分で経験してきたからこそ、お客様である経営者の方の苦労に本当の意味で共感し、同じ目線で話ができるのだと思っています。
「100年企業づくり」という理念は、経営指針書とともに生まれた

「お客様の100年企業づくりに貢献する」という理念は、どこから生まれたのでしょうか。

越智:
最初は一人でやっていたので、理念なんてありませんでした(笑)。生まれたのは開業して5〜6年ほど経った頃です。私たちのようなバックオフィスのサポートは、お客様の売上そのものを直接つくることはできません。けれど、「いい会社をつくる」という土台の部分では、必ず貢献できる。その思いを言葉にしたのが、この理念です。「100年」という数字はキャッチーな面もありますが、長く続く会社の土台を一緒につくりたい、という気持ちを込めています。

理念を掲げるようになった、具体的なきっかけはあったのですか。

越智:
人が増えてきたことですね。一人や少人数のうちは自分の頭の中にあれば済みますが、メンバーが増えると「この人には話したけれど、あの人には伝えていない」ということが起きてくる。相手にとっては初めてでも、私の側からすると同じことを何度も何度も話し続けることになるんです。そこで、やり方だけでなく会社としての「あり方」まで浸透させるために、経営指針書をメンバーと一緒につくってきました。
税理士法人GrowUp

開業当初から、未来志向の経営支援を意識されていたとも伺いました。

越智:
もともとTKC系の事務所で働いていたこともあって、未来志向の経営計画は大事だという思いがありました。独立の際、TKCはコストが高くて選ばなかったのですが、その代わりにMAP経営さんに自分から連絡を取って、MAS監査やMAP経営の考え方を取り入れました。今では5ヵ年計画づくりのセミナーを自社で開催しています。会社設立に特化して滋賀でのポジションをとり、相続も流行り始めた時期に「信頼できる事務所」という存在感をつくって選んでいただく——そうした戦略を、理念と並走させてきました。
会社設立・相続・経理代行を”別サイト”に分ける——価値提供の軸という戦略

会社設立・相続・経理代行を、それぞれ独立したサイトに分けて展開されています。多くの事務所が1つのサイトに集約する中で、なぜこの設計に?

越智:
それぞれを「価値提供の軸」として、独立させて育てていきたいと考えたからです。もちろんサービスごとに問い合わせ数の差はありますが、領域ごとに専門のサイトを持つことで、そのテーマで困っている方にまっすぐ届く。相続のサイトは作ってから10年ほどになり、その分しっかり経験も積めています。会社設立のサイトが世の中に認知されて問い合わせが増えてきてから、事務所として軌道に乗った実感がありました。

そもそもの実績は、どうやって築かれていったのでしょうか。

越智:
最初は入口が何もなかったので、とにかく交流会や飲み会に足を運びました。これは本当に効果があって、最初のお客様は、ほぼ全部がそういった場で出会った方です。15年ほど前はFacebookの交流会のようなものもあって、そういう場にも顔を出していました。ある程度の規模になれば紹介もいただけますが、最初は自分から飛び込んで、時には嫌な思いもしながら一件ずつ積み上げていく。その時期があったからこそ、今があると思っています。

開業当初、お客様についてどんなことを感じていましたか。

越智:
正直に言うと、「なんの実績もない自分を選んでくれるのは、よほど変わった人たちだろう」と思っていました(笑)。自分が逆の経営者の立場だったら、経験のない人間に経営相談をするのはもったいない、と思ってしまっていたと思います。でも今は経験も積んで、滋賀の税理士として真面目に経営に向き合ってきたという自負があります。選んでいただける理由を、自分たちでつくってきた15年だったと思います。
税理士法人GrowUp
AIを自ら触り、地域のバックオフィス・インフラへ——これからのGrowUp

「メンバーの豊かな人生がお客様を幸せにする」と掲げ、24名規模で分業体制を築かれています。スタッフが成長する事務所にするために、意識されていることは。

越智:
価値提供の方向性や働き方は、経営指針書にまとめて共有しています。その上で、3〜4ヶ月に一度はメンバーの一人ひとりと話す機会を設けています。税務会計の仕事はもちろんしっかり覚えてもらいますが、それ以外の部分については、個人をできるだけ尊重したいと思っています。滋賀県には税理士の専門学校がないので勉強中の方を採用するのは難しいなど、地域ならではの苦労もありますが、優秀なパートさんに恵まれてきたのは本当にありがたいことです。

草津に加えて東京事務所も構えられました。これからGrowUpをどんな事務所にしていきたいですか。

越智:
去年あたりまでは、正直「これ以上の大きな変化は感じられないかもしれない」と思っていた時期もありました。15年ほど、ひたすら仕事を増やして内部を強くすることに集中してきましたから。ただ、ここ3〜4年で同業の方々と関わるようになり、すごいスケールで事業をやっている方に出会って、「自分で自分に枷をはめていたのかもしれない」と感じたんです。開業して10年は、ほとんど同業と関わっていませんでしたから。

今、特に力を入れていることは。

越智:
AIですね。今は、こもってAIを触って何かを作ったり、先々を見据えて社内を整えたりしています。試しに自分用のアプリを作ってみたら思いのほかうまくいったので、面談を文字起こしして内容をレビューさせる仕組みを作りました。資料収集を効率化したり、お客様への提案力・傾聴力を上げたり。社内の管理ツールも、NotionでRDB(データベース)を作ってスタッフに配ったりしています。社会の変化が大きく、そして早い今は、そちらに対応していくことのほうが意味のあることをできると感じています。

最後に、これから滋賀でパートナーを探す経営者へ、メッセージをお願いします。

越智:
時代が変わってきたので、価値提供の形もこれから変わっていくと思います。最先端である必要はないけれど、お客様に対して良いサービスを適切な価格で提供し続けたい。そして、地域のバックオフィスを支えるインフラのような存在になりたいと思っています。これからも滋賀県全域で、経営者の方の100年企業づくりに伴走していきます。

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取材後記

越智さんのお話で一貫していたのは、「冷静なマーケティングの眼」と「泥臭い飛び込み」という、一見相反する二つの強さでした。兵庫、京都で育ち、地縁のない滋賀・草津を「競合を見て、ここなら勝てる」と見抜いて選んだ判断には、開業前にHP集客を自ら学んだ経営者ならではの計算があります。その一方で、最初のお客様は「ほぼ全部が飲み会」だったと笑って振り返る姿には、頭でっかちでない実直な行動力がにじんでいました。

「安定したと思ったことは一度もない」と語りながらも、「諦めずにやればなんとかなる」を15年繰り返してきた——その積み重ねが、24名規模、相続年30件、月次180社という今のGrowUpを形づくっています。そして今、自らAIを触り、面談の文字起こしツールやNotionのデータベースまで内製してしまう柔軟さは、これからの税理士事務所の一つの理想形だと感じました。「地域のバックオフィス・インフラになりたい」という言葉のとおり、滋賀の経営者にとって最も頼れる土台であり続ける事務所だと思います。これからの歩みを、楽しみに見守ってまいります。

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