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元国税審判官の税理士が、個人事業主の手取りを増やす——マイクロ法人の上位互換「ジョイント法人スキーム」を100社へ届ける東京ECビジネス会計事務所

元国税審判官の税理士が、個人事業主の手取りを増やす——マイクロ法人の上位互換「ジョイント法人スキーム」を100社へ届ける東京ECビジネス会計事務所

萩原 智也(はぎわら ともや):東京ECビジネス会計事務所 代表/公認会計士・税理士

公認会計士・税理士。EY新日本有限責任監査法人、EY税理士法人で節税スキームの構築支援に関与し、大手の税務実務に従事。その後、国税不服審判所で国税審判官として3年間にわたり審査請求案件の審判に携わる。任期終了とともに東京ECビジネス会計事務所を開設。現在は個人事業主向けの「ジョイント法人スキーム」支援とEC物販事業者向けの会計支援を二本柱に、少人数で運営している。

個人事業主と物販事業者を支える二本柱——少人数で回す事務所の体制

宮田:まず、東京ECビジネス会計事務所の現在の体制とサービスについて教えていただけますか。

萩原:
私と、スタッフ数名という小さな体制で運営しています。記帳代行などの定型業務はスタッフが中心で進めてくれていて、税務の細かい判断が必要な質問は私のほうで対応する、という分担です。

サービスの中心は二本立てで、今、最も力を入れているのは個人事業主向けの「ジョイント法人スキーム」の支援です。これと並行して、EC物販事業者向けの会計事務所も運営しています。中小企業向けの節税スキーム構築から事務所を立ち上げたのですが、自分の手数で提供する仕事だけだとどうしても上限にぶつかってしまうので、「自分が動かなくても回る業務」としてEC物販向けを仕組み化してきた経緯があります。

客層としては、ジョイント法人スキームの方は事業所得が年間300万円ほどから上の個人事業主の方が中心で、EC側は副業スクール経由でつながった物販事業者の方が中心になっています。「税負担に苦しんでいる個人事業主の方の力になりたい」という思いを軸に、両輪で運営しているという感覚です。
「手に職」から会計士、そして国税の中へ——大手で積んだ13年と転身の理由

宮田:そもそも会計士という道を選ばれたきっかけは何だったのですか。

萩原:
学生時代に「手に職をつけたい」という思いが一番強くて、資格のある仕事は安心だなと当時の自分は考えていました。ただ、お医者さんは病院の匂いや血を見るのが少し苦手でしたし、弁護士はトラブルを抱えた方と毎日のように向き合うイメージがあって、自分には合わない気がしていました。会計士であれば数字と向き合っていればいいのかな、と当時は捉えていて、それで会計士を選んだという流れです。

最初のキャリアは、EY新日本有限責任監査法人で会計監査を担当するところからのスタートでした。そのうちに、いずれは独立して仕事をしたいという気持ちが固まってきて、税金の仕事もきちんと経験しておかないといけないと考えるようになりました。同じグループのEY税理士法人に異動するまでには時間がかかりまして、人手不足のなかで何年もかけてようやく社内で動かせていただけた、という流れでした。税理士法人では節税スキームの構築支援がメインで、大手の節税スキームと呼ばれるような領域を一通り経験させていただいて、合計で13〜14年ほど大手の税務実務に向き合った形になります。

宮田:そこから、国税側に飛び込まれたのが大きな転機だったと思います。

萩原:
はい。一通り大手側の経験を積んだうえで、「敵のことも知っておこう」という気持ちで国税に入ろうと決めました。ちょうど、国税不服審判所が国税審判官(特定任期付職員)を毎年募集していて、これが3年間限定という設計でした。期間限定になっているのは、長くいすぎることで生じる癒着を避けるためでもあります。この募集に応募して、3年間、国税審判官として働かせていただいたという流れです。

人から話を聞いたり、元国税職員の方が書かれた本を読んだりはしていたのですが、国家公務員のお仕事ですから守秘義務に守られていて外には出てこない部分がどうしてもあります。そこまで踏み込んで知ろうとすると、自分自身が中に入って経験するしかないなと感じていました。独立前にきちんと中の景色を見ておきたかった、というのが正直なところです。

もともと独立志向が強かったのは、実家が自営業だったことが大きいと思います。うどんやそば、中華麺を出すお店をずっと続けている家で、家族みんなが家で仕事をしているのが当たり前の風景でした。ある意味、サラリーマンというものを家で初めて経験したのは私だったくらいで、家で仕事をするほうが自然だ、という感覚が幼い頃から染み込んでいたように思います。
国税不服審判所で見届けた「2つの公平」——3人合議の審判官として

宮田:国税不服審判所の3年間は、どんな景色でしたか。

萩原:
審査請求案件について、3人の国税審判官が合議制で審判を行う仕組みになっていまして、そのうち2人は国税の生え抜きの方、残りの1人が私のような民間出身者です。仮に3人が3人とも国税出身だと「国税寄りの判断になっているのでは?」と外から見えてしまうので、民間から入った人間がどちらにも偏らない公平な目で関わる、という設計になっています。「公平に見ていこう」という意識が、この3年間で一番大きかったところでした。

実際に中に入ってみて印象に残ったのは、国税職員の方々も「公平」を非常に重視して仕事をされている、ということでした。私自身が感じ取ったところでは、公平にもざっくり2種類あるなと思っています。1つ目は「過去に対する公平」で、過去に同じような状況の事案で出された判断があるなら、今回も同じような判断がされなければならない、という考え方です。2つ目は「新しい事案に対する公平」で、前例がない案件については、税法に照らして納税者寄りでも国税寄りでもない、バランスの取れた判断を出していくしかない、という公平のかたちです。

ただ、1つ目の「過去への公平」は、「同じ状況」と言える範囲が時代とともに変わっていくので、過去とは扱いを変える必要が出てくる場面がたびたびあります。たとえば、昔はカフェでパソコンを開いて仕事をするということ自体がほとんどなかったわけですが、今は当たり前にあります。状況が違うから、結局2つ目の「新しい事案に対する公平」のほうに入っていく、というケースは少なくないと感じていました。
中小向け節税からEC物販へ——リソースの上限を仕組み化で超えていく

宮田:審判官の任期を終えて、いよいよ独立されます。当時、どんな事務所にしていこうと考えておられましたか。

萩原:
自分の強みを一番素直に表現すると、節税スキームの構築、つまり「税金の適正化」でした。少しオブラートに包んだ言い方ですが、要するにいかにして払う税金を減らすか、というところを軸に立ち上げました。最初はご紹介をいただいて、いわゆる中小企業と呼ばれる規模感の会社さんにサービスをご提供していました。ある程度従業員もいて経営も安定している、という規模の会社さんですね。

ただ、節税スキームの構築は、どうしても私の経験を紐解いてご提供する仕事になりやすくて、スタッフに教育して育てて回していくにはハードルが高いんです。そうすると、私のリソースが上限に達した時点で受けられなくなるという構造的な問題に直面しました。そこで、自分が動かなくてもある程度は回せる業務を併せ持っておく必要があるな、と考えるようになりました。

ちょうどそのタイミングで、節税のコンサルティングでお付き合いしていた副業スクールの運営者の方から、「スクールの受講生で確定申告ができずに困っている方がいるので、助けてもらえませんか」というご相談をいただきました。聞いてみると、提供されている副業がネット物販だったので、業種が揃っていれば仕組み化しやすいと判断して、お引き受けすることにしました。これがEC物販事業者向け会計事務所の出発点です。基本的にはスタッフがオペレーションを回し、税務の細かい判断は私のほうで対応するという分担で、記帳のような定型業務はある程度仕組み化できているので、私の手が頻繁に入らなくても日々の業務は流れていく、という設計を意識してきました。
「ジョイント法人スキーム」とは——マイクロ法人の上位互換、社会保険料まで含めて適正化する

宮田:もう一つの柱である「ジョイント法人スキーム」が、現在最も力を入れている領域だと伺いました。これはどういう経緯で生まれたサービスなのでしょうか。

萩原:
もともと中小企業向けに節税の支援をしていたのですが、ある程度の規模感がある会社さんは税額そのものは大きくても、支払いに困っているわけではないケースが多かったんです。たとえば5,000万円払っている税金を4,000万円に減らせれば、そこから報酬をいただくモデルが成り立つので、ビジネスとしては悪くない。ただ、本当に税負担に苦しんでいるのは規模の大きい法人ではなく、個人事業主の方々だな、と感じる場面が増えていきました。

私はもともと、人を助けるところに強い喜びを感じるようなところがあって、献血なども80回ほど続けていたりします。そういう性分もあって、税負担に苦しんでいる個人の方の力になれる仕組みをきちんと作りたいという思いがどんどん大きくなっていきました。とはいえ、個人の節税は金額が小さくなりがちで、ビジネスとしては成り立たせにくい領域です。だからこそ仕組み化と提供パッケージの設計が必要で、その答えとして整えてきたのが「ジョイント法人スキーム」になります。

非常に簡単に申し上げると、マイクロ法人の上位互換版で、マイクロ法人をより使いやすく、節税効果も高めたかたちだと捉えていただくとわかりやすいかと思います。ここで全体像だけお伝えすると、個人事業はそのまま継続しつつ、新たに小さな法人(マイクロ法人)を設立し、両方を組み合わせて運用する設計です。事業所得が年間300万円ほどあれば手取りを増やしていただける可能性が出てきますし、事業所得が大きくなればより節税効果が高まる仕組みです。個人事業主としてやっていらっしゃる方で、国民健康保険料を払っているような方であれば、検討の余地があると考えています。ジョイント法人はマイクロ法人よりも導入しやすく、かつ、節税効果を格段に高めた弊事務所のオリジナルスキームです。

ポイントとしては、個人事業側は、これまでお願いされている税理士の先生にそのまま見ていただいて構いません。私たちが担当するのは、新たに作るジョイント法人側の手続きや申告ですので、すでに付き合いのある税理士の先生に対して、乗り換えをお願いする話ではないところは、相談者の方にも安心していただけているポイントです。

宮田:「所得が1,000万円を超えたら法人化しましょう」という言い方を耳にすることが多いと思いますが、この通説についてはどうお考えですか。

萩原:
消費税の課税事業者になるタイミングや、所得税率と法人税率の比較を理由に、所得700万〜1,000万円あたりで法人化を勧める話はよく出てきます。ただ、ここで社会保険料の負担をまるごと無視している議論が少なくないと感じています。社会保険料は厳密には税金ではありませんが、国に納めるという意味では税金と同じように扱って考えたほうが現実的です。

社会保険料まで含めて適正化していくという前提で考えると、事業所得がだいたい1,800万円ほどに達するまでは、個人事業を続けながらマイクロ法人スキームやジョイント法人スキームを併用するかたちが、手元にしっかりお金を残すうえでは最善になることが多いです。これがあまり知られていないので、実態としては早めに法人一本化してしまって、社会保険料の負担に苦しんでしまう方が多いように見えています。

直近では、一般社団法人スキームが使えなくなったこともあって、移行のご相談が増えています。代替として安心して使える選択肢として、マイクロ法人スキームと、その上位互換版である弊事務所オリジナルのジョイント法人スキームが残っているかたちで、特に一般社団法人スキームを紹介していた保険屋さんやFPさん、税理士の先生方からのお問い合わせが増えてきています。
節税効果は地元の慈善団体へ——「お金より、知るきっかけ」を作る寄付の設計

宮田:ジョイント法人スキームを利用される方に、ある条件を付けていらっしゃると伺いました。

萩原:
はい。節税効果のなかから、月額500円でかまわないので、地元にお住まいの地域の慈善団体に寄付していただく、ということを条件としてお願いしています。

節税スキームの構築支援は、別の角度から見ると国の税収を減らしている面もあります。減った分の税収は、本来であれば社会的に弱い立場の方の支援に回るはずだったお金かもしれない、と捉えると、そこを細くしてしまうことに対しての責任のようなものを感じています。「だったらお前がやれよ」という話もあるかと思いますが、節税の恩恵を受ける方々と一緒に、その一部を地元に還す仕掛けにできないかと考えました。

ただ、寄付額そのものよりも別の意図があって、慈善団体の方にお話を伺うと、寄付そのものももちろんありがたいけれど、それ以上に、自分たちの活動を一人でも多くの方に知っていただくことが何よりも力になる、と口を揃えておっしゃるんです。月額500円とはいえ、寄付するとなると自分の気に入った先を選びたくなります。そうすると「地元にはどんな慈善団体があるんだろう」と調べることになり、「こんな活動をしているんだ」「うちの近所にあったんだ」という発見が自然に起きていきます。地元の慈善団体を知るきっかけそのものを作っていく——そこに本来の狙いがあります。

運用としては強制力はかけずに、口約束に近いかたちでお願いしていまして、寄付された後も「どこそこに寄付しました」と一言ご報告いただくだけで構いません。「国に1円も払いたくない」というスタンスの方とは、正直なところ少し相性が良くない部分が出てきてしまうかもしれません。逆に、節税で残った分を、地元と少しでも関わりたいと感じていただける方とは、長くお付き合いしやすい設計になっていると感じています。
100社展開と税理士仲間との協業——拡大よりも、専門連携で広げる

宮田:今後の事務所運営のビジョンを教えてください。

萩原:
事務所自体は、少人数のまま運営していきたいと考えています。私自身、人を育てたり大きく組織化したりするほうにあまり強みがあるとは思っておらず、従業員10名規模に拡大する方向性は、自分の性分には合わないと感じています。それよりも、他の税理士仲間の方と緩やかに協業しながら、お互いの強みを生かしていくほうに広げていきたい、というイメージです。

協業の具体的なイメージとしては、ジョイント法人スキームや節税スキームを支援をさせていただくと、「今お付き合いしている税理士に物足りなさを感じている」「事業の特性に合った税理士を改めて探したい」といったご相談につながることが少なくありません。そういった時に、私のところでお引き受けするキャパが厳しい場面も出てきます。せっかく信頼してご紹介いただけたものを断ってしまうのは心苦しいので、信頼できる、尖った専門性を持った税理士仲間におつなぎする形を整えたいと考えています。たとえばエンタメ業界に強い税理士、東北地方の建設業に強い税理士など、私の周りには特定の領域で深く向き合っている先生方が何人もいらっしゃいます。

ジョイント法人スキームそのものとしては、100社くらいまで広げたいと考えています。現時点では10数社というところで、まだまだ伸ばしていく途中の段階です。一般社団法人スキームが使えなくなったことで、移行のご相談が増えてきている流れもあるので、安心して使える代替の設計として、必要としている個人事業主の方にきちんと届けていきたいと考えています。

宮田:最後に、これから事務所を頼ろうかと迷っている方に、メッセージをいただけますでしょうか。

萩原:
個人事業主として頑張っている方の中には、社会保険料も含めた税負担で本当に苦しんでいる方が少なくありません。一般的に語られている法人化のタイミングと、実際に手元にお金が残るタイミングは、必ずしも一致していないことが多いです。情報を整理して、自分の状況に合った設計を選ぶだけで、毎月の手取りや経営の安心感が大きく変わる場面があります。少しでも気になる部分があれば、まずは気軽にご相談いただけたら嬉しいです。

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取材後記

「敵のことも知っておこう」という言葉から始まったキャリアの転機の話が、取材を通じて一番印象に残っています。大手会計事務所での13〜14年を経て、わざわざ国税不服審判所の国税審判官に身を投じた3年間は、傍から見ると遠回りにも映りますが、お話を伺ううちに、その3年間が今の事務所のサービス設計や顧客への向き合い方に静かに地続きになっていることが感じられました。

ジョイント法人スキームの解説で何度もうなずいたのは、社会保険料を含めて税負担を捉え直すという視点でした。所得1,000万円で法人化、という通説の手前で、個人事業を続けながら小さな法人を組み合わせる設計を選ぶことで、毎月の手取りが大きく変わる方々がいらっしゃるはずです。一般社団法人スキームの終了によって、安心して使える代替を求めている方も増えているなかで、萩原先生のように、通説を疑いながら、社会保険料まで含めた設計を組み立てる税理士の存在は、これからますます価値が高まっていくのではないでしょうか。

そして、節税効果から月額500円を地元の慈善団体に寄付していただく、というささやかな仕掛けの背景に、「国の税収を減らしている責任」という静かな自覚と、「地元の慈善活動を知ってもらう、そのきっかけを作りたい」という温度のある意図があったのが印象的でした。事務所を大きくするよりも、信頼できる専門特化の税理士仲間と緩やかに協業しながら、ジョイント法人スキームを必要としている個人事業主の方にきちんと届けていく——。萩原先生が描かれている「100社展開」の輪郭の中には、ご自身の手元の事業だけでなく、地域や業界全体への視座が確かに含まれていました。

税負担に静かに苦しんでいらっしゃる個人事業主の方、そして、自分の事業所得が法人化のタイミングなのか迷っていらっしゃる方には、ぜひ一度、東京ECビジネス会計事務所の扉を叩いてみていただきたいと思います。

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※ 本インタビューの内容は取材時点のものです。事務所の体制やサービス内容は変更される可能性があります。最新の情報については各事務所に直接お問い合わせください。