北海道

「会社勤めでは社長の悩みは分からない」 ——自ら独立して経営者の痛みを知った税理士が、札幌・八軒で届ける伴走型サポート

「会社勤めでは社長の悩みは分からない」 ——自ら独立して経営者の痛みを知った税理士が、札幌・八軒で届ける伴走型サポート

児玉美由紀(こだま みゆき)|こだま税理士・行政書士事務所(児玉美由紀税理士事務所/こだま行政書士事務所)代表税理士・行政書士

札幌市内の会計事務所2か所で計10年の勤務経験を経て、平成31年2月に独立開業。税理士・行政書士の両資格を活かし、法人顧問から相続・遺言書作成まで幅広く対応。札幌市西区八軒で地域に根ざした事務所を営んでいる。

札幌に根ざす、顧問と相続の「二刀流」事務所

本日は、以前インタビューさせていただいた髙嶋のぞみ先生のご紹介でお時間をいただきました。まず、こだま税理士・行政書士事務所について教えてください。

児玉:
髙嶋先生にはいつもお世話になっていて、今回ご紹介いただけてとても嬉しいです。ありがとうございます。事務所としては、今は正社員とパート数名の体制で運営しています。法人の顧問業務と相続が二本柱で、顧問のお客様はほぼ札幌市内とその近郊——江別や千歳、北広島あたりにもいらっしゃいます。

お客様の業種に傾向はありますか。

児玉:
特定の業種専門を掲げているわけではなくて、満遍なくいろいろな業種に対応しています。ただ、気づくと建設業のお客様は比較的多いですね。飲食店や理美容業は少ないかもしれません。これまでに経験をしたことのない業種であっても、お客様が業界のことを色々教えてくださるなど、お客様には恵まれているなと思います。私の小学生の息子のことまで気にかけてくださる方もいて。打ち合わせ中に息子から電話がきて席を外しても「先生のそういうところがいいよね」と仰っていただける。そんな温かいお客様ばかりで感謝の絶えない毎日です。

お客様はどのように増えてこられたのですか。

児玉:
独立してからはご紹介が一番多いですね。ホームページからお問い合わせをいただくこともあります。ありがたいことに、紹介の連鎖で少しずつ広がってきた感じです。
こだま税理士・行政書士事務所
「経営者の大変さがわからない」——勤務10年で気づいた限界と独立の決意

独立のきっかけを教えてください。

児玉:
札幌市内で2つの個人事務所を経験しました。もともとはずっと勤務のつもりだったんです。番頭的な立場で事務所を支えていくイメージで、税理士として登録してお客様も担当していました。ただ、2つ目の事務所で創業間もないお客様をたくさん担当する中で、自分が勤務者のままでは、経営者の本当の大変さは理解できないんじゃないかと感じるようになりました。

具体的には、どんな場面でそう感じたのですか。

児玉:
たとえばお客さんが「お金が足りない」とおっしゃっているときに、内心では「交際費を削ったらいいのに」「広告宣伝費を見直したら」と思ってしまっていたんです。従業員の問題にしても、「この人合わないなら辞めてもらったらどうですか」と——今思うと軽く言ってしまっていた。でも自分で独立してみたら、交際費も広告宣伝費も、売上を上げるために欠かせない経費だったし、人を採用して育てることの難しさも身をもって知りました。勤務時代には絶対にわからなかった感覚ですね。同じ土俵に立たないと理解できない部分がやっぱりあるんだなと改めて感じました。

独立のとき、不安はなかったですか。

児玉:
当時は息子がまだ2歳だったので、時間的な制約による不安は確かにあったかもしれません。でも、独立する人って大体「なんとかなるかな」と思うから開業するわけですよね(笑)。というより、「なんとかしなきゃいけない」状況に自分を置くから動ける。その感覚はありました。
家族の相続争いが原点——税理士×行政書士で「争族」をなくしたい

相続に力を入れていらっしゃいますが、そのきっかけは何ですか。

児玉:
これは税理士になる前の話なんですが、身内で遺産相続のトラブルがあったんです。ただ、遺言書があったからこそ、最終的には収まるところに収まりました。遺言書がなかったら、もっとごちゃごちゃになっていたと思います。

行政書士の資格を取られたのも、その延長ですか。

児玉:
はい。令和2年に登録しました。税理士だけでも相続税の申告はできるんですが、相続税がかからないケースでも力になりたかったんです。遺産分割協議書の作成や遺言書のサポートは、行政書士の方がしっくりくる領域ですし、一般の方が「相続で困ったな」と思ったときに相談先として浮かぶのも行政書士のイメージだと思うんですね。資産の多寡に関係なく、生前贈与から遺言書作成まで一貫してお手伝いできる体制を作りたかったんです。
顧問も相続も——多角的な総合力で、たらい回しにしない

顧問と相続の両方を手がけているのは、どういう考え方からですか。

児玉:
正直、特定の業種に特化している事務所や資産税専門で対応している事務所には、その専門性では敵わないと思います。でも、どっちもやっているからこそ、お客様のどんなお困りごとにも応えられると思っています。たとえば事業承継の話になると、会社の株をどうするかという資産税の知識が絶対に必要になりますよね。顧問の延長線上で相続の知識も持っていれば、「この件は別の先生に聞いてください」とたらい回しにしなくて済む。そこは自分の強みだと思っています。

相続案件は幅広い知識が求められそうですね。

児玉:
本当にそうなんです。民法の知識も必要だし、建築基準法がちょっと絡んでくることもある。相続っていわゆる「総合力」が問われる分野で、いろんな法律や制度を横断して考えなきゃいけない。大変なんですけど、それが面白くもあるんですよね。常にいろんなことを勉強していかないといけないし、知識の幅がそのままお客様への提案の幅になるので。

相続の知識はどこで学ばれたのですか。

児玉:
前の事務所にいたときに「相続をやりたい」とずっと言い続けていたんですが、事務所としてそこまで相続が特に得意だったわけじゃなかったので、自分で外部の研修に行かせてもらって、手探りで学んでいきました。「これ合ってるのかな」と不安に思いながらも、自分なりのやり方を積み上げていった感じです。

転機となったのは、ある相続税の調査の時に、いわゆるトッカン(特別国税調査官)から、「今まで会った税理士の中で一番すごい」とお褒めの言葉(?)をいただき、自分のやり方は間違っていなかったのだと答え合わせができたように思いました。

自己流で積み上げてきたものが認められた瞬間ですね。

児玉:
まさにそうです。ずっと独学で、これで合っているんだろうかと思いながらやり続けてきたので、あの調査は、自分の仕事の「答え合わせ」だったと思っています。逆に言えば、丁寧にやりすぎていたのかなと思う部分もあるんですけどね(笑)。でもそのおかげで、お客様のご遺族にもちゃんと安心を届けられた。やり残したことはなかったと胸を張れる案件でした。
作業は早く短く、お客様との時間に集中する

事務所として大切にしていることはありますか。

児玉:
こだわりを持ってやっているかと言われると、そんな大それたものではないんですけど(笑)。ただ、新しい知識やツールは常に取り入れていかないといけないという意識はあります。

TKCの基本スタイルを守りつつも、ということですね。

児玉:
そうですね。巡回監査をして、書類は紙でチェックして——そういう基本は大事にしています。でも、それとは別に単純作業そのものはとにかく早く終わらせたい。最初の事務所では、一つのミスも許されない「満点の帳簿」を作成することに重点を置いていたため、どうしても作業時間がかかってしまい、かなり忙しい日々を送っていました。今では限られた時間の中で何が重要かを見極めて、AIやツールを使って作業時間を短縮して、浮いた時間をお客様とのコミュニケーションに充てる。そこにしっかり時間を割くのが自分のスタイルです。

AIの活用についてはどうお考えですか。

児玉:
作業の効率化にはすごく有効だと思います。ただ、AIに任せきれない部分は確実にある。税法に関する回答は間違っていることがありますし、何よりこちらが聞いていない論点にはAIは触れてくれない。たとえば、お客様の会社の株価が気づかないうちに上がっていて、このまま放置すると事業承継のときに大変なことになる——そういう「そもそも問題に気づいていないお客様に、先回りして提案する」のは、やっぱり税理士としての知識と経験がないとできないことです。だから日々の研修や勉強は欠かしません。
こだま税理士・行政書士事務所 打ち合わせ風景
お打ち合わせスペース
八軒が好き——穏やかな街で、地域とともに

今後の事務所の展望を教えてください。

児玉:
正直、大きなビジョンを掲げているタイプではないんです。ただ、この札幌の八軒という街が好きなんですよね。昔から住んでいる方が穏やかで、歩いている人がいい人ばかりで。札幌の中でも治安がいい方だと思いますし、この街の空気が好きなんです。

だからこそ八軒商店会の会員にもなっていて、商店会でイベントをやったり、小学校での職業体験のお手伝いをしたり。そういう地域を盛り上げる活動にもっと関わっていきたいと思っています。事務所としての規模を大きくしたいというよりは、この街で必要とされる存在でありたい、という感じですかね。

最後に、税理士を探している方へメッセージをお願いします。

児玉:
相性はすごく大事です。税理士を変えるのって、想像以上にエネルギーがかかるんですよ。データの移行もあるし、新しい先生との関係構築もゼロからやり直しになる。だからこそ、最初の選び方が大切で、何人かの税理士に実際に会って話を聞いてから決めてほしいと思います。「税理士なんてどこも同じ」「安いからここでいいや」という選び方は、後々「やっぱり変えたいな」という気持ちにつながりやすい。最初にちょっと手間をかけた方が、結局は長く安心してお付き合いできる税理士に出会えると思いますよ。

本日はありがとうございました。

この事務所がある地域の税理士を探す

児玉美由紀税理士事務所 の詳細はこちら

取材後記

「こだわりを持ってやっているわけではない」と児玉さんは笑いますが、独学で相続の知識を積み上げ、国税局の調査官に認められるまでになったのは、紛れもなく「こだわり」の結果だと思います。勤務時代の自分には経営者の痛みがわからなかったと率直に語り、2歳の子どもを抱えて独立に踏み切った行動力。穏やかな語り口の奥に、芯の強さを感じるインタビューでした。

無料相談受付中

あなたに合った税理士、見つかります

インタビューで気になった税理士への相談も、他の税理士の紹介も、すべて無料。良い税理士のコンシェルジュにお任せください。

※ 本インタビューの内容は取材時点のものです。事務所の体制やサービス内容は変更される可能性があります。最新の情報については各事務所に直接お問い合わせください。