税務調査

税務調査の立ち会い費用相場は?日当・修正申告料の目安と「スポット依頼」の注意点【専門家4社の実例】

税務調査の立ち会い費用相場は?日当・修正申告料の目安と「スポット依頼」の注意点【専門家4社の実例】

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この記事の結論:立ち会い費用の目安

  • 立ち会い日当の相場は、税理士1人につき「1日 3万円〜5万円」
  • 調査後の「修正申告書の作成」には、別途「10万円〜30万円」がかかる
  • トータル費用の目安は、2日間の調査で「30万円〜50万円」程度
  • 顧問契約がない(スポット依頼)場合は、割増料金になることが多い
ある日突然、税務署から「税務調査を行いたい」と連絡が来たら、平常心でいられる経営者はなかなかいません。
税務調査官は「税金を取るプロ」です。丸腰で戦えば、本来払わなくていい税金まで指摘され、言いくるめられてしまうリスクがあります。
そんな時、あなたの盾となって守ってくれるのが税理士です。この記事では、税理士に「立ち会い」を依頼した際にかかる費用の全貌を解説します。

費用の内訳と相場一覧

税務調査の対応費用は、「①事前準備」「②当日の日当」「③事後処理」の3階建てで構成されています。
税務調査の立ち会い費用の内訳と相場一覧
費目相場内容
① 事前対策費3万円 〜 5万円調査当日の前に書類をチェックし、想定問答のリハーサルを行う費用。
② 立ち会い日当3万円 〜 5万円 / 日調査当日に同席し、調査官の質問に代わりに答えたり、反論したりする費用。
※調査は通常2日間行われます。
③ 修正申告作成料10万円 〜 30万円調査の結果、ミスが見つかり修正申告が必要になった場合の書類作成費。
(番外)成功報酬減額分の10%〜20%調査官の指摘を覆して追徴課税を減らした場合に発生することがある(設定しない事務所も多い)。
例:2日間の調査で修正申告が必要になった場合
事前(5万) + 日当(5万×2日) + 修正申告(15万) = 総額 30万円

「顧問契約あり」と「スポット依頼」の違い

普段からお世話になっている顧問税理士がいる場合と、ネットで探して「今回だけ助けて」と頼む場合(スポット依頼)では、費用感や対応が変わります。
項目顧問税理士がいる場合顧問なし(スポット依頼)
費用の目安比較的安い(日当のみの場合も)やや割高(リスク料が上乗せされる)
引き受け当然引き受けてくれる繁忙期などは断られる可能性がある
対応の質過去の経緯を知っているためスムーズイチから帳簿を見直すため、準備に時間がかかる

無申告(申告していない)の場合の注意点

「数年間、確定申告をしていなかった」という状態で調査が来た場合、通常の立ち会い費用に加え、「過去分の申告書作成料」がまとめて発生します。
この場合、総額で50万円〜100万円以上かかることも珍しくありませんが、自分で対応して重加算税(罰金)を取られるよりは安く済むケースがほとんどです。

安くない費用を払ってまで依頼するメリット

「30万円も払うなら、自分で対応したほうがいいのでは?」と思うかもしれません。しかし、税理士がいるかどうかで結果(追徴税額)は大きく変わります。
税理士に立ち会いを依頼するメリット

1. 不当な指摘に「税法」で反論してくれる

調査官は「これは経費になりませんね」と誘導尋問してきます。知識がないと「そうですか…」と認めてしまいますが、税理士がいれば「いいえ、法人税法第〇条の解釈では、このケースは経費として認められます」と即座に反論し、課税を阻止してくれます。これだけで数十万円〜数百万円の差が出ます。

2. 精神的な防波堤になる

調査官は社長を動揺させるプロです。税理士がいれば、社長は「詳しいことは税理士に任せています」と言って黙っていることができます。余計なことを喋って墓穴を掘るリスクを防げるのは最大のメリットです。

税務調査専門家4社が語る、立ち会いの実例

税務調査の対応は、税理士ごとにアプローチが大きく異なります。「良い税理士」がインタビューした全国の事務所の中から、税務調査対応に独自の強みを持つ4社の言葉を紹介します。費用感だけでなく、「何ができる税理士に頼むか」が結果を大きく左右する世界です。

① 150件超の対応実績「税務調査の駆け込み寺」(サンアップ税理士事務所)

愛知県岡崎市のサンアップ税理士事務所・三宮大輔代表は、税務調査150件超の実績を「強み」として打ち出し、「税務調査の駆け込み寺」として知られる存在です。

じゃあ何を軸にするか。私としては相続・資金調達・税務調査の3本柱が軸だと思っていましたが、岡崎には資産税関係で有名な大手がすでに3〜4件ありますし、全国区の税理士法人も含めると、相続では後発組なんですよ。資金調達もやっている人はいっぱいいる。でも税務調査は、調べてみると意外と手をつけている方がいなかった。前職時代から通算150件ほど対応してきた経験と自信があったので、「税務調査」を専門分野にしようと決めました。

— サンアップ税理士事務所 代表 三宮大輔|インタビュー記事

同事務所は「税務調査150件超」という稀有な実績を背景に、税理士のいない個人事業主から経営者まで幅広く受け入れています。三宮代表は印象に残るエピソードとして、自力で対応するつもりだった個人事業主の社長が、立ち会い終了後に泣いて感謝したケースを紹介しています。

その後、社長さんがめちゃくちゃ泣き出したんですよ。「先生がそういう風に言ってくれて本当によかった」「このまま自分で対応していたら、すごく悪いことをしてしまったんじゃないかと押しつぶされていたと思う」って。民間の考え方と税法の考え方の間には、大きなギャップがある。そこの「駆け橋」であり「通訳」であること──それが税理士の本質的な役割なんだと改めて実感しました。

— サンアップ税理士事務所 代表 三宮大輔|インタビュー記事

② 弁護士資格保有で「税務調査→不服審判→税務訴訟」まで一貫対応(税理士法人尾谷&パートナーズ)

通常、税務調査でこじれた事案は税務訴訟まで進む可能性があります。そのとき税理士事務所と弁護士事務所を行き来する必要が生じますが、税理士法人尾谷&パートナーズは代表が弁護士資格を持ち、入口から出口まで一気通貫で対応できる稀有な存在です。

税務調査から国税不服審判、さらには税務訴訟まで一貫して対応できる。私自身が弁護士として行政訴訟を専門にしてきましたから、調査の段階から「最終的に裁判になったらどうなるか」を見据えた戦略を練ることができる。弁護士資格を持つ人間が対応しているということ自体が、交渉力にもつながります

— 税理士法人尾谷&パートナーズ|インタビュー記事

通常の税理士では「税務調査で指摘を受けて修正申告」で終わる案件も、訴訟リスクまで見据えた戦略を立てることができます。複雑な税務案件や高額な追徴課税のリスクがある法人にとって、この一気通貫体制は強力な選択肢です。

③ 心理学を交渉に応用「松竹梅の法則」で着地点を設計(矢崎会計事務所)

税務調査は法令に基づきますが、現場では解釈の幅がある場面が多く、交渉力が結果を大きく左右します。矢崎会計事務所の矢﨑代表は、心理学を税務調査・交渉に応用する独自のアプローチで知られます。

税務調査が入る際、私は徹底的に相手側の立場や組織背景を分析します。今回の調査官が組織の中でどのような役割を担っているのか、判断権限はどこにあるのか、調査の目的や優先順位は何か。そうした構造を理解することから始めます。

そこで活用するのが、心理学の考え方です。たとえば「松竹梅の法則」のように、選択肢を提示することで相手に主体的に判断してもらうアプローチです。指摘事項に対して、こちらの譲れる範囲と譲れない範囲を整理した上で、複数の選択肢を提示する。

— 税理士法人矢崎会計事務所 代表 矢﨑|インタビュー記事

法律論で対立するのではなく、双方にとって現実的で妥当な結論へ導く——このソフトスキルは、追徴課税の金額や調査終了までの期間にも影響します。

④ TKC「書面添付」で税務調査の確率を劇的に下げる(税理士法人リソースフル)

「立ち会い費用をいくら払うか」も大事ですが、根本的には「税務調査が来ない体制を作る」ことが最強の対策です。税理士法人リソースフルは、TKC全国会の書面添付制度を活用し、税務調査の確率を劇的に下げる「予防型」のサポートで知られます。

私たちはTKC全国会に所属しており、毎月の「巡回監査」を徹底しています。単にレシートをチェックするだけでなく、毎月2時間から2時間半ほど膝を突き合わせて、試算表を見ながら経営上の悩みを聞き出します。そして、そこから作成される決算書には、基本的に「書面添付(税理士法第33条の2)」を行っています。これは「この申告書は税理士が責任を持ってチェックし、内容は間違いありません」という、いわば税務署への「品質保証書」のようなものです。これがあることで、税務署からの信頼度が格段に上がり、税務調査が入る確率が劇的に下がります。実際、うちのお客様で調査が入ることは滅多にありません。

— 税理士法人リソースフル|インタビュー記事

立ち会い費用30万円〜を支払うシーンを想定するより、月々の顧問料で予防体制を整えるほうが、長期的にはコスト・心理負担の両面で有利になることもあります。

「立ち会いだけ」と「予防」、どちらを選ぶべきか

上記の4社が示すように、税務調査対応には大きく分けて2つのアプローチがあります。
アプローチ向いている人主な費用主な事務所例
スポット型(立ち会いだけ)突然税務署から連絡が来た / 顧問税理士がいない or 顧問の対応に不安がある30万円〜(事前 + 日当 + 修正申告)サンアップ / 尾谷&パートナーズ / 矢崎
予防型(月次顧問 + 書面添付)そもそも税務調査リスクを最小化したい / 長期的な節税と両立したい月額3万〜5万 + 決算料リソースフル等TKC会員事務所
「もう税務署から連絡が来た」状態であれば、150件超の経験を持つ駆け込み寺型(サンアップ)や、訴訟リスクまで見据える弁護士併設型(尾谷)が有力です。

一方、「まだ調査は来ていないが、いつかは来そうで不安」という方は、書面添付制度を活用する税理士(リソースフル等)との顧問契約を検討する価値があります。

よくある質問(FAQ)

Q. 調査の連絡が来たら、まず何をすればいい?

A. まずは日程調整を保留してください。「税理士と相談してから折り返します」と言って電話を切り、すぐに税理士を探しましょう。日程が決まってしまった後でも変更は可能です。

Q. 立ち会い費用を経費にできますか?

A. はい、全額経費(租税公課や支払手数料)になります。

Q. 「お土産(おみやげ)」を渡さないと調査は終わらない?

A. 「お土産(わざとミスを認めて修正に応じること)」は都市伝説です。何もミスがなければ「是認(ぜにん)」として、修正なしで終わることもあります。毅然とした態度で臨みましょう。
税務調査の費用以外にも、税理士の顧問料や決算料の一般的な相場を把握しておきたい方は、こちらもご覧ください。
→ 税理士の費用・顧問料の相場はいくら?規模別の適正価格を見る

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節税に強い税理士の見分け方については「節税に強い税理士の見つけ方」で詳しく解説しています。また、顧問料全体の相場を知りたい方は「税理士の費用・顧問料の相場」もご覧ください。

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※本記事の内容は、執筆時点での一般的な情報に基づき作成されています。税理士資格を持たないライターが執筆しており、最新の税法や個別の事情に対応していない可能性があります。正確な情報や判断については、必ず税理士等の専門家にご相談ください。