経理・決算

【2026年最新】記帳代行の費用相場は月額いくら?業種別・仕訳数別の料金と「格安代行」の落とし穴

【2026年最新】記帳代行の費用相場は月額いくら?業種別・仕訳数別の料金と「格安代行」の落とし穴

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この記事でわかること

  • 仕訳数別・業種別の記帳代行料金相場(2026年最新)
  • クラウド会計連動で料金がどう変わるか(freee/マネーフォワード対応事務所の実例)
  • 「税理士」vs「無資格の代行業者」の決定的な違い
  • 格安代行の落とし穴と、税理士インタビューから見えた依頼判断軸
  • インボイス制度・電子帳簿保存法を踏まえた2026年の最新動向
「本業が忙しくて、領収書が箱の中で山積みになっている」「会計ソフトを買ったけど、結局3ヶ月放置している」——。そんな経営者・フリーランスの方に救世主となるのが「記帳代行(きちょうだいこう)」です。

結論からいえば、記帳代行の料金相場は月額5,000円〜3万円。ただし、仕訳数だけでなく「業種」「クラウド会計の活用度」「インボイス・電子帳簿保存法への対応」によって大きく変動します。

本記事では、当サイト「良い税理士」に登録された25,255件の税理士事務所データと、実際にインタビューしてきた税理士の声をもとに、2026年現在の記帳代行費用の全貌を解説します。

仕訳数(取引数)別の料金相場表

記帳代行の料金は「毎月何枚の領収書や通帳の行数があるか(仕訳数)」で決まる従量課金制がほとんどです。

仕訳数とは、簡単にいえば「取引の件数」のこと。100枚の領収書があれば約100仕訳、銀行口座の入出金が30件あれば30仕訳と数えます。
仕訳数別の記帳代行料金相場表
月間の仕訳数(目安)料金相場(月額)どんな会社?
〜50仕訳3,000円 〜 5,000円ITフリーランス、副業など取引が少ない方
〜100仕訳5,000円 〜 10,000円小規模な飲食店や美容室、1人社長の法人
〜200仕訳15,000円 〜 20,000円従業員がいる店舗、取引先が多い企業
〜300仕訳20,000円 〜 25,000円社員数名規模の中小企業
300仕訳以上25,000円 〜 別途見積取引が活発な中小企業。経理担当を雇うか迷うライン
※当サイト登録25,255件の税理士事務所データに基づく相場感。クラウド会計連動の有無、業種、地域により変動します。

業種別の料金相場と「特殊事情」

同じ仕訳数でも、業種によって料金は大きく変わります。複雑な仕訳が発生する業種は15〜30%増しになることが一般的です。
業種料金の特徴理由
飲食店相場より10〜20%高め日々の小口現金処理、レジ売上の日次集計が多い
EC・小売相場より20〜30%高めAmazon・楽天など複数プラットフォームの売上手数料処理、在庫管理
建設業相場より15〜25%高め工事進行基準、原価管理、外注費の処理が複雑
IT・フリーランス相場より5〜15%安めクラウド会計と相性が良く、自動仕訳が効きやすい
不動産賃貸相場より10〜20%安め取引パターンが定型化、仕訳が少なめ

【実例】「記帳屋」だった4〜5年と、抜け出した転機

ルチェーレ会計事務所は大阪・南船場で140社を支援する事務所(飲食店3割・美容室サロン2〜3割と店舗型ビジネスが中心)。代表の西野善博氏は、独立直後の記帳代行中心時代を率直に振り返ります。

お客さんゼロのスタートです。実家の一室から始めました。ほんとは最初からコンサルをやっていきたかったんですけど、まずは食べていかなきゃいけない。ちょっと安い値段で記帳代行メインのお客さんを取って、件数を増やして……。気づいたら、自分のやりたいところとは全く違うところに時間を使わないといけない日々が4〜5年ぐらい続きました。いわゆる「記帳屋」ですね。

ルチェーレ会計事務所(大阪・南船場)西野善博氏 — 140社支援・店舗型ビジネス特化・財務コンサルへ転換(インタビュー全文)

「税理士」vs「記帳代行業者」どっちに頼むべきか

記帳代行を依頼できる先は、大きく2種類あります。「税理士事務所」「無資格の記帳代行業者」です。一見同じサービスに見えますが、決定的な違いがあります。
税理士と記帳代行業者の比較
依頼先メリットデメリット
記帳代行業者(無資格)料金がとにかく安い(月3,000円〜)。スピードが早い。税務申告(決算)ができない。決算だけ別の税理士を探す必要があり、トータルで割高になることも
税理士事務所記帳から決算申告までワンストップ。節税アドバイスがもらえる。税務調査の立会も可能業者に比べると月額費用が数千円高い場合がある

法律上の重要なポイント

無資格の業者が「税務書類の作成」「税務相談」を行うことは税理士法違反です。記帳代行はOKでも、申告書の作成は税理士の独占業務。「申告も格安でやります」と謳う業者は要注意。

クラウド会計連動で料金はどう変わる?

freeeやマネーフォワードなどのクラウド会計を活用すると、銀行・クレカ・売上データが自動で取り込まれるため、純粋な「入力作業」は大幅に減ります。これにより記帳代行の料金は20〜40%下がるのが一般的です。
経理体制〜100仕訳の月額相場備考
紙資料を郵送・手入力8,000〜12,000円従来型の記帳代行
クラウド会計+自動仕訳5,000〜8,000円銀行・クレカ連携で入力作業が半減
クラウド会計+AI仕訳学習済み3,000〜6,000円半年〜1年運用後、AIが学習して人手は確認のみ

【実例】クラウド会計の初期設定こそが本質

髙嶋のぞみ税理士事務所は、5つの税理士事務所での勤務経験を経て2024年4月に八王子で独立。「会計がやさしく見えてくる」を理念に、オーダーメイド会計マニュアルが特徴です。代表の髙嶋のぞみ氏は、クラウド会計を活用する際の最重要ポイントについて次のように語っています。

クラウド会計は初期設定がものすごく大事です。ほとんどの方は初期設定のまま使い続けてしまいますが、それでは使いづらい状態を放置しているのと同じなんです。…たとえば、マネーフォワード経費でスマホからレシートを撮影した時、画面に表示される経費科目の一覧。初期設定だと使わないであろう経費科目も含めて並んでいるため、大量の選択肢の中からスクロールして探さなければなりません。でも、お客様が日頃よく使う経費科目は限られています。よく使うものを上位に並べ替えてあげるだけで、入力のストレスが激減するんです。

髙嶋のぞみ税理士事務所(東京・八王子)髙嶋のぞみ氏 — 2024年4月独立・5事務所経験・オーダーメイド会計マニュアル(インタビュー全文)

【実例】定型処理×AI自動化でひとり税理士が回せる仕組み

税理士米世毅事務所は、資生堂で約25年ファイナンス×国際領域のキャリアを歩んだ米世毅氏が、2024年10月に横浜市港北区で独立開業。自宅・PC1台のミニマル体制で、freee MCP×Claudeを駆使しています。米世氏は記帳業務のAI化について次のように語っています。

まず、お客様の月次チェックと年次チェックはもうAIに任せています。うちの顧問先はITエンジニアが中心で、新規の取引先を増やそうとかいう動きがあまりないので、取引が定型的なんです。freeeの自動登録ルールをフル活用して自計化しているので、年間を通してチェックして直して、決算前に一気に仕上げる——という流れでやっています。…うちは意図的にITエンジニアに客層を絞って、定型処理に集中できる体制にしているからこそ、AIでの自動化と相性がいいんです。

税理士米世毅事務所(横浜・港北区)米世毅氏 — 元資生堂25年・2024年10月開業・freee MCP×Claude×エンジニア特化(インタビュー全文)

会計ソフト別の関連記事

freee対応税理士は「freeeに強い税理士おすすめ」、マネーフォワード対応税理士は「マネーフォワードに強い税理士おすすめ」で各社の特徴を比較できます。

記帳代行を依頼するベストタイミング

記帳代行を導入する「最適な時期」は明確に存在します。タイミングを誤ると、移行コストや申告ミスのリスクが上がります。

依頼タイミングのベスト3

創業時・開業時:会計ソフトの初期設定と同時に依頼すれば、データを最初から綺麗に整えられる。「会社設立の流れ」とセットで検討
事業年度の期首:法人なら決算月の翌月。前期の数字が確定しており、新体制への移行がクリーン
人手不足が顕在化した時:経理担当者が退職、または本人(経営者)の経理時間が月10時間を超えたら、外注の方が圧倒的に安い

避けるべきタイミング

決算3ヶ月前〜申告完了まではNG。新しい記帳代行先に過去データを引き継ぐ作業が、決算作業と重なって混乱します。確定申告シーズン中(1〜3月)は税理士の繁忙期で、新規受付を断られることも。

【実例】設立期から関与する事務所の創業支援

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千葉・船橋でAI・クラウドを主軸に据えるYAAC税理士事務所は、freee五つ星を取得し創業期の経営者を多く支援する事務所(4名体制)。代表の山田直広氏は、創業期からの関与スタイルについて次のように語っています。

創業支援に力を入れてきたので、設立当初から関与しているお客様が7〜8割です。業種は特に絞っていなくて、ITから飲食、建築、自動車販売まで本当にさまざまですね。…対応は基本Zoomなので地域も限定していません。一番遠い方だと鹿児島。同じ千葉県内でも一度もお会いしたことがない方もいらっしゃいます。

YAAC税理士事務所(千葉・船橋)山田直広氏 — 4名体制・freee五つ星・AI/クラウド主軸・創業期7-8割・全国対応(インタビュー全文

格安記帳代行の落とし穴と「事務所選びの判断軸」

「月3,000円で記帳代行!」という広告は魅力的ですが、安さの裏には必ずサービス範囲の制限があります。

格安代行で起きがちな5つのトラブル

仕訳ミスの発生:勘定科目の判断が機械的で、本業の実態と合わない処理になる
消費税区分の誤り:インボイス対応・軽減税率の判断が甘く、過大納税や追徴課税のリスク
決算時に膨大な修正:「申告は別」の場合、税理士が一からデータを見直すため、結局二度手間
税務調査時に対応できない:無資格業者は立会不可。経営者一人で対応する羽目に
クラウド会計の初期設定が放置:自動仕訳のルールがメチャクチャで、後から大手術が必要

事務所選びで必ず確認すべき5項目

申告まで一気通貫か:「記帳のみ」契約だと、決算時に別途料金が発生することも
クラウド会計の対応実績:freee/マネーフォワード/弥生のうち、自社が使っているソフトに精通しているか
業種理解:自社と同業種の顧問実績があるか。飲食・EC・建設は特に重要
レスポンスの速度:質問への返信が1〜2営業日以内か。「月1回しか連絡しません」は要注意
記帳ミス発生時の対応:保険加入の有無、過誤訂正のポリシー

【実例】「シンプルな料金体系×訪問なし」のオンライン完結事務所

千葉県の海老名佑介税理士事務所は、「ひとり社長専門×オンライン完結」を掲げる事務所。マネーフォワードのスキャンセンターを活用した記帳代行から、チャット中心の顧問業務まで、合理的なやり取りで全国の小規模法人を支援しています。代表の海老名佑介氏は、料金体系のシンプルさについて次のように語っています。

一番のモットーは、無駄なお金をいただいて無駄なサービスを提供しないということです。訪問する、電話する、立派な事務所を構える。それだけで余計な工数がかかる。その工数を顧問料として、お客様に請求することになるわけですよね。…これまでの会計事務所の料金って、携帯の料金プランかと思うくらい複雑なところがあるんですよね。オプションがどんどん足されていく。うちはもうシンプルに、わかりやすく。割り切ることで、お客様にもわかりやすいし、こちらも管理がしやすい。

海老名佑介税理士事務所(千葉)海老名佑介氏 — ひとり社長専門・オンライン完結・代表直接対応(インタビュー全文

2026年最新動向:インボイス・電子帳簿保存法の影響

2023年10月のインボイス制度開始、2024年1月の電子帳簿保存法本格化により、記帳代行の料金構造にも変化が出ています。

2026年に押さえるべき3つの変化

適格請求書(インボイス)対応のための仕訳が増加:取引先ごとの登録番号確認、税区分の細分化で、仕訳1件あたりの工数が15〜20%増。料金もその分上昇傾向
電子帳簿保存法への対応必須化:電子取引データの保存ルールに従う必要があり、クラウド会計の活用が事実上必須に
AI仕訳の精度向上:マネーフォワード・freeeともにAI自動仕訳の精度が大幅向上。月100仕訳までならAI+人間チェックで月5,000円台も実現可能

費用を安く抑えるためのコツ

依頼前にここをチェック

現金払いを減らす:クレジットカードやネットバンキングを使えば、データを自動連携(API連携)できるため、手入力の手間が減り、値引き交渉しやすくなります
資料を整理して渡す:領収書を月別・日別にホチキス留めして渡すだけで、追加料金(整理料)を取られずに済みます
特急対応を避ける:確定申告直前に1年分をまとめて依頼すると倍額近くなります。毎月コツコツ送るのが最安
顧問契約とセットにする:単発の記帳代行より、顧問契約とのセット料金の方が15〜30%安いことが多い
会計ソフトを自社で持つ:「ソフト料込み」より自社契約の方がトータルで安いケース多数

まとめ:記帳代行を「コスト」から「投資」に変える

記帳代行で失敗しないための4つのポイント

「料金の安さ」だけで選ばない:仕訳ミスや申告対応の質を考えると、安物買いの銭失いに。サービス範囲を明文化
クラウド会計を前提に選ぶ:2026年以降は電帳法・インボイスへの対応で、クラウド会計連動が事実上必須
業種理解のある事務所を選ぶ:飲食・EC・建設など、自社と同業種の顧問実績がある事務所が安全
「申告まで一気通貫」か確認:記帳と申告が別契約だと、トータルで割高になりがち
記帳代行は「面倒な作業を外注する」だけのサービスではありません。適切な事務所を選べば、月次決算の早期化・節税提案・融資相談まで連動します。価格表だけで決めず、自社の業種と成長フェーズに合った事務所を選びましょう。

よくある質問(FAQ)

Q. 記帳代行を頼むと確定申告もやってもらえますか?

A. 税理士事務所に記帳代行を依頼した場合は、確定申告もセットで対応してもらえるのが一般的です。一方、無資格の記帳代行業者は税務申告ができないため、決算時期に別途税理士を探す必要があります。トータルコストで考えると、税理士事務所への一括依頼が効率的です。

Q. 領収書はどのように渡せばいいですか?

A. 多くの事務所では、月ごとに領収書・通帳コピーをまとめて郵送する方法が一般的です。最近はスマホで撮影してクラウド共有する方法も増えています。日付順に整理して渡すと追加の整理料がかからず、費用を抑えられます。

Q. 自分で会計ソフトに入力するのと、記帳代行はどちらがお得ですか?

A. 月間仕訳数が少なく(50件以下)、会計ソフトの操作に抵抗がなければ自計化の方が安くなります。ただし、入力ミスや仕訳の判断ミスによる税務リスクを考慮すると、本業に集中して記帳代行に任せた方がトータルでは効率的というケースも多いです。

Q. クラウド会計を使っていない場合でも依頼できますか?

A. 紙資料の手入力にも対応している事務所は多数あります。ただし、料金は20〜30%高くなる傾向です。長期的にはクラウド会計の導入を含めた提案ができる事務所を選ぶと、3年スパンでコストが大きく下がります。

Q. 飲食店ですが、日々の現金売上はどう処理しますか?

A. 日次の売上集計票(POSデータでもOK)を渡せば、税理士事務所側で集計仕訳を作成します。POSレジとクラウド会計を連携できるサービス(Airレジ・スマレジ等)を使えば、自動連携が可能で記帳代行の料金も抑えられます。

Q. インボイス制度に対応していない取引先がある場合は?

A. 適格請求書発行事業者でない取引先からの仕入れは、消費税の仕入税額控除に経過措置(2026年9月までは80%控除)が適用されます。仕訳時に区分する必要があるため、記帳代行先がインボイス対応に精通しているかを必ず確認してください。

Q. 月の途中で依頼することはできますか?

A. 可能ですが、事業年度(決算期)の途中だと過去分の遡及記帳が必要になり、追加料金が発生することがあります。理想は事業年度の期首から、現実的には四半期の区切りからの依頼がスムーズです。

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記帳代行だけでなく、確定申告まで含めた費用を知りたい方は「確定申告の税理士費用の相場」もご覧ください。顧問契約全体の料金については「税理士の費用・顧問料の相場」、税理士の選び方は「税理士の選び方完全ガイド」で解説しています。

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※本記事の内容は、執筆時点での一般的な情報に基づき作成されています。税理士資格を持たないライターが執筆しており、最新の税法や個別の事情に対応していない可能性があります。正確な情報や判断については、必ず税理士等の専門家にご相談ください。