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会計チェックの後の”雑談”にこそ、社長の本音がある ——横浜の「聴く税理士」海老原大輔

会計チェックの後の”雑談”にこそ、社長の本音がある ——横浜の「聴く税理士」海老原大輔

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海老原 大輔(えびはら だいすけ)|えびはら税理士事務所 代表税理士

1975年神奈川県生まれ。カー用品店の営業職を経て、2002年に税理士事務所へ転職。20年超の勤務を経て、2023年4月に川崎市の武蔵小杉にて独立開業。2025年3月に事務所拡大のため、現在の横浜市都筑区(センター南)へ移転。経営心理士、GCS認定コーチの資格を持ち、毎月の訪問を通じて経営者の声に耳を傾けるスタイルを貫く。法人顧問を中心に、建設業をはじめ幅広い業種の中小企業を支援。

数字の話が終わってからが、本番

インタビュアー: えびはら税理士事務所の特徴を教えてください。

海老原様:
横浜市都筑区のセンター南に事務所を構えています。スタッフは私を含めて5名で、社員が1名、パートが3名。2023年の4月に開業して、今年で3年目ですね。お客様は法人の顧問がメインで、業種でいうと建設業が多いです。地域は横浜市内がほとんどで、一部東京や川崎のお客様もいます。

基本的に対面での訪問を大事にしているので、通える範囲のお客様とお付き合いしています。オンラインでの対応はやっていません。やっぱり顔を合わせて話さないと見えてこないものがあるので。銀行とのつながりも強いほうで、最近は金融機関からの紹介で新規のお客様が増えてきています。創業融資のお手伝いもやっているので、これから会社を立ち上げたいという方のご相談も受けていますね。

インタビュアー: 毎月の訪問では、具体的にどんなことを?

海老原様:
まず会計のチェックをして、短期の経営計画と実際の数字に乖離がないか確認して、試算表を締めて会社の状況をご説明する。ここまではどこの税理士もやることだと思います。

うちが少し違うのは、その後の時間が長いんですよ。会計の話が終わった後の雑談が、けっこう長いんです(笑)。でもこの雑談の中に社長の本音が出てくる。「今年は7,000万だったけど、来期は1億いきたいんだよね」と社長がぽろっと言う。じゃあ本当にいけるのか、根拠はあるのか、何が足りないのか——そういうことを、雑談の延長で一緒に考えていくんです。

採用の話が出てきたり、助成金が使えるんじゃないかという話になったり。社長って、従業員にはなかなか相談できないことが多いんですよね。「経営者は孤独なんですよ」と本音を話してくれた社長もいました。ある会社に訪問したとき、ほぼ雑談しかしていなかったんですが、帰り際に社長から「今日はいろいろ話を聴いてもらって元気が出たよ」と言われたことがあって。数字を見せることだけが僕の仕事じゃないんだな、と改めて思いましたね。

実は、この「聴く」ということに関しては、経営心理士やコーチングの資格も取っているんです。銀座コーチングスクールでGCSの認定資格を取りました。独立前に、働きながらですね。

きっかけは、中小企業の経営者ってアドバイスしても基本的には言うことを聞いてくれないということでした(笑)。数字を見せて「ここを改善しましょう」と言っても動かない。それがずっともどかしくて。たまたま参加したセミナーで心理学に出会って、人は正論では動かない、自分の中にある答えに気づいたときに動き出すということを学んだんです。

僕の訪問で雑談が長いのは、実はコーチングの要素が入っているんですよ。社長が本音を話してくれないと、本当の課題は見えてこない。そのためにはまず信頼関係が必要で、信頼関係を作るには「聴く」ことが大事なんです。

税理士って、実は話す力が強い職業なんですよ。数字の説明、税法の解説、改善の提案——話すことばかり。でも本当に大事なのは、社長が話してくれること。社長が話してくれないと、こちらとの意思統一すらできませんから。
カー用品店の営業マンから税理士へ——転職、下積み、そして独立

インタビュアー: 海老原先生はもともとまったく違う業界にいらっしゃったそうですね。税理士を目指されたきっかけから聞かせてください。

海老原様:
はい、カー用品店で営業をやっていました。部門ごとに裁量を持たせてもらっていて、取引先に中小企業が多かったので、いろんな社長さんと自然に仲良くなりました。

20代半ばのときに、取引先の社長が3人、同時に自ら命を絶ったんです。そのうちの1人は、すごく仲良くしていた方でした。本当にショックで……。自分はまだ若かったので何が起きたのかすぐには理解できなかったんですが、「中小企業の社長って、こんなに大変なんだ」ということだけは強烈に伝わりました。

「そうならないための支援ができる仕事に就きたい」——そう思ったんです。コンサルタントとか公認会計士も考えましたが、たまたまカー用品店の上司の大学の同期にTKCの職員がいて、その人と話しているうちに「税理士」という仕事が見えてきた。そこから専門学校に通い始めて、簿記の勉強を始めました。

ただ、税理士事務所への転職は簡単じゃなかったですね。たくさんの事務所に断られました。あまりにも畑違いすぎて(笑)。結局、そのTKCの方の紹介でようやく一つの事務所に入れたんです。2002年のことです。

入ったときはおばあちゃん先生が所長の、正社員5名のアットホームな事務所でした。そのうち所長の息子さんが入ってきたんですが、この方がかなり優秀で。中小企業診断士の資格を持っていて、コンサルティングの講師をやるような方だったんです。税務の実務だけじゃなく、会社をどう立て直すか、経営者とどう向き合うか。教科書には載っていないことをたくさん学ばせてもらいました。あの20年がなかったら、今の自分はないと思います。

事務所を継ぐ話もあったんですが、先生もまだまだご自身でやっていく意志がありましたし、僕自身もいつかは自分の事務所を持ちたいという気持ちがずっとあった。

独立したのは48歳のときです。なぜ48歳かというと、父親が48歳で亡くなっているんです。だから「48歳まではちゃんと働こう」とずっと決めていました。独立って不安定じゃないですか。勤めていた事務所は居心地もよかったし、20年以上いればそれなりにポジションもある。でもいつまでも自由に動けない状態でいたくなかった。48歳になったとき、「ここからは自分でやろう」と。2023年の3月に円満退職して、翌月の4月1日に開業しました。
横浜の中小企業をもっと元気に——これからの10年

インタビュアー: 開業3年目を迎えた今、これからの展望を聞かせてください。

海老原様:
あと10年は第一線でやりたいと思っています。横浜の中小企業を活性化させたいので、お客様の数を増やしていきたいですね。今は顧問先が40社くらいなんですが、100社くらいまで持っていきたい。スタッフも増やして、事務所ももう少し広いところに移りたいなと。

前の事務所の診断士の先生の影響で、M&Aの仲介もやっていましたし、事業承継のお手伝いもよくやります。相続や資産税は積極的にはやっていないですね。スポット的な仕事なので、関わりが一回で終わってしまう。料金的にはおいしいんですけど(笑)、僕は毎月お客様と顔を合わせて、長く一緒に歩いていく仕事がしたいんです。

数字を把握していない経営者が、あまりにも多すぎます。厳しい言い方になりますが、数字を見ていないということは、経営していないのと同じだと僕は思っています。資金繰りが悪くなっても「借り入れがあるから大丈夫」と言う社長を何人も見てきました。でも、毎月ちゃんと数字を見るだけで、お金の使い方は変わっていくんです。よっぽどのことがなければ、利益が出るようになっていきます。

僕は、「いっぱい儲けて、いっぱい税金を払う。それは地域経済の活性化であり、社会貢献なんだ」と思っています。だから、会社が積極的に大きくなっていく支援をさせてもらいたい。

うちは顧問料を年商ベースで見直すんです。だから会社が成長すれば顧問料も上がる。それでいいと思っています。「会社を大きくして、顧問料を上げてください」って、僕はお客様に堂々と言いますよ(笑)。

記帳代行して決算書を作って、それを共有して終わりという事務所もあると思います。でも僕がやりたいのは、経営者の隣で、数字も悩みも一緒に見ていくこと。そういう税理士を探している方がいたら、ぜひ一度お話しさせてください。

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取材後記

「数字を見せることだけが僕の仕事じゃない」——海老原先生の言葉には、20年以上の下積みと、経営者への深い共感がにじんでいました。

カー用品店の営業マンとして出会った社長たちの苦悩。その原体験が、「聴く税理士」という独自のスタイルを生み出しました。経営心理士やコーチングの資格を取得し、数字の報告が終わった後の「雑談」の時間にこそ力を注ぐ。一見遠回りに見えるその姿勢が、経営者の本音を引き出し、本質的な課題解決につながっているのだと感じました。

「いっぱい儲けて、いっぱい税金を払う。それが社会貢献」——顧問先40社から100社へ。横浜の中小企業を元気にしたいという海老原先生の挑戦は、まだ始まったばかりです。

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