調査する側を知り尽くした、相続税専門。元国税の視点で香川の家族を守る遠藤直樹税理士事務所

遠藤直樹(えんどう なおき):遠藤直樹税理士事務所 代表/税理士
昭和47年(1972年)、香川県高松市生まれ。映画『マルサの女』に憧れて税務職員を志し、高校卒業後の平成3年に高松国税局へ採用される。以後28年間、相続税・贈与税を中心とした資産税の調査事務に従事し、数百件の相続調査の現場を経験。令和元年(2019年)に相続税専門の遠藤直樹税理士事務所を開業した。「調査する側」を知り尽くした視点を強みに、税務調査が入りにくい申告と、依頼者を不安にさせない丁寧な伴走を信条とする。対応エリアは香川県全域。
税務職員として28年勤務の後に独立開業されていますが、税務職員を目指されたのは、どんなきっかけだったんですか。
きっかけは、映画『マルサの女』なんです。当時は税務署の仕事の中身まで分かっていたわけではないんですが、売上を隠している経営者なんかに対して、調査官がそれを暴いていく——その姿が、純粋に「かっこいいな」と思ったんですよね。
ちょうど中学生くらいの頃にその印象が残っていて。私は高校を卒業してすぐ就職する予定だったので、就職先として公務員を念頭に置いて探していたんです。そのときに、ふと『マルサの女』で観た税務職員のことを思い出して。それで税務の道に進みました。平成3年のことです。
そこから28年間、相続税の調査を中心にやってこられました。今も印象に残っていることはありますか。
調査というのは、基本的に「申告内容が間違っているんではないか」というところへ行くわけです。私は相続の調査がメインだったので、お金のこと、それから親族間の争いを、本当にたくさん見てきました。「税金がもったいない」「あの親族には渡したくない」——そういう生々しい場面ですね。
実は、高松国税局には職員が1,600人ほどいるんですが、そのうち相続を扱う資産課税の側は100人くらい。けっこう少数派なんです。一応、希望は出して入ったんですが、正直に言うと第一希望ではなくて(笑)。確か、第一希望は「法人税部門」と書いた気がします。国税の中でも異動はありますから、総務や会計といった経験もしてきました。
ただ、調査というのはどうしても「勝ち負け」の世界なんですね。長くやっていると、人相も悪くなったかもしれません(笑)。
「調査する側」を長く務めるなかで、納税者の方を見ていて感じていたことはありますか。
「ちゃんと、うまくやっていれば節税につながったのにな」ということは、よくありました。知らなかったばかりに、本来は払わなくてよかった税金を払っている。そういうケースを、調査の現場で何度も目にしてきたんです。
数ある分野のなかで、あえて「相続専門」に絞られたのはなぜでしょう。
高齢化社会が進んでいく中で自分の経験が一番生かせる「相続税」というところに集中する、という選択です。

ホームページに「税務調査率3%」(一般的には約10%)と掲げておられます。この数字は、どうやって実現しているんですか。
これはもう、シンプルに「税務署がどこを見て調査に行くか」を分かっているから、です。立場が変わって、調査する側から納税者を支える側になったわけですが、税務職員がどういうところに目をつけるのか、そのポイントを押さえながら申告書を作っていく。どこが間違えやすいのか、どこを税務署が見ているのか——そこが分かっているのは、やはり強みだと思います。
元調査官の視点だからこそできる対策というと、具体的にはどんなものでしょう。
典型的なのは、家族名義の預金ですね。良くも悪くも、お客様からよく質問を受けます。「これはどこまで申告すべきなのか」と。実は、この「名義預金なのか、贈与なのか」という判断の入り口から間違っているケースが、けっこう多いんです。名義は家族のものでも実質はご本人の財産、ということがある。ここを正しく見極めることが大事です。最近はインターネット上にも情報がだいぶ出てきたので、以前より誤解は少なくなってきてはいますけれどね。
「開業以来トラブルゼロ」が誇りだと書かれていました。そのために大切にされていることは。
いちばんは、お客様をほったらかしにしないことです。相続税の申告期限は、相続が起きてから10ヶ月。どうしても、お客様に待っていただく期間が生じるんですね。その期間も、お会いして話を聞いたり、今どういう状況かをご説明したり。お会いできなくても、連絡を入れて「困っていることはないですか」と確認したり。とにかく、お客様に不安を与えないようにしています。
実際、「前の税理士さんとコミュニケーションが足りなくて」と、私のところに来られる方も多いんです。もちろん、すでに別の税理士さんが着手されていて、お引き受けできないケースもあるんですが。
相続のご相談に来られる方は、どんな不安からスタートされるんでしょう。
多いのは「結局、納税額はいくらになるのか」、それから「そもそも何を揃えていけばいいのか」。本当にそこからのスタートなんです。税金って、法律ですから、とにかく難しく書いてある。知識がない状態で始めることになるので、だからこそ専門家としてお手伝いしたい、という思いがあります。
ですから、まずはタイムスケジュールのご説明から入ります。必要な書類が揃って、私が知りたいことに答えていただければ、あとは問題なく進められますので。最初の段階である程度の税額は見えてくるので、そこで概算までお伝えしてしまうことが多いですね。
なかには、申告期限ギリギリになって駆け込んで来られる方もいます。そういう場合は、つきっきりで、週に何度もお会いして、なんとか仕上げます。いわゆる「争続(争う相続)」のパターンの方も少なくないので、そういうときこそ、しっかり伴走するようにしています。

これまで印象に残っているのは、どんな成果でしょうか。
節税というと派手な話を期待されるかもしれませんが、相続税の節税は、基本的に相続が始まる前にしかできないんです。生前に対策ができるお客様は、実はごく一握り。ですから、私の仕事の本質はむしろ、申告した後に税務署から調査が入らない申告書を作ることにあります。
お客様に何より喜んでいただけるのは、申告のあとに「何もないこと」なんですよ。調査の連絡が来ない、波風が立たない。地味なようでいて、これがいちばんの安心なんだと思います。
ご依頼は香川県内でしたらどこへでも伺います。割合でいうと、半分くらいが高松、丸亀や坂出が2割5分、残りが県内のあちこち、という感じですね。亡くなった方が香川で、相続人の方が東京や大阪にいらっしゃるというケースも多いので、県外に出向くこともあります。
地元・香川への思いも伺えますか。「里海づくりパートナー」にも参画されていますね。
私は転勤が多かったので、これまでなかなか香川にいられなかったんです。それでも地元として好きですし、何か機会があればお手伝いしたいという気持ちはずっとあって。
きっかけの一つは、香川県に「あなぶきアリーナ」ができたことです。「世界一きれいなアリーナ」とも言われていて、これができてから、本当にいろいろなアーティストの方々が来るようになった。世界が変わったくらいの感覚です。そのアリーナが海沿いにあるので、「だったら海を綺麗にする活動に参加してみようかな」と。そんな素直な気持ちで里海づくりに関わっています。
最後に、これから相続を考える香川県の方々へメッセージをお願いします。
とにかく、早めにご相談いただくのがいちばんです。相続が始まる前でも、始まった後でも構いません。始まる前であれば、節税の対策もできます。たとえば100万〜200万円ほどの節税であれば、早めにご相談いただくだけでも十分に実現できることが多いんです。逆に、相続が始まった後で、申告期限ギリギリになってしまうと、どうしても“特急料金”のようにコストがかかってしまう。
どんなお立場の方でも大丈夫です。ある程度の資産額があるかどうか、大まかなご資産と、ご家族の人間関係——そのあたりだけ教えていただければ、まずはお話を伺えます。難しく考えず、気軽に声をかけていただけたら嬉しいです。
遠藤直樹税理士事務所の詳細はこちら
取材後記
「軌道に乗ったとは思っていないんです」と笑う遠藤さんの言葉に、この方の誠実さが詰まっていると感じました。28年間、相続調査の最前線で「申告書の誤り」を見極めてきた元国税調査官。その経歴だけ聞くと身構えてしまいそうですが、お話ししてみると、終始やわらかく、どこか飄々とした語り口です。
印象的だったのは、「お客様がいちばん喜ぶのは“何もないこと”」という一言でした。派手な節税額ではなく、申告のあとに調査の連絡が来ない——その静かな安心こそが、調査する側を知り尽くした人にしか作れない価値なのだと腑に落ちました。名義預金の判断、税務署が見ているポイント。同じ申告書でも、知っている人が作るのとそうでないのとでは、まるで意味が違うのだと思います。
申告期限まで、お客様を「ほったらかしにしない」。連絡を絶やさず、不安を残さない。その地道な伴走が、開業以来のトラブルゼロを支えているのでしょう。相続というデリケートなテーマだからこそ、こうして淡々と、しかし確かに寄り添ってくれる専門家の存在は心強いはずです。香川で相続に向き合う方は、ぜひ一度、早めに扉を叩いてみてください。
あなたに合った税理士、見つかります
インタビューで気になった税理士への相談も、他の税理士の紹介も、すべて無料。
良い税理士のコンシェルジュにお任せください。
※ 本インタビューの内容は取材時点のものです。事務所の体制やサービス内容は変更される可能性があります。最新の情報については各事務所に直接お問い合わせください。