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年商60億・社員639名・29期連続増収——今なお成長を続けるランドマーク税理士法人、創業者と後継者が明かす経営の全貌

年商60億・社員639名・29期連続増収——今なお成長を続けるランドマーク税理士法人、創業者と後継者が明かす経営の全貌

清田幸弘(せいた ゆきひろ)|ランドマーク税理士法人 代表社員 税理士

神奈川県出身。農業協同組合に9年間勤務し金融営業を担当した後、税理士資格を取得し1997年にプレハブ小屋で開業。金融機関や不動産会社向けに年間300回近いセミナーを全国で実施し、相続税のプロフェッショナルとしての地位を確立。M&Aに頼らず29期連続増収で全国15拠点・社員639名の組織へと成長させた。日経新聞全面広告、竹中平蔵氏との共同セミナー、テレビCMなど税理士業界初のマスマーケティングを次々と展開。年間約1,000件以上の相続税申告を手がけ、TKC全国会で法人・個人ともに日本一の規模を誇る。著書に『相続専門の税理士、父の相続を担当する』(共著)など。

清田幸佑(せいた こうすけ)|ランドマーク税理士法人 公認会計士・税理士

代表・清田幸弘の次男。高校時代から税理士の道を志し、在学中に公認会計士試験に合格。監査法人で実務経験を積んだ後、25歳でランドマーク税理士法人に入社。現在は月次監査・相続業務を担いながら、年間約100回のセミナー登壇や日経CNBC「ラララ相続」への出演など、次世代の”顔”として情報発信に力を入れている。

全国15拠点・社員639名。「仕事に人がつく」組織のかたち

まず、ランドマーク税理士法人の全体像を教えてください。

清田幸弘氏(以下 幸弘):
現在(※2026年4月)、全国15拠点で社員639名、うち正社員が約340名です。今年の夏には新横浜に新たな拠点も開設します。

私たちの特徴は「オンライン同席」という仕組みです。お客様のところに担当者がiPadを持って訪問し、事務所にいる上席の税理士がオンラインで同席します。お客様のご質問にはその場ですべて即答できますし、資料はお預かりせずにすべて電送で対応する。さらに訪問の前後には必ずミーティングを行い、社内の提案マニュアルに沿ってお客様にとってベストな提案をする仕組みになっています。

会計事務所を変えたくなる理由は大体3つです。即答できない、資料をなくす、提案がない。この3つを仕組みで潰しているんです。バックオフィス機能さえあれば全国どこでも対応できるので、この体制が拠点展開の土台になっています。

相続に強い事務所という印象がありますが、実際の業務の幅はどうなのでしょうか。

幸弘:
相続が強いのは確かですが、実は個人の所得税が年間4,600件、法人顧問が1,500件あります。TKCの加盟事務所としては日本一の規模だと思います。法人は毎月の巡回監査が基本で、大規模法人のお客様はシステムが整っていることもあってオンラインで完結するケースもあります。すべての業務でオンライン同席を活用しています。

あと、事務所を「月次系」と「相続系」で完全に分けています。さらに営業部門も独立して存在する。この分業体制があるから、相続が年間1,341件あっても確定申告期に20時には電気が消える働き方ができるんです。

今年は新卒を61名採用しました。若手の担当者が1人でお客様のところに行くと、分からない質問が来るのが恐怖なんです。でもオンライン同席があれば、上席が横についているので安心して対応できる。お客様から見ても、新人を軽視されることがなくなる。教育にとっても、定着率にとっても、働き方改革にとっても、このシステムが非常に有効な一手になっています。
ランドマークタワー(横浜・みなとみらい)

幸佑さんは公認会計士として外から入られたわけですが、この品質管理体制をどう見ていますか?

清田幸佑氏(以下 幸佑):
2つの観点で優れていると感じています。

まず、品質の平準化です。何重にもわたるチェック体制、社外の担当者と社内の作成者の分離、全業務に整備されたチェックリスト——監査法人時代に見てきた決算書チェックの仕組みと同等のものが、税務の現場にも徹底されています。作る側の品質だけでなく、チェックする側の品質も担保されているんです。監査法人だとチェックリストが1,000項目ぐらいあるんですが、ランドマークにも同じような網羅的なものがあります。

もう1つは内部監査を徹底している点です。すべての拠点に内部監査を入れて、不正やコンプライアンス違反がないかをチェックしています。上場企業と変わらない、あるいはそれ以上の体制だと思います。会計士の目線から見ても、非常に安心感があります。

特にオンライン同席は本当に良い仕組みだと思いますし、これからAIなどを導入すればさらに活用の幅が広がるだろうなと感じています。
農協職員から税理士へ。プレハブ小屋で始まった挑戦

もともと農業協同組合にお勤めだったと伺いました。税理士を目指されたきっかけを教えてください。

幸弘:
たまたま私がいた農協を辞めて税理士になった方が3人ぐらいいたんです。「農協出身でも税理士になれるんだな」と、漠然と意識はしていました。

その後、退職して家業の農業を手伝うことになったのですが、当時の実家の農業収入はほとんどなかったんですよ。じゃあ税理士になるかと。農家の場合、自分の家の相続税や所得税をどう減らすかを常に考える必要がありましたし、おそらく自分が農家として家を継ぐ立場にはならないだろうと。だったら、その知識を武器にしようと思いました。

開業当時はどんなお気持ちでしたか?

幸弘:
とにかく仕事を取りに行かなきゃいけない。親戚を回り、農協を回り、知人を回り——1人でプレハブ小屋からのスタートでしたから。

ただ、農協時代は金融の営業マンをやっていて、結構成績が良かったんです(笑)。当時は金融機関を回って営業するような税理士がほとんどいなかった。だから税理士の資格を取って同じように営業をかければ、案件は来るだろうという自信はありました。実際、仕事はどんどん来ました。
プレハブ小屋から600名へ。3つの転機と成長の軌跡

そこから600名超の組織にまで成長されています。振り返って「転機」は何でしたか?

幸弘:
大きな転機は3つあります。まず人を採用するかどうか次に男性を採用するかどうか——当初は女性スタッフだけでしたから。そして税理士を雇うかどうか。個人事務所でいくか、組織として大きくするか。1997年の開業から間もない頃に、私は「雇う」方向に舵を切りました。

仕事が来たから人を増やし、人が増えたらまた仕事を取ってくる。この循環が回り始めたんです。そうなると次は支店展開です。

支店展開はどのように進めていかれたのですか?

幸弘:
最初は神奈川県内でドミナント的に拠点を増やしていきました。農協や金融機関との関係がありましたから、この地域ではかなりの案件を獲得できていた。ただ、税理士という資格を持っていれば誰でも同じだと思われてしまうんですよね。年間2〜3件しか相続をやっていない税理士も、私たちのように年間100件以上やっている事務所も、同じ「税理士」として見られる。それが歯がゆかった。

さらに壁にぶつかったのが東京です。神奈川で4店舗まで増やした頃、金融機関が東京の税理士をお客様に紹介し始めた。しかも、私が税理士向けのセミナーで教えているような税理士ですよ(笑)。これではまずいと思いました。

そこで東京進出を決断されたのですね。

幸弘:
ええ。丸の内に事務所を借りました。ところが1年ぐらいやっても全然鳴かず飛ばずで。神奈川では農協や金融機関のネットワークがありましたが、東京ではゼロからのスタートです。知名度がなければ、どんなに実力があっても案件は来ませんでした。

そこで思い切ってPRに舵を切りました。まず日経新聞に全面広告を打って、竹中平蔵さんをお招きしたセミナーを日経ホールで開催しました。「ランドマーク税理士法人」と「丸の内相続大学校」を冠した企画で、2,000名近い方にご応募いただき、抽選で600名に参加してもらいました。税理士事務所が日経新聞に全面広告を出したのは、おそらく日本初だったと思います。

そこからテレビCMやAKBの一社提供番組など、さらに大胆なマーケティングを展開されていますね。

幸弘:
日経ホールのセミナーで手応えを感じたので、次はテレビに行こうと。電通と東北新社でCMを作って、サンデーモーニングに流しました。2年ぐらい関東ローカルでCMを出し続けましたね。

AKB48のメンバーの方に出てもらった「畑でMarry Me!」という番組はランドマークによる一社提供だったのですが、面白い経緯がありまして。フジテレビの営業マンと話している時に、「AKBのメンバーが農家で農業を体験する番組をやったら面白いよね」と冗談で言ったんです。そしたら本当に秋元さんのところに話を持っていかれて、実現してしまいました(笑)。2018年に一社提供で放送しました。

狙いは明確です。「普通の税理士事務所ではなく、レベルの高い事務所だ」という認知を作りたかった。税理士業界でも四大と呼ばれる大手はありますが、一般の方はほぼ知らないでしょう? 私たちは初めてマスマーケティングをやったから、やはり違う位置づけに見てもらえていると感じます。税理士事務所というより、一般企業に通じる話だと思っています。

M&Aをせずにここまで成長されたのも特筆すべき点だと思います。

幸弘:
検討したことはあります。大きな事務所と合併の話があって、20人ぐらい連れて来られるケースを検討したこともありました。でも業務品質の考え方が違いすぎました。向こうは「人に仕事がついてしまっている」組織だったんです。私たちは「仕事に人がつく」組織を目指しています。担当者個人の裁量に依存するのではなく、システムと仕組みで品質を担保する。その考え方が根本的に合わなかったんです。

毎朝30分の朝礼をネットで全拠点に配信し、具体的な税務事例——見方が分かれるような論点を上げさせて、各税理士の意見を出させ、最終的に私が総括をしています。開業以来、1日も欠かさずこれを続けています。

さらに毎年パシフィコ横浜で経営計画発表会を開催しています。5年計画を策定して全社員の前で発表する場です。400〜500名が対面で集まります。10年以上続けている取り組みです。加えて、幹部が毎月全拠点を巡回して整理整頓と進捗管理を行っています。

この毎日の朝礼の積み上げが、今の私たちの品質を作っています。徹底的にお客様の案件を獲得し、対応する体制を確立して、そこにシステムと仕組みを載せたことで徹底度が高まり、お客様満足度が上がり、紹介が増える——このサイクルが600名規模までの成長を支えてきました。

幸佑さんから見て、この朝礼や経営計画発表会はどう映っていますか?

幸佑:
正直、前の職場にはない文化でしたから少し戸惑いました(笑)。でも中に入って分かったのは、朝礼こそランドマークという組織文化の結晶であり、文化の出発点だということです。ここが一日の始まりで、ここからすべてが回り出す。非常に大事な時間なんです。

みんなで大きな声で「やるぞ!」みたいな体育会系の朝礼ではなく、情報共有と方針確認がしっかり仕組み化されたものです。今会社がどういう方向に向かっているかが社員全員に伝わりますし、幹部目線でも、その場で具体的な指示が出せるのでありがたいです。

経営計画発表会も同じで、年に1日しかないですが、全員が対面で集まることの効果は大きい。会社への結束感が生まれるんです。

全拠点を毎月回るとか、社員旅行があったりとか、割とリアルの交流を大事にする文化だと思います。社員旅行は正社員を4班に分けて3日ずつ旅行に行きます。こういったリアルな場が、結果的に会社を強くしていると感じます。

他の税理士法人がテレワークを推進している中で、逆に私たちのようなカルチャーの法人が減っているのかもしれません。リアルでの人との繋がりを大切にする。この文化が好きな人が一定数いて、結果的に離職率は非常に低いです。正社員の年間離職者は10人弱、1年目の離職率は10%を切っています。
ランドマーク税理士法人 オフィス
相続のプロフェッショナルとして——書面添付率ほぼ100%の信念

相続税に特化すると決断されたのは、どのような経緯だったのでしょうか。

幸弘:
もともとの地主層向けのサービスが原点です。相続を得意とする税理士がそもそも少ないという現実がありました。1人の税理士が年間2〜3件しか相続をやっていない世界で、私たちは年間100件以上やっている。これは明確な強みだと思いました。

その強みをアピールするために、金融機関や不動産会社に対してセミナーを積極的に実施しました。1番多い時には年間300回近く、全部自分でやっていました。例えば北海道の農協系の上部団体には10年間、4日ずつ通い続けたこともあります。全国を飛び回って、実際に圧倒的な件数をこなして、ブランドを作っていきました。

国税OBによるチェック体制など、独自の品質管理も構築されていますね。

幸弘:
横浜で年間100件近くやり始めた頃、更正の請求——つまり一度確定した税額を減らす手続き——のような高度な対応が出てきました。正直、恐怖でした。

それで東京の先端的な事務所を見に行こうと思って人脈を作り、そういった方々をお招きして「丸の内相続大学校」という勉強会を立ち上げました。結果的に自分たちでも更正の請求ができるようになりました。今は12名の国税OBがチームにいます。

書面添付制度にも積極的に取り組まれていますね。

幸弘:
日本一だと思っています。ほぼ100%、これがもう標準業務です。

書面添付をしていると、税務調査がいきなり入るのではなく、まず意見聴取の機会が設けられて、そこできちんと説明すれば調査対象にならないケースも多いんです。納税者ファーストを考えたら、やらない理由がありません。書面添付の仕組みは本当に素晴らしいので、使える制度はしっかり使わせていただいています。
「代表の息子」が350名の組織に飛び込むまで

ここからは事業承継のお話を伺います。まず幸佑さんに、税理士を目指された原点からお聞きしてもよいでしょうか。

幸佑:
将来的に税理士になることは、高校に入る前から決めていました。最短ルートで税理士になれるのが公認会計士だったので、そちらを目指しました。

監査法人には2年半いらっしゃったそうですが、当初は5年の予定だったとか。

幸佑:
はい。一般的な会計士の退職タイミングがそれぐらいかなと。自分が28歳ぐらいになる頃に入るのが1つの区切りだと考えていました。

ところがちょうどランドマークが新卒採用を始めて軌道に乗り始めた時期で、父とも相談を重ねて「新卒がこれから増えていく前に入って、社内で人間関係を作った方がいいんじゃないか」という話になり、結果的に25歳で入社することになったんです。

25歳で350名の組織に飛び込むのは、相当なプレッシャーだったのではないでしょうか。他の二代目・三代目の方にもインタビューさせていただきますが、30名規模の事務所でも「大変だった」とおっしゃる方がほとんどです。

幸佑:
不安はかなりありましたね。自分よりも一回り以上歳が離れている方も大勢いましたし、会計士試験の終了考査も控えていたこともあり、絶対に合格しないといけないという別の意味でのプレッシャーもありました。

ただ、根本は「どうにかなるだろう」という気持ちでした(笑)。

救われたのは、私たちの会社は交流の場がとにかく多いことです。入社前に社員20名ぐらいで行くハワイ研修に同行させてもらって、そこで少人数での交流ができました。入社後は全拠点の飲み会に片っ端から顔を出しました。

それと後から知ったのですが、父が私の公認会計士試験合格のタイミングから、幹部社員に「いずれ幸佑が来るよ」と伝えてくれていたらしいんです。ですので、幹部社員もウェルカムな雰囲気で迎えてくれました。同世代のメンバーも一緒に飲みに行ったり、私と同世代の社員も多かったので馴染みやすかったです。新卒採用をやっていなかったら、年の離れた先輩しかいなくて、もっと大変だったと思います。

入社されてから、どのような業務を経験されてきたのですか?

幸佑:
特にこれというミッションが最初からあったわけではなく、入社後1〜2年は通常業務として月次監査の担当者をやったり、相続の担当者をやったり。父がかつてお世話になっていたお客様のところに行って「息子さんですか!」と言われながら仕事を覚えていきました。

今は主に、父が担ってきたセミナー営業やYouTubeなど社外向けの顔としての役割を引き継いでいます。セミナーは去年だけで100回ぐらいやりました。
テレビ・YouTube・セミナー——次世代の”顔”として

日経CNBCの「ラララ相続」にも出演されていますね。情報発信への想いを聞かせてください。

幸佑:
金融機関や提携業者さんからは「見たよ」という反応が増えましたし、「若い社員に見せてあげたい」という声もいただきます。テリー伊藤さんとのコラボやQuizKnockの伊沢拓司さんとの共演は、ランドマーク自体のブランドイメージ向上にもつながっていると感じています。「あの人とコラボしたところなんだ」という見方が広がるんですよね。

QuizKnockさんはYouTube上の知名度に加えて、知的なブランドイメージがあります。各省庁ともコラボしているような団体ですし、東大出身という高リテラシーなイメージもあります。社内の新卒世代も年齢が近いので共感を持ちやすい。私たちとの相性は抜群だと判断しました。

税金のリテラシー教育にも力を入れていらっしゃるとか。

幸佑:
ここも力を入れています。地主の方の相続案件に関わると実感するのですが、おじいちゃん世代は当事者意識を持ってそこそこ知識をつけているんです。ところがお子さん世代・お孫さん世代は、サラリーマンをやっていていきなり賃貸経営者になったりします。何から始めればいいか分からず、金融リテラシーもほとんどない状態で困っている方が多いんです。

YouTubeで勉強しやすい環境を作れば、結果的にお客様のためになる。最終的にランドマークのお客様になってくれれば嬉しいですが、綺麗な言葉で言えば純粋に金融リテラシーの底上げをしたい。この取り組みは採用面でも効果が出ていて、YouTubeを見て応募してくれる方が増えています。投資的な意味合いが強い発信ですが、多方面で手応えを感じています。
父から子へ。時間をかけて受け継ぐもの

お父様の著書『相続専門の税理士、父の相続を担当する』を通じて、何か学びはありましたか?

幸佑:
ランドマーク税理士法人がなぜできたのか——その原点が、父自身の実家の相続にあったということを、文章で改めて知ることができました。なんとなくは聞いていましたが、具体的に読むと違いますね。

父がお客様の相続対策や、相続に困っている人たちを助けるためにここまで事業を拡大できたのは、そもそも父本人の悩みを多くの人が共有していたからなんですよね。自分がやるとなった時に、自分と同じ悩みを持っている人たちを助けて行きたいと考えております。

私の場合は実家の相続と、税理士法人という事業そのものの承継、この二軸があります。将来的には、それを本にできたら面白いだろうなと思っています。「父の相続を担当する2.0」ですね(笑)。

お父様として、事業を引き継ぐ上で最も大事にしていることは何ですか?

幸弘:
人を大切にすること。お客様の信頼をつなぎ止めること。紹介者の付託に応えること。この3つです。どんなに大きな組織になっても、ここを外したら終わりです。

ただ、「大事にしろ」と言うだけでは守られません。だから仕組みに落とし込んでいます。朝礼でお客様への応接記録を発表させて、私がコメントを入れる。例えば金融機関から紹介されたお客様であれば、その金融機関の商売にプラスになるような提案をしているか。保険会社から紹介されたのに、別の保険会社の商品を勝手に売ってしまう——そういうことをやる税理士は実際にいるんです。紹介いただいた方の顔を潰すような仕事は絶対にしてはいけません。

数千件の相続案件をご経験される中で、うまくいく事業承継とこじれる事業承継の違いは何だとお感じですか?

幸弘:
こじれてしまうケースで多いのは、二代目・三代目となる方の特性と、求められる役割がうまく合致していない状態のまま引き継いでしまうケースです。「この人しかいない」という消去法で決まってしまうこともあります。

成功の秘訣は「すべては時間をかけてやること」に尽きます。早い段階から引き継ぎの方策を取る。経営計画書を作り、発表会をやり、マニュアルで言語化し、決定している姿を見せる。パッとやるのが一番危ないんです。事業承継は短期で済ませられるものではありません。

私たち自身がまさにそれを実践しています。朝礼も経営計画発表会も全拠点巡回も、すべてはこの理念を日々浸透させるための仕組みですから。
2030年、売上100億円・社員1,000名の先に

2030年に向けた目標を教えてください。

幸弘:
売上100億円、社員1,000名。今は売上60億円、社員約600名ですから、毎年10億円ずつ伸ばしていく計算です。開業以来29期連続増収を続けていて、来年2027年で30周年を迎えます。

M&Aなしの自力成長で100億に到達すれば、日本でもトップ5に入れるんじゃないかと思っています。M&Aで大きくなった税理士法人も多々ありますから、自社で拠点を出して伸ばしてきた事務所としては異例の規模です。

開業当時は、隣にあった100名規模の税理士事務所を見て「あのぐらいにはなれるかな」と思っていた程度でした。当時はそこが日本一と言われていたんです。ある方に「どうなりたい?」と聞かれて「100名の事務所になりたい」と答えたら、「夢みたいなことを言うな」と怒られたこともあります(笑)。今この規模になれるとは想像もしていませんでした。

ちなみに、代替わりしたら10年ぐらいは並走してやっていこうと思っています。変わったら変わったで、すぐにバトンを渡してしまうのではなく、じっくり並走していくつもりです。

幸佑さんが描く将来像はいかがですか?

幸佑:
まずは2030年の1,000人・100億をみんなで達成すること。社内的にも目標を掲げていますし、全員がそこに向かって動いています。

その先は正直どうなっているか分かりません。ただ、AIが発達する中で、作業的な部分はどんどん減っていくと思います。逆に人と人とのリアルのコミュニケーションを大切にする人間味のある部分——これはランドマークの強みだと思っているので、そこを活かしていきたいです。

現在は税務・会計領域を主軸に成長していますが、軸を増やしたいとは思っています。2つの方向があって、1つは既存のお客様への価値提供の深化です。後継者教育やIFA業務(資産運用のアドバイス)など、今いるお客様をもっと掘り下げていく。私自身が困っていることをそのまま事業にしていきます。

もう1つは新規ターゲットの拡大で、一般事業法人向けのサービスです。この領域にはまだまだ開拓の余地があると感じており、数億円規模の事業へと拡大していくことで、組織として一段と成長できると考えています。

最後に、税理士を探している方や、相続に不安を感じている方へメッセージをお願いします。

幸弘:
徹底的にお客様目線に立って、ベストアンサーを作れる方と組んだほうがいいと思います。税理士は先生業だからと、知りもしないのに調べなかったり、知ったかぶりをしたりする人もいます。ベストアンサーを作れる方・組織を選んでほしいです。

あとは、何人か話してみて、一番いいなと思ったところにお願いするのが良いんじゃないでしょうか。
幸佑:
父の言う通りだと思います。付け加えるなら、ランドマークという組織には、一人の税理士では到底持ち得ない知見の厚みがあります。639名の知恵が集まった「ベストアンサー」をお届けできる自負があります。相続でも法人でも、まずはお気軽にご相談いただけたら嬉しいです。

ランドマーク税理士法人の詳細はこちら

取材後記

プレハブ小屋で始めた事務所を、M&Aに一切頼らず29期連続増収で全国15拠点・639名の組織にまで育て上げた清田幸弘代表。農協の営業マンとして培った行動力で年間300回のセミナーを全国で回り、日経新聞の全面広告やテレビCMで業界の常識を覆してきたその軌跡には、「税理士業界にこういう戦い方もある」という確信がありました。

一方、25歳で350名の組織に飛び込んだ幸佑さんは、「まだ朝礼やってるの?」という率直な驚きから始まり、今では「この人と人とのリアルでのコミュニケーションを大事にする文化こそが会社を強くしている」と語ります。年間100回のセミナー登壇やQuizKnockとのコラボなど、次世代の顔として着実に存在感を増しながらも、父が築いた組織文化への敬意を隠しません。その姿勢が印象的でした。

お話を伺う中で、お二人がともに繰り返された言葉が「ベストアンサー」でした。オンライン同席も、毎朝の朝礼も、書面添付も、全拠点巡回も、すべてはお客様にベストアンサーを届けるための仕組みなのだと。世代を超えて同じ言葉が自然に重なっていく様子に、この組織が受け継いできたものの輪郭が見えた気がしました。2030年、売上100億円・社員1,000名——父子が率いるランドマーク税理士法人の挑戦は、まだ加速の途上にあります。

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※ 本インタビューの内容は取材時点のものです。事務所の体制やサービス内容は変更される可能性があります。最新の情報については各事務所に直接お問い合わせください。