「悲観」で整え、経営者の「楽観」を支える——「仕立て屋」スタイルで向き合う澁谷税理士事務所

澁谷 修平(しぶや しゅうへい):澁谷税理士事務所 代表/税理士
1988年生まれ。メーカーの総合職としてキャリアをスタートし、技術者と日常的に協働するなかで「自身も専門性をもって、本質的にクライアントのビジネスに関わってゆきたい」との思いから、税理士へキャリアチェンジ。会計事務所、大手税理士法人での実務を経て、東京都練馬区にて澁谷税理士事務所を開業。所長税理士本人が直接担当するスタイルで、IT業や専門サービス業など「手に職」を持つ経営者を中心に、全国対応で支援を行っている。
まず澁谷先生の事務所が、現在どのようなお客様を中心にご支援されているのか、教えてください。
業種は限定しておりませんが、現状、比較的IT業や専門サービス業など、何かしら「手に職」を持っているクライアント様が多くなっております。私自身が1988年生まれですが、ご相談に来られる方々の年齢層も、比較的近い年代の経営者の方が多い印象です。
規模は、ひとり法人として立ち上げたばかりの方から、人を増やしていかれる段階の中小規模の法人まで、事業ステージに応じてプランを切り替えてご支援できる体制を整えております。初めて税理士と契約される創業期の経営者の方が、特に多くなっております。
拠点は東京都練馬区にございますが、Web面談を活用して全国対応しております。
事務所ごとに得意領域には大きな違いがあると聞きます。澁谷先生の事務所はどのようなスタンスでしょうか。
税理士業界外からはなかなか見えにくいところですが、一言で「税理士」といっても、属性がたくさんあります。たとえば税務も、ビジネスに関係する税務と、いわゆる資産税(相続税など)分野とで大きく分かれますが、弊所ではビジネスのご支援をメインに活動しております。
これはもともと私が税理士を目指そうと思った理由が、クライアントの皆さまのビジネスの発展へのかかわり方をより深くしたいという思いからキャリアチェンジしたためです。ご自身の事業をどう成長させていくかを一緒に考えていきたい、という経営者の方とは、相性よくお付き合いさせていただけているのではないかと思います。
そもそも澁谷先生が、税理士という道を志されたきっかけを教えてください。
私はもともとメーカーで総合職をやっておりました。業種の特徴上、お客様も社内折衝相手も、ほとんどが技術者でしたが、技術者という専門職の方々と日常的にかかわる中で、自身も専門性で以て、より本質的な形でクライアントの皆さまのビジネスに関わってゆきたいと考えるようになったことが、税理士という専門職を目指したきっかけです。
技術者の方々と日々一緒に仕事をされていた経験は、今の事務所運営にもつながっていらっしゃいますか?
そう感じる部分は多くございます。「手に職」を持って一つの領域を深く掘られている方々と日々向き合っていた経験があるからこそ、同じ姿勢で経営者の方の事業に並走したいという気持ちが、今のスタイルの原点になっていると思います。結果的に、IT業や専門サービス業のお客様が多くなっているのも、そうした親和性のあるご縁が積み重なっているからかもしれません。
独立されるまでのキャリアの流れも、教えていただけますか。
製造業の法人営業職、その後に会計事務所での勤務、さらに大手税理士法人での実務経験を経て独立という形になります。それぞれの環境で見せていただいた仕事のスタイルが、今の事務所の設計のなかに反映されていると感じております。
他の税理士事務所と比べたときに、澁谷先生の事務所ならではの強み・差別化ポイントは、どのあたりにあるとお考えですか?
弊所では、「ファストファッション」ではなく、「職人が直対応する仕立て屋」のようなスタイルをめざしています。まず、お客様の応対は税理士本人である私が直接担当するという形を徹底しております。事務所の規模を無理に大きくして大量の顧問先をお引き受けすることよりも、お一人お一人と腰を据えて向き合うことを優先したい——お引き受けした以上は、仕立て屋として最後までしっかり仕立てる、そこへの責任を担保するためのスタイルでもあります。
プランの設計にも、その思想が反映されていますか。
ひとり法人用の顧問プランを別建てでご用意しているのも、これから創業される方や、ひとり社長として事業を始められたばかりの方に最初の一歩から伴走できる入り口を用意したかったからです。そこから事業ステージが進むにつれて、土台を整えていくフェーズ、外部からの信用獲得を意識していくフェーズ、会計を経営判断に活用していかれるフェーズと、お客様の成長に合わせて仕立て直していく設計にしております。
澁谷先生が税理士という仕事に向き合うときに、大切にされている考え方があれば教えてください。
「楽観的に構想し、悲観的に計画し、楽観的に実行する」という有名な経営哲学があります。弊所では、この「悲観的」の部分——おそらく、面白くないため誰もがあまりやりたがらない部分——を強化することが、税理士のメイン業務であると定義しております。
なぜ、そこを引き受けるのが税理士の役割だとお考えなのでしょうか。
事業を成長させるためには、面白くなくとも、目をそむけたくとも、「悲観的」の部分に向き合わなければなりません。数字の予測、納税のシミュレーション、資金繰り、リスクの洗い出し——どれも華やかではないのですが、これを丁寧に整えるかどうかで、その後の「楽観的に実行する」の質が大きく変わってまいります。
弊所のコンセプトとして「悲観で整え、楽観を支える」という言葉を掲げているのも、まさにこの考え方からきております。経営者の方が思い切って楽観的に踏み込んでいけるように、その手前の「悲観」の部分を、税理士として一緒に作り上げる——ここに私たちの存在意義があると考えております。
最後に、これから税理士をお探しの経営者の方へ、メッセージをお願いします。
弊所のスタイルは、「面白くない部分」を経営者の皆さまと一緒に作り上げてゆく、というものです。事業を成長させるためには、面白くなくとも、目をそむけたくとも、「悲観的」の部分に向き合わなければなりません。しかし、ここを一人で抱え込んでしまうと、思い切った楽観的な実行にも踏み切れなくなってしまいます。
このしんどい部分を、経営者の皆さまと一緒に作り上げてゆきますので、お気軽にご相談ください。「ファストファッション」ではなく「仕立て屋」として、お一人お一人の事業のかたちに合わせて、最後まで丁寧に仕立て直しながら伴走させていただきます。
特に、これから創業される方、ひとり法人として事業を始められた方、IT業や専門サービス業などで「手に職」を持って独立されている方には、弊所のスタイルとの相性は良いのではないかと思っております。同世代の経営者の方を中心にご縁をいただいてきた経験を活かして、経営者の皆さまの「楽観」を、しっかりと支えてまいります。
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取材後記
「楽観的に構想し、悲観的に計画し、楽観的に実行する」——澁谷先生がご自身の事務所のスタンスを語るために引いてくださったこの経営哲学は、税理士という職業の本質を改めて言語化していただいたように感じました。経営者の方が華やかに「構想」し、力強く「実行」していくその間にある、目をそむけたくなる「悲観的に計画する」のフェーズを、税理士のメイン業務として引き受けていくのだ——という整理は、とても腑に落ちるものでした。
特に印象に残ったのが、「ファストファッションではなく、職人が直対応する仕立て屋」というたとえです。事務所の規模を無理に大きくせず、所長税理士であるご自身が直接お客様と向き合うスタイルは、ひとり法人や創業期の事業者にとって、これ以上ない伴走パートナーになり得ると感じました。
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