国税15年、市役所、民間企業を経て税理士へ——創業期の会社の資金繰りと融資に伴走する谷口亮輔税理士事務所

谷口亮輔(たにぐち りょうすけ):谷口亮輔税理士事務所 代表/税理士
香川県さぬき市長尾出身。高卒で国税局に入り、15年間勤務。法人調査なども担当した。退職後は市役所の税務課で2年程働き、民間企業で働きながら税理士試験受験を経て税理士登録。開業して約1年、現在は1人税理士として、開業5年未満の小規模な法人・個人事業主の顧問先を支える。月次面談で資金繰り表の作成や融資支援まで行う「伴走支援プラン」を軸に、全国オンラインで対応している。
まず、事務所の体制とお客様の特徴を教えてください。
1人税理士で、開業して5年未満の小規模な法人や個人事業主の方が中心で、業種は製造業、建設業、医療関係とさまざまで、飲食業のお客様も契約を予定しています。
受けていない業種などはありますか。
業種では縛りをかけていません。ただ、報告、連絡、相談が必要な際に連絡がとれない方だと、どうしても仕事が進みません。こちらからの連絡に返事がない方についてはお断りをさせていただいております。
提供しているサービスの中身を教えてください。
入り口は記帳と申告です。そこから、毎月面談を行う「伴走支援プラン」に入られる方が多いですね。試算表の内容のチェックや資金繰り表の作成、融資のご相談のほか、役所から書類が届いたけれど何を言っているのか分からない、というときに、どういう意味合いで言ってきているのかをこちらで確認して、社長にお伝えする。通訳のような役割もしています。
相続や事業承継はいかがですか。
相続は、国税の先輩にあたる先生におつなぎしています。事業承継は、10月から県の依頼で研修を受けることになりました。この辺りは後継者がいなくて廃業される方が多く、事業承継やM&Aをしたくても、対応できる税理士が少なかったり、手数料が高くて諦めてしまったりします。対応できる税理士を増やしたいということで、県から委託を受けた団体が士業に声をかけていて、来週から研修が始まります。受けたあとにどうするかは検討中ですが、いちばん力を入れたいのは、創業からそれほど時間の経っていない方の支援です。事業承継もできるようになれば、幅が広がるとは思っています。
どういう方に向けたサービスなのですか。
先輩経営者から「開業当初は税理士必要ないと考えていた」という話を聞いたことがある方は少なくないのではないかと思います。資金繰りや経営計画などに頭を悩ませている創業期の経営者、企業向けのサービスになります。
伴走支援プランに入られる方は、どんな相談から始まるのですか。
最初は、経営コンサルティングに近い相談が多いです。利益は出ているのにお金がない、という相談ですね。何にお金を使っているのかを紐解いていくと、事業とプライベートのお財布が一緒になっている方が多い。まずそこを分けていくところから始まります。
開業直後の方には、どんな傾向がありますか。
最初に開業される方は、あれもしたい、これもしたいという夢がいっぱいで、収益の柱がいくつもあります。売上は立っているものの、その売上が原価割れしていないかまで見られている方は、ほとんどいません。足りなければ自分の財布から出す、生活費が足りなければ事業のお金から出す、という具合に混ざっているんです。そこを整理して、赤字が出て足を引っ張っているものは収益構造を見直すか、いったんやめませんかとご提案します。固定費も、最初から要らないものを払っている方がいるので、直接売上につながる固定費に絞る提案も、伴走支援プランの中で一緒にしています。
融資の支援も含まれているそうですね。
はい。金融機関に出す必要書類を作ったり、一緒に行ったりします。他の事務所は別料金のことが多いですが、私は伴走支援プランの中でやっています。お客様がなかなか動けないときは、まず私だけが銀行の担当者の方にお会いすることもあります。時間が合えば、金融機関の方がお客様のところへ来てくださるので、そこに一緒に立ち会います。
融資が決まったときの成功報酬は、取っていないのですね。
もらっていません。必要で借りているのに、そこからいただいたら意味がないと思うんです。伴走支援プランも、お客様の事業がある程度軌道に乗ってやりたいことが落ち着けば、こちらが動く機会は減ります。最初は月に1回以上面談するようにしていますが、事業が軌道に乗るまでを応援するのも含めて「伴走支援」です。こういう名前を付けているのだから、ちゃんと支援できればと思っています。
動く量は変わっても、顧問料は変わらないのですね。
それが顧問料だと思っています。ただ、お客様から見て、何をしてくれているのか分からないとなると、払っている価値がないと思われてしまいます。だから、動いておかないといけないとは思っています。
全国対応のお客様には、どうされているのですか。
近場の方でないと、金融機関の窓口まで一緒に行くのは難しいので、遠方の方には、金融機関対策の資料づくりなどに時間をかけて対応しています。
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取材後記
国税局、市役所、民間企業を経て税理士になった谷口さんのお話で一貫していたのは、創業まもない経営者の「お金の流れ」に正面から向き合う姿勢でした。利益が出ているのにお金が残らない。その原因を毎月の面談で一緒に整理し、融資の同行まで、成功報酬を取らずに担う。「必要で借りているのに、そこからいただいたら意味がない」という言葉に、創業期の経営者への寄り添い方が表れていました。
資金繰りや融資の相談先に悩む経営者の方は、ぜひ一度、谷口さんに話を聞いてみてください。
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