2024年問題で日本はどう変わる?運送業の残業規制を税理士が解説
運送業の2024年問題が日本全体に与える影響と中小企業の生き残り戦略を解説します。
2024年問題とは何か?運送業への残業規制がスタート
運送業の2024年問題っていうのがあると思うんですけど、その影響で運送業以外にも影響が出る恐れがあるって聞いたんですけど、これってどういうことなんですか?

これは働き方改革で、運送業の時間外労働に上限が設けられたんですよ。上限が設けられると色々問題が出てきて、長距離運転ができなくなって、荷物が届かなくなったり、結果最終的には一般消費者の物価高騰につながる、そんなところまで繋がってしまうんです。

そんなとこまで繋がっちゃうんですか!

繋がっちゃうんですよ。もう日本変わっちゃう、みたいな。

めっちゃ軽く「日本変わっちゃう」みたいに言ったけど、めちゃくちゃ重たい問題ですよね。

すごく重たい問題なんですよ。この2024年問題ってよく話題になるじゃないですか、建築とかでも。今後どう影響してくるのかというところを、今日解説していきます。
運送業の2024年問題、どういう問題が起きて、どのように業界が変わって、どのように日本が変わっていくのか。そして中小企業はこの問題にどう取り組んで戦略を組んでいくのか、この部分も解説していきますので最後までチェックしてください。

お願いします!

一般企業より4年遅れた猶予期間が2024年に終わる
まず2024年問題、これも働き方改革の一環なんですけど、残業規制が今厳しいじゃないですか。普通の一般企業は2020年で色々規制が変わったんですよ。「残業何時間以上したらダメ」という規制です。
ただ、建築業とか今回の運送業とか、医者とか、ここは実は猶予されてたんです。「まだそこまで厳しくしなくていいよ」と、4年間猶予されていた。その4年が終わるのが2024年なんです。
だから2024年問題で、運送業に残業規制がかかって長時間労働ができなくなる。じゃあどういう問題が起きるのかというのがあるんですよね。

トラックドライバーの労働時間の実態と960時間規制
そもそもトラックドライバーって長時間労働なんですよ。長時間労働で給料を稼いでいた業界なんですよね。
全日本トラック協会のデータなんですけど、一般の全業種の年間労働時間って2,100時間なんです。でも大型トラックのドライバーだと年間の労働時間が2,532時間、小型・中型だと2,480時間。まあまあ多いですよね。

一般の業種が2,100時間で、まあ多いっちゃ多いけど、そんなに多くないんじゃないみたいな…。月に340時間の時間外労働でしょ、ぐらいの?

これって平均やで。超えてる会社とか超えてる社員さんが山ほどあるってことやで。ここを削るってのが大変なことなんです。平均は一応ギリギリ保ってるかもしれんけど、人とか会社単位で言ったら半分超えてるっていう意味で。
これが来年の4月から年間の時間外労働を960時間以内に収めないといけない。今までの状況から言うと、年間200時間削減しないといけない。1人当たりにすると、月17時間ぐらいは削減しないといけないという、結構なハードルなんですよ。

そうですよね。

トラック業界に設けられた細かいルールの数々
トラック業界の働き方にはいろんなルールが設けられています。まず1つ目が、1日の拘束時間が13時間を超えないというルールです。拘束時間って運転している時間じゃなくて、最初から最後まで全部含みます。たまたま13時間を超えても週2回までというルールがあって。
あと、勤務が終わった後、次の勤務まで8時間は時間を開けないといけない。例えば分かりやすく言うと、12時に終わったら次働くのは翌朝8時以降じゃないとダメ、7時から働いたらダメ、みたいな感じです。
さっき13時間以内の拘束時間ってあったけど、そもそも運転は2日を平均して1日9時間以内。さらに2週間平均して1週間の働く時間は45時間以内。結構細かいルールです。
4時間運転したら休憩するとか、休憩時間も入れてさっきの13時間の拘束時間も考えないといけないし、ルールがいっぱいあるんです。

そうすると、今まで自分のペースで働いて運転もして、サービスエリアに寄って休憩して、ちょっと時間があるから美味しいもの食べたりとか、そんなことやってられなくなっちゃう。

休憩は取らないといけない、ちゃんと仕事もやらないといけない、13時間超えたらダメとか、ゆっくり休憩もしてられないし、かと言って運転ばっかりしててもダメだし、休憩も取らないといけないし、もうガチガチなんです。

逆にドライバーさんにとっては、なんかちょっとやりづらくなるかも。

やりづらくなるね。ドライバーさん、特に長距離運転の人ってサービスエリアでご当地のもの食べたりとか、休みたい時に休んで、時間までに目的地に行って荷物を運べばいいから、その間は1人で結構自由だから気楽だよね、みたいな。体力的には大変やけど、気分的には気楽みたいな。そういうのがメリットで働いてる人も多かったけど、結構ガチガチで難しいですね、ドライバーさんにとっても。

ドライバー不足→賃金上昇→運賃値上げ→物価高騰の連鎖
時間外労働も削減されるので、賃金が下がるわけですよね。だからドライバー不足が今起きていて、運送会社はドライバーが欲しいけど、そこへの応募者が少ない。求人倍率が1.8倍か1.9倍ぐらいになってる。
そうなると、遠方への運転ができなくなるんですよ、時間が限られているから。今まで1日で届いていたものが2日になる可能性というのもあるし、ドライバーの賃金が低い上に時間外ももらえなくなるのでドライバー不足は生じるでしょう。
ドライバー不足が生じたら、運送会社はドライバーを補うために賃金を上げないといけない。賃金を上げたら応募してくれる人もいるかもしれないけど、賃金を上げたら運送会社のコストが増えて儲からなくなる。だったら運賃を上げないといけないよね。
運賃を上げるということは、依頼した人の負担が大きくなる。運送会社にお願いする金額が高くなる。依頼した人が払う金額が多くなるということは、一般消費者がさらに負担をしないといけない。結局、一般消費者が何か物を買う時の値段が高くなる、物価高騰につながるという話なんですよね。

最終的にそこになるんですね。

そうそう。そうならないと荷物が回らなくなるでしょ。

この業界、実はラーメンより詳しいと思います(笑)。

入ってるんで(笑)。僕はね、そもそも郵便とか宅配便、あれって元々ずっと思ってたんですよ、「安いな」って。こんなんで届けてくれるってありがたいなって。僕個人的にはあそこはもっと値上げしてもいいんじゃないかなと。
でもやっぱりそれがビジネスになると、宅配を依頼する業者はできるだけ安いところにお願いしたいわけじゃん。ヤマトや佐川が高いので、小規模な運送業者に依頼するとか、安いところにお願いしたりして、なかなか運賃が上がらなかったという実情があるけど、やっぱり運賃は全体的に低いと思いますよ。

本当そうですね。そんなこと言ってる自分も大和(ヤマト)に結構値引き交渉して値引きしてもらってるけど、あれ値引きしてもらえるんですか?

そうですよ。定価があってないようなもんやで。知らない人もいるけど、意外と引いてもらえるんですよ。色々引いてもらったけど、交渉してみて。ドライバーさんのことを思うと、やっぱり業界全体的に運賃はやっぱり上げるべきやなと。そもそも最低賃金が上がれば運賃が上がる、高速代・ガソリン代が上がれば運賃は上がる、当然の話ですよね。

ガソリン代も馬鹿になりませんよね。例えばその中小企業とかって、こうなってくるとどうやって生き残っていけばいいんですか?

大手の業務委託切りとインボイス問題の絡み合い
最近もヤマトが業務委託3万人の契約を打ち切るという話があったけど、その3万人の方に新たな仕事を見つけるための支援はするみたいなことを言ってたけど、たまったもんじゃないよね。

そうですよね。

元々ヤマトが正社員の時間外労働を増やさないために、業務委託の人にお願いします、って言って夜中の宅配とかをお願いしてたわけでしょ。それを急に「もうやめます」みたいな。で、日本郵便に何かもうこれからお願いするんで、業務委託の人はもうちょっと別の仕事探してください、ぐらいの感じじゃないですか。

はい。

結局ヤマトとか大手って、常にマーケットが大きくて儲かる仕事ばかり狙うんですよ。効率の悪いものとか儲からないビジネスはやめていきたいわけ。利益率のいいビジネスの方に特化していきたい、集中していきたい、経営資源を投入していきたいというのがあるんで、夜の配達とか細かい配達はもうやめていきたいんですよね。
あと、今問題になっているインボイス、この狙いもあるんじゃないかって言われていて。3万人の業務委託の人はおそらく免税事業者の人が多いと。個人でやってる方ばかりやで、免税事業者の人が多くて、この人たちはインボイスの登録をほとんどしていない。
そこに仕事を依頼するということは、ヤマトが消費税の負担をしないといけない。「インボイス登録してください」と言ったら、これ独占禁止法に触れる可能性があるから、インボイス登録を強制もできない。個人の宅配業者はインボイス登録しない、ヤマトは消費税負担を背負う。もともと儲からないビジネスがさらに儲からなくなるっていうのもあって、個人事業主にはやめますみたいな、多分そういうのもあるんですよ。

ここでもインボイスが絡んでくるんですか!

絡んでくるんですよ。個人事業主はたまったもんじゃないよね。

そうですね。大手は効率の悪い儲からないビジネスをやめようと言って急にやめたりするわけで、個人事業主の人としてはたまったもんじゃないよね。で、その切られた個人事業主、何万人もいるじゃないですか。そういう中小企業とかそういう人たちはどういう戦略で戦っていけばいいんですか?

中小企業・個人事業主の生き残り戦略:大手がやらないニッチを狙え
中小企業に勝機もあるなって思っていて。これは宅配業界の話だけじゃなくてね。大手というのは常にマーケットが大きくて儲かる仕事ばかり狙うんですよ。ニッチなところとか効率の悪いところは狙わないんですよ。
そこに中小企業の勝機があると思うんで、ニッチなところ、めんどくさいところ、そこを個人事業主とか中小企業が狙うべきだと思う。

なるほど。

例えばね、長距離の運転で2日かかるとして、大手が2日かかるところを個人事業主の人が「僕なら1日でできますよ」みたいなことで仕事は取れるものもあると思うんですよね。夜中でも配達しますよとか。個人事業主は残業関係ないから、いくら働いてもいい。ヤマトがやらない仕事をやる、欲しい人いますもんね。

絶対いますよね。明日届けて欲しいとか、夜中に配達して欲しいとか、そんなニーズ絶対あるじゃないですか。

本当に急な依頼ってお金を払ってでもお願いしたいわけよ。普段のやつはできるだけ安いところにお願いしたいけど、本当に急遽とか「もう明日まで」とか、それこそお客さんに付加価値を届けるために即日配達しますっていう付加価値だったら、お客さんも「即日届くなら多少お金を払ってもいいかな」って一般消費者も思うわけじゃん。
Amazonプライムと一緒やで。毎月500円・600円払ってでも普通のやつより早く届く、だから毎月払ったりしてるわけだから。急ぎのやつはお金を払ってくれるわけよ。そういうところをビジネスとするっていうのもありやし。

それいいですね!

あとは宅配業者の話だけに入ると思うんやけど、例えばUber Eatsなんかのビジネス。あれって飲食店に注文が入ったら近くにいるUberの人たちに知らせて、「誰か宅配してくれませんか」って言って行くわけじゃん。個人事業主の小型貨物もUberみたいな働き方ってありなんじゃないかなと思っていて。
いろんなところでそういうニッチな仕事を拾える仕組みを作って、「いつでもすぐ行きます」みたいな、「私近くにいるんですぐ配達します」みたいな。

確かに、そういうアプリとかあったらいいですね。

だから大手に全部おんぶに抱っこじゃなくて、大手がやらないところを狙うっていうのは、これはもう本当に宅配事業だけじゃなくて全てのビジネスに当てはまるんじゃないかなと思う。
僕もちっちゃい組織なんで小回りが利くんで、大手がやれないことをやったりします。このYouTubeだって大手はやらないよ、毎日こんなの。

そうですよね。

大手は幅広く中小企業にも誰でもできるサービスを標準化させてやったりするけど、うちはそんなことはやらない。大手がやらないような付加価値の高い仕事をやったりとか、めんどくさい仕事をやったりとかして、ちょっと高めの報酬をもらったりとかしてるわけで。どの業種でも当てはまるよね。考え方次第でいくらでもできるってことですよね。

うんうん。

僕は本当に「大手がやらないことは何か」っていうのを常に考えて、取れるところがあるんじゃないですかと。そういうね、人と逆のことをやると勝機ってあるんですよ。

面白いですね。大手がやってるようなもんをやっちゃうとダメってことですよね。

そうそう。そこ難しいですね、誰を見てやるのかで。

わかりました。ありがとうございます!

まとめ:物価高騰サイクルとインボイスが絡む複合問題
ということで今日は運送業の2024年問題について解説させていただきました。どの業種も時間外労働削減ということで働く時間が短くなって、サービスの量が減るんで賃金を上げないと人が集まらないとか、いろんな問題が出てきて、最終的にはやっぱり物価高騰にもつながる。物価高騰につながったら賃金を上げなきゃ生活できないという、そういうサイクルになってくるんじゃないかなと思います。
今回はインボイスもちょっと絡んでたりもするんでね。

ほんと、インボイスやめてほしい。結局この話、結局やっぱりそうなるんですよね。

うん。最後はやっぱりインボイスやめましょうって話になっちゃう。確かにいろんな問題が出てくるってことでね。一般消費者も含めて、この運送問題は一般消費者にも影響が及ぶってことも知っておいていただきたいなと思います。

終わりに
本記事の内容は YouTubeチャンネル 脱・税理士スガワラくん の下記動画を参考に作成しています。AIによる書き起こしを活用しているため、誤字脱字がある可能性があります。ご了承ください。本サイトは 脱・税理士スガワラくんを応援しています!
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