2024年改正で生前贈与が超お得に!相続時精算課税の110万円非課税枠を税理士が解説
2024年1月の税制改正で生前贈与が終了どころか、むしろ超お得な裏技が爆誕しました。相続時精算課税制度の新しい110万円非課税枠を詳しく解説します。
相続税の基本的な仕組みをおさらい
まず相続税の仕組みを超ざっくり説明します。例えば親御さんが亡くなりました。その時に親御さんが持っていた相続財産(遺産とも言いますね)、これには土地・建物・預金・車・宝石などが全部含まれます。
この遺産から、以下の基礎控除を差し引いた「課税遺産」に対して相続税がかかります。
| 計算項目 | 金額・計算式 |
|---|---|
| 基礎控除額 | 3,000万円 + 600万円 × 相続人の人数 |
| 例:相続人が2人の場合 | 3,000万円 + 600万円 × 2人 = 4,200万円 |
| 相続税の税率 | 10%〜55%(課税遺産の額に応じて変動) |
例えば、相続人が兄弟2人で遺産が3,000万円程度であれば、基礎控除の4,200万円を下回るため課税遺産はゼロ、つまり相続税もゼロになります。
📌 ポイント
全国の相続案件のうち、約93%の方は相続税がかかりません。しかし今回の「超裏技」はお金持ちじゃなくても、相続税がゼロでも使えます。むしろ相続税がゼロの人の方がより使いやすい裏技でもあります。
📝 このセクションのまとめ
- 相続税の基礎控除は「3,000万円 + 600万円 × 相続人数」
- 全国の約93%の方は相続税がかからない
- 今回の裏技は相続税ゼロの方にも有効
2024年改正の背景:30年ぶりの大改正とは
今回の改正は贈与税の世界では約30年ぶりの大改正と言われています。生前贈与、つまり生きている間に子どもなどに財産を渡すことに対して、税負担が増えるかもしれないという内容が中心です。
もともとよく聞かれる「110万円以内なら非課税」という暦年贈与制度があります。110万円までは子どもの口座に振り込んでも贈与税がかからず、それを超えれば贈与税を払わなければいけないというやり方ですね。
財産をお持ちの方はどう考えるかというと、「贈与税が110万円までなら無税なのだから、どんどん移していって、いざ相続する時に財産を減らしておけば、低い税率で済むから相続税があまりかからない」ということで、ちょこちょこと贈与していくことが富裕層の方々の間では広く行われていました。
⚠️ 注意
こうした生前贈与に対して、国がメスを入れました。改正前から「亡くなる前の3年間の贈与は相続財産に加算する」というキャンセルルールが存在していました。死ぬ間際に財産を贈与して相続財産を少なく見せるのはずるいため、過去3年間の贈与は無効(相続財産に足す)という仕組みです。
📝 このセクションのまとめ
- 今回の改正は贈与税・相続税の約30年ぶりの大改正
- 富裕層は110万円の暦年贈与を使って相続財産を減らす対策をしてきた
- 改正前から「亡くなる前3年間の贈与はキャンセル」というルールがあった
暦年贈与の加算期間が3年から7年に延長!その影響は
今回の大改正の目玉の一つが、この「キャンセル期間」が3年間から7年間に延長されたことです。
1年で110万円だったとすると、7年間キャンセルされれば最大770万円が相続財産に加算されてしまいます。子どもが1人だけでなく3人いたら、1人ずつ110万円贈与していた場合、770万円×3人で2,310万円近くが加算されることになり、かなり大きな金額になります。
つまり、お子さんがいればいるほど、暦年贈与の節税効果が少なくなってしまうのです。
📌 ポイント:7年加算ルールの具体的な計算例
例えば2029年に親御さんが亡くなられた場合、暦年課税制度では過去7年間(法改正が2024年からのため、経過措置として2024〜2028年の5年間)が遡られます。
- 110万円 × 5年分 = 550万円が遺産に加算
- 経過措置として4〜5年前の加算分から100万円を控除可能
- 結果:遺産に+450万円が足される
また、人間がいつ亡くなるかは本当に読めません。7年後どうなっているかなんて誰にもわかりません。暦年贈与をしていても、今がその7年間の対象期間なのかどうかもわからないわけです。
だったら「110万円ぐらい、あまり難しく考えたくなくて、今渡せれば、ありがとうって言える関係を大事にしたい」という気持ちであれば、それはそれで意味のある選択です。何がいいかは一概には言い切れないのが正直なところで、感情面のところも重視しながら制度のことを考えていくのがちょうどいいのかもしれません。
📝 このセクションのまとめ
- 暦年贈与の加算期間が3年→7年に延長(最大770万円がキャンセル対象)
- 子どもが多いほど節税効果が薄れる
- 2029年に亡くなった場合、経過措置適用後でも遺産に+450万円
- いつ亡くなるかは読めないため、暦年贈与の効果は不確実
相続時精算課税制度とは?仕組みと特徴を解説
暦年贈与とは別の贈与の枠組みとして、「相続時精算課税制度」があります。名前の通り、生前中に贈与したものを相続時にまとめて精算する制度です。
| 項目 | 暦年課税制度 | 相続時精算課税制度 |
|---|---|---|
| 年間非課税枠 | 110万円 | 2,500万円(累計) |
| 2,500万円超の税率 | 累進課税(10〜55%) | 一律20% |
| 相続時への加算 | 亡くなる前7年間分を加算 | 生前全期間分を加算 |
| 加算時の評価額 | 相続時の評価額 | 贈与時の評価額 |
| 届出書の提出 | 不要 | 必要(税務署へ) |
| 制度の切り替え | 自由 | 一度選択したら暦年に戻れない |
相続時精算課税制度の大きな特徴は、2,500万円まで非課税で贈与でき、2,500万円を超えた部分に一律20%の贈与税がかかるという点です。ただし、これら全てが相続発生時に遺産に加算されます。つまり、税金を払うタイミングが後ろにずれるだけで、節税にはならないのです。
だからこそ、そもそも相続税がかからない(遺産が基礎控除以下の)方にとっては実に使い勝手がいい制度でした。例えば親が「車がいらないから贈与するよ」と言われた場合、相続時精算課税を使えば2,500万円以下なので非課税。仮に相続時にこの車の分を遺産に上乗せしても、トータルで基礎控除を超えなければ相続税はゼロのままです。
相続時精算課税制度の利用条件と手続き
相続時精算課税制度を使うには、以下の条件を満たす必要があります。
- 贈与する側(親・祖父母):60歳以上
- 贈与を受ける側(子・孫):18歳以上
贈与できる財産の種類は基本的に何でも大丈夫です。
- 土地
- 建物
- 株式
- 車
- 宝石・その他
⚠️ 注意
土地については、小規模宅地等の特例が使えなくなります。この点は相続時精算課税制度を選択する際の重要なデメリットです。
手続きとしては、事前に税務署へ「相続時精算課税選択届出書」を提出する必要があります。この届出書を出さないと、単なる通常の贈与として課税されてしまいます。
届出書の提出期限は、贈与した翌年の3月15日まで(確定申告の期限と同じ)です。届出書の提出は最初の1回だけでOKです。
また、2,500万円の非課税枠は一気に使う必要はありません。
- 500万円を5回に分けてもOK
- 100万円を25回に分けてもOK
- 限度額内なら何回でも贈与可能
また、相続時精算課税制度では、相続時の加算は贈与時の評価額で行われます。例えば株式のように、贈与時は低かったものが相続時にすごく高くなっていた場合、贈与時の低い評価額で加算されるため、大きなメリットになります。逆に株価が下がっていれば損になる可能性もあるため、将来の見込みを考えながら判断する必要があります。
📝 このセクションのまとめ
- 贈与する側60歳以上・受ける側18歳以上が条件
- 2,500万円まで非課税(超過分は一律20%)
- 税務署への届出書提出が必要(翌年3月15日まで)
- 土地には小規模宅地等の特例が使えない
- 加算は贈与時の評価額で行われる(値上がり資産に有利)
2024年1月から爆誕!相続時精算課税の「年間110万円非課税枠」という超裏技
ここからが今回の動画の核心、「超裏技」の話です。
2024年1月以降、相続時精算課税制度に年間110万円の基礎控除枠が新設されました。この枠内の贈与は、相続が発生しても遺産に加算されないという特典がついています。
これがどれほどすごいことなのか、暦年課税と比較して説明します。
| 条件 | 暦年課税制度 | 相続時精算課税制度(2024年〜) |
|---|---|---|
| 毎年の贈与額 | 110万円 | 110万円 |
| 2029年に亡くなった場合の遺産への加算額 | +450万円(経過措置適用後) | 0円 |
| 相続税への影響 | 遺産が増えて相続税が増加 | 影響なし |
同じように「毎年110万円を贈与する」という行為をしていても、選択した制度によって相続税額に大きな差が生まれます。
📌 ポイント:なぜ「0円」になるのか
相続時精算課税制度の年間110万円非課税枠は、亡くなる前日に贈与したお金であっても110万円以下であれば遺産に加算しなくてよいというルールになっています。つまり、暦年課税の「7年間キャンセルルール」が一切適用されません。
これまで相続時精算課税制度は使い勝手が悪いとされていました。一度選択すると暦年課税に戻れず、5万円・10万円の少額贈与でも毎年申告書を提出しなければならず、全て相続時に加算しなければならないという煩わしさがありました。
今回の改正では、年間110万円以内の贈与については申告不要・加算不要となりました。これにより使い勝手が格段に向上しています。
⚠️ 注意
相続時精算課税選択届出書を税務署に提出することで、税務署側が「このご家庭はいずれ相続税が発生するかもしれない」と把握することになります。税務署が相続・遺産をチェックしやすくなるという側面もあります。逆に言えば、税務署のお墨付きを得て合法的に生前贈与ができるという意味では画期的な制度とも言えます。
📝 このセクションのまとめ
- 2024年1月から相続時精算課税制度に年間110万円の基礎控除枠が新設
- この110万円枠内は相続時に遺産への加算ゼロ(前日贈与でも同様)
- 暦年課税と同じ「毎年110万円贈与」でも、制度選択で相続税額が大きく変わる
- 110万円以内なら申告不要・加算不要で使い勝手が大幅改善
どちらの制度を選ぶべきか?専門家の見解
これまで生前贈与の鉄板だった暦年贈与が7年間もキャンセルされるのであれば、相続時精算課税とどちらがいいのかという選択が、より重要かつ高度な判断を求められるようになりました。
専門家の大まかな見解として、総資産3億円以下の方のほとんどは、相続時精算課税制度で毎年110万円を贈与した方がいいとされています。
ただし、これは一概には言い切れません。以下のような要素を考慮する必要があります。
- 贈与する資産が将来値上がりしそうかどうか(値上がり資産は相続時精算課税が有利)
- 土地を贈与する場合は小規模宅地等の特例が使えなくなる点
- 相続税がかかるかどうか(かからない場合は相続時精算課税が特に有利)
- 感情面・家族関係(「ありがとうと言える関係を大事にしたい」という気持ち)
- いつ亡くなるかが読めないという不確実性
相続税の節税対策はより高度な判断が求められる時代になっています。ご自身で勉強してチャレンジするのも良いですし、専門家に相談するのも大切な選択肢です。
📌 ポイント:相続時精算課税が特に有効なケース
- 相続税がかからない(遺産が基礎控除以下)方
- 将来値上がりが見込まれる資産(株式・不動産など)を贈与したい方
- 総資産3億円以下の方(専門家の大まかな目安として)
- 合法的かつ明確な形で生前贈与を進めたい方
📝 このセクションのまとめ
- 制度選択はケースバイケースで、高度な判断が必要
- 総資産3億円以下の方は相続時精算課税+年間110万円贈与が有利な場合が多い
- 感情面・家族関係も重視しながら制度を選ぶことが大切
- 不安な場合は専門家への相談を検討する
終わりに
本記事の内容は YouTubeチャンネル オタク会計士ch【山田真哉】 の下記動画を参考に作成しています。AIによる書き起こしを活用しているため、誤字脱字がある可能性があります。ご了承ください。本サイトは オタク会計士ch【山田真哉】を応援しています!
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