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確定申告が終わったら今すぐやるべきことベスト3【税理士が解説】節税・納税スケジュール管理の完全ガイド

確定申告が終わったら今すぐやるべきことベスト3【税理士が解説】節税・納税スケジュール管理の完全ガイド
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確定申告直後こそ、次の節税と納税管理の準備を始める最大のチャンスです。

確定申告が終わってほっとしたのも束の間、個人事業主・フリーランスにはこれからも多くの税金・保険料の支払いが控えています。今のうちにしっかり把握・準備しておくことで、来年の申告を余裕を持って迎えられます。今回は「確定申告が終わったら絶対にすぐやるべきことベスト3」を順番に解説します。

ランキングベスト3の全体像

まず結論から、今すぐやるべきことのランキングを確認しましょう。

順位やるべきこと
🥇 1位予定納税・住民税・事業税・国民健康保険料などの金額の把握
🥈 2位今年の節税対策の準備
🥉 3位月次決算

すでに顧問税理士がいる方は、確定申告の結果をもとにすぐ確認できます。税理士がいない方は、この記事を参考にぜひ自分で把握してみてください。

📌 ポイント

重要度の高い順(1位→3位)に解説します。ただし、節税対策(2位)を実現するためには月次決算(3位)がある意味最も重要です。3つはセットで考えましょう。

📝 このセクションのまとめ

  • やるべきことは「納税把握」「節税準備」「月次決算」の3つ
  • 顧問税理士がいる方はすぐに確認を依頼する
  • 3つはバラバラではなく連動して考えることが大切

【1位】予定納税・住民税・事業税・国民健康保険料の金額を把握する

確定申告で所得税を納めてほっとしたところですが、個人事業主・フリーランスにかかる税金はそれだけではありません。これからやってくる主な税金・保険料を整理します。

税金・保険料通知・支払い時期支払い回数
所得税(予定納税)7月・11月年2回
住民税5月頃通知、6月・8月・10月・1月年4回
事業税7月頃通知、8月・11月年2回
国民健康保険料毎月毎月払い
国民年金毎月毎月払い(定額:約1万7千円)

住民税と事業税は「賦課課税」といって、皆さんが税務署に提出した確定申告の結果をもとに、自治体が自動的に計算して通知書を送ってきます。個別に申告する必要はありません。

📌 年間納税スケジュール表を作ることをおすすめします

所得税・住民税・事業税・国民健康保険料・国民年金を縦軸に、月ごとの納付金額を横軸に並べた一覧表を作成しましょう。右端に年間合計額を記入することで、キャッシュフロー管理が格段に楽になります。

所得税の「予定納税」とは?知らないと驚く前払い制度

確定申告書の第45欄「所得税及び復興特別所得税の額」(年税額)が15万円以上の場合、その3分の1ずつを7月と11月に前払いしなければならないルールがあります。これが「予定納税」です。

これは国が歳入を早めに確保・平準化するために設けている制度です。特に駆け出しの自営業者の方は、急に通知が届いてびっくりすることがありますので要注意です。

⚠️ 注意

去年に比べて所得が減少している場合は、「予定納税額の減額承認申請」という手続きをすることで予定納税額を減らすことができます。そのままにしておくと過払いになりますので、必ず確認しましょう。

住民税・事業税の計算のしくみ

住民税と事業税はほぼ所得税と同じ計算方法ですが、所得控除の内容が一部異なります。それぞれの税率は以下のとおりです。

税目税率・概要特記事項
所得税5%〜45%(超過累進税率)復興特別所得税として税額の2.1%上乗せ
住民税一律10%自治体によって多少異なる
事業税3%〜5%(業種による)年間290万円の控除あり。作家・漫画家・音楽家などは非課税業種あり

税率が決まるのは確定申告書の第30欄「課税される所得金額」です。所得が大きくなればなるほど所得税の税率も上がっていく「超過累進課税」のしくみになっています。

国民健康保険料は所得の約1割超!計算方法と上限額

国民年金は定額(月額約1万7千円)ですが、国民健康保険料は皆さんの所得に基づいて変わります。自治体によって異なりますが、東京都大田区の例を参考にすると以下のような計算になります。

  • 「所得割」と「均等割」に分かれる
  • それぞれ「医療分」「後期高齢者支援金分」「介護分(40歳以上限定)」に分かれる
  • 事業所得などから基礎控除(43万円)を引いた残額に保険料率をかける
  • 合計の保険料率は約12%(ざっくり事業所得の1割強)
  • 年間上限額(限度額)は104万円(法改正で毎年上昇傾向)

⚠️ 注意

不動産売却などの臨時的な所得があった場合、国民健康保険料が大幅に上がることがあります。また、少し所得が増えるだけで保険料負担が一気に増える構造になっているため、個人事業主の方は特に注意が必要です。一時的な対策としてマイクロ法人スキームが活用されることがありますが、100%おすすめとは言えないため、詳しくは専門家にご相談ください。

📝 このセクションのまとめ

  • 確定申告後も住民税(5月通知・年4回払い)・事業税(7月通知・年2回払い)・予定納税(7月・11月)が続く
  • 年税額15万円以上なら予定納税が発生する。所得が減った年は減額申請を忘れずに
  • 国民健康保険料は所得の約12%・上限104万円。毎年上昇傾向にあり要注意
  • 年間納税スケジュール表を作って資金繰りを見える化しよう

【2位】今年の節税対策の準備をする

節税は年末に慌ててやろうとしても、12月を過ぎてから申告直前にやるのはほぼ不可能です。早め早めの対策が大事です。今のうちから準備できる主な節税策を紹介します。

① 小規模企業共済

個人事業主の退職積立金制度です。退職金を貯蓄しながら節税ができる優れものです。個人事業主または中小企業経営者が加入できます。掛金が全額所得控除になるため、節税効果が非常に高い制度です。

⚠️ 注意

小規模企業共済は、高齢になったり事業を辞めたりした時に共済金を受け取るものです。それ以外の理由で解約する場合、掛金を払っている期間が20年以下だと元本割れしてしまいます。ある程度年齢が高い方や、長期継続が難しい方は加入前に十分ご検討ください。

② iDeCo(個人型確定拠出年金)・NISA

制度節税効果注意点
iDeCo投資した金額が全額所得控除になる60歳以上にならないと引き出せない。リスク商品が多め
NISA株・投資信託の配当や売却益が非課税になる掛金自体の所得控除効果はない

iDeCoは、掛けている期間が長いほど、また課税所得が大きいほど節税効果が大きくなります。そのような方には特に加入をおすすめします。

③ 青色申告・青色事業専従者給与の計上

青色申告とは、帳簿をしっかり作って真面目に申告することで、様々な節税特典が受けられる制度です。基本的にその年の3月15日までに申請が必要ですが、新規開業した場合は開業日から2ヶ月以内に申請すれば今年の確定申告から青色申告ができます。

青色申告の主なメリットは以下のとおりです。

  • 青色申告特別控除:損益計算書(PL)を作れば10万円控除、貸借対照表(BS)まで作れば55万円控除、さらに電子申告をすれば65万円控除
  • 青色事業専従者給与:家族従業員の給与を経費として計上し節税できる
  • 少額減価償却資産の特例30万円未満の器具・備品などを一括で経費に落とせる(通常は減価償却が必要)

📌 ポイント

事業拡大を考えていたり節税が必要な方は、白色申告より青色申告が圧倒的におすすめです。青色申告承認申請書の提出を忘れずに行いましょう。

④ ふるさと納税の限度額を試算する

ふるさと納税は生まれ故郷への寄付ではなく、住民税を形を変えて別の自治体に納め、返礼品をもらうことができる制度です。寄付額の約3割相当の返礼品がもらえます。

ふるさと納税には「限度額」があり、これは皆さんの課税所得によって決まります。課税所得が大きいほど、ふるさと納税の枠も広がります。

所得税率ふるさと納税の目安
5%(最低税率)住民税の23%以上が目安
45%(最高税率)住民税の45%以上が目安

課税所得がどこで確認できるかというと、確定申告書の第30欄「課税される所得金額」です。住民税のざっくりとした目安は、この課税所得の10%です。

⚠️ 注意

ふるさと納税の限度額は「去年の所得」ではなく「今年の所得」で決まります。個人事業主・フリーランスは毎月の収益・経費の状況を把握していないと、限度額が計算できません。限度額より寄付が少なければ「もっと返礼品がもらえたのに」ともったいない思いをしますし、限度額を超えると返礼品はもらえても住民税控除がなく、純粋な寄付になってしまいます。

⑤ 法人化(法人なり)

儲かって仕方がないという方は、法人にした方が節税策の幅も広く、様々なメリットを受けることができます。これらの項目はいずれも慌てて簡単にできるものではないため、今から準備を始めることが重要です。

📝 このセクションのまとめ

  • 節税は年末の駆け込みでは間に合わない。今から準備することが大切
  • 小規模企業共済は個人事業主に特におすすめ。ただし20年未満解約は元本割れに注意
  • iDeCoは課税所得が大きいほど節税効果大。60歳まで引き出せない点を理解して加入を
  • 青色申告の65万円控除は非常に節税効果が高い。まだ白色申告の方は今すぐ申請を
  • ふるさと納税の限度額は今年の所得で決まる。月次で収益を把握しないと正確な試算ができない

【3位】月次決算を習慣化する

3位ではありますが、2位の節税対策を実現しようと思ったら、月次決算こそが最も重要な土台になります。月次決算をするメリットを整理しましょう。

  • 確定申告直前に慌てなくて済む:毎月帳簿を締めることで、年末の作業量が大幅に減る
  • 業績予測・資金繰り対策ができる:自分が今どの位置にいるかを常に把握できる
  • 納税予測がしやすくなる:年間の税金・保険料の支払いを事前に見込んでおける
  • 早期の節税対策が実現できる:今年の利益の見込みが分かれば、適切な節税策を選べる
  • ふるさと納税の限度額が正確に試算できる:今年の所得見込みから限度額を逆算できる

特に事業を大きくしていきたい方は、月次決算を絶対にやるべきです。自分がどの位置にいるか分かっておかないと、経営もうまく進みません。どこまで節税対策をすればいいのかすら分からなくなります。

そして、個人事業主・フリーランスにとって何より大事なのは資金繰りです。いくら節税対策ができたとしても、目先の資金・運転資金がなければ事業は立ち行きません。それらを全て解決するのが月次決算です。

📌 月次決算の始め方

  • 顧問税理士に依頼して自分で進める方法もある
  • 事業規模が小さい方はわざわざ税理士に頼む必要はない
  • 会計ソフト(弥生会計・TaxnoteなどのクラウドSaaS)を導入することが大前提
  • 個人事業主・フリーランスは会計ソフトを導入して自分で確定申告まで行うことをおすすめ

個人事業主・フリーランスで月次決算をきっちりやっている方はまだ少ないです。逆に言えば、これができるだけで他の事業者より何歩もリードできるということです。

📝 このセクションのまとめ

  • 月次決算は節税・資金繰り・納税予測の全てを支える土台
  • まずは会計ソフトを導入することが第一歩
  • 月次決算ができる個人事業主は少ないため、できるだけで大きな差別化になる

まとめ:経営の「守り」を固めることが長期的な成長につながる

確定申告が終わったら絶対にすぐやるべきことベスト3をまとめます。

順位やることなぜ重要か
🥇 1位予定納税・住民税・事業税・国民健康保険料の金額を把握する突然の通知に慌てないため。資金繰りを守るため
🥈 2位今年の節税対策の準備をする節税は年末の駆け込みでは間に合わない
🥉 3位月次決算を習慣化する節税・資金繰り・業績把握の全ての土台になる

何百人もの経営者と関わってきた経験から言うと、守りが固められていないと事業はどこかで頭打ちになります。勢いだけで進んでいても、いつか限界が来ます。商品力・マーケティング・営業力も大事ですが、組織を永続的に成長させるためにはこういったマネジメント力・守りの力が不可欠です。

📌 ポイント

2024年も3月時点でもう2ヶ月半が過ぎています。今から準備しないと、次の確定申告でこれらの節税メリットを活かせない可能性があります。早めのスタートを心がけましょう。

終わりに

本記事の内容は YouTubeチャンネル 税理士YouTuberチャンネル!! / ヒロ税理士 の下記動画を参考に作成しています。AIによる書き起こしを活用しているため、誤字脱字がある可能性があります。ご了承ください。
本サイトは 税理士YouTuberチャンネル!! / ヒロ税理士を応援しています!

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