節税対策

積極的に節税すべきタイミングはいつ?課税所得330万円・900万円の壁を税理士が解説

積極的に節税すべきタイミングはいつ?課税所得330万円・900万円の壁を税理士が解説
e_zeirishi

節税すべき本当のタイミングは、課税所得の「壁」にあります。

この動画でわかること

「積極的に節税すべきタイミングはいつか」と聞かれると、多くの人は「収入がものすごく上がった時」と答えがちです。それも間違いではありませんが、実は収入が低い時でも積極的に節税すべきタイミングがあるのです。

この記事では、所得税のざっくりとした仕組みを理解したうえで、モデルケースを見ながら「節税すべき具体的なタイミング」を解説していきます。社会保険と税金の関係、そして日本のお金の制度を理解することで、給料が変わらなくても知識だけで手取りを増やすことができます。生涯の手取り額はかなりの金額が変わってきますので、ぜひ何度も読み返して理解を深めてください。

📌 この記事のポイント

  • 所得税の累進課税の仕組みを理解する
  • 課税所得330万円・900万円の「壁」を知る
  • 会社員・個人事業主・副業それぞれのモデルケースで確認する
  • 副業の社会保険料メリットを理解する

📝 このセクションのまとめ

  • 節税すべきタイミングは「収入が高い時だけ」ではない
  • 知識があれば給料が同じでも手取りを増やせる

所得税の累進課税と税率の仕組み

日本の所得税は累進課税といって、収入が上がれば上がるほど税率が上がっていく仕組みです。以下の税率表の数字に課税所得を当てはめて、税率を判定します。

課税所得税率控除額
195万円未満5%0円
195万円以上 330万円未満10%97,500円
330万円以上 695万円未満20%427,500円
695万円以上 900万円未満23%636,000円
900万円以上 1,800万円未満33%1,536,000円
1,800万円以上 4,000万円未満40%2,796,000円
4,000万円以上45%4,796,000円

⚠️ 注意:よくある誤解

例えば課税所得が500万円だった場合、税率は20%になりますが、500万円全体に20%がかかるわけではありません。195万円未満の部分は5%、330万円未満までの部分は10%、それを超えた部分だけが20%になります。つまり金額が上がっても、その超えた部分だけが次の税率に上がるという仕組みです。

この税率表で特に注目してほしいのが、税率が10%一気に上がるタイミングが2回しかないという点です。その他の段階は5%上がったり3%上がったりと、上がり幅は毎回一定ではありません。

税率が10%上がる2つのタイミングは次のとおりです。

  • 課税所得が330万円になるタイミング(税率10% → 20%)
  • 課税所得が900万円になるタイミング(税率23% → 33%)

📌 今日の結論

課税所得が330万円付近または900万円付近にいる人は、その水準を下回るように積極的に節税すべきタイミングです。この2つのラインを意識することが節税の核心です。

📝 このセクションのまとめ

  • 所得税は累進課税で、収入が上がるほど税率が上がる
  • 税率が10%一気に上がるのは330万円と900万円の2か所だけ
  • 超えた部分だけに高い税率がかかる(全体にかかるわけではない)

課税所得とは何か?計算の仕組みを理解しよう

税率を判定する「課税所得」とは、一言でいうと税率をかける金額(乗る金額)のことです。給料に直接税率をかけるのではなく、給料からさまざまな金額を差し引いた後の残りの金額が課税所得になります。

雇用形態によって課税所得の計算方法が異なりますので、それぞれ確認していきましょう。

区分計算の流れ
会社員給与収入 ー 給与所得控除 ー 各種控除 = 課税所得
個人事業主売上 ー 経費 ー 青色申告特別控除 ー 各種控除 = 課税所得
副業あり(会社員+副業)給与収入 ー 給与所得控除 + 副業売上 ー 経費 ー 青色申告特別控除 ー 各種控除 = 課税所得

給与所得控除は給料の金額に応じて自動計算されるもので、自分でコントロールすることはできません。例えば給料が年間640万円であれば、給与所得控除は約172万円と自動的に計算されます。

一方、各種控除は自分の環境によって変わります。配偶者控除・社会保険料控除・生命保険料控除など、自分がどの控除を使えるかをしっかり確認して、控除できる金額を増やしていくことが節税の基本です。控除できるものが多ければ多いほど課税所得が減り、税金が減ります。

📌 ポイント

課税所得とは「収入からいろいろ引いて引き切った後の金額」です。この金額に税率をかけて所得税が計算されます。細かい計算式を全部覚えなくてもよいので、「収入 → いろいろ差し引く → 課税所得 → 税率をかける」というざっくりした流れを理解しておきましょう。

📝 このセクションのまとめ

  • 課税所得=収入からさまざまな控除を差し引いた後の金額
  • 給与所得控除は自動計算で変えられないが、各種控除は自分で増やせる
  • 控除が多いほど課税所得が下がり、税金が減る

モデルケース①:会社員の場合(課税所得330万円の壁)

まず、モデルケースの前提を確認しておきましょう。税金や社会保険料は環境・年齢によってかなり変わるため、今回は最もシンプルなケースを想定しています。

  • 年齢:30歳
  • 独身(または共働きで配偶者が扶養に入っていない)
  • 控除は最小限(生命保険料控除・配偶者控除などは除く)

このモデルケースで、給料が年間640万円の会社員の課税所得を計算してみましょう。

項目金額
給与収入640万円
ー 給与所得控除▲172万円(自動計算)
ー 社会保険料控除▲90万円
ー 基礎控除▲48万円
= 課税所得約330万円

給料640万円で控除が最小限の場合、課税所得はちょうど約330万円になります。つまり、この水準の会社員はまさに税率が10%上がる境目に立っているということです。

社会保険料控除の90万円という金額にも注目してください。これは年間90万円もの社会保険料(年金+健康保険)を支払っているということです。かなり大きな金額ですが、その分控除として引けるので課税所得を下げる効果があります。

📌 ポイント

給料640万円・控除最小限という条件では課税所得がほぼ330万円になります。ここに各種控除(生命保険料控除など)が加わると330万円を下回る可能性が高まります。使える控除を見落としていないか、この機会に必ず確認しましょう。

📝 このセクションのまとめ

  • 給料640万円・控除最小限の会社員は課税所得が約330万円になる
  • 330万円は税率が10%→20%に上がる境目
  • この水準の人は積極的に節税して330万円を下回ることを目指すべき

モデルケース②:個人事業主の場合と会社員との社会保険料の違い

次に、課税所得が同じく約330万円になる個人事業主のケースを見てみましょう。売上と経費の組み合わせは人それぞれですが、ここでは利益が約500万円になるケースを想定しています。

項目金額
売上740万円
ー 経費▲240万円
ー 青色申告特別控除▲65万円
ー 社会保険料控除▲55万円
ー 基礎控除▲48万円
= 課税所得約330万円

売上1,000万円・経費500万円でも利益が500万円であれば同様です。課税所得は約330万円となります。

ここで重要な違和感に気づいてほしいのが、社会保険料控除の金額です。会社員と個人事業主を比べてみましょう。

区分課税所得社会保険料(年間)加入する制度
会社員約330万円90万円厚生年金+健康保険
個人事業主約330万円55万円国民年金+国民健康保険

課税所得は同じ約330万円でも、個人事業主が払う社会保険料は会社員よりも35万円も安いのです。個人事業主は国民年金と国民健康保険に加入するため、厚生年金と健康保険を払う会社員よりも社会保険料がかなり安くなっています。

⚠️ 注意:社会保険料が安い=もらえる年金も少ない

個人事業主の社会保険料が安いのは事実ですが、その分、将来もらえる年金額も少なくなります。社会保険料が安いことをメリットと捉えるだけでなく、老後の年金が少なくなるというデメリットも合わせて理解しておきましょう。

📝 このセクションのまとめ

  • 個人事業主は課税所得が同じでも会社員より社会保険料が安い
  • 社会保険料が安い分、将来もらえる年金も少なくなる
  • 青色申告特別控除(65万円)を活用することで課税所得を下げられる

モデルケース③:課税所得900万円の壁(高収入会社員)

次に、課税所得が約900万円になるケースを見ていきましょう。これは会社員でいうとかなりの高給取りに相当します。

項目金額
給与収入1,300万円
ー 給与所得控除(上限)▲195万円
ー 社会保険料控除▲157万円
ー 基礎控除▲48万円
= 課税所得約900万円

給与所得控除には上限(195万円)が設けられています。給与年収が1,300万円程度になると、給与所得控除はこの上限額に達します。また、社会保険料も年間約157万円というかなりの金額になります。

課税所得900万円というのは、なかなか到達しない水準であることが分かります。しかし、この水準にいる人にとっては、税率が23%から33%に10%一気に上がる境目ですので、積極的な節税が非常に効果的です。

📌 ポイント

給与所得控除には上限(195万円)があります。高収入になるほど控除の伸びが止まるため、課税所得が上がりやすくなります。年収1,300万円前後の人は課税所得900万円の壁を意識した節税対策が重要です。

📝 このセクションのまとめ

  • 年収約1,300万円の会社員で課税所得が約900万円になる
  • 給与所得控除は上限195万円で頭打ちになる
  • 900万円は税率が23%→33%に上がる境目で、節税効果が最も大きい

モデルケース④:副業をしている人の社会保険料メリット

最後に、副業をしている人のケースを見ていきましょう。これはかなり極端なケースですが、副業の社会保険料メリットを理解するために設定しています。

項目金額
給与収入(本業)65万円
副業売上1,500万円
ー 経費▲480万円
ー 青色申告特別控除▲65万円
ー 社会保険料控除▲13万円
ー 基礎控除▲48万円
= 課税所得約900万円

このケースで最も注目すべきは、社会保険料控除がわずか13万円という点です。副業の売上が1,500万円もあるのに、社会保険料がこれほど安い理由は何でしょうか。

答えは、副業部分には社会保険料がかからないからです。このケースでは、副業の売上1,500万円に対して社会保険料は一切かかりません。社会保険料がかかるのは、本業の給料年間65万円の部分だけです。その結果、年間の社会保険料はわずか13万円という非常に安い水準になります。

📌 副業の主なメリット

  • 社会保険料のメリット:副業収入には社会保険料がかからない
  • 経費のメリット:事業に関連する支出を経費として計上できる
  • 税金のメリット:青色申告特別控除(最大65万円)を活用できる
  • スキルのメリット:ビジネスセンスやマネーリテラシーが向上する

副業は当然、収入を増やしたくて始めるものですが、このような社会保険料や税金のメリットもあります。時間的制約はかなり厳しいですが、これだけ多くのメリットがあることは知っておいてください。

📝 このセクションのまとめ

  • 副業収入には社会保険料がかからない
  • 社会保険料は本業の給料部分にのみかかる
  • 副業には経費・青色申告・社会保険料など複数の税務メリットがある

まとめ:積極的に節税すべきタイミングと知識の重要性

今日学んだことを整理しましょう。所得税の仕組みをざっくり理解することで、節税すべきタイミングが明確になります。

ポイント内容
所得税の仕組み収入 → 各種控除を差し引く → 課税所得 → 税率をかける
累進課税の特徴課税所得が上がるほど税率が上がるが、上がり幅は毎回同じではない
節税すべきタイミング①課税所得が330万円付近(税率10%→20%)
節税すべきタイミング②課税所得が900万円付近(税率23%→33%)
よくある誤解税率が上がっても全体にかかるわけではなく、超えた部分だけにかかる

お金の知識・税金の知識は、その年の手取りだけでなく、生涯にわたって影響を及ぼします。副業収入に社会保険料がかからないことは、学校でも会社でも誰も教えてくれません。しかし、知っている人はその知識を活用して人生を上向きにさせています。

📌 最終まとめ

  • 課税所得330万円・900万円の2つのラインを常に意識する
  • 使える控除を漏れなく活用して課税所得を下げる
  • 副業には社会保険料・経費・青色申告など複数の税務メリットがある
  • 税金の知識はダイレクトに生涯の手取り額に影響する

終わりに

本記事の内容は YouTubeチャンネル 大河内薫のマネリテ学園 の下記動画を参考に作成しています。AIによる書き起こしを活用しているため、誤字脱字がある可能性があります。ご了承ください。
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