節税対策

アパート経営で落とせる経費19選|税理士が解説する節税対策完全ガイド

アパート経営で落とせる経費19選|税理士が解説する節税対策完全ガイド
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アパート経営の経費を正しく計上すれば、所得税・住民税をゼロにすることも可能です。

家賃収入にかかる税金の基本

アパート経営などの家賃収入によって生じる利益は不動産所得と呼ばれます。他の所得と合算して総所得とし、所得税・住民税を計算していきます。

賃貸できる部屋が実質10室以上または5棟以上の規模を上回る場合は、事業的規模として認められます。その場合、個人事業主として青色申告をすることで、次のようなメリットを受けられます。

  • 最大65万円の青色申告特別控除
  • 専従者控除(家族への給与を経費計上)
  • 3年間の赤字繰越が可能

⚠️ 注意

不動産所得が290万円を超えると、個人事業税の納付も必要になります。事業的規模のメリットを享受しつつも、この点には注意が必要です。

不動産所得の計算式はシンプルです。

📌 不動産所得の計算式

不動産所得 = 収入金額 - 必要経費

必要経費は「不動産経営に直接的に関係する支出」に限られます。関係のない支出は認められませんのでご注意ください。

📝 このセクションのまとめ

  • 家賃収入は不動産所得として他の所得と合算して課税される
  • 10室以上または5棟以上の事業的規模なら青色申告で大きな節税メリットあり
  • 所得290万円超は個人事業税の対象になる点に注意

必要経費として認められる出費19選

不動産所得に対して経費で落とせる出費は多岐にわたります。以下に代表的な19項目を挙げます。特に後述する計上漏れしやすい8項目はしっかり把握しておきましょう。

カテゴリ具体的な経費項目
税金・公課固定資産税、登録免許税、不動産取得税
保険料火災保険料、地震保険料(損害保険料)
修繕費建物・設備の修理代、フローリング張替え費用
広告費仲介手数料、広告宣伝費
交際費管理会社・不動産会社・税理士との打ち合わせ飲食代
新聞図書費不動産関連書籍代、勉強会・セミナー参加費
交通費物件の現地確認・視察のための交通費
通信費管理会社・不動産会社との通話料、書類の郵送代
減価償却費建物・設備の減価償却費
管理費管理会社への委託費用
借入金利子不動産購入ローンの利息部分
税理士・司法書士報酬確定申告・登記等の専門家費用
その他消耗品費、電気・水道代(共用部分)など

📝 このセクションのまとめ

  • 不動産所得の経費項目は幅広く、19種類以上が認められる
  • 「不動産経営に直接関係する支出」であることが経費計上の大前提
  • 計上漏れが多い8項目を次のセクションで詳しく確認しよう

計上漏れしやすい8項目を徹底解説

以下の8項目は、実際に多くのオーナーが申告時に見落としがちな論点です。一つひとつ確認しておきましょう。

① 固定資産税・登録免許税・不動産取得税

「税金が経費になる」という感覚がない方が多く、計上を忘れるケースが見受けられます。これらの税金はすべて経費として認められます。また、支払ったこと自体を忘れていたり、領収済みの判が押された書類を紛失してしまっているケースもあるので、書類の管理には十分注意してください。

② 損害保険料(火災保険・地震保険)

建物の損害保険料は経費として認められます。ただし、火災保険などは購入時に5年分・10年分をまとめて支払うケースがあります。

⚠️ 注意

まとめ払いをした場合でも、その年に対応する1年分しか経費計上できません。支払った年に全額を計上しているケースが散見されますが、これは誤りです。また、初年度に正しく按分処理をしても、2年目・3年目に計上を忘れてしまうケースも多いので注意してください。

③ 修繕費

建物や設備の修理代金のほか、入居者退去後のフローリング張替え費用なども修繕費に含まれます。管理会社に運営を委託している場合は年間の出費一覧をもらえますが、自分で管理している場合は細々した支出を忘れやすいため、都度記録しておくことが大切です。

④ 仲介手数料・広告宣伝費

空室が発生した際に不動産会社が集客するために支払う広告費用です。広告宣伝費の性質を持つため、経費として計上できます。

⑤ 交際費

物件が増えるにつれ、管理会社の担当者・不動産会社の営業担当・税理士などとの打ち合わせが増えていきます。その際のお茶代・食事代は交際費として経費計上できます。

⚠️ 注意

交際費は活用しやすい反面、家族との食事をしれっと混入させてしまうケースがあります。プライベートの飲食費は認められませんので、業務関連の支出のみを計上してください。

⑥ 新聞図書費(セミナー・研修費含む)

不動産経営に関するノウハウを学ぶための書籍代はもちろん、不動産オーナー向けのコミュニティへの参加費や勉強会の参加費なども、研修費・新聞図書費として経費計上できます。

⑦ 交通費

物件の現地視察や購入検討のために遠方へ出向く際の交通費は経費になります。例えば東京在住の方が関西の物件を見に行く際の交通費も該当します。

⚠️ 注意

物件視察にプライベートの観光が混在している場合は、業務按分を行い、一部のみ計上するなどの配慮が必要です。全額を経費にするのは避けましょう。

⑧ 通信費

管理会社や不動産会社の営業担当との連絡に使う通話料、書類の郵送代なども通信費として経費計上できます。細かい金額ですが、積み重なると無視できない金額になります。

📌 ポイント

不動産所得は部屋数が増えるほど所得も上がりやすく、最初は赤字でも徐々に黒字になっていきます。気づかないうちに所得税額が大きくなっているケースもあるため、適切な経費計上で手元キャッシュをしっかり守る意識が重要です。

📝 このセクションのまとめ

  • 固定資産税など「税金が経費になる」感覚を持ちにくい項目は特に注意
  • 損害保険料のまとめ払いは1年分ずつ按分して計上する
  • 交際費・交通費はプライベートとの混在に注意し、業務分のみ計上する
  • セミナー参加費・書籍代・通信費なども忘れずに計上する

経費計上の際の注意点

経費計上にあたっては、いくつかの重要な注意点があります。

内装費用(資本的支出)の取り扱い

賃貸物件の内装費用は経費に入れることができますが、すべてが「費用」として処理できるわけではありません。次の条件に該当する高額な工事は、費用ではなく資産計上(資本的支出)が必要になります。

  • 工事費用が60万円以上の場合
  • 物件の購入価格のおおむね10%を超える高額な工事の場合

資本的支出に当たるかどうかの判断は難しい場合もあります。判断に迷う際は、税務署や税理士に相談することをおすすめします。なお、会社の内装工事でも同様に、経費計上できるものと資産計上しなければならないものがあり、金額や工事の内容によって判断が変わります。

家族への無償貸与は要注意

⚠️ 注意

賃貸物件をご家族に無償(タダ)で貸している場合、減価償却費や固定資産税などが経費として認められなくなります。さらに、家賃相当分の贈与があったと判断されてしまう可能性もあります。身内に物件を無償で貸す際は、経費計上の取り扱いに十分注意してください。

📝 このセクションのまとめ

  • 60万円以上または物件購入価格の10%超の工事は資本的支出として資産計上が必要
  • 資本的支出か修繕費かの判断が難しい場合は税務署・税理士に相談する
  • 家族への無償貸与は経費が認められなくなるうえ、贈与と判断されるリスクがある

減価償却を活用して所得税・住民税をゼロにする方法

不動産投資における最大の節税手法のひとつが減価償却です。建物は時間の経過とともに価値が下がっていくという考え方に基づき、その価値の目減り分を毎年必要経費として計上できます。これを減価償却と言います。

減価償却費は物件の耐用年数と償却率によって計上できる金額が決まります。建物の構造によって耐用年数が異なります。

構造法定耐用年数特徴
RC造(鉄筋コンクリート)47年耐用年数が長い分、年間償却額は小さい
木造22年耐用年数が短い分、年間償却額が大きい

新築の場合はこの法定耐用年数で計算しますが、中古物件の場合は次の計算式で償却期間を算出します。

📌 中古物件の償却期間の計算式

中古物件の償却期間 = 法定耐用年数 - 経過年数 × 0.8

※ 法定耐用年数が償却期間より小さい場合は、別途定められた耐用年数を使用します。

具体的な計算例:築23年の木造アパートを購入した場合

木造の法定耐用年数は22年です。築23年の場合、法定耐用年数をすでに超えているため、簡便法により償却期間は4年となります。

項目内容
物件の種類築23年・木造アパート
建物部分の購入価格4,000万円
償却期間4年
年間の減価償却費1,000万円(4,000万円 ÷ 4年)

個人で不動産を所有している場合、不動産所得が赤字になると給与所得などと損益通算できます。つまり、この減価償却費によって不動産所得がマイナスになっていれば、確定申告において給与所得から最大1,000万円を差し引くことも理論上は可能です。

📌 ポイント

家賃収入として実際に手元にお金が入ってきているにもかかわらず、減価償却費の計上によって不動産所得をゼロまたはマイナスにすることが可能です。その結果、所得税・住民税をゼロにすることも、状況によっては実現できます。

📝 このセクションのまとめ

  • 建物の減価償却費は構造別の耐用年数をもとに計算する(RC造47年、木造22年)
  • 中古物件は「法定耐用年数-経過年数×0.8」で償却期間を算出する
  • 築23年・木造・建物4,000万円なら年間1,000万円の減価償却費を4年間計上できる
  • 不動産所得の赤字は給与所得と損益通算でき、所得税・住民税の大幅圧縮が可能

法人化による節税メリットと注意点

不動産所得が事業的な規模になり、所得が大きくなってきたら、次のステップとして法人化を検討するオーナーが増えてきます。法人化には次のような節税メリットが期待できます。

  • 個人の累進課税(最高税率45%)から法人税率(最大約23%)への切り替えによる税負担軽減
  • 役員報酬として所得を分散し、給与所得控除を活用できる
  • 家族を役員・従業員にして報酬を支払うことで所得分散が可能
  • 法人での経費の幅が広がる
  • 退職金制度の活用による節税

一方で、法人化にはコストや手間も伴います。

⚠️ 法人化の注意点

  • 設立費用がかかる(登録免許税・定款認証費用など)
  • ランニングコストがかかる(税理士報酬・登記費用など)
  • 社会保険への加入が義務となる
  • 法人の決算申告書は個人の確定申告書より難易度が高く、税理士への依頼が事実上必要になるケースが多い

法人化のメリットは非常に大きいですが、設立・維持のコストも発生します。自身の所得規模や将来の拡大計画を踏まえて、税理士に相談しながら判断することが重要です。

📝 このセクションのまとめ

  • 不動産所得が大きくなってきたら法人化による節税を検討する価値がある
  • 法人化により税率の引き下げ・所得分散・退職金活用などのメリットが得られる
  • 設立費用・ランニングコスト・社会保険加入義務などのデメリットも把握しておく
  • 法人の申告書は複雑なため、税理士への依頼がほぼ必須となる

終わりに

本記事の内容は YouTubeチャンネル 社長の資産防衛チャンネル の下記動画を参考に作成しています。AIによる書き起こしを活用しているため、誤字脱字がある可能性があります。ご了承ください。
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