資産管理会社(プライベートカンパニー)で節税する方法を税理士が解説

資産管理会社(プライベートカンパニー)で節税する方法を税理士が解説
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資産管理会社を作ると所得税率55%から法人税率34%に下げられる可能性があります。高所得サラリーマン・資産家・オーナー経営者それぞれの活用法と注意点を解説します。

資産管理会社(プライベートカンパニー)とは

ネット上にこんな言葉があります。「忙しいサラリーマンでも不動産とプライベートカンパニーと税金の知識をうまく使いこなせれば、10年間で300万から500万の資産を築くことができる。いや、それどころかもっと多くの資産を築くことも可能だ。」

このプライベートカンパニー、別名を資産管理会社といいます。資産管理会社とは、現金・預貯金・債券・株式・投資信託・不動産といった自分の資産を管理するために設立する会社のことです。資産管理以外の事業は行わず、オーナーのためだけに存在している会社です。

📌 ポイント

個人でも資産管理はできますが、わざわざ法人を設立する理由は税メリット相続対策にあります。富裕層の間では資産管理会社を持って税金対策をすることがすでに一般的になっており、そのメリットは富裕層だけのものではありません。

📝 このセクションのまとめ

  • 資産管理会社=自分の資産を管理するために設立する法人(プライベートカンパニーとも呼ぶ)
  • 資産管理以外の事業は行わない
  • 税メリットと相続対策が設立の主な理由

資産管理会社の設立でメリットがある3つのパターン

資産管理会社を作ってメリットがある人は、代表的に次の3パターンです。

  • 副業を行っているサラリーマン・会社員
  • 多額の相続税が発生するような資産家
  • オーナー経営者(社長)

それぞれ順番に活用法を見ていきましょう。

📝 このセクションのまとめ

  • メリットを受けられるのは富裕層だけではない
  • 副業サラリーマン・資産家・オーナー社長の3パターンが代表的

副業を行っているサラリーマンの活用法

副業をしているサラリーマンが資産管理会社を活用できる理由は、所得税と法人税の税率差にあります。

区分税率特徴
個人の所得税(超過累進課税)最大 約55%稼げば稼ぐほど税率が上がる
法人の実効税率高くても 約34.5%税率が一定で抑えられる

個人の所得税は超過累進税率になっており、稼げば稼ぐほど税金が高くなります。副業として不動産投資などを行っている場合、不動産所得もお給料と合算して税金計算されるため、所得が上がるほど税率がどんどん高くなっていきます。

一方、法人の実効税率は高くてもだいたい約34.5%程度です。年収が1,000万円を超えるようなサラリーマンが副業や資産運用を行う場合、資産管理会社を作ってそちらで運用を行う方が、低い税率を適用できる可能性があります。

メリット①:所得の分散

個人の税金は収入が高ければ高いほど税率も高くなります。すでにサラリーマンとしての収入があるご本人がさらに追加でお給料をもらうよりも、無収入または低収入の配偶者に給与を渡してご家族内で利益を分散してあげた方が、ご家族全体で見た税金を低く抑えることができます。

📌 ポイント

1人が高額の税率で税金を支払うよりも、複数人で低い税率で税金を支払った方が、家計全体の手取りが増えます。これが所得分散の効果です。

メリット②:経費にできる範囲が広がる

個人と法人では経費にできる範囲が異なり、法人の方が経費にできる範囲が広いという特徴があります。具体的には以下のようなものが挙げられます。

  • 役員社宅:賃貸マンションを法人名義で契約し直して、役員(居住者)から一定額の家賃を会社に支払う形にすると、一般的に家賃の少なくとも50%を法人の経費にできる
  • 出張手当:社内規程(ルールブック)を作成して出張手当を支払うと、出張手当の全額を会社の経費にできる
  • 生命保険料:個人の生命保険料控除は年末調整・確定申告でも最大12万円だが、法人であれば一定の割合でより多くの金額を経費にできる

📝 このセクションのまとめ

  • 所得税(最大約55%)と法人税(約34.5%)の税率差を活用できる
  • 家族への給与支払いで所得を分散し、家計全体の税負担を下げられる
  • 役員社宅・出張手当・生命保険料など、個人より経費にできる範囲が広い
  • 年収1,000万円超のサラリーマンが副業・資産運用を行う場合に特に有効

多額の相続税が発生する資産家の活用法

見込みの遺産額が1億円を超えるような方は、資産管理会社の設立を検討する価値があります。

相続税そのものの節税効果

資産管理会社を設立してそこから家族にお給料を払うと、本来すべて自分のものになるはずだったお金が、生前からご家族に分配されていきます。これは自分の所得税・住民税を下げる意味でも有効ですが、長い目で見るとご家族へのお金の移転という意味で相続税対策にもなります。

通常の生前贈与の場合、贈与税は金額が大きくなるほど税率が高くなり、最高55%です。一方、資産管理会社からの報酬という形でご家族にお金を払えば、その55%よりは低い税率でお金を渡していくことができます。つまり、より多くのキャッシュを残して親族に渡せるということです。

相続税の納税資金を準備できる

相続税は相続発生から10ヶ月以内に現金一括で納めることが原則です。納税資金を用意できずに、これまで住んでいた土地を手放したり、建物を売ったり、物納(物で税金を納める)せざるを得ない事態が起こることがあります。

📌 ポイント

資産管理会社からの報酬を通じて事前に相続人の方々にお金を渡しておくと、納税資金繰りの心配がなくなり、大事な不動産を手放さずに済みます。

相続争いの防止にもなる

財産の内容が現金や上場株式だけであれば分けやすいですが、不動産などの実物資産が多いと分割が難しく、相続争いに発展しやすくなります。

資産管理会社に不動産をまとめて帰属させれば、資産管理会社の株式を分配して相続させることができます。株式であれば割と公平に分けやすいため、不公平感がなくなり相続争いの防止にもなります。

また、ご家族への報酬は資産管理会社の経費にできるため、家賃収入などが上がる場合でも法人税を抑えることができます。

📝 このセクションのまとめ

  • 遺産見込み額が1億円超の方が検討の目安
  • 家族への報酬支払いで生前贈与税(最大55%)より低い税率でお金を移転できる
  • 相続税の納税資金(10ヶ月以内に現金一括)を事前に準備できる
  • 不動産を株式化することで相続争いを防止できる

オーナー経営者(社長)の活用法

オーナー社長にとって、自社株の相続は非常に大きな課題です。

自社株を生前にご家族に贈与することで相続税の節税を図ることは可能ですが、生前に自社株をご家族に贈与してしまうと経営権の確保に影響が出ることがあります。議決権が自分の持ち分から減り、ご家族の持ち分が強くなることで、経営に悪影響が出るリスクもあり得ます。

📌 ポイント

こういった場合に有効なのが、自社株を資産管理会社に移しておいて、資産管理会社の株を贈与するという方法です。

この方法のメリットは以下の通りです。

  • 資産管理会社の株を贈与されたご家族は、自社株を簡単に換金することができない
  • 相続が発生した場合でも対象となるのはあくまで資産管理会社の株式であるため、自社株が社外(配偶者の家族など)に流出するリスクを防げる
  • 経営を安定的に確保しながら、時間をかけて自社株の相続税対策を進めることができる

📝 このセクションのまとめ

  • 自社株を直接贈与すると経営権が揺らぐリスクがある
  • 自社株を資産管理会社に移し、資産管理会社の株を贈与することで経営権を守りながら相続対策ができる
  • 自社株の社外流出リスクを防止できる

資産管理会社を設立・維持する際の注意点とコスト

資産管理会社を設立して維持していくには、当然コストがかかります。

設立費用(初期費用)

会社の種類設立費用の目安
合同会社約6万〜10万円
株式会社(自分で設立する場合)約18万〜25万円

ランニングコスト

法人を作ると個人とは別に法人としての決算・申告が必要になります。主なランニングコストは以下の通りです。

  • 経理担当者を雇う場合:人件費
  • 会計事務所に依頼する場合:顧問報酬
  • 給与を支払う場合:社会保険料(法人は社会保険への加入が必須)
  • 赤字でも毎年かかる:法人住民税の均等割 約7万円

資産を法人に移転する際のコスト

個人の資産を会社に移転する場合、ただで移せるわけではありません。例えば不動産を資産管理会社に移す場合、個人が会社に売ることになるため以下のコストが発生します。

  • 譲渡所得税(個人が会社に売ることで発生)
  • 不動産取得税(会社が不動産を新たに取得するため)
  • 登録免許税
  • 司法書士費用

⚠️ 注意

設立・維持のコストや資産移転のコストと、資産管理会社設立による節税効果を比較して、本当にメリットがあるかどうかを判断しなければなりません。節税メリットが小さいのに各種コストだけかかってしまい、「うまみがない」という結果になるケースもあります。思いつきで設立せず、必ず専門家に相談してから判断することが重要です。

法人のお金は個人が自由に使えない

会社が保有する現金は、社長といえども個人が自由に使えるわけではありません。個人と資産管理会社は別の人格です。「自分の財布も会社の財布も同じ」と思いがちですが、法人のお金を簡単に個人に動かすことはできないため、注意が必要です。

法人に貯まったお金を個人に移転する方法としては、例えば小規模企業共済(経営セーフティ共済)などに積み立てておいて、退職時などに一気に受け取る方法があります。何かしらのまとまったタイミングで一気に受け取ると、税制上の優遇が受けられる場合があります。

📝 このセクションのまとめ

  • 合同会社は6〜10万円、株式会社は18〜25万円の設立費用がかかる
  • 赤字でも法人住民税の均等割(約7万円/年)が発生する
  • 不動産の移転には譲渡所得税・不動産取得税・登録免許税・司法書士費用がかかる
  • コストと節税メリットを比較して設立を判断すること
  • 法人のお金は個人が自由に使えない点に注意
  • 思いつきで設立せず、専門家への相談が必須

記事全体のまとめ

資産管理会社(プライベートカンパニー)とは、自らの資産を管理するために設立する会社です。所得税と法人税の税率差・経費にできる範囲の広さ・所得分散効果などから、副業を行っているサラリーマンが活用することでメリットがあります。

また、資産管理会社を活用することで納税資金の準備・相続争いの防止・経営を安定的に確保しながら自社株の相続税対策を進めることができるため、資産家やオーナー経営者の相続対策としても有効です。

⚠️ 注意

会社設立と維持のコストがかかるため、それらを踏まえた上でメリットを検討することが必要です。資産管理会社の設立は思いつきで行わず、必ず税理士などの専門家に相談してから判断してください。

終わりに

本記事の内容は YouTubeチャンネル 社長の資産防衛チャンネル の下記動画を参考に作成しています。AIによる書き起こしを活用しているため、誤字脱字がある可能性があります。ご了承ください。
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