定期預金 解約できない?銀行に申し出た時に待ち受けるリスクを専門家が解説

定期預金 解約できない?銀行に申し出た時に待ち受けるリスクを専門家が解説
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いざという時に使えない定期預金の真実を、実例をもとに徹底解説します。

融資先の定期預金は「いざという時」に解約できない現実

融資を受けている銀行・信用金庫に定期預金を預けている経営者の方は少なくありません。「いざという時にはその定期預金を取り崩して資金繰りに充てよう」とお考えの方も多いでしょう。

しかし、実際に定期預金の解約を申し出た際の結果はどうなるのでしょうか。多くのお客様の事例を踏まえると、驚くべき現実が見えてきます。

解約申し出の結果割合主な状況
すんなり解約できた10社中1社業績に問題がない・銀行との関係が良好
解約を断られた・拒否された10社中9社資金繰りが厳しい・業績が悪化している

つまり、「いざという時のために貯めておいた定期預金」が、まさにいざという時に使えないことが発覚するのです。そのような状況で、限られた預金残高の中から会社を立て直すことは非常に困難になります。定期預金の扱い方一つで、会社の将来が大きく左右されることがあるのです。

⚠️ 注意

「本当に自由に使えるかどうか」を確かめたい方は、今すぐ銀行・信用金庫に「定期預金を解約したいのですが」と申し出てみてください。実際に使えるかどうかが明確になります。

📝 このセクションのまとめ

  • 融資先の銀行・信用金庫に預けた定期預金は、解約を断られるケースが10社中9社に上る
  • 「いざという時に使おう」と考えていたお金が使えないと、資金繰りが急激に悪化する
  • 本当に使えるかどうかは、業績が良い今のうちに試しておくことが重要

担保に入っている定期預金の確認方法

定期預金が解約できないケースの一つ目は、定期預金が正式に担保(質権設定)に入っている場合です。担保に入れている定期預金は、その借入金を完済するまで自由に解約することはできません。これは経営者の方も「使えない」と認識されているケースが多いでしょう。

ただ、決算書の勘定科目内訳明細書に定期預金の記載はあっても、「どれが担保に入っていてどれが入っていないか」がわかりにくいという方もいらっしゃいます。銀行・信用金庫に直接聞きにくい場合、最も簡単な確認方法があります。

📌 ポイント:定期預金が担保に入っているかを確認する最も簡単な方法

社内に定期預金の通帳があるかどうかを確認してください。通帳がお手元にない場合、その定期預金は担保(質権設定)に入っています。

なぜ通帳で判断できるのでしょうか。定期預金を担保に入れる際には、「質権設定契約」を銀行と交わします。質権とは、質屋をイメージするとわかりやすいでしょう。

担保の種類対象利用者の使用可否定期預金との関係
抵当権不動産(土地・建物)担保提供後も利用者が使い続けられる
質権動産・債権(定期預金など)債権者(銀行)が現物を占有するため利用者は使えない通帳を銀行が保管する

土地・建物に抵当権を設定しても、担保提供後も引き続きその不動産を使えますよね。一方、質権は質屋に品物を預けてお金を受け取る仕組みと同じです。定期預金の通帳を銀行が預かってしまうため、お手元に通帳がない状態になります。これが「担保に入っているかどうか」を通帳の有無で確認できる理由です。

💡 補足:動画では触れていませんが…

質権設定は登記不要のため、経営者が気づかないうちに設定されているケースがあります。融資契約書の付属書類に「質権設定契約書」が含まれていないか、一度ご確認ください。また、質権設定がある場合、その定期預金の利息も銀行側に充当されることがあります。

📝 このセクションのまとめ

  • 定期預金の通帳がお手元にない場合、その預金は質権設定(担保)に入っている
  • 質権は抵当権と異なり、銀行が通帳(現物)を占有するため、完済まで解約できない
  • まず社内の通帳を確認し、担保の有無を把握することが第一歩

実質金利の落とし穴:0.6%が実は1.8%になる仕組み

担保に入れている定期預金がある場合、借入金とのバランスをしっかり確認することが重要です。なぜなら、表面上の低金利に隠れた「実質金利」の罠が潜んでいるからです。

信用金庫などでよく見られる事例を見てみましょう。「うちは0.6%の低金利で借りられている」と自慢される経営者の方がいらっしゃいます。しかし、バランスシートをよく見ると…

項目金額・内容
借入金残高3,000万円
表面金利0.6%
年間利息支払額18万円
担保として拘束されている定期預金2,000万円
実際に自由に使えるお金1,000万円(3,000万円 − 2,000万円)
実質金利(18万円 ÷ 1,000万円)1.8%(表面金利の3倍!)

3,000万円借りていても、2,000万円の定期預金を担保として銀行に握られていれば、実際に使えるお金は1,000万円しかありません。その1,000万円に対して年間18万円の利息を払っているわけですから、実質的な金利は1.8%になります。表面金利の3倍です。

銀行・信用金庫はこの仕組みを当然理解しています。「0.6%の低金利」という見せ方で経営者を引きつけながら、実際にはリスクを最小化しつつ高い実質金利を得る、非常に巧みな仕組みになっています。

📌 ポイント:非効率なお金の使い方を改善するには

どうせ定期預金を担保に入れるのであれば、4,000万円・5,000万円と借入額を増やして手元資金を厚くしておく方が合理的です。借入金が増えると決算書の見栄えが悪くなると感じるかもしれませんが、非効率なお金の使い方をしていること自体が決算書を痛めています。見た目ではなく実質が重要です。

💡 補足:動画では触れていませんが…

実質金利の計算は、定期預金の拘束額だけでなく、定期預金から得られる利息収入も加味して行うと、より正確な比較ができます。現在の定期預金金利は0.02〜0.1%程度と極めて低いため、利息収入はほぼ無視できるレベルです。その意味でも、定期預金に資金を寝かせるメリットはほとんどありません。

📝 このセクションのまとめ

  • 表面金利が低くても、担保で拘束された定期預金がある場合、実質金利は大幅に高くなる
  • 上記の例では0.6%が実質1.8%(3倍)になる
  • バランスシートで「借入金と担保定期預金のバランス」を必ず確認すること
  • 担保を入れるなら、借入額を増やして手元資金を厚くする方が合理的

担保なし定期預金でも解約できない理由:銀行窓口での攻防

では、通帳がお手元にあって担保に入っていない定期預金であれば、自由に解約できるのでしょうか。残念ながら、そうとも限りません。

定期預金はATMでは引き出せません。解約するには必ず銀行・信用金庫の窓口に出向く必要があります。(個人の定期預金はネットバンキングで解約できる場合もありますが、法人は基本的に窓口のみです。)

窓口に行くと、必ず担当者というフィルターが介在します。その流れを見てみましょう。

  1. 社長が窓口の担当者(受付スタッフ)に定期預金の解約を申し出る
  2. 担当者は「この会社は当行から融資を受けている」と把握し、必ず上司に報告する(これはどの銀行・信用金庫でもマニュアル化されている)
  3. 融資課長などの担当者が登場し、社長に解約理由を尋ねる
  4. 社長が答えに詰まると、最後に「今後の融資に影響するかもしれません」と告げられる
  5. 多くの社長がその一言で解約を断念し、帰宅する

⚠️ 注意:解約理由を言う難しさ

融資を申し込む時は「新しい顧客への対応のため」「新店舗出店のため」など、前向きな理由をいくらでも作れます。しかし定期預金を解約する時にネガティブな理由しか見つかりません。「設備投資のため」と言えば「では融資しましょう」と返され、「資金繰りが苦しいから」とは銀行員の前では口が裂けても言えない、という板挟みが生じます。

解約理由の例銀行の反応結果
「設備投資のため」「では融資しましょう」借入増加・利息増加
「資金繰りが厳しいため」警戒・融資停止リスク言えない
答えに詰まる「融資に影響するかもしれません」解約断念

「今後の融資に影響するかもしれません」という一言に対して、「それでも解約してください」と毅然と答えられる社長はなかなかいません。融資が止まることへの恐怖感は誰でも持っているため、多くの社長がその場で引き下がってしまいます。

💡 補足:動画では触れていませんが…

銀行員が「融資に影響するかもしれない」と口頭で告げることは、法的には強制力を持ちません。定期預金は預金者の財産であり、正当な理由なく解約を拒否することは銀行にとってもリスクがあります。ただし、実務上の力関係から、この一言が非常に大きな抑止力になっているのが現実です。

📝 このセクションのまとめ

  • 担保なし定期預金でも、窓口での解約手続きに必ず「人的フィルター」が介在する
  • 融資課長などが登場し、解約理由を問われる
  • 「融資に影響するかもしれません」の一言で、多くの社長が解約を断念する
  • 結果として10社中9社は解約できずに帰ることになる

解約できる10社に1社はどんな会社か

10社中1社、すんなり解約できるケースも存在します。それはどのような状況でしょうか。

解約できるのは、業績に問題がない時期に申し出た会社がほとんどです。業績が好調で、銀行・信用金庫側も「この会社との関係を壊したくない」と判断した場合、解約に応じてくれます。

逆に、業績が悪化している会社や、銀行が警戒している会社は、業績が良い時と同じ申し出をしても断られるケースが多くあります。

📌 ポイント:「今は問題ない」と思っていても試しておくべき理由

業績が悪い会社と警戒されている会社には、業績が良い会社と全く同じ断り文句が使われます。つまり、今問題がないと思っていても、銀行側が既に警戒を始めている可能性があります。業績が良い今のうちに定期預金の解約を試してみることで、銀行との本当の関係性が見えてきます。

📝 このセクションのまとめ

  • 解約できる10社中1社は、業績が良い時期に申し出た会社がほとんど
  • 業績悪化時・銀行が警戒している会社は、同じ申し出でも断られる
  • 「今は問題ない」と思っていても、銀行が既に警戒している可能性があるため、早めに試しておくことが重要

定期預金はそもそもすべきか?付き合いで勧められた時の断り方

メガバンクでも0.0数%の金利しかつかない定期預金に、会社のお金を寝かせることにどれほどの意味があるでしょうか。在庫にお金を回す方がまだ発展性があります。定期預金にお金を寝かせることは、ほぼ何の意味もない行為といえます。

現在まだ定期預金をしていない方は、今後も絶対にしないことをお勧めします。

一方で、信用金庫などでよくあるのが「社長、お付き合いでいかがですか」という定期預金の勧誘です。このお付き合いに乗ってはいけません。

📌 ポイント:付き合いの定期預金を断る時の一言

「うちはお金を寝かせないことを経営方針としているので、定期預金だけはお断りします」と毅然と答えておきましょう。この一言を言えるかどうかが、いざという時に会社を救うかどうかの分かれ目になります。

すでに定期預金をされている方には、以下の選択肢を検討することをお勧めします。

  • どうせ担保に入れるなら、借入額をもっと増やして手元資金を厚くする
  • 「本当に使えるかどうか」を今すぐ試してみる
  • 解約できない状況であれば、別の方法で手元の流動性を確保する

💡 補足:動画では触れていませんが…

定期預金の代わりに手元流動性を確保する方法として、当座貸越(コミットメントライン)の設定を銀行と交渉することが有効です。必要な時だけ借り入れられる枠を確保しておくことで、定期預金を担保に入れるよりも柔軟な資金繰りが可能になります。

📝 このセクションのまとめ

  • 定期預金の金利は0.0数%程度で、会社のお金を寝かせるメリットはほぼない
  • 「お付き合いで」という勧誘には毅然と断ることが重要
  • すでに定期預金をしている場合は、借入増加による手元資金確保か、解約テストを検討する

今すぐバランスシートで確認すべき4つのポイント

定期預金に関する問題は、バランスシートの分析で多くが明らかになります。以下の4点を今すぐ確認してください。

確認項目確認方法チェックポイント
①定期預金の有無と金額勘定科目内訳明細書を確認どの銀行にいくら預けているか
②担保(質権設定)の有無社内に通帳があるか確認通帳なし=担保に入っている
③借入金と担保定期預金のバランスバランスシートで比較実際に使えるお金はいくらか
④実質金利の計算利息÷実際に使えるお金表面金利の何倍になっているか

「どの銀行にいくらの借り入れがあり、どの銀行にいくらの定期預金を提供しているか」を把握することは、バランスシート分析の重要な項目の一つです。この確認を怠ると、いざという時に資金繰りが急激に悪化するリスクが高まります。

⚠️ 注意:最悪の事態を想定した準備を

「最悪の事態を想定して最善の手を打っておく」ことが経営者の務めです。定期預金の問題は、業績が良い今のうちに手を打っておかないと、いざという時に対処できなくなります。

💡 補足:動画では触れていませんが…

バランスシート分析では、定期預金だけでなく現預金全体の「拘束性」を確認することが重要です。当座預金の最低残高維持義務(コレスポンデントバランス)など、定期預金以外にも自由に使えないお金が存在する場合があります。財務コンサルタントや税理士と一緒にバランスシートを精査することをお勧めします。

📝 このセクションのまとめ

  • どの銀行にいくらの借り入れがあり、どの銀行にいくら定期預金を入れているかを把握する
  • 実際に使えるお金(借入金−担保定期預金)と実質金利を計算する
  • 業績が良い今のうちに定期預金の解約テストを行い、使えるかどうかを確認しておく

📋 この記事を読んだら次にやること

  1. 社内の定期預金通帳を確認し、担保(質権設定)に入っているものがないかチェックする
  2. 借入金の残高と担保定期預金の残高を比較し、実際に使えるお金と実質金利を計算する
  3. 業績が問題ない今のうちに、融資先の銀行・信用金庫に定期預金の解約を申し出て、本当に使えるかどうか確認する
  4. 解約できない状況であれば、借入額を増やして手元資金を厚くする方向で銀行と交渉する
  5. 今後、銀行・信用金庫から定期預金の勧誘を受けた際は、経営方針として断る準備をしておく

終わりに

本記事の内容は YouTubeチャンネル 中小企業の財務チャンネル の下記動画を参考に作成しています。AIによる書き起こしを活用しているため、誤字脱字がある可能性があります。ご了承ください。
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