事業継続力強化計画(BCP)とは?中小企業・個人事業主が認定を受けるメリットを専門家が解説
災害大国・日本で事業を守るBCP認定制度、そのメリットと申請手順を徹底解説。
なぜ今、BCPが注目されているのか
2025年1月5日の報道より、様々な災害リスクが多い日本で事業活動を続けていくために、準備しておくべきことが改めて注目されています。
国はBCP(災害などの緊急事態における企業や団体の事業継続計画)の作成を事業者に働きかけています。災害が起こった時にも事業が停滞しないよう、従業員を守りながら事業を続けていくためのプランを作成することが求められています。
📌 ポイント
「BCPは大企業向けで、中小企業には難しい」と思われがちですが、簡易版のBCPも存在します。A4用紙4枚程度の書類を、各種サポートを受けながら作成することが可能です。しかも申請・認定は無料で受けられます。
📝 このセクションのまとめ
- 国が事業者に対してBCPの作成を強く推進している
- 中小企業・個人事業主向けの簡易版BCPがある
- A4用紙4枚程度で作成でき、無料で申請・認定が受けられる
事業継続力強化計画とBCPの違い
一般的に「BCP(Business Continuity Plan)」と呼ばれる事業継続計画ですが、中小企業庁の認定制度では「事業継続力強化計画」という名称になっています。本記事では主にこの中小企業庁の認定制度について解説します。
なお、関連する制度として、厚生労働省では「業務継続計画」という形で介護事業所などを対象に、2024年4月から作成が義務化されたものもあります。業種によって対象となる計画の種類が異なる点に注意が必要です。
| 名称 | 所管省庁 | 主な対象 | 義務・任意 |
|---|---|---|---|
| 事業継続力強化計画 | 中小企業庁 | 中小企業・個人事業主 | 任意(認定制度) |
| 業務継続計画 | 厚生労働省 | 介護事業所など | 2024年4月より義務化 |
📝 このセクションのまとめ
- 中小企業庁の認定制度は「事業継続力強化計画」と呼ばれる
- 厚生労働省の「業務継続計画」は介護事業所等で2024年4月から義務化
- 本記事では中小企業庁の認定制度を中心に解説する
事業継続力強化計画の概要と対象者
事業継続力強化計画とは、中小企業が自社の災害リスクを認識し、防災・減災対策の第一歩として取り組むための必要な項目を盛り込んだ計画です。将来災害が起こった時にどのように対策するのかをまとめたものになっています。
中小企業庁のホームページでは、オンラインでの電子申請が可能となっており、認定を受けるための資料も豊富に用意されています。申請書類については雛形もありますし、間違いやすい点などもまとめられているため、わかりやすい内容になっています。
📌 対象者
「中小企業者」が対象ですが、個人事業主も含まれます。一般的な会社だけでなく、その他の団体等も含まれます。
📝 このセクションのまとめ
- 自社の災害リスクを認識し、防災・減災対策を計画化するもの
- 中小企業庁のホームページからオンライン申請が可能
- 個人事業主・一般的な会社・各種団体も対象
認定を受けるメリット一覧
事業継続力強化計画の認定を受けると、さまざまなメリットが得られます。以下に主なメリットをまとめます。
- 認定ロゴマークの使用
- 低利融資などの金融支援
- 防災・減災設備に対する税制措置(特別償却)
- 各種補助金の加点措置
- 損害保険料の割引
- 認定企業としての対外的な信頼性アピール
以下では、それぞれのメリットについて詳しく解説します。
メリット①:金融支援(低利融資・信用保証の別枠)
金融支援として、まず日本政策金融公庫による低利の融資が利用できます。通常よりも低い金利でお金を借りられるのは、資金繰りの面で大きなメリットです。
また、中小企業信用保険法の特例として、信用保証協会による信用保証において、通常枠以外に別枠での追加保証等が受けられます。これにより、通常の保証枠を使い切っている場合でも、追加で融資を受けやすくなります。
📌 ポイント
認定を受けておくことで、災害発生後の緊急時に有利な条件で資金調達できる体制を事前に整えることができます。
📝 このセクションのまとめ
- 日本政策金融公庫による低利融資が利用可能
- 信用保証協会の通常枠に加え、別枠での追加保証が受けられる
メリット②:税制優遇(防災減災投資促進税制)
防災・減災に関連する設備投資を行った場合に、防災減災投資促進税制として特別償却18%のメリットを受けることができます。
| 制度名 | 内容 | 適用条件 |
|---|---|---|
| 防災減災投資促進税制 | 特別償却 18% | 事業継続力強化計画の認定を受けた事業者が対象設備に投資した場合 |
⚠️ 注意
この税制優遇を受けるためには、税務申告の際に別途手続きが必要です。認定を受けただけでは自動的に適用されませんので、申告時に忘れずに手続きを行ってください。
📝 このセクションのまとめ
- 防災・減災に関する設備投資で特別償却18%が適用される
- 税務申告時に別途手続きが必要なので注意
メリット③:補助金の加点・損害保険料の割引・対外信頼性
事業継続力強化計画の認定を受けることで、各種補助金の審査において加点措置が受けられます。中小企業庁のパンフレットによると、対象となる主な補助金は以下の通りです(一部受付終了のものも含みます)。
- ものづくり補助金
- 事業再構築補助金(一部の枠)
- IT導入補助金
- 事業承継・引継ぎ補助金(一部の枠)
- その他、地方自治体等の補助金
補助金の採択率アップにつながるため、補助金申請を検討している事業者にとっては特に大きなメリットです。
また、損害保険料の割引も受けられる場合があります。認定事業者に対して、各種保険の割引等を適用している保険会社もあります(保険会社によって異なります)。
さらに、認定を受けた事業者は認定企業の一覧に掲載されます。認定書が発行されるため、自社のホームページに掲載して「リスクをしっかり認識できている会社」として対外的にアピールする企業も多くあります。組織をよりよく変えていくプラスの効果も期待でき、信頼できる企業であるという対外アピールにもつながります。
📝 このセクションのまとめ
- ものづくり補助金など主要補助金で加点措置あり→採択率アップ
- 損害保険料の割引が受けられる場合がある(保険会社による)
- 認定企業一覧への掲載・認定書発行で対外的な信頼性アピールが可能
事業継続力強化計画の策定内容と申請手順
事業継続力強化計画の策定では、以下の内容を計画に落とし込んでいきます。中小企業庁のホームページには記載例が豊富に用意されているため、それをベースに考えることで簡易なBCPを作成することができます。
| 策定ステップ | 内容 |
|---|---|
| ①計画の目的設定 | 災害が起こった時にどのように対処していくのかを明確にする |
| ②リスクの確認 | どのような災害が起こる可能性があるかを確認する |
| ③対応策の検討 | 災害が起こった場合にどのように対応するかをまとめる |
| ④事前体制の整備 | 災害が起こる前からどのような体制で取り組むかを考える |
申請にあたっての手順は以下の通りです。
- 制度の利用を検討する
- 事前確認・準備をする
- 計画を策定する
- オンラインで申請する(GビズIDアカウント等が必要)
- 認定を受ける
📌 ポイント
オンライン申請にはGビズIDアカウントが必要です。事前にアカウントを取得しておきましょう。認定を受けた事業者は認定企業の一覧に掲載されるため、どのような事業者が認定を受けているかも確認することができます。
📝 このセクションのまとめ
- 計画策定は「目的→リスク確認→対応策→事前体制」の流れで進める
- 中小企業庁の記載例をベースに作成すれば、自社での作成も可能
- 申請はオンライン(GビズIDアカウントが必要)
- 申請・認定は無料で受けられる
今すぐ取り組むべき理由:デメリットはほぼゼロ
事業継続力強化計画の認定制度は、申請しておいてメリットだらけ、デメリットは特にないと言える制度です。マニュアル類を見ながら自社で作成することが可能で、無料で申請・認定を受けることができます。
次の災害や危機に備えて、今のうちから準備しておくことが重要です。想定外の事態も受け入れ、事業と従業員を守るための計画を今すぐ検討してみましょう。
📌 まとめ:事業継続力強化計画 認定のメリット
- 日本政策金融公庫による低利融資
- 信用保証協会による別枠の追加保証
- 防災・減災設備投資への特別償却18%
- ものづくり補助金等の補助金加点措置
- 損害保険料の割引(保険会社による)
- 認定ロゴマーク使用・対外的な信頼性アピール
- 申請・認定は無料
終わりに
本記事の内容は YouTubeチャンネル 牧野谷 輝MAKINOYA AKIRA【中小企業診断士・行政書士】 の下記動画を参考に作成しています。AIによる書き起こしを活用しているため、誤字脱字がある可能性があります。ご了承ください。 本サイトは 牧野谷 輝MAKINOYA AKIRA【中小企業診断士・行政書士】を応援しています!
