青色申告決算書の書き方を税理士が完全解説【1〜4枚目】

青色申告決算書の書き方を税理士が完全解説【1〜4枚目】
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自営業・フリーランスが必ず作成する青色申告決算書、1枚目から4枚目まで完全解説します。

確定申告の基本:何を・いつ・どこに提出するのか

確定申告とは、あなたの1年間のビジネスの結果を税務署に報告する手続きです。自分で税金を計算し、申告書を提出します。

今回(令和4年分)の対象期間と提出期限は以下のとおりです。

項目内容
対象期間令和4年1月1日〜12月31日
提出期限令和5年2月16日〜3月15日
提出先税務署

📌 コロナによる申告期限延長について

新型コロナウイルスに感染して期限に間に合わない場合は、「災害による申告延長申請書」を添付することで延長が可能です。書類が1枚追加で必要になりますのでご注意ください。

青色申告決算書に記入するのは、売上から経費を引いた利益(所得)です。この利益に対して税率がかかるため、売上・経費を正確に集計して報告することが重要です。

📝 このセクションのまとめ

  • 確定申告は「1年間のビジネス結果を税務署に報告する」手続き
  • 令和4年分の提出期限は令和5年3月15日まで
  • コロナ感染時は「災害による申告延長申請書」で延長可能
  • 青色申告決算書=売上-経費=利益(所得)を計算・報告する用紙

1枚目(上部):基本情報の記入方法

青色申告決算書は全4枚構成です。まず1枚目の上部に記入する基本情報から確認しましょう。

記入欄記入内容備考
何年分か令和4年分今回は「4」と記載
住所自分の住所
氏名・ふりがな氏名を記載
事業所所在地事業所の住所自宅と同じ場合は「同上」でOK
電話番号連絡のつく番号携帯電話でも可。自宅・事務所どちらでも可
業種名例:サービス業、コンサル業など開業届に記載した業種と同じものを記入
屋号お店・屋号の名前開業届記載の屋号。決めていない場合は記入不要
加入団体名加入している団体名該当なければ記入不要
依頼税理士税理士が記入する欄自分で申告する方は記入不要

次に、1枚目の下部に記入する内容です。

  • 提出日:令和5年の提出する日付を記入
  • ビジネス期間:一般的には1月1日〜12月31日。年の途中で開業した場合は開業日から12月31日まで

📌 開業日が途中の場合の記載例

例えば5月1日に開業した場合、ビジネス期間の欄は「令和4年5月1日〜令和4年12月31日」と記載します。1月1日からにする必要はありません。

📝 このセクションのまとめ

  • 業種名・屋号は開業届の記載と同じものを転記する
  • 電話番号は携帯でも可。税務署から連絡が取れる番号であればOK
  • 年の途中で開業した場合はビジネス期間の開始日を開業日にする

1枚目(下部):売上・経費・所得の計算

1枚目の上部(基本情報)を除いた部分は、基本的に数字のみを記載します。売上から経費を差し引いて所得を計算する流れになっています。

記入の流れは以下のとおりです。

  1. 売上金額:1年分の売上を集計して記入
  2. 期首棚卸高:年初(1月1日)時点の在庫金額
  3. 仕入金額:1年分の仕入れ合計を記入(仕入れのないビジネスは記入不要)
  4. 期末棚卸高:12月31日時点の在庫残高
  5. 経費の記入:租税公課・水道光熱費など各勘定科目ごとに1年分を集計して記入
  6. 差引計算:売上原価+経費の合計を売上から差し引く

📌 勘定科目の分け方がわからない場合

経費をどの勘定科目に分類すればよいかわからない場合は、勘定科目の分け方を解説した動画を参照してください。分け方さえわかれば、各科目の集計金額を順番に記入するだけです。

差し引き計算が終わったあと、続けて以下の項目を記入します。

  • 貸倒引当金:設定していないフリーランスがほとんどのため、基本的にスルーでOK
  • 専従者給与:専従者に給与を払っている方は金額を記入
  • 青色申告特別控除前の所得金額:合計を差し引いた金額

最後に、青色申告特別控除額を記入します。控除額は申告方法によって異なります。

申告方法控除額
e-Tax(電子申告)最大65万円
郵送・窓口持参55万円
簡易な帳簿のみ10万円

⚠️ 注意

電子申告(e-Tax)を使う方は65万円と記載してください。郵送や窓口持参の場合は55万円になります。誤って65万円と記載すると過大控除になりますのでご注意ください。

青色申告特別控除額を差し引いた最終的な金額が、あなたの1年分の所得金額(儲け)です。この所得金額に対して税率がかかります。

📝 このセクションのまとめ

  • 1枚目の数字欄は「売上-経費=所得」の流れで記入する
  • 仕入れのないビジネスは棚卸・仕入欄の記入不要
  • 貸倒引当金はほとんどのフリーランスがスルーでOK
  • e-Taxなら最大65万円控除、郵送・窓口なら55万円控除

2枚目:売上・仕入れの月別内訳と給与の明細

2枚目は、1枚目に記入した数字の根拠・詳細を報告する用紙です。年分と氏名・ふりがなを記入したうえで、以下の内容を順番に埋めていきます。

① 売上(収入金額)の月別内訳

1枚目に記入した年間売上合計を、月ごとに分解して記入します。12か月分の合計が1枚目の売上金額と必ず一致しなければなりません。ずれている場合は何かが間違っています。

② 仕入金額の月別内訳

同様に、1枚目の仕入金額を月別に記入します。月別合計が1枚目の仕入金額と一致するよう確認してください。

③ 家事消費について

家事消費(事業用の商品を自分で消費した場合)がある方は記入が必要です。該当しない方は記入不要です。

④ 雑収入

補助金・給付金なども雑収入として記入が必要です。漏れないよう注意してください。

⚠️ 注意

補助金・給付金は雑収入として計上する必要があります。売上と別の欄になりますので、記入漏れに注意してください。

⑤ 給料賃金の内訳

スタッフに給料を支払っている場合、以下の情報を記入します。

  • スタッフの氏名・年齢
  • 勤務月数(1年フルなら12、途中から4か月なら4)
  • 支払った給料金額
  • 賞与がある場合はその金額
  • 合計額

この合計額が1枚目の「給料賃金」の金額と必ず一致するはずです。ずれている場合は給与額の計算ミスが考えられます。

⑥ 専従者給与の内訳

専従者に給与を払っている方は、同様に氏名・年齢・勤務月数・支払金額・賞与・合計を記入します。こちらも1枚目の専従者給与欄の金額と一致させてください。

⑦ 青色申告特別控除額の計算

2枚目の末尾には「青色申告特別控除前の所得金額」と「青色申告特別控除額」を記入する欄があります。1枚目の該当する数字(43番の金額と控除額)をそのまま転記してください。会計ソフトを使っている方はここも自動入力されます。

📝 このセクションのまとめ

  • 2枚目は1枚目の数字の「根拠・詳細」を記入するページ
  • 売上・仕入れは月別に分解して記入し、合計が1枚目と一致することを確認
  • 補助金・給付金は雑収入として漏れなく計上する
  • 給料賃金・専従者給与の内訳合計も1枚目と一致させる

3枚目:減価償却の計算明細と各種内訳

3枚目は、主に減価償却の計算明細を記入するページです。1枚目に記入した「減価償却費」の内訳をより詳しく報告します。

減価償却の記入例として、レジスターを令和4年7月に購入した場合を見てみましょう。

記入項目記入内容・例
資産の名称レジスター
数量1台
取得年月日令和4年7月
取得価額購入金額を記入
償却方法定額法(フリーランスはほとんど定額法)
耐用年数5年(レジスターの法定耐用年数)
償却率0.400(5年の場合)
本年中の使用月数12分の6(7〜12月の6か月分)
本年分の減価償却費78,000円(例)
事業用割合100%(ビジネス専用の場合)
必要経費算入額78,000円(事業割合100%の場合)

⚠️ 注意:事業割合が100%未満の場合

事業用割合が例えば30%や40%の場合、計算した減価償却費にその割合を掛けた金額だけを経費として計上します。全額を経費にしないよう注意してください。

📌 減価償却がよくわからない方へ

減価償却の基礎から特例まで「減価償却完全マスター」動画で解説しています。まずそちらを視聴してから3ページ目の記入に戻ると理解が深まります。会計ソフトを使えば減価償却の計算は自動でおこなわれます。

3枚目には減価償却のほかにも、以下の内訳欄があります。

  • 利子割引料の内訳:金融機関以外から借り入れをして利息を払っている方のみ記入。該当なければスルー
  • 税理士・弁護士等の報酬料金の内訳:自分で申告する方は記入不要
  • 地代家賃の内訳:事務所・店舗・駐車場などを借りている方は記入が必要
  • 本年中における特殊事項:売上が大幅に変動した場合など特殊な事情がある場合に記入。ほとんどの方は記入不要

地代家賃の内訳については、借りている場所の住所・名称、賃貸物件の種類(事務所・店舗・駐車場・土地など)、年間の支払額、そのうち必要経費に算入した金額を記入します。この必要経費算入額が1枚目の「地代家賃」欄の金額と一致しなければなりません

📌 地代家賃の内訳を書く理由

地代家賃の内訳欄は、税務署が「誰からどこを借りているか」という情報を把握するための欄でもあります。必須項目ではありませんが、家賃を経費にしている方はなるべく明細を記入しておくことをおすすめします。

📝 このセクションのまとめ

  • 3枚目は主に減価償却の計算明細を記入するページ
  • 耐用年数・償却率・使用月数を正確に記入し、1枚目の減価償却費と金額を一致させる
  • 事業用割合が100%未満の場合は按分計算が必要
  • 地代家賃の内訳も1枚目の金額と一致させること
  • 利子割引料・税理士報酬・特殊事項は該当なければ記入不要

4枚目:貸借対照表の記入方法と注意点

4枚目は貸借対照表を記載するページです。令和4年12月31日現在の残高を記入します。

記入の流れは以下のとおりです。

  1. 期首残高(1月1日時点):前年12月31日の決算書の数字をそのまま転記する
  2. 期末残高(12月31日時点):各科目の今期末の残高を記入する

記入する主な科目は以下のとおりです。

  • 現金:12月31日時点の手元現金残高
  • 当座預金・定期預金・普通預金:各通帳の残高(通帳と照合して確認)
  • 売掛金:未回収の売上がある場合の残高
  • 棚卸資産:在庫がある場合の金額

⚠️ 通帳残高と帳簿残高のズレに注意

通帳の残高と4枚目に記入した預金残高がずれている場合、経理の仕訳にミスがあることを意味します。必ず通帳残高と帳簿残高が一致しているか確認してから提出してください。

📌 4枚目の記入が必須な方

青色申告特別控除55万円または65万円の控除を受けたい方は、4枚目(貸借対照表)の記入が必須です。4枚目を記入しないと、控除額が10万円になってしまいますのでご注意ください。

4枚目には合計金額が一致しなければならない箇所があります。

確認箇所チェック内容
資産合計(期首)左右の合計が一致しているか
資産合計(期末)左右の合計が一致しているか

手書きで4枚目を作成する場合は、過去に公開されている「青色申告決算書1枚目〜4枚目の手書き記入方法」動画を参照してください。会計ソフトを使っている場合は、数字が自動的に入力されるため大幅に手間を省けます。

📝 このセクションのまとめ

  • 4枚目は令和4年12月31日現在の貸借対照表を記入するページ
  • 期首残高は前年の決算書の数字を転記する
  • 通帳残高と帳簿残高が一致しているか必ず確認する
  • 55万円・65万円控除を受けるには4枚目の記入が必須。未記入だと10万円控除になる

提出前の最終チェックと会計ソフト活用のすすめ

確定申告書を提出する前に、以下の点を必ず確認してください。

  • 各ページ間で対応する数字が一致しているか(売上・仕入れ・給与・地代家賃・減価償却費など)
  • 経費の計上漏れがないか
  • 通帳残高と帳簿残高が一致しているか
  • 補助金・給付金などの雑収入の記入漏れがないか
  • 青色申告特別控除額の金額(e-Tax:65万円、郵送・窓口:55万円)が正しいか

📌 会計ソフトを使うメリット

  • 減価償却の計算が自動でおこなわれる
  • 貸借対照表(4枚目)の数字が自動入力される
  • 各ページ間の数字の整合性が自動でチェックされる
  • 65万円の青色申告特別控除を狙いやすくなる
  • 確定申告にかかる時間を大幅に短縮できる

確定申告に時間をかけすぎると本業に専念できなくなります。春はビジネスが忙しくなる時期でもありますので、できるだけ早くサクッと終わらせることをおすすめします。

また、確定申告が終わったとしても、1月・2月・3月分の経理はすでに溜まっている状態のはずです。記憶が新しいうちに経理処理を進めることをおすすめします。今年の春から会計ソフトを使い始めれば、次の確定申告はぐっと楽になります。

📝 このセクションのまとめ

  • 提出前に各ページ間の数字の一致・経費漏れ・通帳残高を必ず確認する
  • 会計ソフトを使うと減価償却・貸借対照表が自動計算され、65万円控除も取りやすくなる
  • 確定申告が終わったら、すぐに新年度の経理処理を始めることが重要

終わりに

本記事の内容は YouTubeチャンネル 税理士河南のYouTubeチャンネル! の下記動画を参考に作成しています。AIによる書き起こしを活用しているため、誤字脱字がある可能性があります。ご了承ください。
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