資金調達で失敗しない銀行の選び方|税理士が解説する金融機関の種類と活用法

資金調達で失敗しない銀行の選び方|税理士が解説する金融機関の種類と活用法
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起業時の銀行選びは資金調達の成否を左右する。金融機関の種類と正しい選び方を解説します。

結論:資金調達が必要かどうかで銀行選びは変わる

資金調達、つまり事業資金の融資が必要かどうかによって、銀行の選び方は大きく変わります。まずは結論から整理しましょう。

状況おすすめの金融機関
融資(資金調達)が必要政府系金融機関(日本政策金融公庫)+信用金庫・信用組合
融資が不要最寄りの大手銀行(メガバンク)

⚠️ 注意

大手銀行(メガバンク)の口座開設は年々厳しくなっており、審査に落ちたり、審査通過まで非常に時間がかかるケースが増えています。特に新規創業の法人口座開設は要注意です。

📝 このセクションのまとめ

  • 融資が必要なら政府系+信用金庫・信用組合が基本
  • 融資が不要なら最寄りのメガバンクが利便性◎
  • メガバンクの口座開設が難しい場合はネット銀行を検討

金融機関の種類を整理しよう

金融機関はざっくり分けると以下の4種類(+ネット銀行)に分類できます。それぞれの特徴を理解しておくことが、銀行選びの第一歩です。

種類主な銀行の例特徴
①都市銀行(メガバンク)三菱UFJ・三井住友・みずほ・りそな規模大・金利低め・融資審査が厳しい
②地方銀行(地銀)関西みらい・池田泉州・京都・東京スター・大垣共立地方内で最大規模。地域密着
③信用金庫・信用組合(信金・信組)北大阪信用金庫・近畿産業信用組合・多摩信用金庫・西武信金中小企業への貸し出し専門。地域経済を回すミッション
④公的金融機関(政府系)日本政策金融公庫・商工組合中央金庫(商工中金)創業融資など政策的な融資に強み
⑤ネット銀行楽天銀行・住信SBIネット銀行・ソニー銀行・GMOあおぞらネット銀行店舗なし・手続きがネットで完結・口座開設のハードルが低め

信用金庫・信用組合の豆知識

信用金庫と信用組合は、地域で集めたお金を地域で貸し出して地域経済を回すというミッションを持っており、非常に狭いエリアで活動しています。

信用金庫で融資を受けるためには出資をすることが条件になっています。とはいえ、1万円程度の金額で済むことが多く、大きな資金負担はないと考えていただければよいでしょう。

📌 信金と信組の違い

信用組合(信組)は信用金庫よりもやや閉鎖的で、預金をする場合にも出資が必要になります。この点が信用金庫との大きな違いです。

政府系金融機関:日本政策金融公庫と商工中金の違い

政府系の金融機関として代表的なのが日本政策金融公庫(政策公庫)商工組合中央金庫(商工中金)です。この2つは似ているようで異なる特徴を持っています。

比較項目日本政策金融公庫商工中金
信用保証協会の保証なしつく場合あり
預金・決済機能なしあり
資金調達方法ほぼ政府に依存債券・預金で自己調達(政府の信用力あり)
主な対象小規模事業者・創業者中堅企業規模(未上場でも可)

📌 ポイント

小規模な事業所は政策公庫メイン、上場はしていないけれども中堅企業規模の方であれば商工中金も活用できるというイメージです。

📝 このセクションのまとめ

  • 金融機関は都市銀行・地銀・信金信組・政府系・ネット銀行の5種類
  • 信用金庫への出資は1万円程度で済む
  • 政策公庫は創業者向け、商工中金は中堅企業向け
  • 政策公庫には預金・決済機能がない点に注意

創業初期の銀行選び:融資が必要な場合

これから起業される方で、たとえば飲食店を開業する際に店舗の設備や内装工事のためにまとまった資金が必要だという方は、自己資金だけで賄うのは非常に難しく、リスキーでもあります。融資を積極的に活用すべきです。

しかし、こういった創業期の方がメガバンクや地銀に融資を申し込んでも、なかなか相手にしてもらえないのが現実です。では、どこから始めればよいのでしょうか。

  1. 日本政策金融公庫の「創業融資」を利用する(最もハードルが低い)
  2. 数千万単位の資金が必要な場合は信用金庫+信用保証協会の融資を加える

📌 信用保証協会融資とは

信用金庫から直接融資を受ける「プロパー融資」はハードルが高く、金利も3〜4%かかることがあります。そこで活用したいのが信用保証協会の保証付き融資です。信用金庫からお金を借りる際に、保証協会が保証してくれる仕組みで、保証料は融資総額の約1%前後かかりますが、政策公庫の創業融資の次にハードルが低い選択肢です。信用金庫の担当者に問い合わせてみましょう。

特に関西方面では、信用金庫ではなく地銀の池田泉州銀行が創業者向けの融資に力を入れているので、こちらも参考にしてください。

📝 このセクションのまとめ

  • 創業期の融資は日本政策金融公庫の創業融資が最優先
  • 数千万単位が必要なら信用保証協会の保証付き融資を信用金庫経由で活用
  • プロパー融資は金利3〜4%でハードルが高い
  • 関西では池田泉州銀行も創業者融資に積極的

法人口座開設が厳しくなっている理由と対策

融資が不要な方は最寄りの大手銀行を使うのが利便性の面でおすすめです。最近はネットバンキングが主流になっているため「最寄り」かどうかはあまり関係なくなってきていますが、飲食業のように現金を頻繁に扱う方には最寄りの大手銀行が便利です。

ところが近年、新規の法人口座開設の審査が非常に厳しくなっています。審査に落ちるだけでなく、審査通過後も手続きに非常に時間がかかるケースも増えています。

なぜこれほど口座開設が難しくなったのでしょうか。その背景には「犯罪による収益の移転防止に関する法律」(10年以上前に制定)があります。マネーロンダリングや詐欺事件に金融機関の口座が悪用される事件が相次いでいるため、融資だけでなく口座開設もシビアに審査されるようになっています。

また、以下のような状況に心当たりがある場合は、口座開設が難しくなる可能性があります。

  • 過去に融資の貸し倒れを起こしてブラックリスト入りしている
  • 資本金1万円で起業している(財務体力が乏しい)
  • 登記簿謄本(履歴事項全部証明書)に書かれた事業目的が多すぎて、メインの事業が何かわからない
  • 許認可が必要な事業なのに、許認可を取得していない

⚠️ 注意:個人口座への売上入金はNG

法人口座が作れないからといって、個人口座に売上金を入金するのは避けましょう。申告さえしていれば大きな問題にはなりませんが、脱税を疑われる原因になります。企業との取引、特にB2Bで取引先が大手企業の場合は法人口座がないと非常に苦しくなります。

口座開設に困ったらネット銀行が有力な選択肢

メガバンクや地銀での口座開設が難しい場合は、ネット銀行を選択肢に加えてください。一般的にネット銀行は口座開設の審査ハードルがやや低く、メガバンクの審査に落ちてもネット銀行は通ったという方が非常に多いです。

中でも特に評判がよいのがGMOあおぞらネット銀行です。その主な特徴は以下のとおりです。

  • 口座維持手数料が無料
  • 振込手数料が安い
  • デビットカードを作ると1%のキャッシュバックあり
  • ハンコ・紙・郵送不要で手続きがネットで完結
  • 口座開設に必要な登記簿謄本をGMOあおぞらネット銀行側で取得してくれる
  • 日本政策金融公庫の借入金の返済口座として対応している(他のネット銀行では非対応が多い)
  • Paidy(ペイディ)などにも対応

📌 政策公庫の返済口座として使える点が特に重要

日本政策金融公庫には預金・決済機能がないため、融資を受けた後の返済には別の銀行口座が必要です。GMOあおぞらネット銀行はこれに対応しているため、創業期に政策公庫融資+GMOあおぞらネット銀行の組み合わせが非常に便利です。

ネット銀行で口座開設をして事業を進め、1〜2年の実績を積み上げると、地銀・メガバンク・信用金庫などでの口座開設も可能になってきます。そこで複数の口座を維持していくか、ネット銀行をやめるかを選択していくのがよいでしょう。まずは選択肢を増やしていくことが大切です。

📝 このセクションのまとめ

  • 口座開設が難しい理由はマネーロンダリング防止法による審査厳格化
  • ネット銀行は審査ハードルが低く、特にGMOあおぞらネット銀行が評判よい
  • GMOあおぞらネット銀行は政策公庫の返済口座にも対応している
  • 1〜2年実績を積んでから地銀・メガバンクへ拡大するのがオーソドックスな流れ

成長拡大期の銀行選び:複数行とのお付き合いが重要

事業が軌道に乗り、成長・拡大期に入ったら、会社の規模に合わせて取引する金融機関のラインナップを増やしていきましょう。

売上規模の目安追加する金融機関
創業期政策公庫+ネット銀行 or 信用金庫
売上数億円規模地銀を追加
売上5億円規模メガバンクを追加

得意先のことを考えると、信用金庫の口座が売上口座として取引先にとって不便な場合もあります。そのような場合はプラスアルファでメガバンクを使われている方も多いです。

なお、メガバンク4行の中ではりそな銀行が取引のハードルが他行よりもやや低い実感があります。

📌 実際の銀行付き合いの一例

税理士法人のメインバンクは利便性を考えて三井住友銀行。創業時から日本政策金融公庫ともお付き合いがあり、融資も兼ねて北大阪信用金庫、さらに関西の地銀である企業銀行ともお付き合いがあります。このように銀行の規模を分散させることが重要です。

複数行付き合いの注意点:1行依存は危険・メインバンクを決めよう

金融機関との付き合い方で注意すべき重要なポイントが2つあります。

①1行依存は危険

異なる規模の複数の金融機関とお付き合いをしてください。会社が成長して様々な金融機関から資金調達をする場合、競争原理を働かせることで最も有利な条件を提示してくれた金融機関とお付き合いができます。

1行依存だと自由が効かないですし、もしその金融機関から融資を断られた場合に、実績がない状態で新規の金融機関との関係を築くのは非常にハードルが高くなります。少しずつ付き合う金融機関を増やしていくことをお勧めします。

②メインバンクは必ず決めておく

業績が悪化して資金繰りが悪くなると、リスケジュール(リスケ)をせざるを得ない場面が来ることもあります。リスケとは、借り入れの返済を待ってもらうことで、金融機関に今後の返済計画を提出して1〜2年間返済を止めてもらうことです。

⚠️ リスケ時の注意事項

リスケをする際、各金融機関はメインバンクの動きに従うという対応になります。メインバンクを決めていなければ、各金融機関がどのような方向性で対応すればよいかわからず、そもそもリスケに応じてもらえないこともあります。また、リスケをすると融資審査の格付けが下がり、基本的に追加融資は受けられなくなります。ただし、そこから復活して優良企業になった事例もあります。

最初から口座開設ができるのであれば、メガバンクも加えておいた方がよいでしょう。取引先や得意先の利便性も考慮した上で、銀行選びをしてください。

📝 このセクションのまとめ

  • 売上規模に応じて地銀→メガバンクと取引行を増やしていく
  • 1行依存は危険。異なる規模の複数行と付き合い、競争原理を働かせる
  • メインバンクを必ず決めておく(リスケ時に重要)
  • りそな銀行はメガバンクの中でも取引ハードルがやや低め
  • リスケ後も復活できた事例はある。諦めないことが大切

終わりに

本記事の内容は YouTubeチャンネル 税理士YouTuberチャンネル!! / ヒロ税理士 の下記動画を参考に作成しています。AIによる書き起こしを活用しているため、誤字脱字がある可能性があります。ご了承ください。
本サイトは 税理士YouTuberチャンネル!! / ヒロ税理士を応援しています!

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