【独身税だけじゃない】子ども子育て拠出金と支援金のダブル徴収を税理士が解説

【独身税だけじゃない】子ども子育て拠出金と支援金のダブル徴収を税理士が解説
e_zeirishi

2026年から企業を直撃するダブル徴収の正体と負担額を徹底解説します。

「もう徴収されてる」は本当?拠出金と支援金の違い

会社に届いた社会保険料の引き落とし通知を見ると、「子ども子育て拠出金 1万3,647円」という項目が記載されていることがあります。「これが独身税では?」と思う方もいるかもしれませんが、これは通称・独身税とは別物です。

非常に名称が似ているため混同されやすいのですが、この2つはまったく異なる制度です。整理すると以下のようになります。

制度名通称負担者開始時期
子ども子育て拠出金全額・企業負担1972年〜(現行名称は2015年〜)
子ども子育て支援金独身税企業・従業員の折半2026年4月〜

前回の動画でご紹介した「独身税」こと子ども子育て支援金は、法人と従業員が折半で納める内容のものでした。一方、今回取り上げる子ども子育て拠出金は、なんと全額・会社(企業)負担です。個人の方はこの拠出金についてはあまり気にされなくてよいですが、経営者・事業主の方にとっては非常に重要な話です。

📌 ポイント

すでに毎月引き落とされている「子ども子育て拠出金」は全額・企業負担。2026年4月からはここに「子ども子育て支援金(独身税)」の企業負担分が上乗せされます。つまり企業はダブルで徴収されることになります。

📝 このセクションのまとめ

  • 拠出金と支援金は名称が似ているが全くの別制度
  • 拠出金は全額企業負担、支援金は企業と従業員の折半
  • 2026年4月からこの2つがダブルで企業にのしかかる

子ども子育て拠出金の歴史と目的

この子ども子育て拠出金、実は歴史が非常に長い制度です。1972年にスタートしており、すでに50年以上が経過しています。

もともとは「児童手当拠出金」という名称でしたが、2015年に「子ども子育て拠出金」という現在の名称に変更されました。これだけ長期間にわたって財源を集め続けてきたにもかかわらず、少子化はどんどん進んでいるという現実があります。

この拠出金は「子ども・子育て支援法」に基づき、以下の事業の費用に充てるために徴収されています。

  • 児童手当の支給(0歳〜3歳未満の被用者分)
  • 地域子ども・子育て支援事業
  • 仕事・子育て両立支援事業
  • 保育所の運営費

📝 このセクションのまとめ

  • 拠出金は1972年開始、もともとは「児童手当拠出金」という名称だった
  • 2015年に現在の「子ども子育て拠出金」に名称変更
  • 児童手当・保育所運営費などに充てられる

拠出金率の推移と今後の引き上げリスク

拠出金の金額は、標準報酬月額(ざっくり言うと月給)に対して一定の率を掛けて計算されます。令和2年(2020年)4月以降、現在の率は0.36%で据え置かれています。

ただし、この率は以前からずっと同じだったわけではなく、段階的に引き上げられてきた歴史があります。

時期拠出金率
〜2014年0.15%
2015年(子ども・子育て支援改正法創設)名称変更・改正
2018年0.20%
2018年以降(段階的引き上げ)順次引き上げ
2020年4月〜現在0.36%
政令による上限(引き上げ可能な上限)0.45%

⚠️ 注意

政令では拠出金率を最大0.45%まで引き上げることができると定められています。現在の0.36%から絶対に上がらないとは言い切れない状況です。今後さらなる負担増になる可能性があります。

この拠出金は健康保険・厚生年金保険料と一緒に徴収され、そのまま引き落とされます。企業から日本年金機構に支払われ、「子ども・子育て支援勘定」という年金特別会計に入金される仕組みになっています。

📝 このセクションのまとめ

  • 現在の拠出金率は月給の0.36%(2020年4月〜)
  • 2014年時点の0.15%から段階的に引き上げられてきた
  • 政令上は0.45%まで引き上げ可能。今後の増額リスクあり
  • 健康保険・厚生年金と一緒に日本年金機構へ支払われる

2026年4月以降のダブル徴収の全体像

2026年4月以降、個人(従業員)の方はいわゆる独身税(子ども子育て支援金の個人負担分)だけで済みます。しかし企業・事業主は従来の拠出金に加えて、支援金の企業負担分もダブルで払わなければならないことになります。

人を雇用している法人・個人事業主のいずれも対象となるため、雇用規模が大きいほど影響が大きくなります。

📌 ポイント

2026年4月以降、企業が負担する「子ども子育て関連コスト」は以下の2本立てになります。

  • ①子ども子育て拠出金(全額企業負担・従来からあるもの)
  • ②子ども子育て支援金の企業負担分(2026年4月〜新設)

📝 このセクションのまとめ

  • 個人(従業員)は支援金の個人負担分のみ
  • 企業は拠出金+支援金の企業負担分のダブル負担になる
  • 法人・個人事業主問わず、人を雇っていれば全員対象

具体的な負担額を試算|年収600万円の社員の場合

では実際にどれくらいの金額になるのか、政府の試算資料をもとに計算してみましょう。ここでは年収600万円の社員(月給50万円)を例に試算します。なお賞与等は無視して単純計算しています。

まず①拠出金(企業負担)の計算です。

項目計算式金額
月額拠出金月給50万円 × 0.36%1,800円/月
年間拠出金1,800円 × 12ヶ月21,600円/年

次に②支援金(独身税)の企業負担分の計算です。政府の試算資料(令和10年以降の見込み額)によると、年収600万円の場合の徴収額は月1,000円と記載されています(この保険料は今後変わる可能性があります)。

項目計算式金額
月額支援金(企業負担分)月1,000円1,000円/月
年間支援金(企業負担分)1,000円 × 12ヶ月12,000円/年

この2つを合算すると、年収600万円の社員1人あたりの会社負担増加額は以下のようになります。

負担項目年間金額
①子ども子育て拠出金(企業負担)21,600円
②子ども子育て支援金(企業負担分)12,000円
合計(企業負担・社員1人あたり)33,600円/年

なお、個人(従業員)が負担する支援金は②と同額の年間12,000円となります。

⚠️ 注意

もし年収600万円の社員が10人いる事業所の場合、年間の保険料負担増加額は約33万6,000円超になります。社員数が多ければ多いほど、企業の固定費への影響は甚大です。

📝 このセクションのまとめ

  • 年収600万円の社員1人あたり、企業負担は年間33,600円増
  • 同条件の社員10人で年間33万円超の追加負担
  • 試算の支援金額は令和10年以降の見込み額であり、今後変更の可能性あり

経営への影響|あらゆるコストが上昇する中での追い打ち

昨今は現金論の高騰のみならず、人件費・最低賃金の上昇、水道光熱費・エネルギー価格の高騰など、あらゆるものが上昇しています。そこにきてさらに社会保険料という名の税金のような負担が増え、ますます固定費が増加して経営を圧迫することになりかねません。

特に問題なのは、定額減税などは大々的に報道されるのに対し、こういった徴収はひっそりと行われているという点です。いつの間にか引き落とされている、気づいたら増えていた、というケースが非常に多く、経営者・事業主として事前に把握しておくことが重要です。

📌 ポイント

企業を取り巻くコスト増加要因は複合的に重なっています。今後の経営計画・資金繰りを考える上で、2026年4月以降の社会保険料負担増をあらかじめ織り込んでおくことが大切です。

📝 このセクションのまとめ

  • 人件費・エネルギー費・社会保険料と、あらゆる固定費が上昇中
  • 定額減税のような「見える給付」と異なり、こうした徴収はひっそり行われがち
  • 経営者・事業主は2026年4月以降の負担増を事前に把握・計画に織り込むべき

終わりに

本記事の内容は YouTubeチャンネル 税理士YouTuberチャンネル!! / ヒロ税理士 の下記動画を参考に作成しています。AIによる書き起こしを活用しているため、誤字脱字がある可能性があります。ご了承ください。
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