会社員を辞めずに個人事業主になる節税術を税理士が解説
副業が当たり前の時代に、会社員×個人事業主の「いいとこ取り」節税術を税理士が解説します。
会社員が副業で個人事業主になるメリットとは
最近、働き方が多様化して副業が割と当たり前の時代になってきましたよね。会社員として給与をもらいながら個人事業主としても収入があるという場合あるじゃないですか。この税金の計算って、普通とはなんか違う特殊なルールとかあるんですか?

本業で安定した給与がある方が副業で個人事業を行うと、特有の節税メリットが生まれるんですよ。今回はそのサラリーマン副業の税務上のメリット、より有利になる青色申告の活用法、そして注意点まで詳しく解説していきたいと思います。

是非お願いします。

早速ですが、会社員として給与をもらいつつ副業で個人事業活動することで、いくつかのメリットがあります。それぞれ詳しく解説していきたいと思います。

メリット①:副業にかかる費用を経費にできる
まず、副業でかかる費用を経費にできます。これが一番わかりやすいメリットですよね。個人事業主として事業所得を申告する場合、その事業を行うために直接必要となった費用を経費として収入から差し引くことができるんです。これにより課税対象となる所得が減り、結果として所得税や住民税の節税に繋がってくるんですね。

これ、具体的にはどういった費用を経費にできるようになるんですか?

例えばなんですが、副業のためにご自宅の一部を仕事部屋として使っているんだったら、家賃・水道光熱費・通信費なども仕事で使っている割合というのは当然あるわけですよね。ですからその割合に応じて経費にすることが可能なんですね。

それはいいですね。

はい。あと交際費、個人事業主というのは法人と異なって経費の上限がないんです。事業に関係のある飲食などは経費にすることが可能なんですね。他にも車の購入費用やガソリン代なども含めて、事業で利用する割合に応じて費用にすることもできるんですよね。

なるほど。じゃあ飲食だったり車の購入費まで経費にできちゃうってことですか?これ最高ですね。

はい。また後ほど詳しく説明しますが、青色申告を選ぶとさらに節税効果が高くなるんです。雑所得では青色申告はそもそも選べないので、これは事業所得ならではのメリットと言えますね。

なるほど。ちなみに個人事業主は小規模企業共済やiDeCoといった節税対策が利用できるのもメリットだと思うんですけど、こうした制度は副業でも利用できるんですか?

iDeCo(確定拠出年金)については、継続して1年以上事業を行っていて所定の要件を満たしていれば加入できる可能性があるんですね。ただし小規模企業共済については、法人または個人事業主と常時雇用関係にある場合は加入できないので、使えないということになります。

そうなんですか。これはちょっと残念ですね。

メリット②:社会保険に加入したまま個人事業主になれる
続いてのメリットは、社会保険に加入したまま個人事業主になれることです。専業の個人事業主は国民健康保険と国民年金に加入して、保険料は全額自己負担になります。しかし本業の会社で社会保険に加入している場合、その資格をそのまま継続できるんですね。副業を始めたからといって追加で国民健康保険料を払う必要はないんですね。

社会保険に加入したままだとどういったメリットがあるんですか?

社会保険の場合は会社が保険料を半分払ってくれますので、保険料が安く済む場合があるんです。加えて将来年金がもらえますので、結果的に受け取れる年金が多くなる可能性があるんですね。

なるほど。社会保険に加入しつつ個人事業主になれるのは、副業で個人事業主になる大きなメリットと言えますね。

メリット③:給与所得と副業の赤字を損益通算できる
3つ目のメリットは、副業の所得が事業所得と認められた場合、本業の所得と副業の所得を損益通算できるということなんですね。

損益通算ですか?これはどういうことですか?

損益通算というのは、複数の所得に黒字のものもあり赤字のものもあったという場合、それを合算・相殺した上で税金の計算となる所得税を計算する方法のことを言いますね。副業の所得が事業所得と認められたら、その事業で赤字が出た時に本業である会社の給与所得など他の黒字の所得と相殺できるんですね。

これは具体的にどういうことなんですか?

例えば、ある年の給与所得が600万円だったとします。仮に副業でWebデザインを始め、初年度にパソコンやソフトウェアの購入など50万円の経費がかかったものの収入は10万円しかなかったという場合、副業は40万円の赤字になりますよね。
この40万円の赤字がどうなるかなんですが、これはなんと本業の給与所得600万円から引くことができるんですよ。そうすると560万円に対して税金がかかり、払いすぎていた所得税がなんと確定申告で還付されて戻ってくるということなんですね。

なるほど。それはすごいですね。じゃ、この副業の所得が事業所得として認められるにはどうすればいいんですか?

はい。条件としては、きちんと帳簿をつけていることを前提として、継続的な事業であることや安定した収入が得られる可能性が高いこと、それなりの労力と時間を割いて副業を行っていることなどが挙げられます。単発の仕事とか少ない労力で行っている副業の所得は、事業所得ではなく雑所得として扱われることになる可能性が高いので注意してください。

例えば、休日にエッセイを書いたり、読者モデルとして撮影報酬をもらうなどの場合は、基本的に雑所得として扱われます。

まあ、休日に少し仕事するぐらいだと事業所得としては認められないってことですね。

そうなんですよ。事業所得か雑所得かという判断って非常に難しいところがありますので、税理士などの専門家にぜひ相談してもらいたいと思います。そして個人で事業を開業して事業所得を得られる状況なのであれば、青色申告をすることでさらなるメリットを受けられます。

この青色申告と白色申告というのは何が違うんでしたっけ?

はい。青色申告というのは複式簿記で帳簿をつけることが義務付けられています。これに対して白色申告は簡易簿記で良いとされていて、帳簿付けが比較的簡単です。家計簿などをイメージしていただければいいかもしれませんね。

てことは青色申告の方が手間がかかるってことですね。

そうですね。ただその分、青色申告には多くのメリットがありますので、詳しくこの後話していきたいと思います。

青色申告のメリット①:最大65万円の青色申告特別控除
まず、青色申告をすることでなんと最高65万円の青色申告特別控除を受けられるんですね。この特別控除は課税所得から差し引かれます。例えば所得税率が33%の場合だと、65万円×33%=約21万円の節税になってくるんですよね。

結構な節税になりますね。まあ、青色申告するだけで節税になるというのはありがたいですよね。

はい。またサラリーマンをしながら個人事業主となる場合、この青色申告特別控除65万円と所得金額に応じた給与所得控除の両方を受けることができるんですね。

あ、どっちの控除も使えるってことですか?それお得ですか?

めちゃめちゃお得なんですよね。

青色申告のメリット②③④:少額減価償却・赤字繰越・青色事業専従者給与
続いてのメリットは、少額減価償却資産の特例が利用できるということなんです。

これは30万円未満の資産だったら一括で経費にできるってやつですよね。

はい。基本的に耐用年数で資産価値が減少する10万円以上の固定資産については減価償却する必要があります。少額減価償却資産の特例を利用すれば、30万円未満の減価償却資産を年間合計300万円まで一括で経費にすることができるんですよね。副業で使うパソコンやカメラや業務用ソフトなど30万円未満であれば、一括でその年に経費にすることが可能なんです。

これは仕事内容によってはかなり活用することになりそうですよね。まあ、機材を買った分を一括で経費にできるというのはありがたいですよね。

はい。3つ目は赤字を3年間繰り越せるということなんです。青色申告をすると、損益通算しても控除しきれないような赤字が出てしまった場合、その赤字を翌年にも使って相殺できるというものですね。つまり翌年黒字が出たとしても、過去に出た赤字の範囲内であれば税金を払わなくてもよいということなんですよね。なんとそれが3年分繰り越すことができるというのは大きなメリットですね。

まあ、副業で赤字を出すというのはできるだけ避けたいところではあるんですけども、業種によっては初年度に赤字になることもあるでしょうし、これを繰り越せるというのはありがたいですよね。

はい。青色事業専従者給与を全額経費にできるのも青色申告をするメリットになるんです。もし副業をご家族、例えば配偶者と一緒にやっている場合、家族に支払った給与を青色事業専従者給与として全額必要経費に算入できるんです。例えば奥さんに月10万円の給与を出していれば、年間で120万円を経費にすることができます。これによって世帯内での所得分散も可能なんですね。

白色申告だと家族に払った給与は経費にできないということですか?

はい。白色の場合は事業専従者控除制度があるんです。これまた別の控除なんですけど、でもそれでも最大でも86万円なんです。基本的に青色申告する方がおすすめなんですよね。

なるほど。家族に副業でなんか手伝ってもらうような場合は青色申告をしておきたいですよね。

はい。ただし家族が青色事業専従者として認められるには細かい条件があります。気をつけてもらいたいと思います。

なるほど。メリットはよく分かりました。でもいいことばかりじゃないはずですよね。この働き方をする上でのなんか注意点についても教えてください。

注意点:就業規則・失業保険・住民税バレに気をつけよう
こっからはこの働き方を検討する上で事前に知っておくべき重要なポイントを解説したいと思います。まず大前提なんですが、本業の会社の就業規則を見てください。副業が認められるかどうか絶対にチェックしてください。もし副業が禁止されていたり事前の許可が必要だったりするのに、それを無視して事業を始めてしまうと懲戒処分などのペナルティが来る可能性もありますので注意してください。

まあ、副業のために本業で問題が発生したら本末転倒になっちゃいますからね。これは気をつけたいですよね。

はい。また税務署に開業届を出すと、その段階で失業手当(失業保険)がもらえなくなってしまいます。その点も注意してくださいね。

あ、本業がなくなった時に失業保険がもらえないというのは結構辛いですよね。副業で個人事業主になるんだったらそれを覚悟して副業でもしっかり稼ぐ必要があるですね。

はい。副業でしっかり利益を上げていれば問題ないんですが、そうでない場合、廃業の際に個人事業も廃業届を出して廃業した方が良いですね。そして会社に副業が知られたくない場合は、住民税の支払い方法を普通徴収にしてください。特別徴収にすると会社が給与天引きする際にバレてしまう可能性もあるんですよね。

住民税でバレるというのはちょっとありがちですから気をつけたいですね。

副業が大きくなったら法人化を検討しよう
この副業がどんどん大きくなってきたらどうなるんですか?

副業の事業所得が大きくなってきた場合、さらなる節税をしたいのであれば法人化も検討してください。個人の所得税には超過累進課税が採用されています。これは所得が多ければ多いほど所得税率が大きくなってくるという制度なんです。

まあ、収入が増えれば増えるほど税金も増えるというのはちょっと辛いですね。

はい。一方で法人税というのは年間800万円までは税率15%、800万円を超えると23.2%と一定なんです。ここに法人住民税や事業税もありますので、実質的には25%から34%の税率になります。まあ、これでも法人化した方が税率的には有利になりますよね。さらに法人化すると役員退職金や社宅制度も活用できるんです。個人事業よりもさらに多様な節税策が利用可能になりますね。

なるほど。じゃあ副業から始めて個人事業主になって、最終的には法人化して社長になるみたいなキャリアパスも描けるってことですね。ちなみにこの法人化の目安ってありますか?

一般的には所得税率と住民税率を合わせた税率が法人実効税率を超える課税所得900万円が法人化の目安と言われています。ただし法人化の際には10万円から24万円ほどの設立費用がかかります。資本金もかかります。加えて事業が赤字だったとしても最低7万円の税金(均等割)もかかります。また経理処理が複雑になることもありますので、税理士への依頼も必要になります。

なるほど。法人化を検討するんだったら、このメリットとデメリットをしっかり把握した上で考えた方が良いですね。

終わりに
本記事の内容は YouTubeチャンネル 社長の資産防衛チャンネル の下記動画を参考に作成しています。AIによる書き起こしを活用しているため、誤字脱字がある可能性があります。ご了承ください。本サイトは 社長の資産防衛チャンネルを応援しています!
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