会社設立で絶対にやるべき節税・節約3選|税理士が解説
会社設立時に使える節税・節約制度を3つまとめて解説します。
会社設立のメリット・デメリットと今回の概要
増税続きでうんざりされている方も多いと思いますが、今回は久しぶりのお得情報をお届けします。法人・会社として起業して会社経営をしていく場合には、メリットだけでなく様々なデメリットも存在します。
| メリット | デメリット |
|---|---|
| 信用力の強化 | 設立コストがかかる |
| 税金面での節税効果 | 代表者住所の公開 |
| 対外的な信頼性向上 | 社会保険料の負担増加 |
今回ご紹介するのは、会社設立を決めた方向けに使えるお得な制度3つです。早速、結論からお伝えします。
- ① 特定創業支援等事業を活用した登録免許税の1/2節税
- ② 各自治体による創業補助金(東京都はMAX300万円)
- ③ 会計事務所によるキャッシュバック制度
これから会社設立を考えている方、法人なりを検討している個人事業主の方は、使えそうなものをぜひフル活用してください。
📝 このセクションのまとめ
- 会社設立にはメリット・デメリット双方がある
- 今回紹介する3つの制度を活用すれば設立コストを大幅に削減できる
会社設立の基本的な手順
まず、会社の作り方・手順を確認しておきましょう。
- 事業プランと登記事項の決定:会社名・事業の目的を定款(ルールブック)に明記する。本店所在地・資本金の額・株主・役員構成・決算日を決定する
- 印鑑の作成:実印・銀行印などを準備する
- 定款の作成と登記書類の作成:ステップ1で決めた内容を定款にまとめる
- 定款認証(株式会社のみ):公証人役場で認証手続きを行う
- 資本金の払い込み
- 登記申請:法務局で申請を行う(このタイミングで登録免許税が発生)
- 会社完成:申請から約1週間後に登記簿謄本・会社の印鑑証明が交付される
📌 ポイント
一連の手続きは司法書士に依頼するパターンが多いです。定款作成の一部は行政書士でも代行可能ですが、税金の問題も絡むため、会計事務所に依頼してその提携先の司法書士に任せるのが話もスムーズで非常におすすめです。
📝 このセクションのまとめ
- 会社設立は7つのステップで完了する
- 登記申請(ステップ6)で登録免許税が発生する
- 会計事務所経由で司法書士に依頼するのがスムーズ
①登録免許税を半額にする方法|特定創業支援等事業の活用
会社設立時に必ずかかる「登録免許税」は、資本金の1,000分の7と定められています。ただし最低額が決まっており、なかなか節税する方法がないように思えますが、実は一つだけ方法があります。
| 会社の種類 | 通常の登録免許税 | 半額適用後 |
|---|---|---|
| 株式会社 | 15万円 | 7万5,000円 |
| 合同会社 | 6万円 | 3万円 |
企業初期のお金がない時期に、この差額は非常に助かります。では、具体的にどうすれば半額にできるのでしょうか。
登録免許税を半額にするための要件は以下の通りです。
- 創業5年未満の個人であること
- 創業支援事業計画の認定を受けた市区町村に本店を構えて会社設立をすること
- 該当の市区町村で研修を受講し、支援証明書の交付を受けること
- 支援証明書を交付した同じ市区町村内で会社設立をすること
⚠️ 注意
認定を受けた市区町村とは異なる場所で設立をしてしまうと、登録免許税半額の特典は受けられません。くれぐれもご注意ください。
全国のほとんどの市区町村でこの創業支援事業計画が策定されているため、多くの方が該当すると思われます。
「研修を受けなければならない」と聞くと面倒に感じるかもしれませんが、実際はそれほど大変ではありません。例えば大阪商工会議所では「2023開業スクール」として、経営・財務・マーケティング・人材育成に関する内容を学べる研修が実施されており、費用はわずか5,500円です。
研修をしっかり受けて所定の手続きを踏めば、登録免許税半額の措置が受けられます。また、これから起業する人同士の交流会・情報交換会も開催されているケースがあり、人脈形成の観点からも非常に有益です。
📌 ポイント
登録免許税の節税だけでなく、公庫融資の優遇措置なども受けられる場合があります。お住まいの市区町村でこういった研修が実施されていないか、ぜひ確認してみてください。
📝 このセクションのまとめ
- 特定創業支援等事業を活用すると登録免許税が半額になる
- 株式会社は15万円→7万5,000円、合同会社は6万円→3万円
- 市区町村の研修受講と支援証明書の取得が必要
- 研修費用は大阪商工会議所の例で5,500円程度と低コスト
②各自治体による創業補助金|東京都はMAX300万円
どんなビジネスも、創業時には設備投資・運転資金など様々なコストがかかります。そういったコストを補助してくれるのが「創業補助金」です。残念ながら国の制度ではなく地方自治体の制度のため、実施している都道府県・市区町村もあれば、全く実施していないところもあります。
ここでは東京都の「創業助成事業」を例にご紹介します。
対象者は以下の通りです。
- 都内での創業を具体的に計画している個人
- 創業後5年未満の中小企業者等のうち一定の要件を満たす方
- 個人事業主から法人なりした場合は、個人・法人双方の期間を通算して判定
「一定の要件」の中には、東京創業ステーション(創業支援組織)での経営計画策定研修の受講や、先ほどご紹介した特定創業支援等事業の認定取得などが含まれます。そのため、申請の1〜2ヶ月前から準備が必要になります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 助成対象期間 | 交付決定日から6ヶ月以上・最長2年間 |
| 助成対象経費 | 賃借料・広告費・器具備品購入費・産業財産権・専門家相談費用・人件費 など |
| 助成限度額 | 下限100万円・上限300万円 |
| 助成率 | 対象経費の2/3以内 |
⚠️ 注意
申請前に支払った経費は助成対象となりません。交付決定後の支払い分のみが対象になりますので、先に費用を払ってしまわないようにご注意ください。
それでも最大300万円もらえるというのは非常に助かる制度です。これから起業したいという方はぜひ使っていただきたい制度ですね。
なお、この制度は東京都のみのお話です。大阪など他の都道府県では創業支援事業はあるものの、こういった補助金制度がない場合もあります。
📌 ポイント:お住まいの地域の補助金を調べる方法
「J-Net21」(中小企業基盤整備機構が運営するポータルサイト)では、都道府県別の補助金情報が掲載されています。各都道府県・市区町村ごとにどういった制度があるかリンクが貼られているため、皆さんの該当する市区町村の情報をしっかり調べてみてください。
📝 このセクションのまとめ
- 東京都の創業助成事業はMAX300万円(助成率2/3以内)
- 対象は創業5年未満で一定の要件を満たす方
- 申請前の費用は対象外なので、交付決定後に支払うこと
- 他地域の補助金はJ-Net21で検索できる
- 補助金・特定創業支援等事業はいずれも準備が必要でスピード起業はできない点がデメリット
③会計事務所によるキャッシュバック制度
あまりご存知でない方も多いかもしれませんが、会計事務所・税理士事務所の中には、会社設立にかかる費用の全部または一部を事務所側が負担してくれる「キャッシュバック制度」を設けているところがあります。
特定創業支援等事業を使わなかった場合、会社設立にかかる費用のめやすは以下の通りです。
| 会社の種類 | 自分で設立した場合の概算費用 |
|---|---|
| 株式会社 | 約24〜25万円 |
| 合同会社 | 約11万4,000円 |
キャッシュバック制度とは、これらの費用を「これから顧問契約を結ぶ会計事務所側が持ちましょう」というものです。特に資本力のある大手の事務所ではこういったことを積極的に行っています。
ただし、当然ながらからくりがあります。
⚠️ 注意:キャッシュバック制度の条件と注意点
キャッシュバックを受ける代わりに、顧問契約1年間必須・途中解約不可という条件が契約で定められているパターンが一般的です。「契約したけれどもサービスがいまいちだった、でも1年間はやめられない」という可能性もあります。この事務所なら大丈夫と判断できた時のみ利用するようにしてください。
会計事務所にとっては収益の見通しが立てやすく、依頼するお客様にとっては起業初期の苦しい時期にコストがかからないという、双方にとってお得な制度ではあります。10年〜20年前ごろから流行り出した手法で、現在も多くの事務所で採用されています。
📝 このセクションのまとめ
- 一部の会計事務所では設立費用を全額または一部負担してくれるキャッシュバック制度がある
- 代わりに顧問契約1年間必須・途中解約不可の条件が付くことが多い
- 信頼できる事務所だと確認できた場合のみ利用することを推奨
設立時に知っておくべきその他の情報
会社設立時に合わせて知っておくと役立つ情報を2点ご紹介します。
【バーチャルオフィスの活用】
オフィスを持たないビジネスをされる方向けの話ですが、自宅を会社の本店所在地にすると住所が大々的に公開されてしまいます。それを避けたい場合は「バーチャルオフィス」の活用を検討してください。月額数千円を払うことで、本店所在地として使える住所を貸してもらえ、登記も可能なプランがあります。DMMバーチャルオフィスなどが小規模事業者に人気のサービスです。
【会社設立当初の銀行口座開設問題】
設立直後の会社は、銀行口座が作れないケースがあります。法人口座がないとB2Bのビジネスや大手企業との取引ができなかったり、個人名義の口座で取引をすると脱税を疑われたりするデメリットがあります。
この背景には、マネーロンダリングを防止するための「犯罪による収益の移転防止に関する法律」があり、メガバンクなどでは新設会社の口座開設審査が非常に厳しくなっています。
📌 ポイント:ネット銀行の活用
口座開設に苦戦しそうな場合は、メガバンクよりもGMOあおぞらネット銀行などのネット銀行での口座開設を検討してみてください。主なメリットは以下の通りです。
- ネットで申し込みが完結する
- 振込手数料が安い
- デビットカード利用で最大1.0%のキャッシュバック
- 日本政策金融公庫の返済口座としても対応
※誰もが審査通過するわけではありません。
📝 このセクションのまとめ
- 自宅住所を公開したくない場合はバーチャルオフィスが有効
- 設立直後はメガバンクの口座開設が難しい場合があるため、ネット銀行も選択肢に入れる
まとめ:お得な会社設立3選の全体像
今回ご紹介した3つの制度を改めて整理します。無理に会社設立をすることはおすすめしませんが、事業計画を考えた上で会社設立した方が良いと判断された方は、これらの制度をぜひフル活用してください。
| 制度名 | メリット | 注意点 |
|---|---|---|
| 特定創業支援等事業による登録免許税1/2 | 株式会社7万5,000円・合同会社3万円の節税。公庫融資優遇も | 市区町村の研修受講と支援証明書取得が必要。設立場所の一致が必須 |
| 各自治体の創業補助金(東京都はMAX300万円) | 設備投資・運転資金などに最大300万円(2/3補助) | 申請前の費用は対象外。1〜2ヶ月前からの準備が必要 |
| 会計事務所のキャッシュバック | 設立費用の全部または一部を事務所が負担 | 顧問契約1年間必須が条件。信頼できる事務所かどうかの見極めが重要 |
特定創業支援等事業と創業補助金はいずれも準備期間が必要なため、スピード起業はできません。時間的な制約のない方はぜひこの2つもご検討ください。
📝 全体のまとめ
- 登録免許税は特定創業支援等事業で半額にできる(株式会社15万→7万5,000円)
- 東京都の創業補助金はMAX300万円(対象経費の2/3以内)
- 会計事務所のキャッシュバックは信頼できる事務所かを見極めた上で活用
- バーチャルオフィスやネット銀行など設立後の実務準備も忘れずに
終わりに
本記事の内容は YouTubeチャンネル 税理士YouTuberチャンネル!! / ヒロ税理士 の下記動画を参考に作成しています。AIによる書き起こしを活用しているため、誤字脱字がある可能性があります。ご了承ください。 本サイトは 税理士YouTuberチャンネル!! / ヒロ税理士を応援しています!
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