消費税申告で損しない!初めての消費税確定申告で間違えやすい3つのポイントを税理士が解説

消費税申告で損しない!初めての消費税確定申告で間違えやすい3つのポイントを税理士が解説
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インボイス登録で初めての消費税申告、知らないと損する3つのミスを徹底解説。

インボイス制度がスタートし、今まで免税事業者だった個人事業主・フリーランスの方が初めて消費税の確定申告をするケースが今年は非常に多くなっています。消費税の申告は所得税の確定申告とは異なるルールがあり、知識がないままに申告してしまうと税金を払いすぎてしまう、あるいは後から修正申告を求められるという事態になりかねません。

会計ソフトやe-Taxを使っていても、自分では気づきにくい落とし穴が存在します。本記事では、間違えやすい3つの項目を順番にしっかり解説します。

📌 本記事で解説する3つのミス

  1. 消費税の申告期間を勘違いするミス
  2. 課税売上対象外の取引を課税対象に含めてしまうミス
  3. 要件を満たさないのに2割特例で申告してしまうミス

ミス①|消費税の申告期間を1月〜12月と勘違いしてしまう

インボイス制度に登録することで、今まで免税事業者だった方が課税事業者に変わります。この場合、消費税の申告期間について重大な勘違いが起きやすいです。

インボイス制度の登録日は令和5年10月1日です。つまり、それ以前(1月〜9月)はまだ免税事業者として扱われます。したがって、消費税の申告が必要な期間は令和5年10月1日〜12月31日の3ヶ月分だけでよいケースがあります。

⚠️ 注意

同業者や知人から「自分は1月から12月で消費税を計算する」と聞いて、自分も同じにしなければと思い込むケースがあります。しかし、その方は別の理由で1年分の申告が必要な方かもしれません。他人の情報を鵜呑みにしないことが重要です。

消費税の申告が必要かどうかは、2年前(基準期間)の課税売上高で判断します。令和5年分であれば、令和3年が基準期間となります。

令和3年(基準期間)の課税売上高インボイス登録状況令和5年の消費税申告期間
1,000万円以下令和5年10月1日に登録10月1日〜12月31日(3ヶ月分)
1,000万円超登録の有無に関わらず1月1日〜12月31日(1年分)

令和3年の課税売上高が1,000万円以下でインボイス制度に登録した方は、令和5年の消費税申告は10月〜12月の3ヶ月分のみでOKです。それを知らずに1月から12月の売上全体で計算してしまうと、消費税を払いすぎることになります。

📝 このセクションのまとめ

  • 消費税は2年前(基準期間)の売上高で申告義務を判断する
  • 令和3年の売上が1,000万円以下でインボイス登録した方は、令和5年は10月〜12月分のみ申告すればよい
  • 他人の申告期間をそのまま参考にすると勘違いが生じる可能性がある

ミス②|課税売上対象外の取引(補助金など)を課税売上に含めてしまう

消費税の計算は課税売上高をベースに行います。しかし、売上として入金があったものの中には、消費税がかからない取引が含まれていることがあります。これを知らずにすべての入金を課税売上に含めてしまうと、消費税を余分に払うことになります。

消費税がかからない取引は、専門用語で「非課税取引」「不課税取引」の2種類に分けられます。

区分内容の例
非課税取引土地の売買・貸付、住宅の賃貸、利子・保険料、医療費、学校の授業料 など
不課税取引補助金・助成金の受取、給与・賃金、寄附金、保険金の受取 など

個人事業主・フリーランスの方で特に該当しやすいのが補助金・助成金の受取です。開業補助金、持続化補助金、IT導入補助金など、さまざまな補助金を受け取った方がいると思いますが、これらは消費税の課税対象外です。

📌 補助金に消費税はかからない

例えば50万円の補助金が通過・入金された場合、消費税込みの55万円が振り込まれることはありません。補助金はそもそも消費税が含まれない金額です。つまり補助金は課税売上に含めてはいけないということを必ず覚えておいてください。

具体的な数値で確認してみましょう。

ケース課税売上高として計算する金額結果
補助金100万円を含めて計算800万円(本来の売上700万円+補助金100万円)消費税が多くなる(損)
補助金100万円を除いて計算700万円(本来の売上のみ)消費税が正しい金額になる

このように、補助金分の入金を課税売上に含めてしまうと、消費税の計算額が増加し、払いすぎにつながります。会計ソフトに入力する際も、補助金の入金は「不課税」または「対象外」として処理することが正しい方法です。

⚠️ 注意

消費税は意外と落とし穴が多く、正確な知識がないと正しい計算ができません。補助金以外にも非課税・不課税に該当する取引がないか、申告前に必ず確認するようにしてください。

📝 このセクションのまとめ

  • 消費税がかからない取引には非課税取引不課税取引がある
  • 補助金・助成金は不課税取引であり、課税売上高に含めてはいけない
  • 補助金を課税売上に含めると消費税が増加し、払いすぎになる
  • 会計ソフトへの入力時は「不課税」または「対象外」で処理する

ミス③|要件を満たさないのに2割特例で申告してしまう

インボイス制度の導入に伴い、事業者の負担を軽減するために新しく設けられた計算方法が「2割特例」です。消費税の計算方法には以下の3種類があります。

  • 原則課税:売上にかかる消費税から、仕入・経費にかかる消費税を差し引いて計算する方法
  • 簡易課税:売上にかかる消費税に業種ごとのみなし仕入率を掛けて計算する方法
  • 2割特例:インボイス制度導入に伴う経過措置として新設された計算方法

📌 2割特例とは

売上にかかる消費税額の2割(20%)だけを納税額とする計算方法です。仕入税額控除の計算が不要なため、非常にシンプルで有利な方法です。ただし、誰でも使えるわけではなく、一定の要件を満たす必要があります。

「消費税の金額が下がるらしい」という情報だけを聞いて、要件を確認せずに2割特例で申告してしまうケースが多く見受けられます。これは非常に危険です。

⚠️ 要件を満たさずに2割特例を使った場合のリスク

  • 後日税務調査が入った際に修正申告が必要になる
  • 1年分の誤りなら1年分、2〜3年分に及べばその分をまとめて追加納税しなければならない
  • まとまった税金の後払いは資金繰りに深刻なダメージを与える

2割特例が使えるかどうかの判断フローチャート

国税庁から、2割特例が適用できるかどうかを判断するためのフローチャートが公開されています(令和5年分・個人事業主向け)。このフローチャートに沿って確認することで、自分が2割特例を使えるかどうかが明確になります。

フローチャートで判断する際の大きな3つの確認ポイントは以下のとおりです。

確認ポイント内容
①届出の状況消費税関連の届出書を何を提出しているか
②売上の状況基準期間(2年前)の課税売上高がいくらか
③その他の要件インボイス登録の経緯など

⚠️ 特に注意!「消費税課税事業者選択届出書」を提出している方

税務署に「消費税課税事業者選択届出書」を提出している方は、2割特例を使うことができません。本来は2割特例が使えたはずなのに、この届出書を誤って提出していたために使えなくなるというケースもありますので、自分がどの届出書を税務署に提出しているか、必ず確認してください。

国税庁のフローチャートは非常にわかりやすく作られています。自分の状況をフローチャートに当てはめることで、「2割特例が適用可能」または「適用不可」という結論が出ます。概要欄にURLを掲載していますので、ぜひ活用してください。

📝 このセクションのまとめ

  • 2割特例は誰でも使えるわけではなく、要件を満たす必要がある
  • 要件を満たさずに使うと、後から修正申告・追加納税が発生する
  • 国税庁のフローチャートで適用可否を必ず確認する
  • 「消費税課税事業者選択届出書」を提出している方は2割特例が使えない
  • 自分が税務署に提出している届出書の内容を必ず確認する

申告前に必ず確認!税務署への届出書の状況チェック

消費税の確定申告書を作成する前に、税務署に提出している届出書の状況を必ず確認してください。届出書の内容によっては、使える計算方法が変わってきます。

特に確認すべき届出書は以下のとおりです。

  • 消費税課税事業者選択届出書:これを提出していると2割特例が使えない
  • 消費税簡易課税制度選択届出書:簡易課税を選択している場合の届出書
  • 適格請求書発行事業者の登録申請書:インボイス登録の申請書

また、今回紹介した3つのミスは、会計ソフトやe-Taxを使っていても自分では気づきにくいものです。税務署が間違いをチェックしてくれるかどうかは未定であり、どこまで確認してくれるのかという情報も現時点では誰も持っていない状況です。

📌 初めての消費税申告で心がけること

  • 所得税の確定申告と消費税の確定申告は別々に作成が必要
  • 今年は例年よりスケジュールに余裕を持って作業を進める
  • 間違いは自己責任であるという意識を持ち、正しい知識を得ることが大切
  • 2割特例を誤って選択した方には税務署から連絡が来る可能性があるが、全件チェックされるかは不明

📝 3つのミスを防ぐための最終チェックリスト

  • ✅ 自分の消費税の申告期間(10月〜12月 or 1月〜12月)を正しく把握しているか
  • ✅ 入金の中に補助金・助成金など課税対象外の取引が含まれていないか確認したか
  • 2割特例の要件を国税庁のフローチャートで確認したか
  • ✅ 税務署に提出している届出書の種類を確認したか

終わりに

本記事の内容は YouTubeチャンネル 税理士河南のYouTubeチャンネル! の下記動画を参考に作成しています。AIによる書き起こしを活用しているため、誤字脱字がある可能性があります。ご了承ください。
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