コピー機・複合機リースのぼったくり事情と経費削減チェックリスト9項目を税理士が解説
経費削減は大切ですが、方法を間違えると売上まで下がります。絶対にやってはいけない経費削減と、今すぐ実行すべき9項目のチェックリストを解説します。
なぜ経費削減が必要なのか?節税より大事な「利益」と「資金繰り」
コロナが落ち着いて街に訪れる人もじわじわと増えてきています。世の中の経済は少しずつ元通りになりつつあります。しかしそんな状況でも、中小企業にとっては先行き不透明だったり、なかなか売り上げが芳しくなかったり、資金繰りに困っているという方も非常に多いのが現状です。
中小企業にとっては、節税よりも利益を出すことの方が大事であり、さらにそれ以上に資金繰りを円滑に回していくことの方が大事です。資金=キャッシュというのは、我々の体内をめぐる血液と同様に非常に大事なものであり、これが回らなくなると中小企業の経営はストップしてしまいます。
では、なぜ利益を出して資金繰りを円滑にする必要があるのか。その理由は大きく4つあります。
- 借入金の返済財源の確保:借入金の返済は法人税・所得税の税引き後の利益から行うため、利益が出ていなければ実質的に借金の返済ができない。手元のキャッシュを食いつぶして資金が回らなくなる。
- 融資審査の評価アップ:赤字決算が続くとお金が借りにくくなる。事業拡大のための資金調達には、節税以上に利益を出すことが大事。
- 将来への投資財源の確保:利益が出ていなければ研究開発や設備投資の原資がなく、会社が拡大しない。
- 社員の教育費・昇給財源の確保:社員の教育費やそもそもの昇給財源がなくなってしまう。
さらに5つ目として、いざという時の備え(災害・経済変動・不測の事態への対応)も非常に大事な要素です。コロナはまさにその典型例でした。小さな規模の副業や一人会社であればあまり備えが必要ない場合もありますが、事業拡大を目指す方には欠かせない視点です。
📌 ポイント
経費削減を考える際の基本的な判断基準は「その経費が売上アップに直接または間接的に貢献しているかどうか」です。貢献していない経費は削減すべきですが、貢献している経費を削減すると本末転倒になり、売上が逆に下がってしまう恐れがあります。
📝 このセクションのまとめ
- 中小企業にとっては節税より利益、利益より資金繰りが最優先
- 利益が出ていないと借入返済・投資・昇給・緊急時対応ができなくなる
- 経費削減の判断基準は「売上への貢献度」
絶対にやってはいけない経費削減4つ
経費削減の中でも、やってはいけないものがあります。個人事業主の確定申告決算書にはさまざまな経費項目がありますが、その中から代表的なものをピックアップして解説します。
- 売上原価・製造原価のカット(品質を落とす削減)
例えば高級レストランで食材をケチってボリュームを減らし、見栄えも貧相にする。これはお客様に一発で気づかれます。一時的に原価削減はできても、それ以上の売上低下を招く可能性があります。やってはいけないのは、あくまでも品質の低下を招くようなコスト削減です。仕入先の見直しによる原材料費の削減や、外注部分の内製化といった企業努力による原価削減はむしろ積極的に行ってください。 - 計画なき人件費削減
世の中の中小企業でも給与水準をどんどん上げている会社が増えてきています。特にモチベーションダウンにつながるような計画なき人件費削減はやるべきではありません。 - 売上に貢献している広告宣伝費の削減
売上の獲得につながらない無駄な広告宣伝費は削減してください。ただし、ネット通販をされている方のリスティング広告費用など、売上に直結しているものを削減してしまうと、それに合わせて売上も落ちてしまう可能性があります。広告媒体ごとに売上への貢献度合いをチェックして見極めることが大事です。 - 修繕費のカット
不動産賃貸業であれば外壁・内装の修繕、製造業であれば機械設備の修繕などがあります。定期的なメンテナンスは日々の利便性や社員の安全性向上につながっています。何も考えずに修繕費をカットすると、それ以上の損害を招いてしまうこともあります。
⚠️ 注意
品質低下を招く原価削減・計画なき人件費削減・売上直結の広告費削減・修繕費の無計画なカットは、短期的なコスト削減以上の損害を招く可能性があります。これらは「やってはいけない経費削減」です。
📝 このセクションのまとめ
- 品質を落とす原価削減・計画なき人件費削減はNG
- 広告宣伝費は媒体ごとに売上貢献度を確認してから判断する
- 修繕費を無計画にカットすると後でより大きな損害になる
経費削減対策チェックリスト9項目
ここからが本題です。今すぐ実行すべき経費削減対策を9項目のチェックリストとして解説します。
| No. | チェック項目 | ポイント |
|---|---|---|
| ① | 商品・サービスの価格を定期的に見直しているか | 原価・人件費・光熱費などの固定費上昇を価格転嫁できているか確認 |
| ② | 仕入・製造原価・在庫コストの見直し | 無駄な倉庫・物流コストがないか。外注か内製化かを検討 |
| ③ | ほぼ利用していないサブスクがないか | オンラインサロン年会費など一切使っていないものを解約 |
| ④ | 複合機(コピー機)でぼったくられていないか | リース料・カウンター料金の相場を把握して比較検討する |
| ⑤ | 無駄な保険料の支払いがないか | 節税目的で加入した生命保険が今も必要か見直す |
| ⑥ | 家賃・電気代の見直し | 電力会社の自由化を活用。専門コンサルタントの活用も検討 |
| ⑦ | 売上に貢献していない接待交際費・会議費がないか | 資金繰りが厳しければ義理や習慣で使っている費用をカット |
| ⑧ | できる節税はちゃんとしているか | 会社のステージに応じて節税と利益確保を使い分ける |
| ⑨ | 借り換えなどで金利の見直しをしているか | 複数の金融機関を比較し、有利な条件への借り換えを検討 |
①の価格の見直しについては、原価・人件費・水道光熱費などをはじめとした固定費が上がっている中、それを吸収するには売価の改定をしていかなければなりません。今のこのタイミングを逃してしまうと、今後永久に値上げできないかもしれません。順調に行かれている企業はこの1年のうちでも何とかこの価格の改定をしているというのが現状です。
②の仕入・物流コストの見直しについては、運送会社などの物流コストも上がっています。外注先の運送会社の見直し、あるいはそれを内製化して自前のドライバーを採用した方がいいのかを検討することが大事です。
⑤の無駄な保険料については、社歴の長い会社で利益が出て儲かっていた頃に節税目的で生命保険に入ったけれども、今現在は節税どころではなく大赤字でコスト削減をしなければならないというケースがよくあります。場合によっては生命保険の見直し・解約を検討した方がいいかもしれません。ただし、最近の税制改正で昔のような課税繰り延べ効果が高い生命保険はほぼ廃止されていますので、その点も考慮して見直しを検討してください。
⑦の接待交際費・会議費については、取引先を連れて飲みに行くことが本当に趣味のようになっていて楽しいという方は例外ですが、資金繰りが厳しければこういったものはカットすべきです。
⑧の節税の実施については、脱税しろということではなく、できる節税はちゃんとしているかどうかという確認です。会社の目的・成長水準によって検討してください。節税した方がいい初期段階もあれば、利益を出して資金調達をしなければならない拡大期もあります。
⑨の金利の見直しについては、生命保険と同じような話で、体力が乏しいアーリーステージで高い金利で調達した借入金がある場合、今の会社の財務状態であればもっと大きな銀行で有利な条件で借り入れを受けられるケースもあります。複数の金融機関を比較して借り換えを検討することが非常に大事です。
📝 このセクションのまとめ
- チェックリスト9項目を定期的に確認する習慣をつける
- 価格改定・保険見直し・金利見直しは「今すぐ」取り組むべき項目
- 節税は会社のステージに合わせて使い分ける
複合機(コピー機)リースのぼったくり事情と相場を知る重要性
チェックリストの③・④に関連して、特に複合機(コピー機)のコスト削減について詳しく解説します。
改正電子帳簿保存法による電子データ取引のデータ保存義務化が実質見送りになったことで、しばらくはデータ保存と紙保存が共存する形になります。複合機・コピー機はもうオワコンになっている印象があるかもしれませんが、なんと大手メーカー3社合計で1,500億円もの利益をこの複合機だけで出しています。それだけ複合機は未だに強い存在感があります。
まず、複合機のコスト構造を理解しておきましょう。コストは大きく2つに分かれます。
- 本体料金:新品で買い取るか、中古で買い取るか、または一般的にはリース契約で借りる
- カウンター料金:モノクロ・カラーそれぞれの印刷枚数に応じて費用が変わる。このカウンター料金を支払うことで、トナーの補充と修理が無償で受けられる契約になっているのが大半
では、実際の相場はどのくらいでしょうか。複合機の総合サイト「コピー機Gメン」のアンケート調査によると、以下の通りです。
| 項目 | アンケートによる市場相場 | 実際に契約可能な金額 |
|---|---|---|
| リース料金 (5年リース・1分あたり25万枚印刷可能な機種) | 月額 16,293円 | 月額 約6,000円以上削減可能 (1万円ほど安くなる) |
| カウンター料金(モノクロ) | 1枚あたり 3.2円 | 1枚あたり 0.7円 |
| カウンター料金(カラー) | 1枚あたり 18円 | 1枚あたり 7円 |
パッと見の単価だけではなかなか分かりづらいかもしれませんが、例えば毎月モノクロで2,000枚、カラーで500枚印刷している場合、なんと5年間で100万円もの差がつくという結果になります。1年あたりに換算しても20万円です。非常に大きな差ですよね。
📌 ポイント
複合機のコストを削減するためには、まず「敵を知ること」、つまりこの価格相場をしっかり把握しておくことが一番のポイントです。相場を知った上で見積もりを取得し、複数社で比較することが重要です。
📝 このセクションのまとめ
- 複合機コストはリース料+カウンター料金の2本立て
- 相場を知らずに契約すると5年間で100万円以上損するケースがある
- モノクロ0.7円・カラー7円という価格での契約も可能
複合機を安く契約するコツと、ぼったくられやすいパターン
複合機を安く契約するためのコツと、高い金額で買わされやすいパターンについて解説します。
安く契約するコツは2つです。
- 価格の相場を知った上で見積もりを取得する:相場を把握していれば、高い金額を提示されても気づくことができます。
- 激安メーカーである京セラを選択肢に入れる:品質と価格のグラフで見ると、京セラは激安でかつ一定以上の品質があります。先ほどのモノクロ0.7円・カラー7円という価格は京セラだから可能な価格です。仮に高品質な他のメーカーと契約したい場合でも、京セラの価格相場を提示することで、想像以上の値引きを受けられる可能性があります。
一方、ぼったくられやすいパターンは以下の3つです。
- 飛び込みやテレアポで購入する:他社と比較するということがないため、高い金額で購入させられやすいです。これから独立してオフィスを立ち上げるという方は特に注意しましょう。
- 知り合いの紹介から購入する:これは意外かもしれませんが、実際に複合機の営業の方が「一番高く購入させやすいのは紹介ルート」と言っていました。知り合いを信用してしまっているので、高い金額を提示されても比較に持ち込まれないパターンが多いそうです。紹介だから安心ということのないようにしましょう。
- 前任者・前社長の取引先から継続的に購入する:長年他社と比較されないまま、高い金額のまま契約し続けているパターンです。とある関西の食品メーカーでは、ワンマン社長だった前任社長がコピー機・電話・FAXなどを言いなりで契約し続けていたところ、後継者が発見して入れ替えた結果、年間で300万円ものコスト削減になったということもあるようです。
📌 ポイント
相場を知って比較して購入すれば、ぼったくりは避けられます。そういった意味では「理論武装」が非常に大事です。複合機の一括見積もりサイト「コピー機Gメン」では、複数社の見積もりをまとめて取得することができます。販売店との直接のやり取りを希望しない場合は、メールや電話による連絡を防ぐことも可能です。
📝 このセクションのまとめ
- 京セラを選択肢に入れて相見積もりを取ることで大幅なコスト削減が可能
- 「紹介」「前任者からの継続」は最も高くなりやすいパターン
- 年間300万円のコスト削減につながった実例もある
「経費を使えば節税になるから削減不要」は本当か?節税の弊害を知る
駆け出しの事業者の方の中には「経費を使えば節税になるから、削減の必要はないんじゃないか」という発想を持たれる方もいるかもしれません。しかし、これには大きな落とし穴があります。
実際にあったエピソードを例に解説します。
| 状況 | 利益 | 経費(飲食等) | 課税所得 | 法人税(約30%) | 手元に残るキャッシュ |
|---|---|---|---|---|---|
| 節税実行前 | 1,000万円 | 0円 | 1,000万円 | 300万円 | 700万円 |
| 節税実行後 (飲食費500万円使用) | 1,000万円 | 500万円 | 500万円 | 150万円 | 350万円 |
税金は300万円から150万円に半分に節税できました。ここまで見ると「節税できてええやん」となりますが、問題はその続きです。700万円残っていたはずのキャッシュが350万円に半減してしまいます。
もちろん、節税の内容によります。例えば事前確定届出給与(個人に残る役員賞与)や、倒産防止共済・生命保険契約などでキャッシュがプールされるものであればまだマシです。しかし、接待交際費のようにキャッシュアウトを伴うだけの経費であれば、当然資金繰りを圧迫してしまうだけです。
⚠️ 注意
会社経営の目的は節税ではありません。世の中に社会貢献をして、利益をしっかり上げていき、資金繰りを円滑に回しながら事業を成長させていくことです。駆け出し経営者の方はこの「節税の弊害」を頭に入れておいてください。
📝 このセクションのまとめ
- 経費を使って節税しても、手元のキャッシュは減る
- キャッシュアウトを伴う節税は資金繰りを圧迫するだけ
- 節税が全てではなく、会社のステージに合わせた判断が必要
終わりに
本記事の内容は YouTubeチャンネル 税理士YouTuberチャンネル!! / ヒロ税理士 の下記動画を参考に作成しています。AIによる書き起こしを活用しているため、誤字脱字がある可能性があります。ご了承ください。本サイトは 税理士YouTuberチャンネル!! / ヒロ税理士を応援しています!
関連記事
コピー機・複合機リースの適正価格とは?業界の闇と悪徳業者の見極め方を税理士が解説
東京エリア
千代田・中央・港区から副都心各区まで、東京の優良税理士法人ランキング
関西エリア
大阪・京都・兵庫・岡山など関西圏の信頼できる税理士法人ランキング
関東エリア
首都圏の神奈川・埼玉・千葉・北関東で実績のある税理士法人ランキング
中部エリア
製造業の集積地、中部・北陸圏で企業支援に強い税理士法人ランキング
九州・沖縄
九州・沖縄地域で地域密着型サービスに定評のある税理士法人ランキング
その他地域
北海道・東北・中国・四国地方の地域に根ざした税理士法人ランキング
