コピー機・複合機リースのぼったくり事情と経費削減の正しい考え方【税理士が解説】
経費削減は大事でも、やり方を間違えると売上まで下がる。正しい経費削減の考え方を解説します。
現在、原材料費・電気代・人件費と、あらゆるコストが高騰しています。中小企業にとって経費削減は急務ですが、削減してはいけない経費まで削ってしまうと、売上が逆に下がるという本末転倒な結果を招く恐れがあります。
今回は税金の話ではなく、税金よりも大事な「資金繰り」の観点から、経費削減の正しい考え方をお伝えします。個人事業主・法人共通のテーマです。
経費削減の大原則:売上への貢献度で判断する
経費削減を考えるときの基本的な判断基準はシンプルです。
📌 経費削減の判断基準
その経費が売上アップに直接・間接的に貢献しているかどうかを基準に考える。貢献していない経費は削減する。貢献している経費を削減すると、売上が下がってしまう恐れがある。
では、なぜそもそも経費を削減し、利益を出す必要があるのでしょうか。中小企業にとっては、節税よりも利益を出すこと、さらにそれ以上に資金繰りを円滑に回すことの方が大事です。資金(キャッシュ)は体内をめぐる血液と同様、これが回らなくなると経営はストップしてしまいます。
利益を確保すべき理由は主に以下の4つです。
- 借入金の返済財源:借入金の返済は税引き後の利益から行うため、利益が出ていなければ実質的に返済できない
- 将来への投資・研究開発:利益がなければ会社が拡大しない
- 社員の教育費・昇給財源:人材への投資が困難になる
- 不測の事態への備え:コロナのような経済変動・災害への備え
また、赤字決算が続くとお金が借りにくくなります。節税と事業で黒字を出すことは逆行することも多いですが、事業を拡大していくためには資金調達が必要であり、そのためには節税以上に利益を出すことが大事です。
📝 このセクションのまとめ
- 経費削減の判断基準は「売上への貢献度」
- 中小企業には節税より資金繰りの安定が重要
- 利益確保は返済・投資・昇給・緊急時備えに直結する
絶対にやってはいけない経費削減
個人事業主の確定申告決算書にはさまざまな経費項目があります。その中で、削減してはいけない代表的なものを見ていきましょう。
⚠️ 注意
以下の経費削減は売上低下を招く恐れがあるため、慎重に対応してください。
① 売上原価・製造原価
例えば高級レストランで食材をケチってボリュームを減らし、見栄えも貧相にするとお客様は一発で気づきます。一時的に原価削減できても、それ以上の売上低下を招く可能性があります。やってはいけないのは品質の低下を招くようなコスト削減です。
一方、効率化による原価削減は大切です。仕入先の見直しによる原材料コストの削減、外注していた部分の内製化といった企業努力はぜひ取り組んでください。
② 人件費
世の中の中小企業でも給与水準をどんどん上げている会社が増えています。モチベーションダウンにつながるような計画なき人件費削減はやるべきではありません。
③ 広告宣伝費
売上の獲得につながらない無駄な広告宣伝費は削減すべきですが、ネット通販などで売上に直結しているリスティング広告費用などを削減してしまうと、それに合わせて売上も落ちてしまう可能性があります。広告媒体ごとに売上への貢献度をチェックして見極めることが大切です。
④ 修繕費
不動産賃貸業であれば外壁・内装の修繕、製造業であれば機械設備の修繕などがあります。定期的なメンテナンスは日々の利便性や社員の安全性向上につながっています。何も考えずに修繕費をカットすると、それ以上の損害を招くこともあります。
📝 このセクションのまとめ
- 品質低下を招く原価削減はNG。効率化による削減はOK
- 計画なき人件費削減はモチベーション低下を招く
- 売上貢献度の高い広告費を安易に削減しない
- 修繕費カットは後で大きな損害につながる恐れあり
経費削減対策チェックリスト9項目
ここからが本題です。今すぐ見直すべき経費削減のチェックリストを9項目で解説します。
- 商品・サービスの価格を定期的に見直しているか
- 仕入れ・製造原価・在庫コストの見直し
- ほぼ利用していないサブスクリプションはないか
- 複合機(コピー機)でぼったくられていないか
- 無駄な保険料の支払いはないか
- 家賃・電気代の見直し
- 売上に貢献していない接待交際費・会議費はないか
- できる節税はちゃんとしているか(無駄な税金の支払いはないか)
- 借り換えなどで金利の見直しをしているか
それぞれについて詳しく見ていきましょう。
①商品・サービスの価格を定期的に見直しているか
原材料費・人件費・水道光熱費などの固定費が上がっている今、それを吸収するには売価の見直しをしなければなりません。今のこのタイミングを逃してしまうと、今後永久に値上げできないかもしれません。順調に進んでいる企業はこの1年のうちに価格改定を行っているのが現状です。
②仕入れ・製造原価・在庫コストの見直し
無駄な倉庫や物流コストがないかどうかを見直しましょう。運送会社などの物流コストも上がっています。外注している運送会社の見直し、あるいは自前のドライバーを採用した方がいいのか、この辺りを検討することが大事です。
③ほぼ利用していないサブスクリプションはないか
オンラインサロンの年会費など、一切使っていないものに対して払い続けていないかどうかをチェックすることが大事です。
📝 チェックリスト前半のまとめ
- コスト高騰を吸収するための価格改定は今がチャンス
- 物流コストは内製化も含めて見直す
- 使っていないサブスクは即解約を検討
複合機(コピー機)のぼったくり事情と正しい価格相場
サブスクの代表例として、複合機(コピー機)のコスト削減について詳しく解説します。
電子帳簿保存法の改正により、電子データ取引のデータ保存義務化が実質見送りになりました。そのため、しばらくはデータ保存と紙保存が共存する形が続きます。不動産業界など紙が必要な業界では全面的なデータ化は難しい状況です。
複合機はオワコンのイメージがあるかもしれませんが、なんと大手メーカー3社合計で1,500億円もの利益をこの複合機だけで出しています。それほど複合機は未だに強い市場です。
複合機のコスト構造は主に2つです。
- 本体料金:新品・中古での買い取り、またはリース契約(借りる)が一般的
- カウンター料金:印刷枚数に応じて発生するランニングコスト。この料金を支払うことでトナー補充・修理が無償になる契約が大半
では実際の価格相場はどれくらいでしょうか。コピー機Gメン(複合機の総合サイト)のアンケート結果と、実際に契約可能な価格を比較してみましょう。
| 項目 | アンケートによる市場価格(相場) | 実際に契約可能な価格 |
|---|---|---|
| リース料金(5年リース・月25万枚印刷クラス) | 月額 約16,293円 | 月額 約6,000円以上削減可能(約1万円台前半) |
| カウンター料金(モノクロ1枚あたり) | 3.2円 | 0.7円 |
| カウンター料金(カラー1枚あたり) | 18円 | 7円 |
実際に契約可能な価格は、アンケートによる市場価格の半分以下です。
📌 具体的な削減額のシミュレーション
毎月モノクロ2,000枚・カラー500枚印刷している場合、市場価格と最安値の差額を5年間で計算すると…
5年間で約100万円・年間約20万円のコスト削減が可能です。
複合機のコストを削減するためには、まず価格相場を把握することが一番のポイントです。
複合機を安く契約するコツとぼったくられやすいパターン
複合機を安く契約するためのコツは以下の2点です。
- 価格の相場を知った上で見積もりを取得する
- 激安メーカーである京セラを選択肢に入れる:品質・価格のグラフで見ると、京セラは「激安かつ一定以上の品質」のポジションにある。先ほどのモノクロ0.7円・カラー7円という価格は京セラだから可能な水準。仮に高品質なメーカーと契約したい場合でも、京セラの価格相場を提示することで想像以上の値引きを受けられる可能性がある
一方、ぼったくられやすいパターンも把握しておきましょう。
⚠️ 複合機でぼったくられやすい3つのパターン
- 飛び込み・テレアポで購入する:他社と比較する機会がないため、高い金額で購入させられやすい。これから独立してオフィスを立ち上げる方は特に注意
- 知り合いの紹介から購入する:複合機の営業担当によると「一番高く購入させやすいのは紹介ルート」とのこと。知り合いを信用してしまうため、比較に持ち込まれないパターンが多い
- 昔の取引先から継続的に購入する(先代社長のまま):長年他社と比較されないまま、高い金額で契約し続けているパターン。とある関西の食品メーカーでは、先代のワンマン社長がコピー機・電話・FAXなどを言いなりで契約していたが、後継者が発見して入れ替えた結果、年間300万円ものコスト削減につながったケースもある
📌 ポイント
相場を知って比較して購入すれば、ぼったくりは避けられます。理論武装は非常に大事です。複合機の一括見積もりサイト「コピー機Gメン」では、複数社の見積もりを取りまとめてくれるサービスを提供しています。
📝 このセクションのまとめ
- 市場相場と実際の契約可能価格は大きく異なる(カウンター料金は半分以下も可能)
- 5年間で100万円・年間20万円の削減効果も
- 京セラを選択肢に入れ、複数社で見積もりを取ることが鉄則
- 紹介・長年の付き合いだからこそ高くなっているケースに注意
その他の経費削減チェックリスト(④〜⑨)
④無駄な保険料の支払いはないか
よくあるのが、社歴の長い会社で利益がたくさん出て儲かっていた頃に節税目的で生命保険に入ったものの、今は大赤字でコスト削減をしなければならないというケースです。このような場合は、生命保険の見直し・解約を検討した方がいいかもしれません。ただし、最近では税制改正により昔のような課税繰り延べ効果が高い生命保険はほぼ廃止されています。その点も踏まえて見直しを検討してください。
⑤家賃・電気代の見直し
これに特化したコンサルタントもいますので活用するのも一つの手です。電力会社は自由化されていますので見直しが可能です。ただし電気代はエネルギー価格の高騰によって上がり続けているため、ここ最近では削減効果が出にくい状況です。
⑥売上に貢献していない接待交際費・会議費はないか
資金繰りが厳しければ、売上に直結しない飲食費などはカットすべきです。取引先との飲み会が本当に趣味で楽しいという方は例外ですが、普通は見直しを検討しましょう。
⑦できる節税はちゃんとしているか(無駄な税金の支払いはないか)
これは脱税しろということではなく、できる節税をちゃんと実行しているかどうかの確認です。会社の目的や成長水準によって、節税を優先すべき初期段階もあれば、利益を出して資金調達をしなければならない拡大期もあります。状況に応じて使い分けることが大切です。
⑧付き合い・義理だけで払っている費用はないか
同業者団体の会費などで、しっかり活動しているなら問題ありませんが、事業に貢献していないのであれば見直しが必要です。
⑨借り換えなどで金利の見直しをしているか
生命保険と同様に、まだ体力が乏しい企業のアーリーステージで高い金利で調達した借入金があり、それをそのまま払い続けているケースがあります。今の会社の財務状態であれば、より大きな銀行でより有利な条件で借り入れができる可能性もあります。複数の金融機関を比較して、借り換えを検討することが非常に大事です。
📝 チェックリスト後半のまとめ
- 節税目的の保険は今の状況に合わせて見直す
- 売上に貢献しない交際費は資金繰りを圧迫するだけ
- 借入金の金利見直しは見落とされがちな削減ポイント
- 義理・付き合いだけの支出は事業貢献度で判断する
「経費を使えば節税になるから削減不要」は危険な考え方
駆け出しの事業者の方から「経費を使えば節税になるから削減の必要はないのでは?」という声を聞くことがあります。しかし、これは節税の弊害を知らない考え方です。実際にあったエピソードでご説明します。
ある社長が「利益が1,000万円出ているが、法人税率が約30%なので300万円の税金が発生する。なんとかできないか」とおっしゃっていました。そこで以下のような計算を見せました。
| 項目 | 節税実行前 | 節税実行後(飲み代500万円使用の場合) |
|---|---|---|
| 売上・利益 | 1,000万円 | 1,000万円 |
| 経費(飲み代など) | 0円 | 500万円 |
| 課税所得 | 1,000万円 | 500万円 |
| 法人税(約30%) | 300万円 | 150万円(半分に削減!) |
| 手元に残るキャッシュ | 700万円 | 350万円(半減!) |
税金は300万円から150万円に半減しました。しかし、手元に残るキャッシュも700万円から350万円に半減してしまいます。社長はこの結果を見て「それならやめとく」とおっしゃいました。
⚠️ 注意:節税の内容によって結果は異なります
事前確定賞与(役員賞与)や倒産防止共済・生命保険契約など、キャッシュがプールされるものであればまだマシです。しかし接待交際費のようにキャッシュアウトを伴うだけの経費であれば、資金繰りを圧迫するだけになります。
会社経営の目的は節税ではありません。世の中に社会貢献をして、利益をしっかり上げ、資金繰りを円滑に回しながら事業を成長させることです。駆け出しの経営者の方は特に、この節税の弊害を頭に入れておいてください。
📝 このセクションのまとめ
- 経費を使って節税しても、手元のキャッシュは減る
- キャッシュアウトを伴う節税は資金繰りを圧迫するだけ
- 節税よりも利益を出してキャッシュを確保することが優先
- 節税が有効な時期・利益確保が必要な時期を使い分ける
終わりに
本記事の内容は YouTubeチャンネル 税理士YouTuberチャンネル!! / ヒロ税理士 の下記動画を参考に作成しています。AIによる書き起こしを活用しているため、誤字脱字がある可能性があります。ご了承ください。 本サイトは 税理士YouTuberチャンネル!! / ヒロ税理士を応援しています!
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