節税対策

会社名義でマイホームを買うと節税になる?役員社宅制度の仕組みを税理士が解説

会社名義でマイホームを買うと節税になる?役員社宅制度の仕組みを税理士が解説
e_zeirishi

マイホームを個人で買う前に知っておきたい、会社名義購入で手取りを増やす節税の裏ワザを税理士が解説します。

個人名義でマイホームを買ったことへの後悔

ちょっと最近、後悔していることがあるんですけど。

サトウ
サトウ

何ですか?急に。

税理士アドバイザー
税理士アドバイザー

数年前にマイホームを個人名義でちょっと買ったんですけど、この前、経営者仲間から「なんで会社で買わなかったの?その方が絶対得したのに」みたいなことを言われて、すごく気になっているんですが、それって本当なんですか?

サトウ
サトウ

そのお話、すでにマイホームを個人で購入された多くの経営者の方が、後からいろいろな方に言われて頭を抱えるというのは、確かによくあるケースですね。

税理士アドバイザー
税理士アドバイザー

へえ。

サトウ
サトウ

ただ、とんでもない損をしているかどうかは、正直言うと状況によりけりにはなります。法人名義で住宅を買って、それを役員社宅として活用することで、個人購入では決して得られないメリットを生み出せるという可能性があるのも事実なんです。

税理士アドバイザー
税理士アドバイザー

へえ、やっぱりそうなんですね。これから家を買う仲間もいますし、自分の今後の資産防衛のためにも、その辺の仕組みをちょっと詳しく知りたいです。

サトウ
サトウ

承知しました。今回は、会社に家を買ってもらうことの具体的な仕組みやメリット、そして注意点、購入以外のより手軽な選択肢まで徹底的に説明していきます。

税理士アドバイザー
税理士アドバイザー

役員社宅制度とは?会社が家を買う仕組み

お願いします。じゃあまず、そもそも会社が家を買うというのはどういうことなんですか?

サトウ
サトウ

会社が社長の住む家を購入するということは、その住宅は会社の資産(固定資産)になるということなんですね。そして社長は、その会社の所有物である住宅に住むことになります。この際に活用するのが役員社宅制度というルールになります。

これは会社が所有または賃貸した物件を、役員に社宅として貸し出す制度のことを言っているんですが、ポイントは社長は会社に対して毎月一定の家賃を支払う必要があるというわけなんです。

税理士アドバイザー
税理士アドバイザー

自分の会社に家賃を払うということですか?なんだか不思議な感じなんですけど、その家賃ってどうやって決めたらいいんですか?

サトウ
サトウ

その家賃をどうやって決めるかなんですが、専門用語で言うと賃料相当額と言います。ざっくり言うと、「これぐらいの家賃なら妥当ですよ」と国税庁が考える金額ということですね。

そしてこの金額なんですが、国税庁が定めている計算式に基づいて客観的に算出することができます。例えば物件の固定資産税課税額などを使って計算するんですが、多くの場合、一般的な家賃相場よりもかなり低い金額、例えば相場の半額以下、場合によっては20%から30%程度に設定することが結果的には可能なんです。

税理士アドバイザー
税理士アドバイザー

そんなに安くできるんですか?じゃあ、いっそのことただで住んじゃうというのはダメですか?

サトウ
サトウ

それは絶対にNGになります。もし会社が役員に家賃を一切取らずにただで貸した場合、その家賃相当分が現物給与と見なされて役員報酬に上乗せされる形で所得税・住民税が課税されます。さらに社会保険料の算定基礎に含まれてしまうため、個人・会社双方の負担が増えてしまいます。

税理士アドバイザー
税理士アドバイザー

じゃあ賃料相当額を払った方がいいですよね。

サトウ
サトウ

はい、そうなんです。家賃相当額を払ったとしても、6,000万円の物件であれば月2万円程度の負担で住める場合もありますので、是非やった方が良い制度とも言えます。

税理士アドバイザー
税理士アドバイザー

え、そんなにお得に住めちゃうんですね。これは最高ですね。

サトウ
サトウ

最高ですよね。

税理士アドバイザー
税理士アドバイザー

法人で住宅を購入する6つのメリット【前半:経費・資金効率・手取り】

役員社宅制度の仕組みについてはなんとなく分かったんですが、いよいよ本題の、役員社宅・会社で家を買うことの具体的なメリット、これをちょっと教えてください。

サトウ
サトウ

はい。法人で住宅を購入することで6つのメリットがあります。1つずつ説明していきます。

税理士アドバイザー
税理士アドバイザー

お願いします。

サトウ
サトウ

【メリット①】住宅関連費用を会社の経費にできる

これが最大の、そして最もわかりやすいメリットです。会社名義で物件を購入すると、その住宅にかかるさまざまな費用を会社の経費として計上することができるんです。

税理士アドバイザー
税理士アドバイザー

具体的にどんな費用が経費になるんですか?

サトウ
サトウ

例えば建物の減価償却費です。これは建物の購入費用を法定耐用年数に応じて毎年経費にしていくというものになりますが、建物の構造によって耐用年数は異なっております。例えば木造ならば22年、鉄筋コンクリート造ならば47年かけて経費計上していきます。

他にも購入時の不動産取得税や登記時の登録免許税、そして毎年の固定資産税・都市計画税といった税金も全て節税効果として会社の経費となるんです。

税理士アドバイザー
税理士アドバイザー

なるほど。

サトウ
サトウ

さらにマンションであれば管理費・修繕積立金・火災保険料、そして物件購入のために銀行から融資を受けた場合の支払利息も経費になってきます。

税理士アドバイザー
税理士アドバイザー

こんなにたくさんの費用が経費になるんですか?これ、個人で自宅を買った場合はこれらは一切経費にできませんよね。

サトウ
サトウ

そうなんですよ。なのでこれらの支出はちゃんと経費として計上して、法人税において課税所得を圧縮してあげて、法人税の負担を軽減できるというのがこの法人が持つということの最大の魅力なんじゃないかなと思います。

そして注意点なんですが、土地については価値が減少しないので、会計の世界では減価償却というものが土地にはありません。なので、土地部分に関しては売るまでは経費にすることができないです。

税理士アドバイザー
税理士アドバイザー

そこはちゃんと覚えておかないといけないということですね。

サトウ
サトウ

【メリット②】トータルで準備するお金が少なく済む

続いてのメリットは、トータルで準備するお金が少なく済むよということなんです。

税理士アドバイザー
税理士アドバイザー

これはどういうことですか?

サトウ
サトウ

これは個人で購入する場合のキャッシュの用意の仕方をイメージしてほしいんですが、経営者って毎年会社から役員報酬をもらうじゃないですか。かなり単純化した話にさせていただきたいんですが、例えば5,000万円のお家を買いたいとなった時、所得税と住民税合わせて仮に税率が50%だったとすると、5,000万円の物件を買うためには会社はトータルで1億円の役員報酬を出しておく必要があるんですよ。

税理士アドバイザー
税理士アドバイザー

確かに。税金を引かれた後のお金で買うんでそうなりますよね。

サトウ
サトウ

そういうことですよね。一方、法人名義で物件を買うということは、役員報酬にかかる税金や社会保険料は考えなくていいので、同じ物件を買うとしても用意するのは5,000万円に済むという話なんですね。

税理士アドバイザー
税理士アドバイザー

そういうことですか。確かにトータルで用意するお金がかなり少なくて済みますね。これもかなりのメリットと言えるんじゃないですか?

サトウ
サトウ

そうなんです。このキャッシュを用意するというところに対してはかなりのメリットなんじゃないかなと思います。

【メリット③】社長個人の手取りを最大化する効果

社宅制度を導入すると、社長が会社に支払う家賃は相場よりかなり安くなる傾向になります。例えば家賃相場が30万円のものを社宅制度ですと15万円の自己負担にできたとしますね。その場合、社長の役員報酬を月々15万円減額したとしても、社長が住居費として支払う金額は実質的に変わらないものになります。

しかし名目上の役員報酬は月15万円減っていて、つまり年間180万円下がることになるので、その分所得税・住民税も減るし、月額報酬が減るので社会保険料も安くなるという仕組みなんです。

税理士アドバイザー
税理士アドバイザー

社会保険料まで下がるんですか?

サトウ
サトウ

はい、そうなんです。役員報酬の毎月の支給額が下がれば、会社負担・個人負担ともに社会保険料は下がるんです。なので会社のキャッシュフローを改善させつつ、社長個人の可処分所得を増やすことができるという、まさに一石二鳥のスキームなんですね。

税理士アドバイザー
税理士アドバイザー

なるほど。

サトウ
サトウ

法人で住宅を購入する6つのメリット【後半:相続対策・借入・採用】

【メリット④】将来の事業承継対策としてのメリット

非上場会社の株価は会社の純資産に大きく影響されます。会社に多額の現預金があるとそれがそのまま株価に反映されて株価が高くなってしまいます。

税理士アドバイザー
税理士アドバイザー

これ、なんで不動産に変えると株価は下げられるんですか?

サトウ
サトウ

それは相続税の計算ルール上、不動産の価値は実際の時価売買価格ではなく、一般的に時価よりも低く評価されるからなんですね。例えば土地は路線価で評価しますし、建物は固定資産税評価額を元に計算していきます。

これらは実は時価の50%から60%ぐらいになる傾向もありまして、時価1億円の不動産が相続税評価では5,000万円ぐらいまで下がるということも珍しくないんです。なのでこれによって会社の純資産が圧縮されて、自社株の評価額を引き下げることも可能になるかもしれないんです。

税理士アドバイザー
税理士アドバイザー

なるほど。じゃあ将来、後継者に株を渡す時の贈与税とか相続税の負担を軽くできるということなんですね。

サトウ
サトウ

はい、そうなんです。ただしもちろん注意点もあって、相続開始前3年以内に取得した不動産にはこの評価減が使えないというルールがあるんです。

なので法人に持たせたからといってすぐに亡くなってしまうと、その相続での低い評価にすることができなくて、買った時の時価で評価するため株価があまり変わらないということもあり得るということです。なので皆さんにおかれましては、事業承継する3年以内に購入することはリスクもあるんだよということを覚えておいてください。

税理士アドバイザー
税理士アドバイザー

【メリット⑤】社長個人のバランスシートを健全に保てる

少し違った視点からのメリットです。それは社長個人のバランスシートを健全に保てるということなんです。

税理士アドバイザー
税理士アドバイザー

個人のバランスシートですか?

サトウ
サトウ

はい、そうなんです。中小企業の社長さんの場合、会社の融資をする時って基本的に連帯保証人になっているということも少なくないです。その上でさらに個人で数千万円の住宅ローンを組むと、個人の借金と会社の借金の両方を精神的にも物理的にも背負うことになるんです。

しかし法人として住宅ローンを組めば借入れは法人に一本化することができるので、これによって社長個人の借入れ枠、つまり信用枠を温存することができて、別の投資だったり不測の事態に備えることもできるんです。

税理士アドバイザー
税理士アドバイザー

なるほど。そういう考え方もできるんですね。確かに借入れが1本化していた方が管理もしやすいですし、精神的には楽ですよね。

サトウ
サトウ

そうですね。

【メリット⑥】従業員の採用・福利厚生への活用

またこの役員社宅制度、社長だけじゃなくて他の役員さんや従業員さんにも適用することができるんです。

税理士アドバイザー
税理士アドバイザー

なるほど。社員のためにも使えるということなんですね。

サトウ
サトウ

はい、そうなんです。社宅制度ではなくて従業員全員が活用できる社宅福利厚生制度として整備すれば、従業員を法人所有の物件に住まわせることも可能になります。特に地方から優秀な人材を採用したい場合など、「当社では社宅制度があります」みたいなアピールを採用でしてもらえれば、他社との大きな差別化に繋がるんじゃないでしょうか。

税理士アドバイザー
税理士アドバイザー

ただそれって、なんか住宅手当を支給するのではダメなんですか?

サトウ
サトウ

そう思うじゃないですか。住宅手当は実は所得と見なされてしまうので、その分所得税や住民税が上がるし、社会保険料の負担も上がるよということなんですね。なのでそれよりは、社宅制度を作れるのであれば社宅制度を活用して、賃料の会社負担分だけ給与を下げた方が、従業員と会社の双方にメリットが出てくるということなんですね。

税理士アドバイザー
税理士アドバイザー

なるほど。じゃあ採用活動でのアピールポイントを作りつつ、従業員と会社の両方が得できるような制度ということですよね。これはちょっと活用しない手はないですね。

サトウ
サトウ

はい、ですよね。

税理士アドバイザー
税理士アドバイザー

デメリット・注意点:法人購入で気をつけるべきこと

メリットよく分かりました。でもこんないい話ばかりなわけじゃないですよね。デメリットや注意点についてもちょっと教えてください。

サトウ
サトウ

はい、もちろんです。いいことの裏にはやっぱり悪いこともあって、ちゃんとデメリットも説明させていただきます。

【デメリット①】法人に購入資金が必要

当然なんですが、物件を購入するためには法人にそのための資金が必要になります。状況によっては会社のキャッシュフロー・運転資金を大きく圧迫することになるので、こちら注意が必要です。

税理士アドバイザー
税理士アドバイザー

会社で購入資金を貯める必要があるということですよね。キャッシュが残っているとどうしても事業成長に使いたくなりますけれども、そこは我慢しなきゃいけないということですね。

サトウ
サトウ

そうなんです。ただ物件の購入資金を増やすために経費の活用を色々と抑えてしまうと、その分税金がもしかすると大きく取られてしまうかもしれないです。そこでおすすめなのが小規模企業共済などを活用して計画的にお金を貯めていって、それをこの物件の購入の時に利用するという方法です。

税理士アドバイザー
税理士アドバイザー

【デメリット②】住宅ローン控除が使えない

続いて注意が必要なのが、住宅ローン控除を使えないよということです。住宅ローン控除は算出された税金から直接差し引くことができる税額控除になりますので、利用できれば個人の税金を大きく抑えることができるんですね。ただ今回は法人名義で購入するので一切適用できなくなるということなんです。

税理士アドバイザー
税理士アドバイザー

これってかなり損になるんじゃないですかね。住宅ローン控除を使って個人で物件を買って、その後に会社で売却とかはできないんですか?

サトウ
サトウ

それができないんです。住宅ローンが残っている物件を法人に売却した場合、住宅ローン控除が打ち切りになってしまうので、残念ながら基本的には法人で物件を購入した方がメリットが大きいので、そのやり方は諦めてください。

【デメリット③】売却時の税率が個人より高くなる可能性がある

また、将来物件を売却する場合、個人よりも法人の方が税率が高くなるという可能性もあります。個人の場合、物件の所有期間が5年未満ですと税率が約40%、5年を超えている場合ですと税率が約20%になります。一方、法人の場合は売却益に法人の実効税率、大体25%から34%ぐらいがかかるので、5年以上所有している場合は個人の方が売却益にかかる税金を安く抑えることができます。

税理士アドバイザー
税理士アドバイザー

これはあらかじめ覚えておきたいですね。

サトウ
サトウ

そうですね。

税理士アドバイザー
税理士アドバイザー

購入ではなく「賃貸社宅」という手軽な選択肢

法人での購入はメリットが大きいんですが、なんかこう資金繰りとかのデメリットを考えるとちょっとハードルがある気もしますよね。

サトウ
サトウ

そうなんです。なのでこれが全員に当てはまるわけではないんですが、そういった悩みにも寄り添うために、より手軽に始めることができてかつ大きな節税効果が期待できるのが、法人が賃貸物件を契約してあげて、それを役員社宅として利用するという方法です。

税理士アドバイザー
税理士アドバイザー

買うんじゃなくて借りるということですよね。これならすぐ始められそうですよね。

サトウ
サトウ

はい、そうですね。高額な購入資金は不要で、賃貸契約の初期費用だけでスタートすることができます。また建物の減価償却費や各種税金を損金にすることはできないんですが、代わりに会社の支払う家賃と役員から徴収する金額の差額は損金として計上することができます

税理士アドバイザー
税理士アドバイザー

購入ほどじゃないにしても、法人の節税メリットはしっかりあるということですよね。基本的にはこちらの方法で社宅制度を整備した方が、現実的に始められそうですよね。

サトウ
サトウ

終わりに

本記事の内容は YouTubeチャンネル 社長の資産防衛チャンネル の下記動画を参考に作成しています。AIによる書き起こしを活用しているため、誤字脱字がある可能性があります。ご了承ください。
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