法人から個人にお金を移す8つの方法を税理士が解説【節税対策】
法人のお金を個人に移したい社長必見!税負担を最小化する8つの合法的な方法を税理士が徹底解説します。
法人から個人へのお金の移転、なぜ難しいのか?
会社の利益が安定してきて資金も十分にあるよっていう時は、法人から個人に移転して自由に使いたいって思う人たちもやっぱり増えてくるんですよ。法人の現金を勝手に個人で使うわけにはいかないですし、個人にお金を移すのって簡単じゃないですよね。

そうなんですよね。正当な理由がなく法人のお金を個人に移してしまうと、役員貸付金として処理せざるを得なくなってきます。そうなると個人側で元本の返済ですとか利息の支払いをしていかないといけなくなるってことがありますね。

役員貸付金があると銀行からの評価も悪くなるので避けたいですよね。法人で生まれた資金をうまく個人に移す方法が知りたいです。

わかりました。今回は法人から個人にお金を移す方法を8つ解説していくので、是非最後までご覧ください。

①役員報酬:最も基本的な方法だが注意点も多い
法人から個人にキャッシュを移す方法、1つ目はやっぱり役員報酬ですね。

うん。

ただですね、当然所得税・住民税が増えていきますし、社会保険料も法人と個人で約15%ずつ折半して支払っていくことになるので、負担なしで移転させられるわけではないってことですね。オーナー社長の場合は役員報酬の約30%を社会保険料として支払うみたいな感じになるんで、結構な負担なんですよね。

やっぱそうですよね。

一方ですね、会社としては毎月報酬という形で支払うと、その全額が損金、つまり経費として認められるのは大きな魅力なんじゃないかなと思います。
注意点としては、役員報酬は年度ごとで設定していく必要があるので、原則として事業年度スタートから3ヶ月以内まででしか変更できないってこと、皆さん知っておいてください。その後毎月同額を払い続ける必要があるのも知っておいてください。なので高すぎる役員報酬を設定してしまうと、経営が悪化した時に資金繰りが厳しくなる可能性ももちろんあります。

役員報酬は期初に決めないといけないってことですよね。

はい、そうなんです。役員報酬の金額は、個人と法人のトータルの手取りを考えて設定することをお勧めします。

②役員社宅:家賃の約50%を損金にできる
2つ目は役員社宅です。役員社宅を活用するとなぜ個人にキャッシュが移転できるのか、話の前に役員社宅の仕組みについて簡単に説明したいと思います。
法人で住む家を借りて自分に貸し出すことで、法人が支払う家賃と自分が支払う家賃相当額の差額を会社の損金にするってことができるんです。

自分が支払う家賃相当額っていうのはいくらぐらいになるんですか?

経営者が社宅制度を活用する場合、整備するのは役員社宅制度になるんですけども、その場合の規模ですとか豪華さとかにもよるんですけども、大体本来の家賃の50%程度になることが多いです。

つまり本来の家賃の半分は損金にできるってことですか?

はい、そうですね。家賃は毎月払うことになりますから、結構な金額になりそうですよね。

そうなんです。

そして個人として家賃負担が減るので、結果的にお金を会社から個人に移転させたことにもなるってわけなんですね。また自分の報酬を抑えれば所得税・住民税・社会保険料も抑えることができるので、その分の手取りが多くなるというメリットもあります。

個人と法人双方で節税ができるのはかなりありがたいですね。

③出張手当:非課税で受け取れる実費補填の仕組み
3つ目は出張手当を支払うってことです。

出張手当ってどんな制度ですか?

出張の際には交通費や宿泊費の他にも食事代、取引先との交際費とか、本当にいろんな細かした費用がかかるじゃないですか。そういった費用の補填ですとか、出張の移動を目的として支払われるのが出張手当てとなります。
例えば社長が泊まりで出張した場合に出張手当てを5,000円支給するといった内容の出張旅費規程を用意しておけば、宿泊を伴う出張のたびに5,000円を受け取ることができるんです。

出張手当ては会社の経費にすることができるので、もちろん法人税を減らす効果もありますし、消費税の課税取引扱いなので消費税を減らす効果もあります。しかも出張手当ては常識的な金額以内であれば所得税・住民税が非課税で受け取ることができるので、社会保険料も増えることがないので手取りを増やすことができるんです。

これはいいこと尽くめですから、導入するしかないですね。

はい、本当そうだと思います。イメージとしては、毎月5日ほどの日帰り出張がある場合、役員報酬を1万円下げて日当2,000円×5日分の1万円を支給すれば、所得税・社会保険料が減って法人にも社会保険料負担が下がるという形を作ることができます。
注意点としては、このような出張旅費規程を作る必要があるってことと、日当を同業他社水準に合わせた適正な金額で定めていく必要があるってことですね。

④役員借入金の返済と⑤家族への給与支払い
4つ目は役員借入金の返済です。役員借入金とは、役員が会社に貸し付けているお金のことを言います。会社を作った時ですとか、運転資金が不足した時とか、役員が資金を立て替えた時に使われるものになります。法人が役員借入金がある場合、役員に返済することで法人から個人にキャッシュを移動させることができます。

この場合、税金はかからないってことですか?

はい。あくまでこの役員借入金を、借りた役員に返すだけなので所得にはなりません。

役員借入金ってない方がいいんですか?

役員借入金は会社の負債なので、銀行によっては評価が悪くなることもあったりします。また相続財産として扱われますので相続税の負担が増えてしまうってことも考えられます。

なるほど。じゃあ法人に返せるキャッシュがあるんだったら役員に返した方がいいってことですね。

そうですね。

5つ目は家族に給料を支払うってことです。

どうすれば家族に給料を支払えるんですか?

非常勤役員として経営に何らかの形で関与していただければ役員報酬を支払うこともできますし、もちろんこれは会社の損金にもなります。従業員のように毎日出勤したりですとか、細かい業務記録をつけたりってする必要はないです。
一例としては、過去の裁決では「経営相談相手として会社に関与した母親への役員報酬として年間186万円が妥当」と認められた例もありました。

常勤じゃなくて非常勤役員にする方がいいってことですか?

そうですね。非常勤役員であれば原則として社会保険の加入義務がないので、社会保険料を抑えつつ所得を分散させて手取りを増やすことができるってことなんです。

なるほど。

こちらはざっくりシミュレーションなんですけども、720万円を経営者個人が受け取る場合と、経営者が600万・奥様が120万受け取る場合とでは、手取りに35万円の差が出てくるんですよ。

なるほど。そんなに変わるんですね。これはうまく活用していきたい方法ですね。

そうですね。

⑥配当金:社会保険料がかからない強力な手法
6つ目は会社から配当を受け取ることでキャッシュを移動させる方法です。
国内の中小企業は資本と経営が分離していない同族会社であるケースがほとんどなんですね。経営者が株主を兼ねているので、会社から株主である自分に対して配当金を出すってこともできます。配当の最大のメリットは社会保険料の対象外、つまり社会保険料がかからないってところなんです。

社会保険料はこのように上がり続けてきていて、現在は給与の約30%の金額を会社と折半して負担している形になってます。オーナー社長からすると30%まるまる負担することはきついですよね。これがかからないってのは大きいですね。

そうですね。

あと法人の利益に対して法人税が課税されて、さらに個人に受け取った配当にも所得税が課税されるため、配当は二重課税になるんじゃないかっていうイメージがあるかもしれないんですけども、この二重課税を避けることは国がちゃんと用意してくれていて、配当控除というものを受けることができます。
一方、配当は会社の損金にできない。これはちょっと大きなデメリットではありますね。また基本的には確定申告が必要になってきます。

逆に役員報酬との比較を整理してみるとこんな感じになります。まず法人税に関しては、配当は残念ながら費用にならないので損金にならないので、法人税を減らす効果はないです。所得税に関してはどちらも課税対象ですが、配当の場合は配当控除が、役員報酬の場合は給与所得控除が適用されていきます。一方、社会保険料については配当は対象外になりますが、役員報酬は社会保険料の計算に含まれていきます。

なるほど。法人税に関しては役員報酬、社会保険料に関しては配当が有利で、所得税については収入によりけりっていう感じですかね。

そうですね。非常勤務者の配当金は総合課税として扱われるので、累進課税の影響で高額所得者ほど税負担が重くなる傾向になります。
ただ社会保険料の負担が上がっている昨今、この配当をうまく活用することで法人税の負担が増えることを加味してもトータルで税負担を減らせるって可能性も実はあったりします。
イメージを掴んでいただくためのざっくり計算なんですけども、法人で出た利益を全て720万の役員報酬として吐き出す場合と、役員報酬を月6万ほどに抑えて残りを配当で出す形とでは、役員報酬と配当の組み合わせの方が年間で50万ほど手残りが増える計算になります。

え、そうなんですね。

社会保険料の負担を考えてトータルで手残りを増やすことを考えるのであれば、こういう方法もあるってことですね。

そうですね。

⑦個人資産の法人への譲渡と⑧退職金の活用
7つ目は個人の資産を法人へ譲渡することになります。個人で保有する有価証券・不動産を法人に売却することで個人の資産を現金化することができます。この時、売買契約書や所有権移転登記など、第三者間で売買する時と同じ手続きを踏んでいなければダメですね。

身内でやるからと言って契約を交わさないみたいなことはダメってことですよね。

はい、そうですね。ちゃんとやってほしいと思います。また売買が適正な時価でなかった場合は、調査があった時に否認される可能性もあるのでお気をつけください。

8つ目は退職金です。将来的に個人にキャッシュを移せればいい場合は、退職金としてまとまった額を払うのがおすすめです。

退職金は税優遇されてるってことですよね。

そうなんです。受け取る側の役員にとっては分離課税・退職所得控除・1/2課税という優遇税制が適用されて、役員報酬だけでもらうよりも手残りが多くなります。
そして支払う側の法人にとっても適正額であれば損金算入できますし、実はこれ社会保険料の対象外となるので社会保険料の負担を抑えられるっていうところもメリットになります。

なるほど。個人にも法人にもメリットがあるってことですね。ちなみに退職金準備におすすめの制度ってありますか?

節税にもなっておすすめなのは経営セーフティ共済(中小企業倒産防止共済)です。元々連鎖倒産を防ぐための制度になっています。取引先が倒産して債権回収が困難な場合に、払い込んだ掛け金の10倍、最大8,000万まで貸し付けを受けることができます。
この基本的な機能に加えて、掛け金の全額が法人の損金として計上することができますし、退職金の資金を積み立てていくこともできたりします。ただ注意点として、1年以上事業を行っている中小企業でなければ入ることができないので、会社を作ったばかりの方々は入れないので注意が必要です。

これ、いくらぐらいまでかけられるんでしたっけ?

掛け金は月の上限20万まで、年間240万までかけることができて、累計で800万円まで全額を損金算入していくことができます。また40ヶ月(3年4ヶ月)以上加入していれば解約時に掛け金の100%が戻ってきます。

実は私も2社経営してますけれども、満額両方とも加入してます。経費にしたのにキャッシュが外に逃げていかずに、社外資産のような形で貯められるっていうことですよね。これを退職金に当てるってことですか?

そうです、そうなんです。経営セーフティ共済を解約した時は、返戻金という形で収益計上で戻ってきてしまうんですけども、この解約のタイミングで退職金を支給して損金を作れば、この利益と費用で相殺することができて節税効果を得ることができます。

経営セーフティ共済はやらないと損ってことですよね。

そうですね。

終わりに
本記事の内容は YouTubeチャンネル 社長の資産防衛チャンネル の下記動画を参考に作成しています。AIによる書き起こしを活用しているため、誤字脱字がある可能性があります。ご了承ください。本サイトは 社長の資産防衛チャンネルを応援しています!
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