節税対策

仮想通貨の税金を税理士が解説|個人と法人どちらが節税しやすいか完全比較

仮想通貨の税金を税理士が解説|個人と法人どちらが節税しやすいか完全比較
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仮想通貨投資の利益、個人と法人どちらで持つ方が節税できるのか?税理士が徹底比較します。

ビットコイン半減期と仮想通貨投資への注目

今回のテーマは「仮想通貨は個人で持つ・法人で持つ、結局どちらが節税できるのか」です。個人・法人共通のテーマとしてお届けします。

2024年4月頃がビットコインの半減期と言われています。半減期とは、仮想通貨を生み出す際のマイニング報酬が半減する時期のことです。この半減期の翌年にビットコインをはじめとする仮想通貨相場が急上昇することが、過去の歴史において繰り返されてきています。大体4年に1回のサイクルでこのようなことが起こっています。

⚠️ 注意

半減期後に必ず仮想通貨相場が急上昇するかどうかは誰にも分かりません。過去のパターンはあくまで参考であり、保証はありません。

それを狙って仮想通貨を仕込んでいる方は非常に多く、現在含み益がたくさん出て「税金はどうなるんだろう、いくらかかるんだろう」と不安に思われている方も非常に多いため、今回久しぶりに仮想通貨の税金について取り上げます。

「仮想通貨の投資で利益が出たら儲けの半分が税金で持っていかれる、じゃあやらない」と思われている方も非常に多いのですが、これは勘違いです。もちろん何億も儲けると約半分が税金で取られるということはありえますが、これは非常にレアケースです。

とはいえ、個人の仮想通貨投資は「雑所得」となり、総合課税・超過累進税率が適用され、赤字が出ても基本的に他の所得との損益通算ができず、節税策がほとんどないという状況です。

📌 結論(先出し)

法人で持つ方が節税策はたくさんあります。ただし大きな落とし穴もあるので注意が必要です。

今回は個人・法人それぞれのメリット・デメリットを比較し、どちらでやるべきかの考え方を解説します。

📝 このセクションのまとめ

  • 2024年4月頃がビットコインの半減期とされており、相場急上昇への期待から投資家の注目が集まっている
  • 「儲けの半分が税金」はレアケースであり、誤解が多い
  • 個人投資は節税策が少なく、法人投資は節税策が多いが落とし穴もある

個人で仮想通貨を持つ場合の税金の基本

まず基本の基本として、個人で持つ場合どうなるのかを見ていきましょう。

仮想通貨の投資をしたら確定申告は必要なのでしょうか。確定申告の義務にはさまざまなものがありますが、代表的なケースとして、1か所から給与の支払いを受けている人(会社員・会社役員報酬を受けている方)で、給与所得・退職所得以外の所得の合計額が20万円を超えている場合は、所得税の確定申告が必須となります。

⚠️ 住民税の注意点

住民税については所得税のような「20万円超」というルールがありません。1円でも儲けがあれば住民税の確定申告が必須と考えてください。

個人の税金計算の仕組みと適用税率

個人の場合、仮想通貨の利益は雑所得として総合課税の対象となります。総合課税とは、給与収入・金利収入・不動産賃貸収入など全ての所得を合算し、一定の控除を引いた後の金額に税率をかけていく方式です。他の稼ぎが多い方ほど税率が上がりやすい仕組みです。

雑所得のみとした場合の計算式は以下の通りです。

計算ステップ内容
売却価格仮想通貨を売った金額
- 必要経費購入時の平均価格(取得原価)+各種経費
= 雑所得課税対象の儲け
× 税率所得税(超過累進税率)+住民税10%

必要経費として認められるものは以下の通りです。

  • 購入した仮想通貨の取得原価(平均取得価格をもとに計算。取引所発行の取引報告書を活用すると便利)
  • 売却時の手数料
  • 仮想通貨投資に必要なパソコン・スマートフォン代(仮想通貨投資に使った割合分のみ)
  • マイニングをしている方はマイニング機材・消耗品なども経費計上可能

適用される所得税の超過累進税率は以下の通りです。

課税所得(風所得)所得税率備考
195万円以下5%最低税率
195万円超〜330万円以下10%超えた部分に適用
330万円超〜695万円以下20%超えた部分に適用
695万円超〜900万円以下23%超えた部分に適用
900万円超〜1,800万円以下33%超えた部分に適用
1,800万円超〜4,000万円以下40%超えた部分に適用
4,000万円超45%超えた部分に適用

📌 超過累進税率の誤解

「4,000万円の所得を超えたら全額に45%の税率がかかる」というわけではありません。各階層ごとに税率をかけて合算していく仕組みなので、全体の実効税率はもう少し緩和されます。

さらに、所得税に加えて復興特別所得税(所得税額×2.1%)住民税(一律10%)が上乗せされます。

また、課税所得が900万円を超えると税率が33%となり、それ以下の税率から大きく跳ね上がります。「稼ぎを減らしておこう」という考え方はビジネス的な視点からすれば意味がないので注意が必要です。

個人の損益通算・繰越控除のルール

残念ながら、仮想通貨投資で赤字が発生しても、他の所得との損益通算は基本的にできません。例えば、仮想通貨で大赤字が出ても、給与所得や不動産所得と相殺することはNGです。

ただし、雑所得の仲間(総合課税の仲間)とは相殺が可能です。具体的には以下の所得との損益通算は認められています。

  • 年金収入(雑所得)
  • 原稿料・講師料など(雑所得)
  • 通常の小規模な副業(雑所得扱いのもの)

⚠️ FXとの損益通算はNG

FXも雑所得ですが、分離課税として単体で計算するため、仮想通貨との損益通算はできません。また、翌年以降への赤字の繰越控除も一切できません。

個人の具体的な税金計算例

具体的な計算例を見ていきましょう。

条件内容
購入価格1ビット 300万円(相場3,500万円の時に1ビット購入)
売却0.3ビットを売却(売却時レート:1ビット600万円)
売却価格600万円 × 0.3 = 180万円
取得原価300万円 × 0.3 = 90万円
雑所得180万円 − 90万円 = 90万円
給与所得400万円(サラリーマン)
合算後・所得控除後の課税所得390万円(所得控除等を差し引いた後)
税目金額
所得税36万円
住民税40万円
合計税額76万円
トータル税負担率約20%

給与所得400万円の方が仮想通貨で90万円程度の利益を得た場合、税負担は約20%程度です。この程度の利益であれば、実はそれほど重くありません。ただし、大きく稼ぎすぎると超過累進税率が適用されて税負担が急激に重くなります。

個人的には、FXと同様に雑所得分離課税として一律20%の税率にしていただきたいところです。

📝 このセクションのまとめ

  • 個人の仮想通貨利益は雑所得・総合課税で超過累進税率が適用される
  • 他の所得(給与・不動産等)との損益通算はできない
  • FXとの損益通算も不可。赤字の翌年繰越もできない
  • 少額の利益であれば税負担は約20%程度で収まることもある

法人で仮想通貨を持つ場合の税金の仕組み

次に法人で持つ場合を見ていきましょう。法人(会社)という箱を作り、そこで収益(益金)から必要経費(損金)を引いて課税所得を出し、その課税所得に法人税・法人住民税・事業税などがかかります。

課税所得の区分法人税等の実効税率(目安)
年間 800万円以下25%
年間 800万円超32%

個人の場合、課税所得が695万円を超えた部分には所得税23%+住民税10%=合計約33%の税負担となります。法人の税率はこれと比べてもやや低い水準です。

法人の計算方法は非常にシンプルです。その法人が行ったあらゆるビジネスの収益も経費も全部合算してまとめて計算します。例えば飲食業と仮想通貨投資を同じ法人でやっている場合、飲食業の売上も仮想通貨の収入も全て合算し、飲食業の経費も仮想通貨に関する経費も全て合算して引く形になります。

経費として認められるものは基本的に個人と同じです。さらに法人の場合、以下のような節税策が使えます。

  • 役員報酬として受け取る
  • 生命保険を活用する
  • 倒産防止共済(経営セーフティ共済)を活用する
  • 少額の減価償却資産に投資して一括で経費計上する

また、赤字が発生した場合、他のビジネスとの損益通算が可能です。さらに赤字が大きく残った場合、中小企業であれば最長10年間赤字を繰り越すことができます。

📌 含み損の場合は節税効果あり

後述する含み益課税の逆で、含み損が発生している場合はその損失を経費として計上できます。他のビジネスで出た利益と相殺して節税効果を生み出すことができます。

法人の最大の落とし穴:含み益への課税

法人で仮想通貨を持つ場合の最大のデメリットがこれです。

⚠️ 法人は期末に時価評価が必要!含み益にも課税される

「活発な市場が存在する暗号資産」、つまりビットコイン・イーサリアム・リップルなどの主要な仮想通貨は、期末(決算時)に時価評価が義務付けられています。

これは、利確(売却)をしていなくても、含み益が出ていれば課税されるということです。株式投資やFXでは通常ないことなので、注意が必要です。「お金がないのに税金を払わなければならない」という事態が起こりえます。

マイニング投資をしている方も注意が必要です。マイニングで定期的にビットコインなどの仮想通貨を受け取っている場合、その受け取った仮想通貨についても期末に時価評価をしなければなりません。節税のつもりで投資している方は、含み益課税に十分注意してください。

📝 このセクションのまとめ

  • 法人の税率は課税所得800万円以下で約25%、超えた部分で約32%と個人より低め
  • 役員報酬・生命保険・倒産防止共済など個人より節税策が豊富
  • 赤字の損益通算・最長10年の繰越が可能
  • 最大の落とし穴:期末の時価評価により、含み益にも課税される

個人vs法人:メリット・デメリット完全比較

ここからが本題です。個人と法人のメリット・デメリットをまとめて比較します。

比較項目個人法人
気軽さ◎ 気軽に投資できる△ 法人設立・経理が必要
確定申告○ 取引所の計算書で比較的簡単△ 法人決算・会計事務所対応が必要
税率△ 超過累進税率(最大45%+住民税10%)○ 約25〜32%で収まる
節税策△ ほとんどない◎ 役員報酬・生命保険・共済など豊富
損益通算△ 雑所得内のみ可能(給与・不動産等は不可)○ 法人内の全取引と通算可能
赤字繰越✕ 不可○ 最長10年間繰越可能
含み益課税○ 利確時のみ課税期末時価評価で含み益にも課税
含み損△ 他の所得との通算不可○ 経費計上・他の利益と通算可能

個人・法人どちらを選ぶべきか?判断のポイント

個人と法人それぞれのメリット・デメリットを並べましたが、特に影響が大きいのは以下の2点です。

  • 法人:含み益課税(最大のデメリット)
  • 個人:超過累進税率(最大のデメリット)

では皆さんはどちらでやるべきか。これはケースバイケースで、人によって異なります。以下の観点で考えてみてください。

📌 判断のポイント

① 税率の観点
「億り人」になれそうな方など、個人の税率が大きく跳ね上がるような場合は法人でやった方が有利です。ちょびっと儲ける程度であれば、個人でやった方が手間もなくシンプルです。

② 利益の使い道の観点
個人で仮想通貨投資をして利益が出た場合、税引後の利益は全部個人のものになります。一方、法人で投資して利益が出た場合、その残った利益は法人のものです。個人のお金にしようとすると、役員報酬(給与)として受け取る必要があり、その際に社会保険料・所得税・住民税の負担が発生します。

③ 法人内での資金活用の観点
法人で得た仮想通貨の利益を次の投資(不動産など)や別事業の資金として活用するなら、法人でやるメリットが大きくなります。単に個人で取り出すだけなら、税負担を我慢しても個人でやった方がシンプルです。

まとめると、個人か法人かは、皆さんのビジネスや資産運用のトータルバランスを考えて判断することが重要です。

📝 このセクションのまとめ

  • 大きく稼ぐ見込みがある方は法人の方が税率面で有利
  • 少額の利益なら個人の方が手間が少なくシンプル
  • 法人の利益を個人に移す際は役員報酬経由となり別途税負担が発生する
  • 法人内で資金を再投資・事業活用するなら法人化のメリットが大きい

実体験:合同会社で仮想通貨投資をやってみて分かったこと

税理士法人とは別に合同会社を作り、約2年前から仮想通貨投資を実践しています。その合同会社は、太陽光パネル投資・不動産投資(中古ワンルームマンション)も行っている会社です。

これまでビットコインは含み損が出ていたため、他のビジネスで生み出す収益に対して節税効果を生み出すことができていました。ところが、今回10月決算で締めたところ、仮想通貨では1円も実現益を得ていないにもかかわらず、含み益課税で納税しなければならないという大変な状況になりました。

来年か再来年のどこかで利確をする予定ですが、そこで得られた資金はこの合同会社での次なる投資(おそらく不動産)の運用資金として活用していく予定です。

📌 実体験から学ぶ教訓

個人でやるかわざわざ法人を作ってやるかは、皆さんのビジネスや資産運用のトータルバランスを考えて判断してください。法人化した場合は、得られた利益をどのように運用していくかが最大のキーポイントになります。

📝 全体のまとめ

  • 個人の仮想通貨投資:雑所得・総合課税・超過累進税率で節税策がほぼない
  • 法人の仮想通貨投資:税率25〜32%・節税策豊富だが、含み益への課税という大きな落とし穴がある
  • どちらが有利かはケースバイケース。利益の規模・資金の使い道・他のビジネスとのバランスで判断する
  • 法人で投資する場合は、得た利益を法人内でどう活用するかを事前に考えることが重要

終わりに

本記事の内容は YouTubeチャンネル 税理士YouTuberチャンネル!! / ヒロ税理士 の下記動画を参考に作成しています。AIによる書き起こしを活用しているため、誤字脱字がある可能性があります。ご了承ください。
本サイトは 税理士YouTuberチャンネル!! / ヒロ税理士を応援しています!

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