仮想通貨の確定申告書の書き方を税理士が解説【実践編】
仮想通貨の確定申告書の書き方を、実際の用紙を使って税理士がわかりやすく解説します。
仮想通貨の税金・基礎知識のおさらい
まず、確定申告の書き方を学ぶ前に、前回の基礎編の内容を簡単におさらいしておきましょう。収入(所得)には種類があり、全部で10種類の所得区分があります。
| 所得の種類(例) | 主な内容 |
|---|---|
| 給与所得 | 会社員の給料・賞与など |
| 雑所得 | 仮想通貨(暗号資産)の取引など |
| 事業所得 | 個人事業主の事業収入など |
| 不動産所得 | 家賃収入など |
| 一時所得 | 懸賞・保険の満期金など |
📌 ポイント
仮想通貨(暗号資産)のやり取りで生じた利益は、雑所得に該当します。ここをまずしっかり押さえておきましょう。
仮想通貨の所得が発生する3つのタイミング
仮想通貨を保有しているだけでは所得は発生しません。所得が発生するのは、以下の3つのタイミングです。
- 仮想通貨を売却したとき
- 仮想通貨で商品やサービスを購入したとき(決済時)
- 他の仮想通貨へ交換したとき
3つ目の「他の仮想通貨への交換」は見落としがちです。たとえばビットコインをイーサリアムに交換した場合、一旦日本円に換算して他の仮想通貨を購入したとみなされるため、その時点で所得が発生したと扱われます。
⚠️ 注意
仮想通貨同士の交換(例:BTC→ETH)も課税対象です。「日本円に換えていないから大丈夫」という認識は誤りですので、注意してください。
📝 このセクションのまとめ
- 仮想通貨の利益は「雑所得」に該当する
- 保有しているだけでは所得は発生しない
- 売却・決済・他の仮想通貨への交換の3つが課税タイミング
仮想通貨の計算方法と評価方法の届出
仮想通貨の利益を計算する方法には2種類あります。
| 計算方法 | 内容 |
|---|---|
| 移動平均法 | 購入のたびに取得価格を計算する方法 |
| 総平均法 | 1年間の終わりにまとめて計算する方法 |
どちらの計算方法を使うかは、税務署への届出が必要です。「暗号資産の評価方法の届出書」という用紙を使い、自分の住所・氏名を記入したうえで、どちらの方法で計算するかを選択します。
この届出書では、仮想通貨の種類ごとに評価方法を選択することができます。たとえばビットコインは移動平均法、イーサリアムは総平均法、というように種類別に選ぶことが可能です。
📌 ポイント
届出を提出しなかった場合、または選択しなかった場合は、自動的に総平均法で計算されることになります。自分で選択したい方は必ず税務署に届出を提出してください。
また、国税庁から暗号資産の計算書(総平均法用)が公式に発表されています。こちらを使うと効率よく計算できますので、活用することをおすすめします。
📝 このセクションのまとめ
- 計算方法は「移動平均法」と「総平均法」の2種類
- 使用する計算方法は税務署への届出が必要
- 届出なしの場合は自動的に総平均法が適用される
- 国税庁公式の計算書を活用すると便利
確定申告書 第2表の書き方
確定申告書には第1表と第2表の2種類があります。まず第2表から記入方法を解説します。e-Taxや電子申告の場合は「第2表」をクリックすると表示されます。
第2表では「所得の内訳」の欄に仮想通貨の情報を記入します。記入する項目は以下のとおりです。
| 記入欄 | 記入内容 |
|---|---|
| 所得の種類 | 雑(雑所得のため) |
| 種目 | 暗号資産 |
| 給与などの支払者の名称・所在地等 | 利用している暗号資産取引所の名称・住所 |
| 収入金額 | 仮想通貨の取引で得たプラス分の収入金額 |
| 源泉所得税額 | 0円(または未記入) |
📌 ポイント
取引所が複数ある場合や記入欄に収まらない場合は、2行・3行と「暗号資産」の行を続けて記入して構いません。e-Taxの場合は次のページが表示されますので、そちらに続けて入力してください。
📝 このセクションのまとめ
- 第2表の「所得の内訳」に仮想通貨の情報を記入する
- 所得の種類は「雑」、種目は「暗号資産」と書く
- 源泉所得税額は0円または未記入でOK
確定申告書 第1表の書き方
次に、確定申告書第1表の書き方を解説します。第1表では、収入金額と所得金額の2か所に記入が必要です。
雑所得の欄は「公的年金等」「業務」「その他」の3つに分かれていますが、仮想通貨は「その他」の欄に記入します。
| 記入箇所 | 欄の場所 | 記入する金額・内容 |
|---|---|---|
| ①収入金額(緑枠) | 雑所得「その他」の丸9番 | 1年間の収入金額(例:50万円) |
| 区分 | 「その他」の横の小さいマス | 2(暗号資産・仮想通貨の区分番号) |
| ②所得金額(青枠) | 雑所得「その他」の丸9番 | 収入金額から必要経費を差し引いた金額(例:45万円) |
具体的な記入例で確認しましょう。
📌 記入例
- 1年間の収入:50万円
- 必要経費:5万円
- ①収入金額欄(緑):50万円と記入
- ②所得金額欄(青):45万円(50万円-5万円)と記入
- 区分欄:2と記入
このように①と②の2か所を記入すれば、仮想通貨に関する第1表の記入は完了です。
📝 このセクションのまとめ
- 仮想通貨は雑所得「その他」の欄(丸9番)に記入する
- 区分欄には「2」を記入する
- 収入金額欄には年間収入、所得金額欄には収入から必要経費を引いた金額を記入する
仮想通貨の必要経費として認められるもの
仮想通貨の所得を計算する際、必要経費として差し引けるものがあります。漏れなく計上することで、納税額を適切に抑えることができます。
- 取引手数料(ガス代):仮想通貨のやり取りにかかる手数料。各取引所の明細書からダウンロードして確認しましょう。
- セミナー・勉強会の参加費:仮想通貨に関するセミナーや勉強会の参加費は必要経費として認められることが多いです。
- セミナー参加のための交通費:セミナーに行くためにかかった交通費も計上が認められることが多いです。
- 仮想通貨に関する書籍代:参考資料として購入した書籍は必要経費になります。
- 仮想通貨専用のパソコン代:仮想通貨取引専用として購入したパソコンは必要経費として認められることが多いです。
📌 ポイント
取引手数料は各取引所の明細書に記録されています。明細書をダウンロードして保管しておくことを忘れないようにしましょう。漏れなく必要経費に計上することが大切です。
📝 このセクションのまとめ
- 手数料(ガス代)・セミナー参加費・交通費・書籍代・専用パソコン代が必要経費の対象
- 取引所の明細書をダウンロードして手数料を確認しておく
- 漏れなく計上することで適切な納税額になる
重要な注意点:仮想通貨は損益通算ができない
仮想通貨の確定申告で多くの方が見落としがちな重要な注意点があります。それは、仮想通貨(雑所得)は他の所得と損益通算ができないという点です。
雑所得に該当するものは、他の所得区分(給与所得・事業所得など)と損失を相殺することができません。たとえば、給与をもらいながら仮想通貨の取引でマイナスが出た場合でも、そのマイナス分を給与所得と相殺して税金を減らすことはできません。
⚠️ 注意
仮想通貨で損失が出ても、給与所得や事業所得と相殺(損益通算)することはできません。「仮想通貨でマイナスになったから税金が減る」という考え方は誤りです。
ただし、雑所得の中での相殺は可能です。たとえば、仮想通貨Aでプラスが出て、仮想通貨Bでマイナスが出た場合、その雑所得内での相殺は認められます。「他の所得区分との損益通算ができない」ということと、「雑所得内の相殺ができない」ということは別の話ですので、混同しないようにしてください。
| 相殺の可否 | 内容 |
|---|---|
| ✅ できる | 雑所得内での相殺(例:仮想通貨Aの利益と仮想通貨Bの損失) |
| ❌ できない | 雑所得と他の所得(給与・事業所得等)との損益通算 |
📝 このセクションのまとめ
- 仮想通貨(雑所得)は給与所得・事業所得などと損益通算できない
- 雑所得の中(仮想通貨同士)での相殺は可能
- 無申告は最も危険。しっかりと確定申告を行うことが大切
終わりに
本記事の内容は YouTubeチャンネル 税理士河南のYouTubeチャンネル! の下記動画を参考に作成しています。AIによる書き起こしを活用しているため、誤字脱字がある可能性があります。ご了承ください。本サイトは 税理士河南のYouTubeチャンネル!を応援しています!
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