仮想通貨の確定申告を税理士が解説|無申告は税務調査リスク大

仮想通貨の確定申告を税理士が解説|無申告は税務調査リスク大
e_zeirishi

令和5年は仮想通貨が大きく上昇し、多くの方に利益が出た年です。「確定申告が必要かどうかわからない」「バレないから大丈夫だろう」と思っている方のために、仮想通貨の税金の基本を丁寧に解説します。

この動画で学べること

本記事では、仮想通貨(暗号資産)の確定申告について以下の内容を順番に解説していきます。

  1. 仮想通貨はどの所得区分に該当するのか
  2. 確定申告が必要なケース・不要なケース
  3. 所得が発生する3つのタイミング
  4. 取得価格の計算方法2種類
  5. 無申告の場合のペナルティ

「利益は出ていないはず、大丈夫」「面倒だから放置しておこう」「おそらくきっと大丈夫だろう」という感覚で考えている方こそ、ぜひ最後まで読んでください。仮想通貨の税金の基礎をしっかり学んで、自分が確定申告を必要とするかどうかを正確に判断しましょう。

📝 このセクションのまとめ

  • 仮想通貨の税金には知っておくべき基本ポイントが5つある
  • 「大丈夫だろう」という感覚は危険なので正確な知識を身につけることが大切

仮想通貨はどの所得区分に該当するのか

収入には種類(所得区分)があり、それぞれ課税ルールが異なります。まず、代表的な所得区分を確認しておきましょう。

所得区分該当する収入の例
給与所得正社員・パート・アルバイトとして働いた給料
雑所得副業収入・公的年金・暗号資産(仮想通貨)・印税など
事業所得個人事業主・フリーランスの事業収入
その他一時所得・不動産所得・山林所得など(全10種類)

📌 ポイント

このスライドで押さえるべきは1点だけです。暗号資産(仮想通貨)は「雑所得」に該当するということです。副業収入や公的年金と同じ区分で課税されます。

所得には全部で10種類あり、今紹介した3つが代表的なものです。その他にも一時所得・不動産所得・山林所得などがありますので、興味のある方はぜひ全10種類を調べてみてください。

📝 このセクションのまとめ

  • 仮想通貨(暗号資産)の利益は「雑所得」として課税される
  • 副業収入・公的年金なども同じ雑所得の区分に含まれる

仮想通貨の確定申告が必要なケース・不要なケース

仮想通貨で利益が出たからといって、必ずしも全員が確定申告をしなければならないわけではありません。申告が必要なケースと不要なケースをそれぞれ確認しましょう。

申告が必要なケース

ケース内容
基本パターン仮想通貨の所得(利益)が20万円を超える場合
注意ケース①給与所得・退職所得以外の所得の合計が20万円を超える場合(仮想通貨の利益と他の副業収入などを合算して判断)
注意ケース②ふるさと納税や医療費控除などですでに確定申告をしている人は、仮想通貨(雑所得)の申告も必要

⚠️ 注意

「仮想通貨の利益が20万円以下だから大丈夫」と思っていても、ふるさと納税や医療費控除で確定申告をしている場合は、仮想通貨の所得も必ず申告しなければなりません。20万円以下でも申告が必要になるケースがあることを覚えておいてください。

申告が不要なケース

  • 仮想通貨取引の収支がマイナス(損失)の場合
  • 仮想通貨を保有しているだけで売買・交換・決済をしていない場合
  • 仮想通貨の所得が20万円以下の場合(ただし上記の注意ケースに該当しないこと)

📌 ポイント

ここで言う「所得20万円」とは、売却益などの収入から必要経費を差し引いた後の金額のことです。必要経費として計上できるものについては、別途解説予定です。

📝 このセクションのまとめ

  • 基本は「仮想通貨の所得が20万円超」なら確定申告が必要
  • 20万円以下でも、ふるさと納税・医療費控除などで申告している人は仮想通貨も申告が必要
  • 損失・保有のみ・所得20万円以下(例外なし)なら申告不要

所得が発生する3つのタイミング

仮想通貨は保有しているだけでは課税されません。しかし、特定のアクションをとった瞬間に所得が発生します。この3つのタイミングをしっかり押さえておきましょう。

タイミング具体的な行為ポイント
①売却時仮想通貨を日本円に換金・売却したとき最も基本的なケース
②決済時商品やサービスを仮想通貨で購入したとき購入時に一旦日本円に換えたとみなされる
③交換時ある仮想通貨を別の仮想通貨に交換したとき(例:ビットコイン→イーサリアム)見落としがちな重要ポイント

②と③に共通するのは、「一旦日本円に換えて再購入したとみなされる」という考え方です。実際には円を経由していなくても、税務上は円に換算して所得を計算します。

⚠️ 注意

「同じ仮想通貨同士の交換だから所得は発生しない」は誤りです。ビットコインをイーサリアムに交換した場合など、仮想通貨から別の仮想通貨への交換も所得が発生するタイミングとなります。この点を勘違いしている方が非常に多いので注意してください。

なお、今回紹介した3つはあくまでも基本的なケースです。ステーキング報酬やエアドロップなど、イレギュラーなケースについては税務署や税理士に相談するようにしてください。

📝 このセクションのまとめ

  • 所得が発生するタイミングは「売却」「決済(仮想通貨で商品購入)」「他の仮想通貨への交換」の3つ
  • 仮想通貨を保有しているだけでは課税されない
  • 仮想通貨同士の交換でも所得が発生する点は特に注意が必要

仮想通貨の取得価格の計算方法2種類

仮想通貨の所得を計算するには、「取得価格(いくらで買ったか)」を正確に把握する必要があります。この取得価格の計算方法には2種類あります。

計算方法概要メリットデメリット
移動平均法購入のたびに取得価格を計算する方法。合計金額÷数量でその都度取得価格を算出する。リアルタイムで損益の実態を把握できる購入のたびに計算が必要で手間がかかる
総平均法1年間の終わりにまとめて計算する方法。1年間の合計金額÷1年間の購入数量で取得価格を算出する。シンプルで計算が簡単・便利年末まで損益の実態が把握できない

📌 ポイント

どちらの計算方法を使うかは届け出が必要です。届け出の方法については後続の動画で解説予定です。自分にとってメリット・デメリットを比較して、どちらの方法で計算するかをあらかじめ決めておきましょう。

国税庁の無料Excelツールを活用しよう

国税庁から、暗号資産の計算書(総平均法)がExcelファイルとして無料で公開されています。このExcel表を使って計算すると非常に楽になりますので、ぜひ活用してください。

  • 国税庁公開のExcel計算書(総平均法)を使うと計算が大幅に楽になる
  • 利用している取引所から明細書をダウンロードしておく(大切な証拠となるため保管・保存が必要)
  • スマートフォンで確定申告する方法も国税庁のサイトで詳しく公開されている(年末調整済みの給与所得者が暗号資産取引を申告する場合の入力方法)

📝 このセクションのまとめ

  • 取得価格の計算方法は「移動平均法」と「総平均法」の2種類
  • どちらを使うかは届け出が必要
  • 国税庁の無料Excelツールや取引所の明細書を活用すると計算が楽になる
  • 取引所の明細データは証拠となるため必ず保管・保存すること

確定申告をしないとどうなるのか|税務調査強化の予兆

「仮想通貨の確定申告なんてバレないよ」「申告したことないけど大丈夫」という噂が広まっていますが、これは非常に危険な考え方です。

令和5年はビットコインをはじめとした仮想通貨の価格が著しく上昇しました。これだけ多くの人に利益が出たタイミングで、税務署が仮想通貨の確定申告に対する調査を強化することは十分に予想されます。

⚠️ 注意

税務署は取引所に対して情報開示を求めることができます。つまり、誰がいくら利益を上げているかを簡単に調べることができるのです。取引所にはデータとして証拠がしっかり残っており、「バレない」という前提自体が成り立ちません。国税庁からも、仮想通貨の確定申告の調査を強化していくという情報が以前から出ています。

無申告の場合のペナルティ

確定申告をしなかった場合(無申告)のペナルティは非常に重くなります。

ペナルティの種類発生するケース備考
延滞税申告・納付が期限を過ぎた場合修正申告で追加納税した場合にも発生
過少申告加算税申告はしたが税額が少なかった場合修正申告で追加納税した場合にも発生
無申告加算税そもそも申告をしなかった場合延滞税・過少申告加算税に加えてさらに上乗せ
重加算税悪質と判断された場合無申告加算税と重複して課される場合あり。負担率が非常に重い

修正申告をして追加納税した場合でも延滞税や加算税はかかります。そして無申告の場合はさらに無申告加算税が上乗せされ、悪質と見なされた場合には重加算税まで課されます。この加算税の負担率は非常に重くなっていますので、仮想通貨の無申告は絶対にお勧めできません。

取引所に情報開示を求めることで簡単に調査できる環境が整っている以上、「バレバレ」だということを認識して、利益が出ているなら必ず確定申告を行いましょう。

📝 このセクションのまとめ

  • 税務署は取引所に情報開示を求めることができ、誰がいくら利益を上げたか把握できる
  • 令和5年は仮想通貨が大きく上昇したため、税務調査の強化が予想される
  • 無申告のペナルティは延滞税・過少申告加算税・無申告加算税・重加算税と非常に重い
  • 利益が出ているなら必ず確定申告を行うこと

次回予告|実際の確定申告書の書き方

次の動画では、実際の確定申告用紙を使って仮想通貨の確定申告の書き方を解説する予定です。次回の動画で扱う内容は以下の通りです。

  • 仮想通貨にかかる実際の税率
  • 計算方法(移動平均法・総平均法)の届け出書の書き方
  • 仮想通貨で計上できる経費の種類
  • 確定申告書の実際の記入方法

📌 ポイント

個別の税務相談はYouTubeのコメント欄では情報が一部しか伝わらないため回答が難しい場合があります。具体的な相談は税務署や税理士に直接問い合わせるようにしてください。

終わりに

本記事の内容は YouTubeチャンネル 税理士河南のYouTubeチャンネル! の下記動画を参考に作成しています。AIによる書き起こしを活用しているため、誤字脱字がある可能性があります。ご了承ください。
本サイトは 税理士河南のYouTubeチャンネル!を応援しています!

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