仮想通貨の税金を徹底解説|売却タイミングで節税2800万円の差が出る理由
仮想通貨で儲けたら「半分が税金」は本当か?売却タイミング次第で税負担は大きく変わります。
ビットコイン半減期と価格高騰の仕組み
ビットコインの価格がついに10万ドル(日本円で1ビットコイン1,500万円超)を突破しました。この背景には「半減期」という仕組みが大きく関わっています。
ビットコインはマイニングという仕組みでパソコンを使って新しいコインが発行されます。発行枚数は2,100万枚と上限が決まっており、マイニングの作業報酬が4年ごとに半減するというルールがあります。
📌 半減期が価格を押し上げるメカニズム
- マイニング報酬が半減 → 供給量が減る
- 供給が減ると希少性が高まり価格が上昇しやすくなる
- 2020年の半減期後:1年間で約4倍以上の価格上昇を記録
- 2024年4月にも新たな半減期があり、現在も価格が上昇中
このチャンネルは投資専門ではないため「半減期が今後も必ず4年ごとに来る」とは言い切れませんが、ここで最も大事なのが税金との向き合い方です。税金を考えずに行動すると、大きなリスクになることもあります。
📝 このセクションのまとめ
- ビットコインは4年ごとの半減期後に価格上昇しやすい傾向がある
- 2024年4月の半減期を受け、現在も価格が高騰中
- 売るべきか保有し続けるかを考える前に、税金の仕組みを理解することが重要
仮想通貨の税金ルール:総合課税・雑所得の基本
仮想通貨(暗号資産)は、税制上の優遇が全くないと批判されています。具体的には以下のような扱いになります。
- 総合課税の雑所得として扱われる
- 給与など他の所得と合算される
- 合算した金額が大きくなるほど税率が上がる超過累進税率が適用される
- 所得税+住民税の合計で最大55%まで税率が上がる
- 赤字が発生しても、基本的に他の所得との損益通算は不可
- 節税策が非常に限られている
雑所得は所得の種類の中で最も税制優遇が受けにくいカテゴリです。なお、国民民主党などが税率を株と同様の約20%に引き下げる議論を進めていますが、現時点では改正に随分時間がかかりそうな状況です。
確定申告が必要な人
| ケース | 確定申告の要否 |
|---|---|
| 年収2,000万円超のサラリーマン | 所得税:申告必要 |
| 1か所から給与をもらうサラリーマンで、給与・退職以外の所得(仮想通貨の儲けなど)が20万円超 | 所得税:申告必要 |
| 上記以外でも利益が1円以上ある場合 | 住民税:申告必要(20万円ルールなし) |
📌 確定申告の時期
今年(1月1日〜12月31日)に得た利益に対して、翌年の2月16日〜3月15日の間に確定申告を行います。含み益(まだ売っていない状態)には課税されません。
📝 このセクションのまとめ
- 仮想通貨の利益は「総合課税の雑所得」で最大55%の税率
- サラリーマンは仮想通貨の利益が20万円超で所得税の確定申告が必要
- 住民税は1円でも利益があれば申告必要
- 含み益(保有中)には課税されない
税金の計算方法と超過累進税率の仕組み
仮想通貨の税金計算の全体像はこのような流れです。
- 売却収入から購入金額・必要経費を引いて雑所得を計算する
- 給与など他の所得と合算する
- 配偶者控除・医療費控除・扶養控除などの所得控除を引く
- 残った課税所得に対して税率をかけて所得税を計算する
- 所得税に加えて住民税(一律10%)と復興特別所得税(所得税の2.1%)が加算される
超過累進税率(所得税+住民税の合計)
| 課税所得 | 所得税率 | 住民税込み合計税率 |
|---|---|---|
| 195万円以下 | 5% | 約15% |
| 195万円超〜330万円以下 | 10% | 約20% |
| 330万円超〜695万円以下 | 20% | 約30% |
| 695万円超〜900万円以下 | 23% | 約33% |
| 900万円超〜1,800万円以下 | 33% | 約43% |
| 1,800万円超〜4,000万円以下 | 40% | 約50% |
| 4,000万円超 | 45% | 約55% |
⚠️ よくある誤解:「900万円超えたら全部43%」は間違い
課税所得が900万円を超えた場合、900万円を超えた部分だけが高い税率の対象です。課税所得が100万円の人も1億円の人も、195万円以下の部分は同じ15%(住民税込み)です。超過累進税率とは、階層ごとに計算して合算する仕組みです。
経費として認められるもの
仮想通貨の雑所得の計算において、経費として認められるものは以下の通りです。なお、購入原価の計算は原則として総平均法(その年に購入した仮想通貨の平均単価を計算し、売れた部分だけ経費に落とす方法)が使われます。選択により移動平均法(売却のたびに平均単価を計算する方法)に変更することも可能です。
- 売却した仮想通貨の購入原価(平均単価で計算)
- 売却時の手数料
- 仮想通貨専用のパソコン・スマホの購入費や使用料のうち仮想通貨取引に使った分
- マイニング機材などの費用(マイニングをしている場合)
- ステーキング報酬は売上として計上が必要(注意)
具体的な計算例
【前提条件】
- 3年前に1ビットコイン400万円で購入
- そのうち0.5ビットコインを売却
- 現在の価格:1ビットコイン1,500万円
- 給与所得:500万円、所得控除:100万円
| 計算項目 | 金額 |
|---|---|
| 売却収入(1,500万円 × 0.5) | 750万円 |
| 購入原価(400万円 × 0.5) | ▲200万円 |
| 雑所得 | 550万円 |
| 給与所得 | 500万円 |
| 所得控除 | ▲100万円 |
| 課税所得合計 | 950万円 |
| 所得税(概算) | 約163万円 |
| 住民税(概算) | 約95万円 |
| 合計納税額(概算) | 約258万円 |
| 実質税負担率(課税所得比) | 約27% |
仮想通貨の儲けがなく給与500万円だけだった場合の税金は約78万円(税負担率19.5%)です。仮想通貨の利益によって税負担は増えますが、この程度の利益であれば「半分持っていかれる」わけではないことがわかります。
📝 このセクションのまとめ
- 税率は超過累進構造なので、儲けの全額に高い税率がかかるわけではない
- 経費として認められるのは購入原価・手数料・機材費など
- ステーキング報酬は売上として計上が必要
- 赤字が出ても他の所得との損益通算・翌年への繰り越しはできない(雑所得同士は通算可)
仮想通貨でよくある誤解・失敗事例
仮想通貨の税金に関して、よく見られる誤解や失敗を4つ紹介します。
誤解①「利確したら半分が税金で持っていかれる」
これはケースバイケースです。先の計算例でも示したとおり、課税所得の規模によっては税負担率は27%程度に収まることもあります。よほど大きな利益(課税所得が4,000万円超)を出した場合に初めて55%近い税率が適用されます。
誤解②「含み益に課税される」
個人で保有している場合、含み益には課税されません。2016年〜2017年に仮想通貨を購入してずっと保有し続けている方は、いくら値上がりしていても売却しない限り税金はかかりません。ただし法人で保有している場合は例外があります(後述)。
誤解③「仮想通貨同士の交換では税金がかからない」
⚠️ 注意:仮想通貨同士の交換でも課税される
ビットコインを円に換金せず、そのままイーサリアムやリップルなど別の仮想通貨に交換した場合でも、値上がり益があれば課税対象になります。
【例】2021年に1ビットコイン400万円で購入 → 2024年にイーサリアム30枚(時価1,500万円相当)に交換した場合
→ 1,100万円の利益が確定したとみなされ、確定申告・納税が必要です。手元にキャッシュが入ってきていなくても課税されます。
また、仮想通貨を米ドルなど外貨に交換した場合も、値上がり益があれば同様に課税されます。
誤解④「利確したお金を使ってしまって納税できない」
⚠️ 注意:納税資金を必ず確保しておく
特に会社員の方は年末調整で納税が自動完結するため、仮想通貨の利益に対して「後から納税が来る」という感覚が薄くなりがちです。利確した際は必ず納税シミュレーションを行い、税金分の資金をプールしておきましょう。
📝 このセクションのまとめ
- 「利確したら必ず半分が税金」は誤り。課税所得の規模次第
- 含み益(個人保有)には課税されない
- 仮想通貨同士の交換・外貨への交換でも値上がり益があれば課税される
- 利確後は納税資金を必ず確保する
仮想通貨の節税対策①:損益通算と複数年分散売却
節税策①:海外FXや副業の赤字と損益通算する
国内FXは申告分離課税のため仮想通貨(総合課税)との通算はできませんが、海外FXは雑所得の総合課税に分類されるため、仮想通貨と損益通算が可能です。
また、副業の雑所得で赤字が出ている場合も、同じ雑所得カテゴリとして仮想通貨の利益と相殺できます。さらに、年金収入も雑所得に含まれるため、仮想通貨の赤字と通算することが可能です。
📌 雑所得同士で通算できる所得の例
- 海外FXの損益
- 副業(小規模なもの)の損益
- 年金収入
- 先物取引以外の通常の為替差損益
ただし、副業で大きな赤字を意図的に作って仮想通貨の税金を大幅に節税することは、現実的ではないケースがほとんどです。
節税策②(最重要):複数年に分けて売却する
これが仮想通貨節税の王道です。地味に見えますが、超過累進税率の仕組みを最大限に活用できます。
個人の所得税・住民税は暦年課税(1月1日〜12月31日の1年間の利益で決まる)です。1年に大きな利益を出すほど高い税率が適用されますが、複数年に分散すれば各年の課税所得を抑えることができます。
| 売却パターン | 課税所得 | 概算税負担(所得税+住民税) |
|---|---|---|
| 1年で1億円を一括利確 | 1億円 | 約5,000万円(税負担率約50%) |
| 10年に分けて毎年1,000万円ずつ利確 | 毎年1,000万円 | 10年合計で約2,088万円程度 |
| 節税効果 | — | 約2,800万円以上の節税 |
📌 分散売却の注意点
10年に分けることで税負担は大きく減りますが、最も大切なのは「いくら手元に残るか」という観点です。売却時点の価格が下がっていたり赤字になったりすることもあります。税金だけでなく価格変動リスクも考慮しながら、最も手残りが大きくなるタイミングを慎重に検討しましょう。
📝 このセクションのまとめ
- 海外FXや副業・年金など雑所得同士の損益通算は可能
- 複数年に分けた売却が最も現実的な節税策
- 1億円を一括利確 vs 10年分散では約2,800万円の税負担差が生じる
- 節税と価格変動リスクの両方を考慮して売却タイミングを決める
仮想通貨の節税対策②:法人での保有・ETFの活用
節税策③:法人で仮想通貨を保有する
法人(株式会社・合同会社など)で仮想通貨を保有する場合の税金の仕組みはシンプルです。
| 項目 | 個人 | 法人 |
|---|---|---|
| 税率 | 超過累進税率(最大55%) | 年800万円まで約25%、超過分約32% |
| 所得の合算 | 所得の種類ごとに異なる扱い | 法人内の全取引を合算して計算 |
| 赤字の損益通算 | 他の所得との通算不可(雑所得同士のみ可) | 法人内の他の利益と通算可能 |
| 赤字の繰り越し | 不可 | 最長10年間繰り越し可能 |
| 含み益課税 | なし(売却時のみ) | あり(期末時価評価が必要) |
| 確定申告の手間 | 比較的容易 | 仮想通貨の貸借対照表記載が非常に複雑 |
⚠️ 法人保有の最大のデメリット:含み益課税
「活発な市場が存在する暗号資産」(ビットコイン・イーサリアムなど主要な仮想通貨が対象)は、期末時点で含み益があると、売却していなくても課税対象になります。これは「お金が入ってきていないのに納税しなければならない」という最悪の状況を生む可能性があります。この含み益課税がなければ、多くの人が法人で保有を選ぶでしょう。
節税策④:ビットコインETFで保有する
金(ゴールド)への投資において、現物で保有して売却すると譲渡所得(総合課税)になりますが、金ETF(上場投資信託)で保有すると税率が一律約20%で済みます。
仮想通貨についても、2024年から米国でビットコインETFが登場し始めています。ETFで保有できれば税率が約20%に抑えられますが、現時点では国内でのビットコインETFはまだ存在せず、日本居住者が現実的に購入するのは非常に難しい状況です。
また、米国を中心にビットコイン関連銘柄や仮想通貨中心に投資している会社の株式を購入するという方法もあります。個別株であれば仮想通貨と似た値動きをする銘柄もあり、株式として約20%の税率が適用されます。
節税策⑤:税率引き下げを待つ(大本命だが時間がかかる)
株式のように申告分離課税・約20%になるのではないかという議論が続いていますが、現状では改正に時間がかかりそうです。むしろ、低額減税や年収の壁問題など増税ムードの中で、最高税率が現在の55%からさらに引き上げられるリスクもゼロではありません。税率引き下げを待ち続けることで、逆に損をする可能性も念頭に置いておきましょう。
📝 このセクションのまとめ
- 法人保有は税率が最大32%と低いが、含み益課税という大きなデメリットがある
- 法人での仮想通貨保有は申告が非常に複雑で、専門家への相談が必須
- 国内ではビットコインETFはまだなく、現実的な選択肢は限られる
- 税率引き下げを待つ戦略は、逆に増税リスクもあることを認識しておく
「仮想通貨投資を事業所得にして節税できる」は本当か?
「仮想通貨投資を事業所得として青色申告すれば節税できる」という情報をブログやYouTubeで見かけることがありますが、これは非常に慎重に判断すべきです。
国税庁は平成30年に「暗号資産等に関する税務上の取り扱いについてFAQ」を公表し、その後改定を繰り返しています。その中の「暗号資産取引により生じた利益は何所得に区分されるか」という項目には以下のように記載されています。
📌 国税庁FAQの内容(要約)
- 原則として雑所得に区分される
- ただし、その年の暗号資産取引に係る収入金額が300万円超の場合は次の基準で判断
- 帳簿書類の保存がある場合 → 原則として事業所得
- 帳簿書類の保存がない場合 → 雑所得
事業所得と雑所得の違い
| 項目 | 事業所得(青色申告) | 雑所得 |
|---|---|---|
| 青色申告特別控除 | 10万・55万・65万円のいずれか控除可 | なし |
| 他の所得との損益通算 | 可能 | 不可(雑所得同士のみ) |
| 赤字の繰り越し | 3年間可能 | 不可 |
| 減価償却の特例 | 利用可能 | なし |
| 家族従業員の給与(専従者給与) | 利用可能 | なし |
一見すると誰でも事業所得にしたいと思うかもしれませんが、FAQには注意書きがあります。「次のような場合には事業と認められるかどうかを個別に判断する」として、以下の基準が示されています。
- その所得の収入金額が本業収入の10%程度未満の場合は雑所得になりやすい
- その所得を得る活動に営利性が認められない場合(赤字を垂れ流しにしている・形だけやっているなど)
過去の判例でも判断が難しいとされており、事業所得として認められるためには以下の要件を総合的に満たす必要があります。
- リスクを取って本気で取り組んでいる(営利性・有償性)
- 反復性・継続性がある
- 社会的地位がある(副業ではなくメインの仕事として行っている)
⚠️ 安易に「事業所得・青色申告」にするのは危険
仮想通貨投資を事業所得として青色申告できるのは、仮想通貨取引をメインの仕事として行っているデイトレーダーのようなごく一部の人に限られます。税務調査は申告書提出後すぐに来るわけではなく、3年・5年・場合によっては10年後に来ることもあります。「申告してから調査が来ていないから大丈夫」という判断は非常に危険です。専門家以外の情報を鵜呑みにせず、必ず税理士に相談しましょう。
また、仮に事業所得として認められたとしても、超過累進税率(最大55%)が適用される点は雑所得と変わりません。節税メリットはそれほど大きくはないことも覚えておきましょう。
📝 このセクションのまとめ
- 仮想通貨の利益は原則「雑所得」。収入300万円超+帳簿保存で事業所得になる可能性はあるが条件が厳しい
- 事業所得として認められるのはデイトレーダーのように仮想通貨取引を本業とする人に限られる
- 安易に青色申告を選択すると税務調査リスクがある
- 事業所得でも超過累進税率は変わらないため、節税効果は限定的
今からできること:売却タイミングの考え方
これらを踏まえて、今後の仮想通貨の売却について考えるべきポイントをまとめます。
- 今年と来年のどちらで利確するかを、給与など他の所得と合算した課税所得ベースでシミュレーションする
- 売却益の金額がいくらになるか・税率がいくらになるかを事前に把握する
- 一気に全額利確せず、複数年に分けた売却を検討する
📌 現実的な売却戦略の例
- 保有量の1/10〜1/20程度だけ利確してキャッシュを得る喜びを味わいながら、残りを保有し続ける
- 元本相当額だけ利確する(例:100万円を投資していたなら100万円分を売却)。元本が回収できれば、残りは全て含み益の状態となり、仮にゼロになっても損はしない安心感が得られる
最も大切なのは「税金を最小化すること」ではなく「手元に残る金額を最大化すること」です。税金と価格変動リスクの両方を考慮した上で判断しましょう。
📝 このセクションのまとめ
- 売却前に課税所得・税率のシミュレーションを必ず行う
- 元本回収や一部利確など、自分のリスク許容度に合った売却戦略を選ぶ
- 節税と価格変動リスクの両方を考慮して、手残りを最大化することが最重要
終わりに
本記事の内容は YouTubeチャンネル 税理士YouTuberチャンネル!! / ヒロ税理士 の下記動画を参考に作成しています。AIによる書き起こしを活用しているため、誤字脱字がある可能性があります。ご了承ください。 本サイトは 税理士YouTuberチャンネル!! / ヒロ税理士を応援しています!
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