顧客思考マーケティングとは?税理士が解説するミシュランに学ぶ経営戦略
「何を売るか」より「お客さんが何を求めているか」を考えると、経営戦略は大きく変わる。
お店を選ぶ基準は「喜んでもらいたい」という目的から
美味しいお店に行くとき、お店を選ぶ基準ってありますか?

ありますよ。美味しいお店に行く時は大体、お客さんとか大切な人を連れていくことが多いんですけど、やっぱり喜んでもらいたいっていう目的があるんで、お客さんに喜んでもらうためにはこのお店がいいかな、っていう基準はありますね。

喜んでもらうっていうのは経営にも必要な要素だと思うんですけど、例えば自分がお店をやっていて、自分のお店を選んでもらうために意識しなきゃいけないことってあったりしますか?

例えばラーメン屋をやっていてお客さんに選んでもらうという時に、どういう基準で選んでもらうか……なんか見せ方みたいな感じですかね。

はい、はい。まあありますよね。

今日はそこの解説をしていきましょう。僕はなぜお客さんを接待する時にこの店を選ぶのか、それだけじゃなくてこの商品を買う時になぜこの商品を買うのかっていう基準、これってマーケティングに関わってくるんで、実は僕もサービスを提供する側としてそれを意識したりするんです。今日はちょっとマーケティング的なお話を解説したいと思います。

ミシュランガイドはなぜタイヤメーカーが作ったのか
まず、僕がお客さんを接待で一緒に行くお店は星付きのお店が多いんですよ。星付きのお店にお客さんと行くと、「ここって星3つなんだよ」「9年連続星取ってるんだよ」っていう説明でお店に招待するわけです。するとお客さんも「星付きのレストランなんや」「お寿司屋さんなんや」ってちょっとワクワクするじゃないですか。

そうですね。

絶対に質は高いに決まってるし、星がついてるってだけでブランドになって、お客さんに喜んでもらえるっていうので分かりやすいじゃないですか。だからお客さんを接待する時は星付きのレストランを選ぶことが結構ありますね。
ちょっと話変わるけど、その星って誰がつけてると思う?

それ僕も結構やったりするんですけど……食べログでつけます。

食べログ? 結構つけてるの?

あれ、僕が星つけてたんですね。

いや、違う違う。僕が言ったのはミシュランですよ。ミシュランガイドのこと。

そっちじゃないですか!

そう、ミシュランなんですよ。ミシュランガイドって有名じゃないですか。でもね、ミシュランって意外と知らない人が多いんですけど、ミシュランって何屋さんかって言うと、ガイドブック屋さんでも何でもなくてタイヤのメーカーなんですよ。

あのミシュランが!

そう、あのミシュランが。だからミシュランガイドのキャラクターがいるんですけど、ミシュランタイヤのキャラクターと同じで、マシュマロマンみたいな白いキャラクターじゃないですか。

マシュマロマン、わかります。ゴーストバスターズの。

そう、ゴーストバスターズのマシュマロマン。ミシュランのキャラクターってマシュマロマンじゃないけど、マシュマロマンみたいじゃないですか。

まあ見えます。

僕はモータースポーツが好きなんですけど、ミシュランタイヤって言ったらもうトップメーカーですよ。そのミシュランがミシュランガイドブックを作っている。
で、なんでミシュランタイヤがミシュランガイドブックを作っているのかっていうのが、今日のポイントなんです。

確かに、タイヤなのになんでガイドブックなんですかね。タイヤのガイドブックなら分かるけど。

「商品思考」から「顧客思考」へ——ミシュランが実践したマーケティング戦略
これがね、顧客思考のマーケティング戦略を取っているわけです。どういうことかって言うと、タイヤメーカーのCMって「滑りません」みたいな、商品の性能をアピールするCMじゃないですか。
でもミシュランの戦略は違う。なぜ人はタイヤを買うのかっていうところを追求したんです。タイヤを買うってことは車に乗るってことでしょ。パンクしそうな古い、滑りそうなタイヤで旅行とか行きたくないじゃないですか。安全なタイヤで、楽しい旅行をしたいわけです。
楽しい旅行の目的に、ミシュランが選んだ5つ星ホテルとか3つ星レストランがあったらワクワクして旅行に行くでしょ。旅行に行かせるためにミシュランガイドを作る、そういう話なんです。

そこまで考えてるんですか!

そこまで考えてるんです。なぜ人はタイヤが欲しいのか→車に安全に乗りたい→じゃあ車にたくさん乗ってもらうためには何をすればいいか→外出をしてもらう→外出するってどういうことか→旅行だ→じゃあ旅行に行く目的は何か→まずホテルに行く、現地の美味しい食事をしたい→旅行に行く時って調べるじゃないですか→じゃあ調べる時にミシュランガイドがあって、いいホテルやいいレストランがあったらそこに行く→でタイヤに戻る。
タイヤを買うという顧客思考、お客さんが何を求めているかを追求するとそういう戦略になったっていうのが、ミシュランガイドができたきっかけと言われています。

すごいですね、これ。

で、例えば飲食店は飲食店で星がついたらお客さんが喜んでくれるっていう目的で、一生懸命星をつけてもらうためにサービスの品質とか料理の品質を上げたりしてるわけですよね。それぞれ目的は違うんやけど、みんな顧客思考。
僕もお客さんに喜んでもらうためにミシュランの星付きのレストランに一緒に行ったりするんですけど、じゃあそのミシュランの3つ星は誰がつけてるかって言うと、ミシュランがつけてます。タイヤ屋さんが潜入調査員みたいな人をわざわざ派遣してね。

はい、はい。

僕なんかも例えば星付きのお寿司屋さんとかに行ったりするわけです。もちろんめちゃくちゃ美味しいんですよ。美味しいからお客さんにこの美味しいお寿司をご馳走したいっていうのもあるんやけど、1番の目的はお客さんに喜んでもらいたいんですよ。
美味しいものを食べてもらうのが目的じゃなくて、そのお店の雰囲気も含めて喜んでもらうためには星付きのお寿司屋さんっていう、商品思考じゃなくて顧客思考。僕の目的は何なのか、ミシュランの目的は何なのかっていうのでマーケティング戦略を踏んでいくっていうことが大切で、プラスアルファで考えることですね。

そうそう。だからよく自分たちのサービスとか商品の機能を紹介したい、アピールしたいっていう会社って多いじゃないですか。

そうですね。日本の家電製品なんてまさにそうで、もういっぱい機能がつきすぎてもうわけわからんみたいな、ボタンが多いみたいな。ほとんど使わないけど、みたいなね。そういうね、性能をアピールするんじゃなくて、そもそもお客さんはその先に何を求めているかっていうのを把握して、それをアピールすることでお客さんの購買欲を掻き立てるっていうことが大切です。

車のCM・千疋屋のメロン・フルーツ大福に見る顧客思考の実例
そういう意味では、同じような車のCMでも最近の売れ筋の車ってどうしてもミニバンじゃないですか。

多いですね。

ミニバンの最近のCMって、家族でどこかに出かける外出をするっていうシーンですよね。あれって車の性能とか全然アピールしないじゃないですか。

そうですね。「こんな車の性能があります」みたいなのはあんまりアピールしないですよね。

家族で楽しそうに休日に外出するみたいな。家族を楽しむためにはこの車がいいよっていうイメージ戦略なんですよ。だからお客さんが何を求めているかっていうのが、この車のCMも車の性能を求めているわけじゃなくて、楽しい家族の時間を求めているっていうのでアピールしたCMが最近やっぱり多くなってきた。そういうことなんです。

そういうことなんですね。

あとね、僕が時々千疋屋でお土産を買ったりするじゃないですか。たまに差し入れしたりして。

毎回美味しくいただいています。

千疋屋にはメロンが2万円ぐらいするわけですよ。あのメロンを商品思考なのか顧客思考なのかって言うと、商品思考で売ってるわけじゃないです。あれ顧客思考で売ってるんですよ。

えっ、そうなんですか?

千疋屋の2万円のメロンって、めっちゃうまいでしょ。俺も家帰って食べたんやって言って2万円で買って食べる人ってまあいないと思うんですよ。

えっ、そうなんですか? 2万円のメロン買って家で食べるって……いや、それは僕レベルではないですね。

僕もないよな。千疋屋も別に皆さん2万円のメロンを食べてくださいって言って売ってるわけじゃないんですよ。「贈り物にどうですか」っていう感じで売ってる。完全に贈答品狙いなんですよ。桐箱に入ってもう高級感で、もちろん美味しいよ、メロン美味しい、すごい品質の高いメロンを使ってるけど、2万円の味を楽しんでくださいってわけじゃない。
僕が買って自分で楽しむわけじゃないです。これはお客さんにプレゼントしたら喜ばれますよっていうので高級思考にしてるわけ。僕も千疋屋のメロンをプレゼントにしたことあるけど、僕もこのメロンめっちゃうまいで食べてってわけじゃないんですよ。千疋屋のメロンっていうのでもうそれだけでブランドなんで、もらった人って自分で買わないじゃないですか。

そうですね。

自分で買わないから、千疋屋のメロンやってなって喜んでもらえる。さっきの僕が3つ星のレストランにお客さんに喜んでもらうために行くっていうのと一緒で、千疋屋のメロンがもらえる喜びをお客さんに味わっていただきたい、喜んでもらいたいんですよ。桐箱に入ってるんですよ。

桐箱に入ってるんですね。

そうなんですよ。だから千疋屋は完全にもう贈答品として売ってる。
同じフルーツ系で行くと、ちょっと前にフルーツ大福がすごく流行ったじゃないですか。あれも商品思考より顧客思考なんですよ。

えっ、あれもですか?

あれもですよ。フルーツ大福、僕も何回か買ったけど、もちろんお客さんへの手土産で持っていったこともあるけど、「うわこのフルーツ大福めっちゃうまい、このうまさをみんなに食べてもらおう」って言ってプレゼントで持っていったわけじゃないんですよ。美味しいは美味しいんですけど、そんな目的じゃないんです。
フルーツ大福って、あれ人数分一周回してピってやったら、すっごい断面が綺麗に切れるじゃないですか。

やってみたいですよ。めっちゃ綺麗ですよね。

そうそう。でそれをインスタとかにアップするわけですよ。インスタ映えするわけ。フルーツ大福が流行った時ってみんなインスタにあげるじゃないですか。

そうですね。

インスタ映えが顧客思考なんです。顧客はこれをアップしたい、この断面を綺麗に切りたい、写真に撮りたい、これを楽しむために買ったりプレゼントしたりするわけ。これこそ顧客思考です。

確かにそういう人多かったですよね。

だからいいフルーツを使ってるっていうのはもちろんあるけど、別にそのフルーツの糖度とか甘さをアピールしてるわけじゃない。フルーツ大福を売ってるお店ってみんな断面を見せてるじゃないですか。

見てますね。もうそれが目的ですよね。

だからさっきの千疋屋でもそうやけど、同じフルーツでも贈答品目的なのか、喜んでもらう目的なのか。決してそのフルーツの質で売ってるわけじゃない。もちろん質はこだわってるんやけどね。
ということで、商品思考じゃなくて顧客思考で売っている。ミシュランとか車のCMとか千疋屋とかフルーツ大福とか、まそういう戦略ですね。他にも世の中にいっぱいあるけど、ちゃんとお客さんが何を求めているのかっていうのを意識して打ち出していくと、すごく売れる戦略が立てられるかもしれません。

節税相談にも応用できる顧客思考——本当の目的はお金持ちになりたい
自分でも取り入れてるとおっしゃってましたよね。どの部分で取り入れてるんですかね?

どの部分やと思う? 逆に。

……わからないですね。

わからんと思う。一応僕は意識してるけど、分かりづらいとは思うけど、あえて解説すると、例えばこのYouTubeでも節税ノウハウとかを伝えたりするじゃないですか。僕のところにも節税の相談ってめっちゃくるんですよ。「節税したいんですけど何かいい方法ありませんか」って。税金をできるだけ払いたくないっていうニーズじゃないですか。
で、僕は色々節税ノウハウはありますよ、いっぱいあるんですけど、でもすぐには提案しないんです。すぐに提案するのは商品思考なんですよ。「こういう方法があります、僕こういう方法を知ってます」、そんなのは答えるのが簡単でも。

はい。

「何か節税したいんですけど」っていう相談者の本当の目的って税金を払いたくないではないんですよ。本当の目的はお金持ちになりたいです。お金を減らしたくない、お金をもっと増やしたいっていうのが目的で、目の前の税金は払いたくない。
だから僕は節税相談が来たら、必ず目的を最初に聞くんです。どこを目指しているのか、何を実現したいのかを聞いて、じゃあそのために本当に節税が必要なら「こういう節税がありますよ」と言うけど、その節税が本当の目的を実現することに繋がらないなら「いや、節税はやめた方がいいんじゃないですか」と。

お客さんと契約する時に必ず目的を確認するんですね。

そうです。その目的を実現するためにこういう戦略を取っていきましょう、こういう手法を取っていきましょうって言って、その中で節税が必要な時もあれば、あえてやらない方がいい場合もある。節税をやるとそれ以上にお金が出ていくことって多々ありますので。
なので僕はお客さんと契約する時は必ず目的から入って、節税を売るわけじゃないですよ。節税は目的を達成するための1つの選択肢でしかないということでやっている部分はありますね。そういうところで他との違いを出してるんです。

そうなんですね。だから税金ばっかりやってるわけじゃないっていう。

お客さんの実現したいことをサポートするために税金の知識も必要っていうだけだから、脱・税理士としてやってるんです。

そこに繋がるんですね。だいぶ遠回りでしたけど、ミシュランぐらい遠回りでしたけど、でもそれが顧客思考ってことですもんね。

そうです。じゃあもしラーメン屋をやるなら「このチャーシューめっちゃうまいんですよ」「このスープめっちゃうまいんですよ」しか言わない、他に何も特徴がない店みたいになっちゃったじゃないですか。そういう主観的な商品思考じゃなくて、顧客思考でマーケティング戦略を考えるといいかもしれないですよ。なかなかそうやってるラーメン屋って少ないから、差がつきますよ。

ちゃんとやればいいですね、それ。

確かに色々な競合がある中でも、そういう差別化をするだけでも他より1個上に出られますよ。見せ方を変えるだけで差別化になるんで。

そこは取り入れていきたいですね。

ミシュランガイドのもう一つの効果——ブランディングとタイヤ業界全体への貢献
言うのを忘れてたんですけど、ミシュランの話をするとタイヤを買うニーズは分かったと。でもそれって別にダンロップでもブリヂストンでもいいんじゃないか、みたいなのがありますよね。確かにタイヤ業界自体のニーズを広げる1つの施策にはなってるかもしれないけど、っていうまそういう危険もあるんですけど……

確かに。

でもミシュランって、高級なレストランとかホテルをガイドするちょっとしたブランドじゃないですか。ミシュラン自体がもうブランドになっているわけです。ということはそれに関連するタイヤもいいイメージを持つわけですよ。ミシュランのタイヤがめちゃくちゃ安いタイヤっていうイメージはやっぱり持たないですよね。

確かにそうですね。

質のいいブランディング、レストランとホテルが質のいいものを紹介していたら、もちろんタイヤもいいよね、っていう繋がりももちろんあるとは思います。そういうのも含めてね、商品思考じゃなくて顧客思考で、色々皆さんもマーケティング戦略を考えていただければなと思います。

食べログと隠れた名店——星がつくことの光と影
やっぱりそういういいお店でも、そもそも美味しいんですよね。

美味しいんですよ。でもね、星がついていないすごく美味しいお店なんていっぱいあるんですよ。

やっぱりあるんですか?

あるんですよ。ミシュランが見つけてないんでしょうね。

ああ、そういうことか。ミシュランがもっと車に乗ってリサーチしないといけないですね。

そういう穴場的なところも行ったりしますよ。逆にそっちの方がよかったりするんですよ。星付きはやっぱりちょっと人気が出るんで、なかなか予約が取れなかったりとか。
星がつくと飲食店の人って嬉しいような嬉しくないような、っていうジレンマがあるんですよ。

お客さんの質とかですか?

そうなんですよ。一見さんが来るんで、今までの常連客が逆に来れなくなるんですよ。そういうお店って常連客を大切にするじゃないですか。

ああ、そうですね。

だからなんか「あんまり知られて欲しくないな、でも欲しいな」みたいな。もうそれやっぱりブランドになるから、そのジレンマはあるみたいですね。隠れ家的なお店でも、テレビの取材禁止みたいな。テレビが入ると明日から客が殺到するんで、ちょっともう迷惑やって、取材禁止のお店もあるけど。

難しいですね。もしかしたら1番見つからない場所は食べログかもしれないですね。

食べログは意外と隠れた名店も見つかりますから。

見つかりますね。確かにこっちの方がいいかもしれないですね。

ミシュランよりも、僕はやっぱり食べログですよ。食べログもね色々言われた時もあったけど、ちょっと参考になりますからね。

食べログで皆さんで見ていきたいなと思います。

終わりに
本記事の内容は YouTubeチャンネル 脱・税理士スガワラくん の下記動画を参考に作成しています。AIによる書き起こしを活用しているため、誤字脱字がある可能性があります。ご了承ください。本サイトは 脱・税理士スガワラくんを応援しています!
東京エリア
千代田・中央・港区から副都心各区まで、東京の優良税理士法人ランキング
関西エリア
大阪・京都・兵庫・岡山など関西圏の信頼できる税理士法人ランキング
関東エリア
首都圏の神奈川・埼玉・千葉・北関東で実績のある税理士法人ランキング
中部エリア
製造業の集積地、中部・北陸圏で企業支援に強い税理士法人ランキング
九州・沖縄
九州・沖縄地域で地域密着型サービスに定評のある税理士法人ランキング
その他地域
北海道・東北・中国・四国地方の地域に根ざした税理士法人ランキング
