減価償却を完全マスター!税理士が解説する計算方法と特例2選

減価償却を完全マスター!税理士が解説する計算方法と特例2選
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確定申告で多くの人がつまずく減価償却費を、基本から特例まで徹底解説します。

減価償却費とは?基本的な考え方

確定申告シーズンになると、必ず通過しなければいけないのが減価償却費です。多くの方がここでつまずくため、今回は基本的な考え方から計算方法、さらにお得な特例まで順番に解説していきます。

まず、減価償却の対象となるものはどういったものかというと、ポイントはここです。

📌 ポイント

長期にわたって使用する、取得価格が10万円以上の資産が減価償却の対象です。代表的なものとして、パソコン・エアコン・車などが挙げられます。

例えば、20万円のパソコンを買ったとします。パソコンは毎年交換するものではなく、一般的には3〜4年は使い続けるものですよね。このように、10万円以上の資産は1年で一気に経費に計上するのではなく、使用する年数に分けて経費に上げていくというのが減価償却の基本的な考え方です。

車が一番わかりやすい例としてよく使われます。車を300万円で購入した場合を考えてみましょう。

  • その年の売上:800万円
  • 車の購入以外にかかった経費:600万円
  • 本来の利益:200万円(800万円 − 600万円)

もしこの年に300万円の車を全額一括で経費計上してしまうと、利益は一気にマイナス100万円になってしまいます。普通通りにビジネスを続けているにもかかわらず、この年だけ大きくアンバランスな結果になってしまうわけです。

車は毎年買い替えるものではないので、購入した1年だけで全額経費に上げるのではなく、使用する年数に分けて経費に計上していくというのが減価償却の考え方です。

📝 このセクションのまとめ

  • 長期にわたって使用する10万円以上の資産が減価償却の対象
  • 1年で全額経費に上げず、使用年数に分けて計上する
  • 代表例:パソコン・エアコン・車など

耐用年数とは?資産ごとに年数が決まっている

パソコンは4年かけて減価償却すると言いましたが、この「何年かけて減価償却するか」は、専門用語で耐用年数と言い、ルールで決められています。

国税庁が公表している「減価償却資産の耐用年数表」に、資産の種類ごとに細かく年数が記載されています。主な資産の耐用年数は以下の通りです。

資産の種類耐用年数
パソコン4年
普通自動車6年
軽自動車4年

耐用年数はこのようにルールで決まっていますので、自分で年数を決めることはできません。国税庁の耐用年数表で確認するようにしましょう。

では、具体的なイメージを図解で見てみましょう。20万円のパソコンを4年かけて減価償却する場合、毎年5万円ずつ経費に計上していくことになります。

年度減価償却費(経費計上額)未償却残高
1年目5万円15万円
2年目5万円10万円
3年目5万円5万円
4年目5万円0円

このように、毎年5万円ずつ経費に計上していき、4年間で合計20万円を全て経費として上げることができます。

📝 このセクションのまとめ

  • 何年かけて償却するかは耐用年数として国税庁がルールで決めている
  • パソコン:4年、普通車:6年、軽自動車:4年
  • 耐用年数表は国税庁のウェブサイトで確認できる

減価償却の計算方法:定額法と定率法の2種類

減価償却の計算方法は大きく2種類あります。

  • 定額法:毎年一定額を経費に計上する方法
  • 定率法:初年度の経費計上額が最も多く、2年目・3年目と少しずつ減っていく方法

定額法は1年目・2年目・3年目・4年目と同じ金額ずつ経費に計上していきます。一方、定率法は買った初年度に経費計上額が最も多くなり、その後年々減っていくという計上方法です。

また、それぞれに「旧定額法」「旧定率法」というものがあります。これは平成19年3月31日以前に購入したものに適用される計算方法です。この動画をご覧の方のほとんどは平成19年4月1日以降に購入したものが対象になると思いますので、旧定額法・旧定率法については一旦置いておいて大丈夫です。

⚠️ 注意

定率法を採用する場合には、事前に税務署への届出が必要です。個人事業主・フリーランスの方が届出なしに勝手に定率法で計算することはできません。届出をしていない場合は定額法で計算してください。

ほとんどの個人事業主・フリーランスの方は定額法を使うことになります。定額法の計算式は以下のとおりです。

📌 定額法の計算式

減価償却費 = 取得価格 × 償却率

取得価格とは、そのものを購入した金額のこと(パソコンなら20万円、車なら300万円など)。

📝 このセクションのまとめ

  • 計算方法は定額法定率法の2種類
  • 定率法を使うには事前に税務署への届出が必要
  • 届出なしの場合は定額法で計算する
  • 定額法の計算式:取得価格 × 償却率

定額法の具体的な計算例(車・300万円の場合)

では、実際に定額法で計算してみましょう。1月1日に普通車を300万円で購入した場合を例にします。

普通車の耐用年数は6年、6年の場合の償却率は0.167と決まっています。耐用年数ごとの償却率もルールで決まっていますので、以下の表を参考にしてください。

耐用年数償却率(定額法)
4年(パソコン・軽自動車)0.250
6年(普通自動車)0.167

300万円 × 0.167 = 50万1,000円となりますが、端数は切り捨てるため、1年あたりの減価償却費は50万円となります。

6年間の減価償却の流れは以下の通りです。

年度減価償却費未償却残高
1年目50万円250万円
2年目50万円200万円
3年目50万円150万円
4年目50万円100万円
5年目50万円50万円
6年目49万9,999円(1円残す)1円

📌 ポイント:残存簿価(残存価格)

最終年度(6年目)には、全額を償却するのではなく1円を残すというルールがあります。この1円のことを残存簿価または残存価格と呼びます。

📝 このセクションのまとめ

  • 定額法:取得価格 × 償却率で毎年同額を計上
  • 普通車300万円・耐用年数6年の場合、毎年50万円を6年間計上
  • 最終年度は1円(残存簿価)を残して償却する

特例①:一括償却資産(20万円未満は3年で償却)

ここからは、知っておくとお得な2つの特例について解説します。まず原則のおさらいです。

原則は「取得価格が10万円以上で長期にわたって使用する資産は、耐用年数に従って減価償却する」というものでした。特例はこの原則とは異なる、より有利な方法です。

1つ目の特例:一括償却資産

📌 一括償却資産のルール

購入したものが20万円未満であれば、耐用年数に関係なく3年間で均等に償却することができます。

例えば18万円のものを購入した場合、20万円未満なのでこの特例が使えます。確定申告書(決算書の3ページ目)への記載方法は以下の通りです。

  • 取得日・取得価格(18万円)を記入
  • 償却方法の欄:耐用年数・償却率の欄は横棒(―)を記入
  • 償却率の欄に「1/3(3分の1)」と記入
  • 減価償却費:18万円 ÷ 3 = 6万円を毎年計上

📝 このセクションのまとめ

  • 購入価格が20万円未満なら一括償却資産として3年均等償却が可能
  • 耐用年数に関係なく3年で償却できる
  • 決算書3ページ目の減価償却の欄に記入する

特例②:少額減価償却資産(30万円未満は全額一括経費計上)

2つ目の特例:少額減価償却資産

こちらは特に節税につながる特例として、多くの方が気になっているのではないでしょうか。

📌 少額減価償却資産のルール

購入したものが30万円未満であれば、耐用年数に関係なく購入した年に全額を経費として一括計上することができます。

ただし、この特例には2つの要件があります。必ず確認してください。

要件内容
①申告方法青色申告者のみ利用可能。白色申告者は使えない。
②年間上限額年間合計300万円まで。300万円を超えた分は使えない。

⚠️ 注意

少額減価償却資産の特例は青色申告者のみが利用できます。白色申告の方はご利用いただけませんのでご注意ください。また、年間300万円までという上限があります。

確定申告書(決算書の3ページ目)への記載方法を見てみましょう。例えば冷蔵庫など複数のものを購入し、合計金額が98万円だった場合の記載例です。

  • 資産名:「冷蔵庫ほか」などと記入(複数品目の場合は「明細は別途保管」と記載可)
  • 取得価格:合計98万円を記入
  • 償却方法・耐用年数・償却率の欄:横棒(―)を記入
  • 減価償却費:98万円(全額)をその年に一括計上
  • 適用欄:「措置法28-2」と記入する(必須)

📌 ポイント:98万円は1品目ではない

年間300万円の上限は合計金額です。98万円という金額は「1つのものが98万円」ではなく「複数の30万円未満の購入品の合計が98万円」ということを覚えておいてください。1品目ごとに30万円未満であることが条件です。

📝 このセクションのまとめ

  • 1品目30万円未満のものは、購入年に全額一括経費計上が可能
  • 利用できるのは青色申告者のみ
  • 年間合計300万円までという上限あり
  • 申告書の適用欄に「措置法28-2」と記入することが必要

減価償却の計算はソフトを活用して計算ミスを防ごう

減価償却の計算は、意外と大変です。償却率が0.167や0.250といった小数点以下の数値になるため、計算ミスが起きやすい項目です。

計算ミスが起きやすいポイントをまとめると以下の通りです。

  • 償却率(0.167など)をかける際の端数処理のミス
  • 前年の未償却残高から当年の減価償却費を差し引く引き算のミス
  • 複数の資産がある場合の縦の合計金額のズレ

📌 ポイント:会計ソフトやe-Taxを活用しよう

会計ソフトや国税庁のe-Tax(電子申告)を使うと、基本情報を入力するだけで減価償却費を自動計算してくれます。計算ミスを防ぐためにも、これらのツールを積極的に活用することをおすすめします。

📝 全体のまとめ

  • 減価償却の対象:10万円以上・長期使用の資産
  • 耐用年数は国税庁の耐用年数表で確認(パソコン4年・普通車6年など)
  • 計算方法は定額法(毎年一定額)と定率法(初年度が最多)の2種類
  • 特例①:20万円未満→一括償却資産として3年均等償却
  • 特例②:30万円未満→少額減価償却資産として全額一括計上(青色申告者・年間300万円まで)
  • 計算は会計ソフトやe-Taxを活用してミスを防ごう

終わりに

本記事の内容は YouTubeチャンネル 税理士河南のYouTubeチャンネル! の下記動画を参考に作成しています。AIによる書き起こしを活用しているため、誤字脱字がある可能性があります。ご了承ください。
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