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接待飲食費1万円基準をわかりやすく解説|令和6年税制改正で5000円から引き上げ

接待飲食費1万円基準をわかりやすく解説|令和6年税制改正で5000円から引き上げ
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令和6年税制改正で接待飲食費の1人あたり上限が5000円から1万円に引き上げられました。物価高対応と飲食業界支援を狙った政策で、使い勝手が大きく向上します。

交際費の損金算入限度額とは

交際費はいくら使っても経費になるというものではありません。損金に算入できる限度額が設けられています。ただし、限度額があるのは法人に限られており、個人事業者には限度額がないため、交際費はいくら使っても経費になります。

法人の交際費の損金算入限度額は、資本金の額によって次のように区分されています。

区分損金算入限度額
資本金 1億円以下の中小企業800万円、または接待飲食費の50%相当額のいずれか有利な方を選択
資本金 1億円超の大企業接待飲食費の50%相当額のみ
資本金 100億円超の超大企業0円(交際費の全額が損金不算入)

📌 ポイント

中小企業(資本金1億円以下)の場合、年間の接待飲食費が1,600万円以下であれば、800万円の限度額を選択した方が有利です。年間1,600万円を超える接待飲食をする中小企業は稀ですから、大抵は年800万円が選択されています。

📝 このセクションのまとめ

  • 交際費の損金算入限度額は法人のみに適用される
  • 中小企業は年800万円または接待飲食費の50%の有利な方を選択できる
  • 資本金100億円超の超大企業は限度額ゼロ(全額損金不算入)

1万円基準とは何か|交際費から除外される接待飲食費

ここで重要なのが今回の改正ポイントです。損金算入限度額の計算対象となる「接待飲食費」は、1人あたり1万円を超えるものに限られます。

1人あたり1万円以下の接待飲食費は交際費から除外され、限度額の計算対象にはなりません。つまり、1万円以下の接待飲食費は全額が経費になります。

📌 ポイント

令和6年税制改正により、この基準が1人あたり5,000円から1万円に引き上げられました。物価高対応と飲食業界の支援を狙った政策です。1万円以下の接待飲食費は、会議費として処理するなど、1万円を超える交際費とは別に管理しておくことが重要です。

📝 このセクションのまとめ

  • 1人あたり1万円以下の接待飲食費は交際費から除外され、全額経費になる
  • 令和6年改正で上限が5,000円から1万円に引き上げられた
  • 1万円以下の飲食費は1万円超の交際費と区別して管理することが重要

消費税の扱い|税込み・税抜きで判定が変わる

1万円という金額が消費税込みなのか、消費税抜きなのかは、採用している経理方式に従います。

  • 消費税込みで経理をしていれば → 消費税込みで1万円で判定
  • 消費税抜きで経理をしていれば → 消費税抜きで1万円で判定

1万円の判定は、飲食費の総額を参加人数で割り算して行います。具体的な例で確認してみましょう。

条件税抜き経理の場合税込み経理の場合
3人で税抜き3万円(消費税3,000円)の接待飲食1人あたり10,000円→ 交際費から除外できる1人あたり11,000円→ 交際費から除外できない

⚠️ 注意

同じ飲食でも、採用している経理方式(税込み・税抜き)によって1万円の判定結果が変わります。一般的に消費税抜きの経理方式を採用した方が様々なケースで有利になります。ただし、税抜き経理はやや手間がかかるという難点もあります。

📝 このセクションのまとめ

  • 1万円の判定は採用している経理方式(税込み・税抜き)に従う
  • 税込み経理では消費税分も含めて1万円で判定するため不利になりやすい
  • 一般的には税抜き経理の方が有利

必要な書類の保存|領収書に書き添えるべき事項

1人あたり1万円以下であれば交際費から除外できますが、それだけでは不十分です。次の事柄を記載した書類を保存しておくことが義務付けられています。

  1. 飲食等のあった年月日
  2. 飲食等に参加した得意先・仕入れ先の氏名・名称およびその関係
  3. 飲食等に参加した人数
  4. 費用の金額および飲食店等の名称・所在地
  5. その他参考となる事項

📌 実務上の対応方法

領収書やレシートの裏に、2番目(参加者の氏名・関係)と3番目(参加人数)の事項を書き添えておくと便利です。

記載例:

  • 参加人数:3名
  • 関係:仕入れ先 株式会社○○商事 部長 ○○様、係長 ○○様
  • 当社参加者:代表取締役 ○○

📝 このセクションのまとめ

  • 1万円以下であっても、所定の事項を記載した書類の保存が必要
  • 領収書の裏に参加者情報・人数を書き添えておくのが実務上の対応として有効

飲食費の3区分|フローチャートで整理する

飲食費は大きく次の3つに区分できます。それぞれの取り扱いを整理しておきましょう。

区分内容税務上の取り扱い
①福利厚生費社員全員を対象とした忘年会・新年会、残業食事代など、全従業員に一律提供される飲食費用全額経費(福利厚生費)
②会議費会議中に社員に提供されるお茶・お菓子・弁当等全額経費(会議費)
③交際費社外接待飲食費・社内接待飲食費(下記参照)区分により異なる

交際費はさらに社外接待飲食費社内接待飲食費に分かれます。

区分内容税務上の取り扱い
社内接待飲食費(社内交際費)得意先など社外の人が1人も参加していない飲食。会社内の特定の従業員や役員を接待した飲食費用1万円基準の除外対象にならない。損金算入限度額の計算対象にもならない。その他の交際費として処理
社外接待飲食費得意先等の社外の人を接待するための飲食費用1人あたり1万円以下→ 交際費から除外・全額経費
1人あたり1万円超→ 損金算入限度額の計算対象

⚠️ 注意

社内接待飲食費(社内交際費)は、1万円以下であっても交際費から除外される接待飲食費には該当しません。社外の人が1人も参加していない飲食は、その他の交際費として損金算入限度額の管理が必要です。

📝 このセクションのまとめ

  • 飲食費は①福利厚生費、②会議費、③交際費の3つに区分される
  • 交際費のうち社外接待飲食費のみが1万円基準の除外対象となる
  • 社内のみの飲食(社内交際費)は1万円基準の恩恵を受けられない

判断に迷うケース|キャバクラ・ゴルフ・お土産の取り扱い

実務では判断に迷うケースが数多くあります。代表的なケースを確認していきましょう。

ケース判断理由
キャバクラ・クラブでの接待❌ 接待飲食費に該当しない主目的がコンパニオンやホステスとの歓談であり、飲食が主目的ではないため。その他の交際費として処理
カラオケボックスでの接待❌ 原則として該当しない(例外あり)主目的がカラオケであるため。ただし「カラオケボックスしか空いていなかった」等の事情があれば接待飲食費となり得るが、説得できる事情を書き残しておく必要がある
ゴルフ接待中のクラブハウスでの食事❌ 接待飲食費に該当しないゴルフが主目的であり、食事は一連の行為の中で行われているため。食事代だけを抜き出して接待飲食費とすることはできず、全費用がその他の交際費(ゴルフ代)となる
ゴルフ終了後の帰り道での食事❌ 原則として該当しない当初からゴルフ接待の一環として計画されていた場合はゴルフ代の一部となる
接待した寿司屋でお土産を購入・贈呈接待飲食費に含まれる接待飲食を行った店で同時にお土産を購入して渡した場合は接待飲食費に含められる
お中元・お歳暮・手土産❌ 接待飲食費に該当しない飲食を伴わない贈答品はその他の交際費として処理

📌 判断の手がかり

判断に迷うケースでは、次の2点を手がかりに判断します。

  • 主目的は飲食であるか否か:飲食が主目的でなければ接待飲食費にはならない
  • 連続した一連の行為の一部か否か:ゴルフや観劇などの一環として行われた飲食は、全体としてその他の交際費となる

⚠️ 注意

「カラオケボックスしか空いていなかったので飲食した」など、例外的な事情がある場合でも、その事情を説得力をもって書き残しておかなければ、税務調査で接待飲食費として認められない可能性があります。記録の保存が重要です。

📝 このセクションのまとめ

  • キャバクラ・カラオケ・ゴルフ中の食事は原則として接待飲食費に該当しない
  • 接待した店で同時に購入したお土産は接待飲食費に含められる
  • 判断の鍵は「主目的が飲食か否か」と「一連の行為の一部か否か」
  • 例外的な事情がある場合は、その経緯を書き残しておくことが重要

終わりに

本記事の内容は YouTubeチャンネル 税理士KOBAYASHIちゃんねる の下記動画を参考に作成しています。AIによる書き起こしを活用しているため、誤字脱字がある可能性があります。ご了承ください。
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