金融所得課税が社会保険料にも波及|税理士が解説する保険料が爆増する人・しない人

金融所得課税が社会保険料にも波及|税理士が解説する保険料が爆増する人・しない人
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金融所得が社会保険料に影響する時代が、ついに本格的に到来しようとしています。

金融所得への社会保険料課税、なぜ今注目されているのか

経済財政諮問会議において、「医療・介護保険における負担への金融所得の反映」に向けた議論が改めて言及されました。具体的には、以下の課題を考慮しながら制度設計を進めるとされています。

  • 税制における金融所得にかかる申告徴収の現状
  • マイナンバーの記載・情報提出のオンライン化の課題
  • 負担の公平性
  • 関係者の事務負担

これにより、そろそろ本格的に制度改正が進みそうな状況です。ただし、この話題には誤解が非常に多いため、今回は詳細を丁寧に解説していきます。

なお、金融所得課税(所得税・住民税)については、所得が何億円以上というごく一部の富裕層を対象とした強化がすでに今年からスタートしていますが、ほとんどの人には影響ありません。今回の話はそれとは別の、社会保険料に関する改正の話です。

📝 このセクションのまとめ

  • 経済財政諮問会議で金融所得を社会保険料に反映する議論が再燃
  • 所得税・住民税の金融所得課税強化(超富裕層向け)は今年スタート済み
  • 今回の焦点は「社会保険料(国民健康保険料)」への反映

増大する医療費と現役世代の重い負担

この改正の背景には、少子高齢化に伴う医療費の急増があります。国民医療費はなんと40兆円超に達し、GDPに対する比率も10%近くに迫っています。

現在の医療費の自己負担割合は年齢によって異なります。

対象年齢自己負担割合備考
6歳〜69歳(現役世代)3割負担最も重い負担
70歳〜74歳2割負担
75歳以上(後期高齢者)1割負担現役並み所得者は3割

医療費が最もかかっている高齢者世代の自己負担は軽く、その大部分を現役世代が負担しているという構造になっています。今回の改正には、現役世代の負担を緩和するという狙いもありそうです。

📝 このセクションのまとめ

  • 国民医療費は40兆円超、GDPの約10%に到達
  • 医療費の大部分は現役世代が負担している構造
  • 改正の狙いの一つは現役世代の負担軽減

株式投資の口座の種類と確定申告の関係

社会保険料の話を理解するうえで、まず株式投資の口座の種類と確定申告の仕組みを整理しておきましょう。

口座の種類税金計算税金徴収確定申告
一般口座自分で行う自分で行う必須
特定口座(源泉徴収なし)証券会社が行う自分で行う必要
特定口座(源泉徴収あり)証券会社が行う証券会社が代行不要(任意)
NISA口座非課税なし不要

特定口座(源泉徴収あり)を選択すると、所得税・住民税合わせて20.315%の税金が証券会社によって自動的に徴収され、確定申告をしなくてもよい最も利便性の高い口座です。

📌 確定申告をあえて選ぶケースとは?

特定口座(源泉徴収あり)でも、確定申告をした方がお得になるケースがあります。例えば、A口座で大きな損失、B口座で利益が出ている場合、確定申告することで損益を通算でき、B口座で徴収された税金の還付を受けることができます。このように、確定申告することが有利な方はあえて申告を選ぶケースが多くあります。

一方、所得水準が非常に高い方(年収数千万円規模)は、金融所得について確定申告しないことを選べば20%の税金徴収だけで済むというメリットもあります。このように確定申告するかしないかは、ケースバイケースで複雑な判断が必要です。

📝 このセクションのまとめ

  • 特定口座(源泉徴収あり)は確定申告不要で最も利便性が高い
  • 複数口座の損益通算など、確定申告した方が有利なケースもある
  • 確定申告するかしないかは個人の状況によって異なる

確定申告の有無で国民健康保険料が大きく変わる「不公平」の実態

ここが今回の改正の核心です。確定申告をするかしないかによって、国民健康保険料の金額が大きく変わってしまうという不公平が生じています。

健康保険の種類によって、金融所得の扱いは以下のように異なります。

加入している保険対象者確定申告した場合の影響
健康保険(社会保険)会社員・会社経営者社会保険料の対象外(月給で決まるため)
国民健康保険個人事業主・年金受給者・後期高齢者(75歳以上)社会保険料の対象になる

つまり、国民健康保険の加入者が確定申告をすると、金融所得が保険料の算定に反映されてしまいます。一方、確定申告をしなければ保険料の対象外になります。

⚠️ 注意

同じ金融所得(株の売却益・配当など)があっても、確定申告をするかしないかで国民健康保険料が変わるという不公平な状況が生じています。これが今回の改正で是正されようとしている問題の本質です。

📝 このセクションのまとめ

  • 会社員・会社経営者の健康保険料は月給で決まるため金融所得は無関係
  • 国民健康保険加入者(個人事業主・年金受給者・後期高齢者)は確定申告すると金融所得が保険料に反映される
  • 確定申告の有無で保険料が変わるという不公平が今回の改正の発端

よくある誤解①:NISAも社会保険料の対象になるの?

この改正に関して非常に多い誤解の1つ目が、「NISAも社会保険料の対象になるのでは?」というものです。

📌 ポイント:NISAは対象外です

自民党の公式ページでも、「NISAについて金融所得として保険料賦課の対象に含まれるのではないかとの誤解が一部にあり、国会でも取り上げられた」と明記されています。しかし、今回の議論の根本は「確定申告義務による不公平の是正」を目的としており、NISAはそもそも議論の対象外であることが確認されています。

NISAは「少額投資非課税制度」として、税金も社会保険料も何もかからない超優遇された制度です。全国民の投資を活性化させるための制度であるため、これに税金や社会保険をかけることはあり得ません。

ただし、将来的にNISA制度そのものが廃止・縮小される可能性はゼロではありませんが、現状ではほぼ心配不要と考えてよいでしょう。

📝 このセクションのまとめ

  • NISAは今回の議論の対象外であることが公式に確認されている
  • NISAに社会保険料がかかるという情報は誤解
  • NISA口座への投資は引き続き有効な節税・節保険料対策

よくある誤解②:現役世代の個人事業主・会社員も全員対象?

2つ目の誤解は、「株式投資について確定申告を選択した個人事業主や会社員も全員対象になるのでは?」というものです。

現時点での議論では、主なターゲットは金融所得がある高齢者層となる見込みです。具体的には、年金受給者や後期高齢者(75歳以上)で、確定申告をしていないために金融所得が保険料に反映されていない方が対象になりそうです。

⚠️ 注意:将来的な拡大の可能性

現時点では高齢者が対象となりそうですが、将来的に対象年齢が引き下げられ、現役世代の個人事業主・フリーランスも対象になる可能性はゼロではありません。この点は今後も注視が必要です。

📝 このセクションのまとめ

  • 今回の改正ターゲットは主に金融所得がある高齢者(年金受給者・後期高齢者)
  • 現役世代の個人事業主・フリーランスへの波及は現時点では予定外
  • ただし将来的な拡大の可能性は否定できないため、動向を注視すること

モデルケースで見る「保険料爆増」の実態

具体的なモデルケースで、確定申告の有無による保険料の差を見てみましょう。モデルは70歳代後半・単身・年収320万円の方です。

項目パターン1:年金のみ320万円パターン2:年金270万円+株配当50万円(確定申告あり)パターン2:年金270万円+株配当50万円(確定申告なし)
窓口負担2割2割2割
介護保険の負担割合2割2割1割(格差発生)
国民健康保険料(年額)22万896円22万896円16万9,846円
介護保険料(年額)11万2,050円11万2,050円9万7,110円
合計保険料33万2,946円33万2,946円26万6,956円

パターン2で確定申告をしない場合、国民健康保険料が約5万円以上、介護保険料が約1万5,000円安くなり、合計で年間6万5,000円以上も負担が下がります。

📌 ポイント:稼ぎ方を変えると保険料が下がるという「抜け穴」

年金やサラリーなど源泉徴収されるものではなく、確定申告しないことを選べる金融所得を収入に混ぜることで、保険料負担を下げることができてしまいます。この格差が大きいため、今回の改正で是正しようとしています。

📝 このセクションのまとめ

  • 同じ年収320万円でも、金融所得50万円を確定申告しないだけで年間6万5,000円以上保険料が安くなる
  • 介護保険の負担割合も2割→1割に下がるケースがある
  • この不公平を是正するのが今回の改正の目的

今後の対策:NISAの活用とマイクロ法人の注意点

今後この改正が実現した場合、特に国民健康保険に加入している個人事業主・フリーランスの方は対策を検討する必要があるかもしれません。

まず、NISAの枠をまだ使い切っていない方はNISAを優先的に活用することが有効です。NISAは今回の議論の対象外であり、税金も社会保険料も一切かからないため、最も優先すべき投資口座といえます。

また、「マイクロ法人を作って社会保険に加入すれば国民健康保険料を回避できるのでは?」という考え方もありますが、注意が必要です。

⚠️ マイクロ法人スキームへの注意

マイクロ法人を作って社会保険に加入するスキームは、現在社会保険逃れのスキームとして「事前確定届出給与スキーム」と並んで問題視・注目されています。安易にマイクロ法人を作ればよいとは言えない状況です。まずはNISAの活用など、より安全な方法から検討することをお勧めします。

今回の改正全体を整理すると、影響を受ける人・受けない人は以下のとおりです。

対象者今回の改正の影響
会社員・会社経営者(健康保険加入)ほぼ影響なし
現役世代の個人事業主・フリーランス(国民健康保険)現時点では対象外だが将来的な拡大に注意
年金受給者・後期高齢者(国民健康保険)で金融所得あり主なターゲット。保険料が増加する可能性あり
NISA口座のみで投資している人影響なし(対象外)

📝 このセクションのまとめ

  • NISAの枠を使い切っていない人はまずNISAを優先的に活用する
  • マイクロ法人スキームは現在問題視されており安易な活用は危険
  • 会社員・会社経営者は今回の改正でほぼ影響を受けない
  • 金融資産があり確定申告をしていない高齢者層が主なターゲット

終わりに

本記事の内容は YouTubeチャンネル 税理士YouTuberチャンネル!! / ヒロ税理士 の下記動画を参考に作成しています。AIによる書き起こしを活用しているため、誤字脱字がある可能性があります。ご了承ください。
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