期首にやるべき節税対策3選|役員報酬・賞与・中古資産を税理士が解説
期首を逃すと丸1年損をする節税対策が存在します。今すぐ確認を。
期首にやるべき節税対策とは?
今回は、決算を終えた後・新年度の初めにやっておかないと損する節税対策について解説していきます。

ちょっと本屋に行ったんですけど、「先延ばし癖を直す本」みたいなのが結構ありまして。みんな同じことで悩んでるんだなと思いましたね。

そうですよね。さっとやった方がいいのに、めんどくさいからとか、後回しにしてしまうことってよくありますよね。

そうなんですよ。私たちで言うと、会社として決めなきゃいけないことをやっていなくて、期末になってから「やっとけばよかった」と焦ってやる、というパターンも結構多いんじゃないかなって。振り返ってみると多いなと思いました。

節税も計画立ててやった方がいいというのは分かってるんですけど、ついついね。期首から始めるべき節税対策って、やっぱり結構あるんですかね?

結構あるんじゃないかなと思います。例えば具体的に、役員報酬の見直し、事前確定届出給与の届け出、中古の減価償却資産の活用、これらの方法があるかなと思います。

なるほど。なので本日はこれらを1つずつ詳しく解説していこうと思います。期末でバタバタしたくないですから、よろしくお願いします。

- ① 役員報酬の見直し
- ② 事前確定届出給与の届け出
- ③ 中古の減価償却資産の活用
① 役員報酬の見直し|期首から3か月以内がタイムリミット
まず、期首にやるべき節税対策の1つ目は、役員報酬の見直しということなんですけど、役員報酬はルール通りに支給していただければ、まとまった金額が会社の損金になります。会社の利益を正確に予測して適切な役員報酬を設定することは、会社・個人での手残りを増やすことにもつながります。

これ、具体的にどういうことなんですか?

例えばですね、法人税の実効税率って高くても大体34%ぐらいになってきます。通常利益800万円以下の中小企業であれば税率がもう少し低くなってきます。
今期の利益を例えば1,500万円と予測して役員報酬を800万円に設定した場合、1,500万-800万で700万円が利益になってきます。そのため法人税の負担が下がるということですね。

なるほど。

ところが予測が外れて実際の利益が2,000万円だった場合に、2,000万-800万で1,200万円になるので、今度は法人税の中でも税率がちょっと上がっていきます。

なるほど。ざっくりこんなイメージってことですね。設定次第で手残りがだいぶ変わってきそうですね。

はい、そうなんです。これだけで税金が100万円以上違ってくるということも結構ありますので、もしコントロールできるのであれば優先して取り組んでいただきたいかなと思います。

これ、期首にやらないといけないんですか?

期首だと利益の目処が結構立ちにくかったりするんですけど、役員報酬は期首から3か月以内に設定しなくてはいけないというルールがあります。

改めて、役員報酬を経費にするルールを教えていただけますか?

承知しました。役員に対する給料が毎月一定額であれば、ちゃんと経費になることになります。これを定期同額給与と言います。
もし月ごとに役員報酬の金額を変えることができてしまったら、簡単に経営者の方で利益操作ができちゃうじゃないですか。だから国としてもそれを防ぐために入れている制度だとも言えますね。

なるほど。

そして、この報酬額は年に1回、新しい事業年度が始まってから3か月以内であれば変更できます。この3か月の間に変更しなければ、前年と同額で走るしかなくなってくるということですね。例えば期首が4月の場合、変更するとすると6月までに手続きをやってほしいと思います。

なるほど。だから期首に見直す必要があるんですね。

ですが、役員報酬の設定には税金面での有利・不利に加えて、会社の経営方針ですとか、役員のプライベートの事情なども様々な要素が絡んでくるので、決めるのが難しいということなんですよ。

税金面で言うとどういうことなんですか?

先ほどもお伝えしたように、法人税の実効税率って高くても大体34%ぐらいなんですね。一方で所得税は累進課税制度が取られておりますので、最大で45%ぐらいになってきます。プラスで住民税が10%かかってくるので、最大税率は55%ということになってきます。
この高い税率を払って役員報酬をもらうよりも、会社に利益を残して法人税を払った方が、税金的に有利になることが多いということですね。

確かにそうですね。でも子供の学費とか住宅ローン返済とか、個人でお金が必要な場合は、税金的に不利でも役員報酬を多めにした方がいいですよね。

はい、おっしゃる通りでございます。

人によって違うのは分かってるんですけど、目安の金額みたいなのはありますか?

そうですね。目安という意味ですと、月100万円以上はあまりお勧めしていないです。例えば役員報酬が年1,300万円以上取りますと、所得税33%・住民税10%で合計43%になってきます。そうなると法人税よりも負担が高くなってくるということですね。
これ、課税所得が900万円というところが境い目ということなんですか?

はい、そうなんです。より具体的に手取りが最大になる役員報酬額をシミュレーションしている別動画がございますので、ぜひそちらもご覧ください。

- 法人税の実効税率:最大 約34%
- 所得税+住民税の最大税率:55%(所得税45%+住民税10%)
- 課税所得 900万円 が法人税と所得税の有利・不利の境い目
- 役員報酬の変更期限:期首から3か月以内(例:4月期首なら6月末まで)
② 事前確定届出給与|役員ボーナスを経費にする方法
期首にやるべき節税対策の2つ目は、事前確定届出給与の届け出ということなんですけど、これはどういうものでしたっけ?

事前確定届出給与なんですけども、簡単に言いますと役員へのボーナスのことになります。事前に税務署に届け出をしておくことで、役員への賞与として損金算入が認められる制度のことを言います。
役員へのボーナスというのは原則として損金算入ができないものになっております。しかし、この届け出を使えば役員賞与もちゃんと認められるということなんですね。

社長とか役員のボーナスを経費にしたかったら、前もって届け出る必要があるということですね。

そうなんです。支給する手順はですね、株主総会で役員の賞与額を決議していただいて、支給日・支給額について税務署にちゃんと届け出をしてください。届け出をした通りに払う必要があるという流れになります。

これ、いつまでに届ければいいんですか?

提出期限が定められておりまして、株主総会の決議日よりも1か月以内、もしくは会計期間開始日より4か月を経過する日、そのいずれか早い日とされております。

例えば期首が4月で株主総会は6月20日にやった場合は、7月20日までに出さなきゃいけないということですか?

はい、その通りですね。

確かにこれ、期首にやるべき節税ということですね。

そうなんです。注意点もございます。支給日が1日ずれていたり、支給金額が1円でもずれたりすると全額が損金算入にならなくなってしまいますのでご注意ください。

かなりシビアということですね。

- 支給日が1日でもずれると全額損金不算入
- 支給金額が1円でもずれると全額損金不算入
- 届け出通りに支給することが絶対条件
事前確定届出給与は決算対策のオプションとしても活用できる
超シビアなルールなんですけども、この事前確定届出給与、実は売上が読みにくい場合などの決算対策としても活用ができます。

というと、どういうことでしょう?

事前確定届出給与は、届け出をしたからといって必ず支給しなければいけないものではないです。届け出と異なる額で支給しますと損金にはならないんですけども、そもそも1円も払っていないのであれば経費に入っていないんですよね。なので特にペナルティとかも発生はしないです。

なるほど。ということは、とりあえず届け出ておいて、実際に出すか出さないかは決算期の様子を見て決めるというのも可能ということなんですか?

はい、そうですね。そういった将来の選択肢として残しておくことは可能です。

いいですね。

ただし、支給しない場合は株主総会などで不支給の決議をちゃんと取ってください。支給日までに決議をしておかないと課税の対象になる可能性があります。

なるほど。そういう注意点はありそうですけれども、決算対策のオプションとしては結構使えそうですよね。

はい、そうなんです。なので、これもちゃんと期首にこの届け出をしておくということが必要ということですね。

- 期首に届け出ておけば、支給するかどうかを決算期に判断できる
- 支給しない場合は株主総会で不支給の決議が必要
- 届け出通りに支給すれば役員賞与が全額損金算入
- 届け出の期限:株主総会決議日から1か月以内、または期首から4か月以内の早い方
③ 中古の減価償却資産の活用|期首購入で最大の節税効果
最後に、中古の減価償却資産の活用なんですけど、これはどういうことですか?

例えばですね、社用車を買いたいとなった時に、社用車購入は節税の王道とも言われてはおりますけども、実は期末に買っても効果はあまり期待できないです。

どういった理由ですか?

まず減価償却というものについて説明していきます。一定額以上の資産を購入した場合は原則として一気に全額を経費計上することができなくて、耐用年数に応じて何年かに分けて経費計上していくことになります。この処理のことを減価償却と言います。

はいはい。

それぞれの資産が何年で経費にできるかどうかというのは細かく法律で決められておりまして、例えばパソコンですと4年ですとか、普通乗用車だと6年とか、こういった風に年数が決められております。

なるほど。で、この年数を法定耐用年数と言いますね。これも資産によって違うということですね。

はい、その通りなんです。

じゃあ、この中古の減価償却資産を購入するとなんで節税になるんでしょうか?

結論から言いますと、多額の減価償却費をより短い期間で計上することが可能になるからになります。例えば4年落ちの中古車であれば最短たった1年で全額経費にすることができます。

節税しつつ会社のお金で車が買えるって魅力的ですよね。

そうなんですよ。仕組みについては後ほど中古の社用車の具体例で詳しく解説していきます。

それじゃあ、この中古の減価償却資産、なぜ期首に買った方がいいんですか?

理由はつまり、年度の途中でこの減価償却資産を買った時は、初年度の減価償却費を月割りで計算していく必要があるからなんです。

はい、なるほど。

1年目で100%償却と言っても、年度の途中で買ったりすると経費に入れられるのはざっくり半分ぐらいになってしまいますね。だから決算月に買った場合は12分の1、つまり1か月分しか経費計上することができないということなんですよ。

つまり、まるまる損金に落としたかったら期首に買わないといけないということですね。

はい、そうなんです。もう少し踏み込んで正確にお伝えさせていただきますと、事業の用に供する日から償却がスタートします。要は使い始めた日ですね。なので期首に納車までされている必要があります。税務調査でもここを確認されたりするのでご注意ください。

- 年度途中で購入した場合は月割り計算が入る
- 決算月に購入した場合:12分の1(1か月分)しか計上できない
- 償却開始日は「事業の用に供した日(使い始めた日)」
- 税務調査でも使用開始日を確認されることがある
4年落ち中古車が最短1年で全額経費になる仕組み
それじゃあ、節税にお勧めの中古の減価償却資産について教えていただけますか?

はい。まずは中古の社用車ですね。節税には「4年落ちのベンツ」みたいな話をよく聞きますからね。

そうなんです。先ほどもお伝えしたように、4年落ち、正確には3年10か月落ちの中古車ですと、最短1年間で全額経費にすることができます。

それって、どういう仕組みなんですか?

ここのロジックなんですけども、4年落ちの中古の耐用年数というのは、簡便法という国が定めたルールで計算していくことになりまして、その計算結果が2年となります。
この計算結果が2年の時どうなるかというと、定率法というのを使っていくんですが、定率法の償却率が100%になっておりますので、初年度に全額経費計上できてしまうということになります。

なるほど、そういうことなんですね。

あとですね、資産価値の落ちにくい高級車などであれば、いざという時に売却ができますので、数百万円の流動資産があるのと同じ形になります。利益が出ている時に期首に購入していただいて減価償却を計上し、利益を繰り延べて、業績が落ちた時に売却することで節税効果を得るということも可能だったりします。

なるほど、そういうことなんですね。

他にも何かお勧めの中古の減価償却資産ってあるんですか?

そうですね。他にはヘリコプターのオペレーティングリースもお勧めです。

オペレーティングリースって、どういったものなんでしたっけ?

リース資産を貸し出して、期間中のリース料と最終的な売却益によって利益を得る取引のことを言います。

このヘリコプターというと高額そうなんですけど、いくらぐらいからやれるんですか?

共有持ち分として出資するんですけど、5,000万円以上から投資することが可能になります。

ちなみに、このヘリコプターは何年で減価償却できるんですか?

ヘリコプターの法定耐用年数が5年になっております。しかし中古のヘリコプターですと最短1年で償却できるものもあります。ただこちらも月割り計算が入ってくるので、12か月償却になっていきます。なので全額経費で落としたいというのであれば、期首からの利用が必要かなというところですね。

- 中古車(3年10か月落ち以上):簡便法で耐用年数2年→定率法で初年度100%償却
- ヘリコプター(オペレーティングリース):法定耐用年数5年→中古なら最短1年償却、出資額5,000万円以上
- いずれも月割り計算があるため、期首購入で最大効果
中古の減価償却資産活用の注意点2つ
この中古の減価償却資産を使った節税の注意点ってありますか?

はい、注意点が2つございます。
注意点の1つ目、中古資産を購入する前にやはり利益予測をしっかりやっておく必要があるということですね。減価償却費を多く計上すればその分の税金を抑えることができます。しかし、そもそも利益が出ていないのに多額の減価償却をしても節税効果は望めない、必要ないということになってきます。

それそうですね。なので利益予測をしっかりしておく必要がありますね。

注意点の2つ目、一時的な所得の圧縮に過ぎず、課税の繰り延べであるという点に注意が必要です。

なるほど。

中古資産を活用することで前倒しして経費計上することはできますが、払う税金の額がそもそも減るわけではないです。課税のタイミングを遅らせることによってキャッシュフローを良くして、新たな投資につなげていくというのを目的にしないといけないということですね。

はい、その通りです。

ありがとうございます。突発的に大きな利益が出て困ったといった場合や、期首からやる節税をやりたいという場合に、最新の節税商品のお問い合わせや節税方法のお問い合わせを概要欄から受け付けていますので、お気軽にご相談いただければと思います。

- ① 購入前に利益予測を必ず実施すること(利益がなければ節税効果なし)
- ② あくまで課税の繰り延べであり、払う税金の総額が減るわけではない
- ① 役員報酬の見直し:期首から3か月以内に変更。課税所得900万円が法人税と所得税の境い目。設定次第で税金が100万円以上変わることも。
- ② 事前確定届出給与の届け出:役員賞与を損金算入するための届け出。支給するかどうかは決算期の業績を見て判断可能。ただし日付・金額は1円・1日のズレも厳禁。
- ③ 中古の減価償却資産の活用:4年落ち中古車なら最短1年で全額経費化。月割り計算があるため期首購入が鉄則。課税の繰り延べ目的で活用する。
終わりに
本記事の内容は YouTubeチャンネル 社長の資産防衛ch の下記動画を参考に作成しています。AIによる書き起こしを活用しているため、誤字脱字がある可能性があります。ご了承ください。本サイトは 社長の資産防衛chを応援しています!
