節税対策

固定資産税が最大3分の1に!先端設備導入計画の特例を税理士が解説

固定資産税が最大3分の1に!先端設備導入計画の特例を税理士が解説
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設備投資をした中小企業が申請するだけで固定資産税が最大5年間・3分の1になる特例があります。申請しないと完全に損をする制度なので、ぜひ内容を確認してください。

そもそも固定資産税(償却資産税)とは?

固定資産税というと土地・家屋にかかるイメージが強いですが、ビジネスをしている方には事業用の資産にも固定資産税がかかります。具体的には、店舗・工場の内装設備、機械設備、会社の備品などが対象です。これらは「償却資産」と呼ばれ、土地・建物とは区別して課税されます。今回の記事でいう「固定資産税」は、正確にはこの償却資産税のことを指しています。

固定資産税は市区町村に納める地方税です。土地・建物以外のビジネスで使っている資産が対象になります。

📌 固定資産税(償却資産税)の計算式

課税標準額 × 税率(原則1.4%) = 固定資産税額

税率は原則1.4%です。必要に応じて自治体が異なる税率を設定することもできますが、基本的にビジネスをしている場合は1.4%になります。

課税標準額は、皆さんが保有する機械・部品・設備それぞれについて、取得価格と耐用年数をもとに自治体が毎年評価額を決定し、その合計額です。例えば30万円で購入したエアコンの評価額が初年度25万円、翌年20万円というように、年々下がっていくイメージです。

📌 非課税になるケース

課税標準額の合計が150万円未満の場合は非課税となります。

📝 このセクションのまとめ

  • 事業用の機械・設備・備品にも固定資産税(償却資産税)がかかる
  • 税率は原則1.4%、課税標準額は毎年自治体が評価して決定する
  • 課税標準額が150万円未満なら非課税

固定資産税が3分の1になる特例の概要

今回ご紹介するのは、中小企業の投資促進・賃上げを後押しするために設けられた固定資産税の特例措置です。適用されると、固定資産税の課税標準額が最大3分の1に減額されます。課税標準額が3分の1になるということは、税額も3分の1になるということです。

この特例を受けるには、「先端設備導入計画」を作成して市区町村に提出し、認定を受ける必要があります。

📌 軽減の幅は「賃上げ方針の有無」で変わる

認定を受けた場合の軽減内容は以下の2段階に分かれています。

条件軽減期間課税標準額の軽減
先端設備導入計画の認定のみ3年間2分の1に軽減
認定 + 計画に賃上げ方針の記載あり最長5年間3分の1に軽減

賃上げとは、従業員全体の給与が1.5%以上増加することを意味します。賃上げを計画に盛り込むことで、軽減の幅が2分の1から3分の1へ大きくなり、期間も3年から最長5年へ延長されます。

📝 このセクションのまとめ

  • 先端設備導入計画の認定を受けると課税標準額が3年間・2分の1に軽減
  • 賃上げ方針(給与1.5%以上増加)を計画に盛り込むと最長5年間・3分の1に拡充
  • 課税標準額が下がれば、税額もその割合で下がる

先端設備導入計画とは?認定要件と対象設備

先端設備導入計画とは、中小企業が設備投資を通じて労働生産性の向上を目指すための計画です。この計画が認定されることで、固定資産税の特例のほか、金融支援なども受けられるようになります。

計画が認定されるための主な要件は以下の通りです。

  • 労働生産性が平均3%以上向上する見込みがあること
  • 市区町村が策定する「導入促進基本計画」に沿った内容であること
  • 基本方針および導入促進計画に適合するものであること
  • 先端設備の導入が円滑かつ確実に実施されると見込まれること
  • 認定経営革新等支援機関(商工会議所・会計事務所など)による事前確認を受けた計画であること

対象となる設備には最低取得価格の要件があります。

設備の種類最低取得価格
機械装置160万円以上
測定工具・検査器具30万円以上
器具・備品30万円以上
建物附属設備(内装・水道工事・電気工事など)60万円以上

業種によっては高額な設備に限定されると感じるかもしれませんが、工場や製造業など設備投資の多い業種では十分に活用できる水準です。

📌 対象となる中小企業の定義(例:サービス業)

資本金5,000万円以下、または常時使用する従業員数100人以下であれば対象になります。業種によって基準が異なりますので、詳細は自治体のホームページでご確認ください。

📝 このセクションのまとめ

  • 労働生産性が平均3%以上向上する計画であることが必要
  • 機械装置は160万円以上、器具備品・測定工具は30万円以上など取得価格の下限あり
  • 認定経営革新等支援機関の事前確認が必須

申請の流れと適用期間

固定資産税を3分の1に軽減する(賃上げ方針あり)場合の申請の流れは以下の通りです。

  1. 賃上げ方針を作成・計画に記載する
  2. 従業員に賃上げ方針を表明し、従業員が表明を受けたことを確認する
  3. 市区町村に計画を申請し、賃上げ方針に同意したことを証明する署名を添付する
  4. 自治体から計画の認定を受ける
  5. 認定後に対象設備を取得する

特例の適用対象となる設備取得期間は、令和7年(2025年)3月31日までです。ただし、取得時期によって適用期間が異なります。

設備取得の時期特例の適用期間
令和6年(2024年)3月31日まで5年間
令和7年(2025年)3月31日まで4年間

最長5年間の適用を受けたい場合は、2024年3月31日までに設備を取得する必要があります。計画の作成・申請・認定には一定の時間がかかるため、早めに動き出すことが重要です。

📝 このセクションのまとめ

  • 賃上げ方針の作成→従業員への表明→市区町村への申請→認定→設備取得の順で進める
  • 2024年3月31日までの取得なら適用期間5年、2025年3月31日までなら4年
  • 長い適用期間を狙うなら早期に動くことが重要

節税シミュレーション:実際いくら得するのか?

実際にどれくらいの節税効果があるのか、具体的な数字でシミュレーションしてみましょう。固定資産税の計算式は「課税標準額 × 1.4%」です。

課税標準額通常の固定資産税特例適用後(3分の1)節税額
1,200万円168,000円56,000円約112,000円
110万円29,400円9,800円約19,600円

課税標準額が1,200万円の場合、年間で約11万円の節税になります。5年間適用されれば累計で約56万円のキャッシュフロー改善につながります。

一方、課税標準額が110万円程度の場合、節税額は年間約2万円にとどまります。計画を作成し、申請・認定を受けるための手間や時間を考えると、メリットが小さいと感じる場合もあります

📌 この制度が特に効果的な業種・ケース

  • 工場など固定資産を多く保有している業種
  • 製造業・建設業など機械設備が多い業種
  • 大規模な設備投資を予定している企業

反対に、固定資産が少ない・金額が小さいという場合は軽減額も少なくなるため、申請の手間とメリットを比較して判断することをおすすめします。

申請を検討する際は、顧問の税理士・会計士に償却資産税の申告書を見せてもらい、課税標準額を確認してから判断するのがおすすめです。申告書には課税標準額が記載されており、節税効果の試算が可能です。

📝 このセクションのまとめ

  • 課税標準額1,200万円なら年間約11万円、5年で約56万円の節税効果
  • 課税標準額が小さい場合は節税額も少なく、手間対効果を要検討
  • まず償却資産税の申告書で課税標準額を確認することが先決

申請前に必ず確認!3つの注意点

この制度を利用する際によく質問を受ける注意点が3つあります。事前にしっかり把握しておきましょう。

⚠️ 注意①:中古資産は対象外

この特例はあくまで新品の設備に限られます。コストを抑えようと中古設備を購入しても、特例の適用を受けることができません。

⚠️ 注意②:自治体の認定を受けてから設備を取得する

設備の取得は、必ず自治体から計画の認定を受けた後に行ってください。先に業者から購入してしまうと、特例の適用を受けることができません。申請後すぐに購入してしまうケースも同様にNGです。「認定→取得」の順番を必ず守ってください。

⚠️ 注意③:設備の「導入先」の自治体が導入促進基本計画を策定していること

市区町村とのやり取りが必要ですが、確認すべきなのは会社の住所がある自治体ではなく、設備を導入する地域の自治体が導入促進基本計画を策定しているかどうかです。導入先の地域の自治体ホームページで確認してください。

探し方としては、「先端設備導入計画 ○○市」「固定資産税軽減 ○○市」などで検索するとヒットします。

📝 このセクションのまとめ

  • 中古資産は対象外。必ず新品の設備であること
  • 設備取得は自治体の認定後に行うこと(先に買うとNG)
  • 設備の導入先の自治体が導入促進基本計画を策定しているか事前確認が必須

新制度で要件が緩和!工業会の証明書が不要に

今回の新制度(令和5年度税制改正)では、要件が一部緩和されました。もともとの制度では、工業会から「生産性向上要件を満たす設備である」ことを証明する証明書の発行を受けることが必要でした。しかし、新制度ではこの証明書が不要となりました。

手間が一つ減ったことになります。以前の制度に比べて申請しやすくなっているため、活用のチャンスが広がっています。

📌 以前の制度との比較

なお、以前の制度では固定資産税がゼロになるものでした。今回の新制度は「3分の1」への軽減であり、条件が厳しくなった面もあります。ただし、税制優遇自体は継続されているため、使えるのであれば積極的に活用することでキャッシュフローの改善につながります。

📝 このセクションのまとめ

  • 新制度では工業会の証明書が不要となり、申請の手間が軽減された
  • 以前の制度は固定資産税ゼロだったが、新制度は3分の1軽減に変更
  • 使える制度であれば積極的に活用してキャッシュフローを改善しよう

同時に延長された中小企業向け2つの税制優遇も確認しよう

令和5年度の税制改正では、この固定資産税の特例と同時に、中小企業にとって重要な2つの税制が2年間延長されました。適用期限はいずれも令和6年度末(2025年3月31日)までです。

制度名内容
中小企業経営強化税制設備投資に対して即時償却(全額一括で減価償却)または税額控除(法人税の10%など)のいずれかを選択適用できる
中小企業投資促進税制設備投資を行った場合に30%の特別償却または7%の税額控除を受けられる

これらの制度はそれぞれ対象設備が定められています。設備投資を検討している中小企業の方は、固定資産税の特例と合わせてこれらの制度も活用することで、より大きな節税効果を得られます。

📌 顧問税理士が知らないケースも

固定資産税の軽減制度は、顧問の税理士・会計士でも知らないことや、対応経験がないケースが少なくありません。自ら情報を収集し、顧問の先生に相談・確認することをおすすめします。また、償却資産税の申告書を確認することで、自社の課税標準額を把握し、節税効果を事前に試算することができます。

📝 このセクションのまとめ

  • 中小企業経営強化税制(即時償却または税額控除)が2025年3月31日まで延長
  • 中小企業投資促進税制(30%特別償却または7%税額控除)も同様に延長
  • 固定資産税の特例と組み合わせることで節税効果が最大化できる

終わりに

本記事の内容は YouTubeチャンネル 社長の資産防衛チャンネル の下記動画を参考に作成しています。AIによる書き起こしを活用しているため、誤字脱字がある可能性があります。ご了承ください。
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