固定資産税を安くする方法7選!税理士が解説する減免制度と2023年新制度
毎年届く固定資産税の納税通知書、実は安くできる方法が7つあります。
固定資産税・都市計画税の超基本
固定資産税を安くする方法についてお話しする前に、まず基本をおさらいします。固定資産税と、だいたい同時に払うことになる都市計画税は、土地や建物にかかる税金です。
毎年5月か6月に納税通知書が届き、年4回(6月・9月・12月・2月)に分割して納付することになります。
では一体いくら納付するのか。納税通知書や課税明細書に詳しく載っていますが、まず役所が決めた固定資産税評価額という価格があります。これは土地・建物それぞれ1個ずつに金額が決められています。
| 種別 | 固定資産税評価額の目安 | 具体例(動画内) |
|---|---|---|
| 土地 | 時価(普通に取引される価格)の約7割 | 時価約6,000万円 → 評価額約3,300万円 |
| 建物 | 請負工事金額(工事代金)の約5〜6割 | 工事代金約1,800万円 → 評価額約426万円(築12年木造) |
この固定資産税評価額から、いくつかの計算を経て課税標準額が決まります。この課税標準額に対して、以下の税率がかかります。
| 税金の種類 | 税率 |
|---|---|
| 固定資産税 | 1.4% |
| 都市計画税 | 0.3% |
動画内で挙げた具体例では、土地の固定資産税評価額が約3,300万円でも、課税標準額は固定資産税分が492万円、都市計画税分が984万円まで下がっており、合計納税額は約3,500円になっています。建物については固定資産税評価額と課税標準額がほぼ同額の426万円で、納税額は7万2,300円です。
📌 固定資産税の歴史的な背景
固定資産税の土地部分はもともと「地租」、建物部分は「家屋税」という名前でした。戦後に「固定資産税」と名称が変わりましたが、元々は「田んぼや畑から収穫できるのだから税金をかけよう」「立派なお屋敷があるなら払えるだろう」という考え方が大元でした。現在は、その土地が儲かろうが儲からなかろうが税金がかかる制度になっています。
📝 このセクションのまとめ
- 固定資産税・都市計画税は土地・建物にかかる税金で、年4回に分けて納付する
- 土地の評価額は時価の約7割、建物は工事代金の約5〜6割が目安
- 課税標準額に対して固定資産税1.4%、都市計画税0.3%がかかる
日本を悩ませる固定資産税と空き家・シャッター商店街問題
固定資産税評価額から課税標準額への「なんだかんだ」の部分には、実は重要な減額制度が含まれています。その代表が小規模住宅用地の特例です。
📌 小規模住宅用地の特例とは
200㎡以下の住宅用地については、固定資産税は1/6、都市計画税は1/3に下げますよという制度です。つまり、住宅が建っている土地の固定資産税が10万円だとしたら、更地にした途端に1/6の特例がなくなり、6倍の60万円になります。
この特例が、日本全国で起きている空き家問題の根本原因の一つになっています。小規模住宅用地の特例は、空き家であっても基本的に適用されます。つまり、ボロボロの空き家でも固定資産税は10万円のまま。更地にすると固定資産税が6倍になるので、「空き家のままほっとこう」という判断が合理的になってしまうのです。
シャッター商店街問題も根っこは同じです。店舗付き住宅は住宅部分が1/2以上あればこの特例が使えます。つまり、1階が店舗・2階が住宅という建物の場合、お店を閉めても2階に住み続ける限り特例が適用されます。更地にして駐車場などに転用すれば固定資産税が6倍になるため、シャッターを閉めたまま住み続ける方が税金的に得という悪循環が生まれています。
こうした問題に対して、政府も新しいルールを作っています。
| 制度名 | 内容 | 状況 |
|---|---|---|
| 特定空き家 | 倒壊の危険がある空き家は1/6特例を適用せず、固定資産税を通常額(6倍)に戻す | 既に制度化済み。ただしあまり活用されていない |
| 管理不全空き家 | 倒壊の危険がなくても、壁の亀裂・窓割れなどがある無人の空き家は1/6減免を使えなくする | 新たに発表。今後増加が見込まれる |
| 空き家税(京都市) | 住んでいない住宅(空き家・別荘)で住民票がない場合、建物に追加の税金をかける | 2026年以降に実施予定 |
京都市の空き家税の税率は、課税標準額に対して家屋8割として0.7%、立地・床面積割で0.15%〜0.6%となっており、通常の固定資産税並みの税金がかかります。京都市でうまくいけば、全国に普及する可能性もあると言われています。
📝 このセクションのまとめ
- 小規模住宅用地の特例(200㎡以下)で固定資産税1/6・都市計画税1/3になる
- 更地にすると特例がなくなり固定資産税が6倍になるため、空き家・シャッター商店街が増える悪循環が生じている
- 特定空き家・管理不全空き家・空き家税(京都市)など、空き家への課税強化が進んでいる
【方法1】納税通知書を確認して誤りを正す
固定資産税を安くする方法の1つ目は、納税通知書の確認です。「役所が間違えるわけがない」と思う方もいるかもしれませんが、実際にはしょっちゅう間違いのニュースが流れています。毎年届く納税通知書は、必ずチェックするようにしましょう。
特に確認すべきポイントは以下のとおりです。
- 小規模住宅用地の特例が適用されているか(自宅に住んでいる方は固定資産税1/6・都市計画税1/3になっているか)
- 各自治体独自の減額制度が適用されているか(適用欄に記載があるか確認)
- 新築戸建ての場合:最初の3年間は固定資産税が1/2になっているか
- 新築マンションの場合:最初の5年間は固定資産税が1/2になっているか
- 土地の面積が正しいか
- 私道(道路部分)が適切に減額されているか(普通に課税されていないか)
- 土地の種目(地目)が正しいか
- 建物の構造(木造・鉄骨造・鉄骨鉄筋コンクリート造など)が正しいか
⚠️ 注意
建物の構造は特に重要です。本当は木造なのに鉄骨造と記載されていると、固定資産税が高くなってしまっています。必ず実態と一致しているか確認してください。
ちなみに、建物の構造に関連して有名な話があります。プロ野球・西武の本拠地として所沢にある西武ドーム(ベルーナドーム)は、元々あった球場の上に屋根をかぶせただけで横の壁がありません。夏は暑く冬は寒い構造ですが、これは固定資産税を安くするためだったという噂があります。
屋根を足しただけなら固定資産税は安いのですが、普通のドーム球場のように横の壁もあれば「家屋・建物」として固定資産税が跳ね上がります。そのため西武は屋根だけにしたとも言われていますが、完成後に税務当局がチェックした際に「これは実質建物ですよね」と判断され、結局建物として固定資産税を払っているという話があります。それほど固定資産税は判断が難しく、人によって解釈が異なる場面があるのです。
📝 このセクションのまとめ
- 役所の課税計算は間違っていることがある。毎年届く納税通知書は必ず確認する
- 新築戸建ては3年間・新築マンションは5年間、固定資産税が1/2になる特例を確認する
- 建物の構造(木造・鉄骨造など)の記載ミスは固定資産税の過払いに直結する
【方法2・3】納税方法の工夫と新築・増築時の注意点
方法2:納税方法を工夫する
固定資産税は各市区町村によって納税方法が異なりますが、2023年4月から「地方税お支払いサイト」が新たにスタートしました。このサイトを経由すると、クレジットカード納付はもちろん、QRコードを使ってPayPayやau Payで納付することもできます。場合によってはポイントが付く可能性もあります。
📌 楽天ペイでの納税
楽天ペイの場合、楽天カードからのチャージでポイントが付き、そのポイントを納税に充てることができます。どのサービスでポイントが付くかの詳細は、ポイント系のYouTuberやブロガーの情報を参照してください。
方法3:新築・増築の際に固定資産税評価額が上がるものを避ける
家を新築または増築する際に、以下のような設備・仕様を選ぶと固定資産税評価額が上がりやすいため、注意が必要です。
- 床暖房の設置
- ホームエレベーターの設置
- 外壁をタイルや漆喰にすること
- ソーラーパネル一体型の屋根の設置
これらを避けることで固定資産税評価額を抑えられる可能性があります。ただし、この分野は住宅系の専門家が詳しいため、住宅系YouTuberの動画なども参照してみてください。
📝 このセクションのまとめ
- 2023年4月から「地方税お支払いサイト」がスタートし、PayPay・au Pay・クレジットカードなどで納税できるようになった
- 楽天ペイは楽天カードチャージのポイントを納税に充てられる
- 新築・増築時に床暖房・ホームエレベーター・タイル外壁・一体型ソーラーパネルを避けると固定資産税評価額が上がりにくい
【方法4・5】リフォーム減額と分筆の活用
方法4:リフォーム(改修工事)で固定資産税を減額する
改修工事・リフォームの際に、以下の基準を満たすと固定資産税が1/2になったり免除されたりする市区町村が結構あります。
- 耐震基準を満たすリフォーム
- バリアフリー基準を満たすリフォーム
- 省エネ基準を満たすリフォーム
お住まいの市区町村のホームページや窓口で確認してみてください。
方法5:分筆(土地の分割)を検討する
分筆とは、登記簿上で土地を分割することです。一つの広い土地を分けることで、接している道路の状況によって固定資産税が安くなるケースがあります。
⚠️ 注意
分筆には測量費用・登記費用が相当かかります。相続のタイミングで分筆するのはやむを得ないケースもありますが、固定資産税を下げるためだけに分筆するのはコスパが悪いことが多いです。費用対効果をしっかり確認してから検討してください。
📝 このセクションのまとめ
- 耐震・バリアフリー・省エネ基準を満たすリフォームで固定資産税が1/2になる制度が多くの市区町村にある
- 分筆(土地の分割)で固定資産税が安くなる場合があるが、測量・登記費用がかかるため費用対効果の確認が必要
【方法6・7】いらない土地の手放し方と2023年4月スタートの新制度
自分が住んでいない土地や建物を持っている場合、固定資産税だけが毎年かかり続けます。田舎に広い田んぼや山がある、親戚の相続で離島の広い土地があるといったケースは珍しくありません。
方法6:市区町村への寄贈を検討する(ただし難しい)
いらない土地を市区町村に寄贈しようと考える方も多いですが、これはほぼ不可能です。めっちゃ広くて公園になるとか、広い道路に面していて活用できそうな土地であれば受け取ることもありますが、基本的には受け取ってもらえません。自分がいらない土地は役所にとってもいらない土地、ということです。固定資産税だけはかかるという矛盾した状況になってしまいます。
方法7:相続土地国庫帰属制度を活用する(2023年4月27日スタート)
この市区町村への寄贈ができないという問題を解決しそうな新制度が、2023年4月27日からスタートした「相続土地国庫帰属制度」です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象土地 | 過去に相続した土地でもOK(現在更地であることが条件) |
| 引き取り対象 | 宅地・田畑・森林・雑種地・原野など幅広い |
| 負担金 | 原則1つの土地につき20万円を国に支払う |
| 審査手数料 | 一筆(登記簿上の1つの土地)につき14,000円 |
| 注意点 | 国が「買ってくれる」のではなく「引き取ってくれる」制度 |
ただし、以下に該当する土地は引き取ってもらえません。
- 崖がある土地
- 担保権(抵当権など)が設定されている土地
- ゴミが大量に置かれている土地
- 隣地との境界線について争いがある土地
つまり、使い道のない空き家があってどこにも売れないという場合、建物を自分で解体して更地にした上で、20万円ほど払って法務局に申請すれば国が引き取ってくれるという制度です。
📌 2024年スタート:相続登記申請の義務化
相続土地国庫帰属制度に連動して、2024年から相続登記申請の義務化もスタートします。過去の相続も含めて、土地をもらったのに登記していない場合は最高10万円以下の過料が課されます。現在、相続のどさくさで登記されていない土地が日本中に山ほどあるため、これを解消しようという制度です。
法務局としては、「お金を払って国に手放すか、登記して自分で管理するか」という二択に進みそうな方向性です。
⚠️ 注意
すでに空き家・空き地を相続している方、将来的に相続する可能性がある方は、相続土地国庫帰属制度と相続登記申請の義務化について早めに確認しておくことをおすすめします。
📝 このセクションのまとめ
- いらない土地を市区町村に寄贈するのはほぼ不可能
- 2023年4月27日スタートの「相続土地国庫帰属制度」で、更地にした土地を20万円(+審査手数料14,000円)で国に手放せるようになった
- 2024年からは相続登記申請が義務化され、未登記の場合は最高10万円以下の過料が課される
終わりに
本記事の内容は YouTubeチャンネル オタク会計士ch【山田真哉】 の下記動画を参考に作成しています。AIによる書き起こしを活用しているため、誤字脱字がある可能性があります。ご了承ください。本サイトは オタク会計士ch【山田真哉】を応援しています!
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