節税対策

経費の線引きはこれだけでOK!フリーランスの税理士が解説する正しい経費の考え方

経費の線引きはこれだけでOK!フリーランスの税理士が解説する正しい経費の考え方
e_zeirishi

「これって経費になるの?」その迷いを一本の軸で即解決する方法を解説します。

この記事で分かること

今日のテーマは経費の線引きです。フリーランスや個人事業主にとって、「あれって経費なのかな?これって経費なのかな?」と迷う時間は、事業に集中すべき貴重な時間を奪っています。

この記事では、経費の線引きをズバッと解決して事業に集中できるようになるための考え方をお伝えします。ただし、経費をたくさん詰め込んで節税しまくろうという話ではありません。自分の中に軸を1本通して、素早く経費の線引きができるようになることが目的です。

この記事で確認する内容は以下の3点です。

  1. 経費とは何か
  2. 経費の線引きの考え方
  3. 領収書の金銭的価値

📝 このセクションのまとめ

  • 経費の線引きに迷う時間を節約することがゴール
  • 「節税しまくる」ではなく「正しい軸を持つ」ことが重要
  • 経費の概念・線引き・領収書の価値の3点を確認する

そもそも経費とは何か?

簡単に言ってしまうと、事業主や会社がお金を支払う(支出をする)際に、ビジネスに関係があるかどうかで経費かどうかが決まります。関係があれば経費、関係なければ経費にならない。これが大前提です。

ただし、この国には会社員・公務員という働き方と個人事業主という働き方があり、この2つでは「経費」という言葉の感覚が全然違います。

項目会社員・公務員個人事業主・フリーランス
経費のイメージ経費精算(立替→返金)自分の懐から出ていくだけ
誰の経費か会社の経費自分自身の経費
お金の動き1,000円払う→1,000円戻る1,000円払う→誰も精算してくれない
節税効果なし(立替に過ぎない)支出×自分の税率分だけ税金が安くなる

会社員が経費精算をするとき、例えば営業で交通費を払っても会社が精算してくれますよね。これは会社の経費を立替えているに過ぎないのです。1,000円払っても1,000円戻ってくる、つまりお金の動きはプラスマイナスゼロです。

⚠️ 注意

「領収書をもらっておけば1万円戻ってくる」というのは大きな勘違いです。個人事業主・フリーランスの経費は自分の懐から出ていくだけで、誰も精算してくれません。

📝 このセクションのまとめ

  • 経費とは「ビジネスに関係ある支出かどうか」で決まる
  • 会社員の経費精算は「会社の経費の立替」であり、個人事業主の経費とは全く別物
  • 個人事業主の経費は自分の懐から出ていくだけで、精算されない

個人事業主・フリーランスの所得税の仕組み

個人事業主・フリーランスの税金の仕組みを改めて確認しましょう。所得税の計算は以下の流れです。

  1. 売上(収入)がある
  2. 経費を差し引く
  3. 各種所得控除・青色申告特別控除などを差し引く
  4. 最後に残った金額(課税所得)に税率をかける
  5. 税金が確定する

つまり、経費が増えれば増えるほど税金は圧縮されるわけです。ただし、会社員が経費精算するような感覚ではありません。

📌 ポイント

1万円の経費が増えると、利益が1万円減ります。税金は「利益×税率」で計算されるため、税金が安くなる金額は「経費の金額×自分の税率」です。1万円の領収書で1万円が戻ってくることは絶対にありません。

例えば、所得税45%+住民税10%+事業税5%=合計60%の税率だったとしても、1万円の領収書の節税効果は6,000円に過ぎません。これが「領収書の価値」という考え方です。

📝 このセクションのまとめ

  • 所得税は「売上-経費-各種控除」の残りに税率をかけて計算する
  • 経費が増えるほど節税になるが、経費の金額がそのまま戻るわけではない
  • 節税額は「経費の金額×自分の税率」で計算できる

経費の線引きは「自分の心」が決める

本題の経費の線引きに入りましょう。結論はシンプルです。

📌 経費の線引きの大原則

あなたが行っているビジネス・事業・仕事に関係がある支出は、全部経費です。
そしてその判断は、最終的に「自分の心」が決めるものです。

インターネットで調べると、「これは経費になる」「これは経費にならない」といった情報がたくさん出てきます。先輩フリーランスがアドバイスをくれることもあるでしょう。しかし、それらはあまり当てにしない方がいいです。

参考にできる信頼性の高い情報源は以下に限られます。

  • 税理士などの専門家の発信
  • 税理士事務所の公式ホームページ
  • 国税庁のホームページ

ただし、最終的には事業主が自分で判断することが最も重要です。

税務調査で問われるのは「説明できるか」どうか

少し遠回りして説明します。確定申告書を提出する際、その時点では中身はチェックされません。数年後に、個人事業主の場合は約1%の確率で税務調査が行われます。その際に「これって経費ですか?」と聞かれるわけです。

例えば、スポーツジムの会費。インターネットで調べると「経費になりづらい」と書いてあることが多いです。しかし、パーソナルトレーナーとして日々の運動についてYouTubeで発信しているという場合はどうでしょうか。自分の仕事に関係があるので、経費になると考えられます。

税務調査での議論の構図はこうなります。

税務調査官の強み事業主の強み
税金・法律の知識自分の仕事の内容
「一般的にはこれは経費にならない」という論理「自分の仕事にはこういう関係がある」という説明

税務調査官は税金や法律には詳しいですが、あなたの仕事についてはあなたが世界一詳しいはずです。「一般的にはこれは経費にならない」という話に対して、「でも自分の仕事に関係があります」とはっきり言えるかどうか。ここが重要な線引きになります。

📌 経費を経費として認めてもらうための2つの条件

  • 後ろめたい気持ちがないこと:「仕事っぽいけど微妙かな」と感じるものは外す
  • 自信を持って説明できること:「誰が何と言おうと、自分の仕事に関係がある」と言い切れるもの

インターネット上に「一般的には経費にならない」と書かれていても、自信を持って経費に入れ、税務調査のときに自信を持って説明できれば、そう簡単には覆りません。

⚠️ 注意

何でもOKというわけではありません。最終ジャッジをするのは税務署です。少しでも後ろめたい気持ちがあったり、適当に考えて入れてしまったものは、税務調査官にしっかり見抜かれます。自分でしっかり考えて、自信を持って説明できるものだけを経費にしましょう。

経費の線引きを素早くするために重要なことは、自分の仕事とはどういうものかをしっかり考えておき、どんな支出がそれに対応するかも考えておくことです。一本の軸を持っておくことで、素早く経費の線引きができ、時間の節約ができ、節税もでき、事業が加速していきます。

📝 このセクションのまとめ

  • 経費の線引きは「自分の仕事に関係があるか」が大原則
  • 「後ろめたい気持ちがない」「自信を持って説明できる」ものが経費になる
  • 税務調査では自分の仕事の説明力が武器になる
  • 最終ジャッジは税務署。適当に入れた経費は見抜かれる

領収書の金銭的価値を数値化する

領収書の価値を数値化してみましょう。重要な概念は税率累進課税の計算方式です。

📌 領収書の価値の計算式

領収書の金額 × 自分の税率 = 節税額(領収書の価値)

例:税率15%の場合、1万円の領収書の価値は 1,500円

個人にかかる税金の種類と税率は以下の通りです。

税金の種類税率備考
住民税一律10%住む場所によって変わるという都市伝説は嘘
事業税0〜5%所得290万円以下は免税点あり。ほとんどの方は5%
所得税5〜45%累進課税。所得に応じて7段階の税率

所得税の税率区分(累進課税)は以下の通りです。

課税される所得金額所得税率
195万円以下5%
195万円超〜330万円以下10%
330万円超〜695万円以下20%
695万円超〜900万円以下23%
900万円超〜1,800万円以下33%
1,800万円超〜4,000万円以下40%
4,000万円超45%

ほとんどの方は所得税率5〜23%の範囲に入るでしょう。そこに住民税10%、事業税5%まで足すと、合計税率は人によっては40%近くになります。すると、1万円の領収書は4,000円の価値があることになります。もはやお金に見えてきますよね。

累進課税の「よくある勘違い」に注意

累進課税の税率については、非常に多くの勘違いがあります。

⚠️ よくある勘違い

「所得が300万円の人は税率10%だから、300万円×10%=30万円が所得税
→ これは間違いです。

正しくは、195万円までの部分には5%、195万円を超えて300万円までの部分に10%がかかります。所得全体に一律で高い税率がかかるわけではありません。

例えば最高税率45%の人であっても、45%がかかるのは4,000万円を超えた部分だけです。4,000万円以下の部分はそれぞれ低い税率で計算されます。「最高税率45%+住民税10%=55%、半分以上持っていかれる」と感じる人もいますが、所得税の45%は4,000万円超の部分にのみ適用されるため、実際の平均税率はもっと低くなります。

累進課税の仕組みはこれを機会にしっかりと確認しておきましょう。

📝 このセクションのまとめ

  • 領収書の価値=領収書の金額×自分の税率
  • 住民税10%+事業税5%+所得税を合算した税率で計算する
  • 累進課税は「所得全体に高い税率がかかる」わけではなく、超えた部分にだけ高い税率がかかる
  • 自分の税率を把握しておくことが節税意識の第一歩

まとめ:経費の線引きと確定申告は節税イベント

今回は、経費とは何かという概念から、経費の線引き、そして領収書の価値について確認してきました。

会社員・公務員出身の個人事業主にとっては、経費の概念が大きく異なることを改めて整理しておきましょう。

確認項目まとめ
経費とはビジネスに関係ある支出かどうかで決まる
会社員との違い会社員の経費精算は「会社の経費の立替」。個人事業主は自分の懐から出ていくだけ
経費の線引き「自分の仕事に関係があるか」「後ろめたい気持ちがないか」の2点で判断
領収書の価値領収書の金額×自分の税率=節税額
確定申告の意味節税イベント。経費の整理・領収書の保存が節税につながる

経費の線引きをしっかり行い、領収書を保存・整理することは、まさに節税イベントです。確定申告に向けて、自分の仕事に関係する支出を整理し、自信を持って経費として計上できる準備を進めていきましょう。

📝 全体のまとめ

  • 経費とは「ビジネスに関係ある支出」。会社員の経費精算とは全く別物
  • 経費の線引きは「後ろめたい気持ちがないか」「自信を持って説明できるか」で判断する
  • 領収書の価値は「金額×自分の税率」。1万円の領収書が1万円戻るわけではない
  • 累進課税は超えた部分にだけ高い税率がかかる仕組み。自分の税率を把握しよう
  • 確定申告は節税イベント。経費の整理・領収書の保存を丁寧に行おう

終わりに

本記事の内容は YouTubeチャンネル 大河内薫のマネリテ学園 の下記動画を参考に作成しています。AIによる書き起こしを活用しているため、誤字脱字がある可能性があります。ご了承ください。
本サイトは 大河内薫のマネリテ学園を応援しています!

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