相続・贈与

贈与税の時効で逃げ切れる?税理士が解説する税務署の巧妙な手口と相続での落とし穴

贈与税の時効で逃げ切れる?税理士が解説する税務署の巧妙な手口と相続での落とし穴
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「6年経てば贈与税は時効」と安心していたら、相続税調査で全てバレて地獄を見た人が続出しています。

贈与税に時効はある?「6年で安全」の噂の真相

贈与税に時効があることをご存じでしょうか。「6年逃げ切れば贈与税は時効」という噂がネット上にも広まっています。では、本当に大丈夫なのでしょうか。

結論から言うと、バレるのはほとんどの場合、相続税の調査のときです。痛い目にあった方は決して少なくありません。さらに、国税庁は贈与を使った節税を封じ込めようと、生前贈与加算を強化し、相続時精算課税に誘導しようとしています。これらの制度が結果として、贈与税の時効を封じ込めることにもつながっています。

⚠️ 注意

バレなければ儲けもの、バレたら地獄を見るのが税金の世界です。「時効で逃げ切れる」という甘い考えは非常に危険です。

📝 このセクションのまとめ

  • 贈与税には時効があるが、「6年で安全」は誤解を招く表現
  • 発覚するのはほぼ相続税調査のタイミング
  • 国税庁は制度改正で贈与を使った節税を封じ込めようとしている

実際にあった「時効のつもりが地獄」の体験談

次のようなケースが実際に起きています。

📌 実際のケース

「8年前に父から500万円をもらったが申告しなかった。贈与税の調査はないし、6年経てば時効で免除とネットに書いてあったから、もう時効だと安心していた。ところが父が亡くなって相続税の調査が入り、税務署から『500万円は相続財産に加算します』と言われた。追徴課税とペナルティで散々な目にあった。」

なぜこのようなことが起きるのでしょうか。贈与税には確かに時効があるはずです。その仕組みを詳しく見ていきましょう。

📝 このセクションのまとめ

  • 「時効だから安全」と思っていた贈与が相続税調査で発覚するケースは多い
  • 追徴課税+ペナルティで大きな損失になる

贈与税の時効の正確なカウント方法

贈与税の時効は、原則6年です。ただし、脱税目的で隠すなど悪質な行為で申告しなかった場合は7年となっています。

重要なのは、時効のカウントは「贈与した日」からではなく、「贈与税の申告期限の翌日」から始まるという点です。

ケース時効期間カウント開始日具体例(2017年中に贈与した場合)
通常(無申告)6年申告期限の翌日(翌年3月16日)2024年3月16日に時効成立
悪質(脱税目的)7年申告期限の翌日(翌年3月16日)2025年3月16日に時効成立

例えば2017年中に贈与した場合、贈与税の申告期限は翌年の2018年3月15日です(所得税の確定申告と同じ)。時効のカウントはその翌日・3月16日からスタートするため、原則6年の時効が成立するのは2024年3月16日、悪質な場合は2025年3月16日となります。

📝 このセクションのまとめ

  • 贈与税の時効は原則6年、悪質な場合は7年
  • カウント開始は「贈与した日」ではなく「申告期限の翌日」
  • 2017年の贈与なら、通常は2024年3月16日に時効成立

税務署の巧妙な手口:時効でも諦めない攻め方

税務署は時効が成立してしまったら手も足も出ない、贈与税を取れなくなってしまいます。では「時効なら仕方がない」と諦めるかというと、そうはいかないのが税務署です。

税務署は次の2パターンで対応してきます。

状況税務署の主張目的
時効がまだ成立していない「これは贈与だ。贈与は成立している。無申告として処理する」本税+無申告加算税・重加算税・延滞税を徴収
時効がすでに成立している「これは贈与ではなく、貸付金・預け金・名義預金だ。亡くなった人の相続財産だ」相続財産に組み込んで相続税を課税

時効を盾に逃げられてはたまらないため、税務署は「贈与が成立していない」という方向で攻めてくるわけです。

⚠️ 注意

相続税の調査中に「実は贈与税の無申告がありました」と開き直れる人はほとんどいません。贈与税の脱税を認めてしまったら相続税の調査がさらに厳しくなるのではと怯えてしまい、結果として税務署の「貸付金・名義預金」という主張を受け入れてしまうケースが多いのです。

📝 このセクションのまとめ

  • 時効未成立なら「贈与+無申告」として追徴課税・ペナルティを課す
  • 時効成立済みなら「贈与ではなく相続財産」として相続税に組み込む
  • 相続税調査中は心理的に追い詰められ、税務署の主張を受け入れやすい状況になる

贈与が成立するための2つの条件:名義預金に要注意

税務署が「贈与ではない」と主張できるのは、そもそも贈与の成立要件に不備があるケースが多いからです。贈与は契約です。一方的に通帳に振り込むだけでは契約になりません。

贈与が成立するためには、次の2つの条件が必要です。

  • 合意の成立:「あげます」「もらいます」とお互いに意思表示をして初めて契約が成立する。口約束でも構わないとされているが証明力が弱いため、贈与契約書を残しておくことが重要
  • 財産の実際の移転:もらった人の名義に移され、もらった人自身が管理・自由に使っているという実態が必要

特に問題になりやすいのが名義預金です。親が子ども名義の預金通帳を作って積み立てているケースがよく引き合いに出されます。

⚠️ 名義預金と判定されるケース

  • 名義は子どもだが、通帳・印鑑・キャッシュカードを親が管理している
  • 子どもが自分名義の通帳があることすら知らない
  • 子どもが実際にその口座を自由に使っていない

このような場合、子どもの名義を借りているだけで実態は親の預金として扱われ、親の相続財産に含められます。

ただし、子どもが未成年の間は親が親権者として契約書にサインすることも、通帳を管理することも不自然ではありません。子どもが管理していないことだけをもって名義預金とされることはなさそうです。

📌 贈与を確実に成立させるためのポイント

  • 贈与契約書を必ず作成・保管する
  • 贈与を受けた人の名義口座に資金を移す
  • 贈与を受けた人が通帳・印鑑・キャッシュカードを自分で管理する
  • 贈与を受けた人が実際にその資金を自由に使える状態にする

📝 このセクションのまとめ

  • 贈与の成立には「合意」と「実際の財産移転」の2つが必要
  • 名義預金は贈与とみなされず、相続財産に組み込まれる
  • 贈与契約書の作成と受贈者本人による管理が重要

令和6年改正:生前贈与加算が3年から7年に強化

国税庁は制度改正によって、贈与を使った節税を封じ込める仕掛けをしてきました。その1つが生前贈与加算制度の強化です。

贈与の時期加算対象期間適用規定
令和6年1月1日より前相続開始前3年以内旧規定
令和6年1月1日以降相続開始前7年以内新規定

なぜ7年という年数になったのでしょうか。これは時効と足並みを揃えたと言われています。

相続開始の7年前にされた贈与の時効は、翌年3月16日からカウントをスタートします。原則6年の時効が成立するのは相続の翌年3月16日、悪質7年の時効成立は相続翌々年の3月16日です。

一方、相続税の申告期限は相続開始から10ヶ月後で、税務調査はさらにその1年程度後から行われます。そうなると、税務調査のタイミングでは7年の時効さえも間に合わないことになります。

📌 ポイント

「相続開始前7年以内にされた贈与は相続財産に加算する」とすることで、時効に関係なく、少なくとも7年間の贈与は必ず相続財産に取り込めるようになりました。これにより、時効を使った節税の抜け穴が実質的に塞がれています。

📝 このセクションのまとめ

  • 令和6年1月1日以降の贈与から、生前贈与加算が3年→7年に延長
  • 7年という数字は贈与税の時効と足並みを揃えたもの
  • 税務調査のタイミングでは7年の時効も間に合わないため、加算制度で確実に取り込む設計

相続時精算課税制度:時効に全く左右されない仕組み

さらにもう1つ、時効には全く影響されずに相続人へのすべての生前贈与を取り込んでしまう制度が相続時精算課税制度です。この制度は生前贈与を使った節税をシャットアウトしようとするものです。

この制度は現時点では選択制ですから、やりたい人だけが選べばよいのですが、国税庁は魅力的な仕組みを作って手招きしています。

📌 令和6年からの相続時精算課税の変更点

令和6年1月1日以降の贈与から、年間110万円までの基礎控除が設けられました。この110万円以内の贈与は非課税で、かつ相続財産への加算も不要です。相続財産に加算されるのは110万円を超える部分の贈与のみです。

ここで暦年贈与(通常の贈与)と相続時精算課税制度を比較してみましょう。

比較項目暦年贈与(通常)相続時精算課税制度
年間非課税枠110万円110万円(令和6年〜新設)
非課税分の相続財産への加算直近7年分は加算される加算不要
110万円超の贈与贈与税課税(時効あり)いつの贈与でも全額相続財産に加算(時効なし)
時効原則6年・悪質7年時効の概念が実質的に機能しない

毎年110万円の非課税贈与をコツコツ続けたい場合、暦年贈与では直近7年分が相続財産に加算されてしまいます。そのため、110万円の非課税贈与を毎年コツコツ続けたい方は相続時精算課税制度を使うのが定番になりそうです。

⚠️ 注意

相続時精算課税制度では、110万円を超える贈与はいつ行われた贈与であっても、時効に関係なく全額が相続財産に加算されます。国税庁の本音は「生前贈与を使った節税は110万円まで。それを超えるような贈与は認めないし、ましてや時効なんてもってのほか」ということのようです。

📝 このセクションのまとめ

  • 相続時精算課税制度は時効に全く左右されず、すべての生前贈与を相続財産に取り込む仕組み
  • 令和6年から年間110万円の基礎控除が新設され、その範囲内なら非課税&加算不要
  • 毎年110万円のコツコツ贈与には相続時精算課税が有利になるケースが多い
  • 110万円を超える贈与は時効に関係なく相続財産に加算される点に注意

終わりに

本記事の内容は YouTubeチャンネル 税理士KOBAYASHIちゃんねる の下記動画を参考に作成しています。AIによる書き起こしを活用しているため、誤字脱字がある可能性があります。ご了承ください。
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