合同会社のメリット・デメリットを税理士が解説|法人化で失敗しない選び方
合同会社は手軽に設立できる一方、知らないと大損するデメリットも存在します。
合同会社とは何か?株式会社との基本的な違い
最近、いろんな大企業が実は合同会社だったってことを知ったんですよね。GoogleとかAmazonとか、DMMも結構有名でデカい会社だと思ってたんですけど、実は合同会社だったんです。メリットが多いみたいだし、今度ちょっと新しい法人を立ち上げる時は合同会社の方がいいかなと思ったんですよね。

流行りに乗っかってくる感じですね。その前に、合同会社のメリットとかデメリットってご存知ですか?

いや、実はそこまで分かってないんですけど。

それはちょっと危ないですね。それを知らないで合同会社を手軽に作れるからと合同会社にしてしまうと、大損してしまうかもしれないです。

大損ですか。それはちょっとやですね。ちょっとそこら辺詳しく教えてもらいますか?

承知しました。では今回は合同会社のメリット・デメリット、そして注意点を紹介していこうと思います。

基本の話なんですけど、そもそも合同会社ってどういう法人なんですか?

会社法の改正前の昔に有限会社というのがあったの覚えてますかね?

はい、私も最初に立ち上げた会社は有限会社でした。

そうなんですね。2006年の会社法改正で有限会社というのがなくなって、代わりに新しく誕生した法人が、アメリカのLLCというのをモデルとしたこの合同会社なんですね。

これは普通の株式会社と何が違うんですか?

株式会社は株式を発行することで資金を調達して事業を行います。所有と経営は分かれていて、株式会社を所有するのは株主になっております。
一方、合同会社は社員が出資してその資金で経営を行うもので、社員が会社を所有します。合同会社では出資した人全員が「社員」という扱いになりまして、それぞれが議決権を持つことになります。この後解説していきますが、設立費用が低く済むなどのメリットが多いため、個人事業主の法人化でも合同会社を選択する方が本当に増えているなと思います。

なるほど。ちなみに合同会社から株式会社に変えることは可能なんですか?

そういったお客様ももちろんいらっしゃっていて、最初は合同会社で作って、いくうちに事業が本格的に軌道に乗って株式会社への変更ということも実際可能です。

なるほど。

2006年の会社法改正で誕生した法人形態。アメリカのLLCをモデルとしており、出資した人全員が「社員」として議決権を持つ。株式会社とは異なり、所有と経営が一体となっている。
合同会社を選ぶ際の重大な注意点2つ
じゃあ、合同会社で法人を設立する場合、何か注意することってあるんですか?

はい。合同会社を選ぶのであれば、特に注意しておいて欲しい点が2つあります。

注意点①:1人社長が亡くなると会社が解散してしまう
まず、1人社長の合同会社の場合、社長が亡くなった時点で会社は解散してしまうことになってしまいます。

解散ってことはなくなっちゃうってことなんですか?

イエスです。ですので、会社の消滅を避けるための対策が必要です。合同会社では原則として持ち分は相続人に引き継がれないことになっております。そして相続人には合同会社に対して持ち分の払い戻しを請求する権利が相続されまして、持ち分に相当する金額が相続人へ払い戻されることになります。

合同会社の持ち分って何なんですか?

持ち分は会社の所有権のことになりますかね。分かりやすく言うと、株式会社での株式に相当するようなイメージだと思っておいてください。

なるほど。

しかし、対策として定款で定めておけば、相続人が死亡した社員の持ち分を相続して合同会社の社員、つまり出資者となることが可能になっています。これによって合同会社の解散を防ぐこともできます。また、相続税評価額についても持ち分を引き継ぐようにした方が有利になる傾向になっています。

そうなんですね。定款にそういう風に入れておく必要があるってことですね。

ただし、持ち分を引き継いで社員になるということは、その後経営に関与をしていくということになりますので、その点も確認が必要です。

資産管理会社として合同会社を作るケースってよくあると思うんですけど、これ解散されちゃうと困っちゃうんですよね。自分がいなくなった後のことも考えておく必要がありそうですね。

なので、会社を作る時に司法書士さんに「会社がなくならないようにしてください」と一言添えてあげると、司法書士さんの方でそういった定型文みたいなのを入れてくれるので、その方がいいかなと思います。

ありがとうございます。

原則として、1人社長が亡くなると合同会社は解散します。資産管理会社として設立する場合は特に注意が必要です。定款に「相続人が持ち分を引き継ぐ」旨を明記することで解散を防げます。会社設立時に司法書士へ必ず相談しましょう。
注意点②:社員同士で意見が割れると意思決定が遅くなる
次の注意点なんですけども、社員同士で意見が割れると意思決定が遅くなることがあります。

これはどういうことなんですか?

株式会社の出資比率みたいなのと関係なく、社員1人1人が議決権を1票ずつ持っています。分かりやすく言うと、会社を作るにあたって100万円出した人と1万円出した人に同じ発言権があるということなんですね。ですので、社員が複数になりますと、意見の対立によって会社の方向性を決める際に決定が遅くなる可能性があります。

なるほど。起業したての頃でスピード感が重要な時は困りますよね。これ、何か対策ってあるんですか?

はい。意見の重要性が高い社員のみを業務執行社員にするといいかなと思います。業務執行社員なんですが、名前の通り実際に業務を行う社員のことです。業務執行社員を定めると、それ以外の社員は業務ができなくなりますので、会社の意思決定に意見できなくなります。スムーズな意思決定を確保したいのであれば業務執行社員を定めるのがおすすめです。

それで決められるのは1人だけですか?

いえ、業務執行社員は別に1名だけというルールはなくて、複数名定めても大丈夫です。

そういうことなんですね。色々と注意しないといけないことがあるっていうのは分かってきたんですけど、ここからは個人事業主が法人化する場合、株式会社と合同会社どちらがいいかを3つのテーマで比較していきたいと思います。

合同会社では出資額に関係なく社員全員が1票ずつ議決権を持ちます。複数の社員がいる場合は業務執行社員を定めることで、スムーズな意思決定が可能になります。業務執行社員は複数名設定しても問題ありません。
比較①:設立費用とランニングコスト
最初のテーマは設立費用です。株式会社と合同会社それぞれの設立費用を表にしてみました。

| 費用項目 | 株式会社 | 合同会社 |
|---|---|---|
| 登録免許税 | 15万円 | 6万円 |
| 収入印紙代 | 4万円 | 4万円 |
| 公証人手数料 | 5万円 | 0円 |
| 定款の謄本手数料 | 2,000円 | 0円 |
| 合計 | 24万2,000円 | 10万円 |
これ、合同会社の方が株式会社より14万2,000円安いってことですか?

そうなんです。合同会社の方がやっぱり安いんですね。また収入印紙代なんですけども、電子定款にすれば不要になってきます。

ちなみにランニングコストはどれぐらい違うんですか?

株式会社は役員に任期がありますので、期限が切れるたびに役員の登記が必要になります。その際に手数料として1万円(資本金1億円以上であれば3万円)が必要になっております。また決算の公告義務がありまして、年間3万円から6万円ぐらいの手数料もかかります。
一方の合同会社は役員の任期も決算の公告義務もないです。そのためそれらの手数料も当然かからないです。なので合同会社の方がランニングコストは最低でも年間数万円安いという結果になりますね。

なるほど、ありがとうございます。費用面で言ったらもう合同会社の勝利ですよね。

はい、そうなんです。

設立費用は合同会社が約10万円、株式会社が約24万2,000円で、14万2,000円の差があります。ランニングコストも合同会社の方が年間数万円安く、役員任期の登記費用や決算公告費用が不要です。
比較②:経営の自由度
続いてのテーマは自由度です。経営の自由度について詳しく見ていきたいと思います。お願いします。

まずは利益の配分の自由度についてです。株式会社は出資比率、つまり持ち株数に応じて配当が決定されます。一方の合同会社は社員間で自由に決定することができます。つまり貢献度に合わせた利益配分も可能ということですね。

はい、おっしゃる通りです。

次に意思決定の自由度です。株式会社は重要な決定事項は株主総会を通す必要があります。株主が出資割合に応じて議決権を持っています。合同会社には株主総会のようなものがありません。出資割合に関係なく組織内で自由に意思決定ができます。そのためフットワークの軽い迅速な意思決定が可能となっています。

合同会社は意思決定や利益分配において株式会社より自由度の高い経営ができるってことですね。てことは自由度に関しては結果が出ましたね。

ちょっと待ってください。

どうした。もう結果は出てるんじゃないですか?

はい。それがですね、この利益配分を自由に決められて経営の自由度が高いというのは合同会社の大きなメリットでもあるんですけども、その反面利益配分ですとか経営の方針で社員同士のトラブルが起きやすいというデメリットも持っています。

自由度があるがゆえに喧嘩しやすいってことですね。

ではそれも踏まえて勝敗をお伝えします。自由度は合同会社の勝利です。ただし、自由だからこそ利益配分などでのトラブルに注意しましょう。

合同会社は利益配分を貢献度に応じて自由に決められ、株主総会なしで迅速な意思決定が可能です。ただし、自由度が高いがゆえに社員間の利益配分や経営方針でトラブルが起きやすい点に注意が必要です。
比較③:信用度・社会的な知名度
そしていよいよ最後のテーマは信用度です。では詳しく見ていきましょう。

合同会社はまだ株式会社ほどの知名度がありませんので、取引先によっては契約上不利になる、採用時に人材が集まりにくいなど、信用面で不利になることがあります。

なるほど。あっさり決まっちゃいましたね。では信用度は……

ちょっと待ってください。また。

またですか。

はい。一般的に合同会社は中小企業に向いていると言われていますが、合同会社の形を取る大手企業もあります。また以前は株式会社を作るには最低1,000万円の資本金が必要だったんですけども、現在は極端な話1円でも作れてしまいますので、株式会社と合同会社とのイメージの違いは縮まりつつあると言われています。今後さらに合同会社を選択する人が多くなりまして、それによって信頼度が高まる可能性は十分にあります。

いずれはそういう可能性もあるってことですね。では、それも踏まえて勝敗の発表です。

信用度は株式会社の勝利です。ただし今後は変わってくる可能性もあるということですね。

はい、その通りです。

合同会社はまだ知名度が低く、取引先との契約や人材採用で不利になる場合があります。ただし、かつて1,000万円必要だった株式会社の資本金は現在1円から設立可能となり、両者のイメージ差は縮まりつつあります。
あなたはどちらに向いている?株式会社・合同会社チェックリスト
では最後に、株式会社と合同会社それぞれに向いているのはこんな人というのが分かるチェックリストをご用意しました。まず株式会社に向いているのはこんな人です。

- 個人事業の士としてやるよりも大きな節税をしたい
- 取引先との契約関係で株式会社であることが必要
- 代表社員ではなく代表取締役の肩書きが欲しい
- 広く出資を募って会社を大きくしたい、もしくはいずれ上場したい
- ハローワークなどを利用して従業員を雇用したい
1人社長として創業はするけど、これから親族以外の従業員もどんどん増やして会社を大きくして、いずれは上場も考えているみたいな人が法人を作るんだったら株式会社が魅力的ってことですね。

はい、そういうことですね。では続いて合同会社に向いているのはこんな人です。

- 個人事業としてやるよりも大きな節税をしたい
- 親族に収益を効率よく分配していきたい
- 法人格が必要だが設立費用を抑えたい
- 株式会社である必要がない
- 決算公告や株主総会などの業務負担をしたくない
1人社長として創業して、かつ今後採用なんかあまり考えてなくて、節税に重きを置いている事業主が法人を設立する場合は合同会社が魅力的ってことですね。

はい、そういうことになります。

今回も大変勉強になりました。

・設立費用:合同会社の勝利(約14万円安い)
・経営の自由度:合同会社の勝利(ただし社員間トラブルに注意)
・信用度:株式会社の勝利(ただし今後変わる可能性あり)
節税・費用重視で1人社長なら合同会社、上場・採用・信用重視なら株式会社が向いています。
終わりに
本記事の内容は YouTubeチャンネル 社長の資産防衛ch の下記動画を参考に作成しています。AIによる書き起こしを活用しているため、誤字脱字がある可能性があります。ご了承ください。本サイトは 社長の資産防衛chを応援しています!
