一人社長の法人化は合同会社が得?株式会社との違いを税理士が解説
法人化するなら株式会社?合同会社?費用・節税・自由度の違いを徹底解説。
実は大企業も選んでいる「合同会社」とは?
AmazonジャパンやGoogleの日本法人、ワーナーブラザーズジャパン。これら3社の共通点は何でしょうか?実はいずれも株式会社ではなく合同会社なんです。意外に思われる方も多いかもしれませんが、日本企業でもDMMやUSJが合同会社の形態を取っています。
合同会社は2006年の会社法改正によって誕生した比較的新しい会社形態です。有限会社がこの改正によって廃止され、その代わりにアメリカのLLC(Limited Liability Company)をモデルにした合同会社が新しく設けられました。
東京商工リサーチのデータによると、2020年度の合同会社の設立件数は3万3,287件で過去最高を記録。新設法人に占める割合も25.3%に達しており、新しく設立される会社の4社に1社は合同会社という状況になっています。一人会社や資産管理会社の設立では、最初から合同会社一択という方が多いのが実情です。
📌 ポイント
合同会社は2006年の会社法改正で誕生した新しい会社形態。2020年には新設法人の4社に1社が合同会社を選んでいます。AmazonジャパンやGoogleの日本法人など大手企業も採用している形態です。
📝 このセクションのまとめ
- 合同会社は2006年に有限会社廃止と同時に誕生した新しい会社形態
- AmazonジャパンやGoogleの日本法人など大手企業も採用
- 2020年の新設法人の約25%(4社に1社)が合同会社
個人事業主が法人化する3つのメリット
合同会社・株式会社どちらを選ぶかの前に、まず個人事業主が法人化すること自体のメリットを確認しておきましょう。主に以下の3点が挙げられます。
- 社会的な信用力を得られる
- 有限責任になる
- 節税できる範囲が大幅に広がる
①社会的な信用力については、取引先として信用を得やすくなります。大きな会社と取引する際、相手方が与信調査(信用調査)を行うケースがあります。法人であれば登記謄本を取り寄せたり、帝国データバンクなどに財務内容が公表されたりするため、相手が情報を確認しやすく、取引の幅が広がります。
②有限責任については、個人事業主は「無限責任」であるのに対し、法人は「有限責任」となります。個人事業主は個人が主体となり全責任を負いますが、法人は個人とは別の法人格を持つため、事業から生じた責任は経営者個人と切り離され、法人の財産の範囲内で責任を負うことになります。万が一のリスクを抑えられるという点で大きなメリットです。
③節税メリットについては、個人事業主の所得税は以下のように累進課税となっており、稼げば稼ぐほど税率が上がります。
| 課税所得 | 所得税率 | 住民税 | 合計税率 |
|---|---|---|---|
| 〜195万円 | 5% | 10% | 15% |
| 195万円〜330万円 | 10% | 10% | 20% |
| 330万円〜695万円 | 20% | 10% | 30% |
| 695万円〜900万円 | 23% | 10% | 33% |
| 900万円〜1,800万円 | 33% | 10% | 43% |
| 1,800万円超 | 40% | 10% | 50% |
課税所得が1,800万円を超えると所得税40%+住民税10%=合計50%の税金がかかります。一方、法人税は所得税と異なり税率が基本的に一定です。
| 法人の条件 | 法人税率 |
|---|---|
| 資本金1億円以下・課税所得800万円以下 | 15%(軽減税率) |
| 資本金1億円以下・課税所得800万円超 | 23.2% |
| 資本金1億円超 | 23.2% |
法人税は課税所得800万円のラインでしか税率が変わらないため、所得金額が増えれば増えるほど所得税に比べて法人税の方が有利という構造になっています。法人化による節税に限界を感じて相談に来られる個人事業主の方が最も多いのが実情です。
📝 このセクションのまとめ
- 法人化で社会的信用力・有限責任・節税の3つのメリットを得られる
- 個人の所得税は最高50%に対し、法人税の軽減税率は15%
- 所得が高くなるほど法人化による節税効果が大きくなる
合同会社のメリット①:設立・ランニングコストが圧倒的に安い
合同会社が株式会社と比べて最も明確に優れている点がコストの低さです。設立時の費用を比較すると次のようになります。
| 費用項目 | 株式会社 | 合同会社 |
|---|---|---|
| 定款認証手数料 | 約5万円 | 不要 |
| 収入印紙代 | 4万円(電子定款なら0円) | 4万円(電子定款なら0円) |
| 登録免許税 | 15万円 | 6万円 |
| 合計(通常) | 約24万円 | 約10万円 |
| 合計(電子定款利用時) | 約20万円 | 最低6万円 |
通常の方法で設立した場合、株式会社と合同会社の差額は約14万円。電子定款を採用すれば収入印紙代が不要となり、合同会社は最低6万円で設立できます。
さらにランニングコストにも大きな差があります。株式会社では役員に任期があり、任期が切れるたびに「この人を引き続き役員にします」という登記(重任登記)が必要で、その際に1万円程度の手数料がかかります。合同会社には役員任期という概念がないため、この更新手続き自体が不要です。
加えて、株式会社には決算の広告義務がありますが、合同会社にはありません。広告手数料として年間3万〜6万円程度の費用を節約できます。
📌 ポイント
合同会社は設立時に株式会社より約14万円安く、ランニングコストでも役員任期の重任登記費用(年1万円程度)や決算広告費(年3〜6万円)が不要です。長期的に見るとコスト差はさらに広がります。
📝 このセクションのまとめ
- 設立費用は合同会社が約10万円、株式会社が約24万円(差額約14万円)
- 電子定款を使えば合同会社は最低6万円で設立可能
- 役員任期の重任登記・決算広告が不要でランニングコストも削減できる
合同会社のメリット②:利益分配と意思決定の自由度が高い
合同会社のもう一つの特徴が、利益の分配方法や意思決定の自由度の高さです。
利益分配の自由度について、株式会社では基本的に持ち株比率(出資比率)に応じて配当が決定されます。一方、合同会社では社員(役員)間で自由に利益分配を決定できるため、貢献度に合わせた利益配分も可能です。例えば、出資比率が少なくても実際の業務貢献度が高い社員に多く分配するといった柔軟な対応ができます。
意思決定の自由度については、株式会社では重要な決定事項を株主総会を通す必要がありますが、合同会社には株主総会のような機関が不要で、組織内で自由に意思決定できます。そのため、フットワークの軽い迅速な意思決定が可能となっています。もともと小規模な事業体を意識して設計された会社形態であるため、こうした柔軟性が備わっています。
| 比較項目 | 株式会社 | 合同会社 |
|---|---|---|
| 利益分配の方法 | 持ち株比率に応じて決定 | 社員間で自由に決定可能 |
| 重要事項の決定 | 株主総会が必要 | 組織内で自由に決定 |
| 意思決定のスピード | 手続きに時間がかかる | 迅速な意思決定が可能 |
📝 このセクションのまとめ
- 利益分配は出資比率に関係なく社員間で自由に決定できる
- 株主総会が不要なため、迅速な意思決定が可能
- 貢献度に応じた柔軟な利益配分ができる
合同会社のデメリット:知名度・信用面と社員間トラブルのリスク
もちろん合同会社にはデメリットも存在します。メリットと合わせてしっかり把握しておきましょう。
①知名度・信用面での不利:新設法人の4社に1社が合同会社になったとはいえ、逆に言えば4社に3社はまだ株式会社です。合同会社は株式会社ほどの知名度がないため、取引先によっては契約上不利になるケースがあります。また採用面でも「合同会社って小さい会社?あまり知らない会社では?」と思われ、信用面で不利になることがあり得ます。
②社員間のトラブルリスク:利益分配を自由に決められる・経営の自由度が高いという点はメリットでもありますが、その反面、利益配分に関わる社員同士のトラブルが起きやすいというデメリットもあります。それぞれの社員が決定権を持っているため、意見が対立した場合に調整が難しくなることがあります。
⚠️ 注意
合同会社を一人で設立した場合、出資者(社員)が死亡すると、会社が自動的に解散してしまうというルールがあります。この事態を防ぐには、会社設立時に作成する定款(会社のルールブック)に、相続が起きた際の取り扱いをあらかじめ明記しておくことが必須です。定款への記載がないと会社が解散してしまいますので、必ず専門家に相談の上、定款を作成してください。
📝 このセクションのまとめ
- 株式会社より知名度が低く、取引・採用面で不利になることがある
- 利益分配の自由度が高い反面、社員間のトラブルが起きやすい
- 一人設立の場合、出資者死亡時に会社が解散するリスクがあるため定款への記載が必須
合同会社に向いているのはこんなケース
ここまでのメリット・デメリットを踏まえると、合同会社が特に向いているのは以下のような場合です。
- 個人事業として運営するよりも大きな節税をしたい方
- 親族に収益を分配していきたい方
- 法人格は必要だが設立費用を抑えたい方
- 株式会社である必要がなく、決算広告や株主総会などの事務負担・業務負担をなくしたい方
つまり、一人社長として創業し、今後の採用もあまり考えておらず、節税に重きを置いているような法人の場合は、合同会社に大きな魅力があると言えます。
| 比較項目 | 株式会社 | 合同会社 |
|---|---|---|
| 設立費用(通常) | 約24万円 | 約10万円 |
| 設立費用(電子定款) | 約20万円 | 最低6万円 |
| 役員任期・重任登記 | あり(都度費用発生) | なし |
| 決算広告義務 | あり(年3〜6万円) | なし |
| 株主総会 | 必要 | 不要 |
| 利益分配 | 出資比率に応じる | 自由に決定可能 |
| 社会的知名度 | 高い | やや低い |
| 向いているケース | 資金調達・上場・採用を重視する場合 | 一人社長・節税重視・コスト削減を優先する場合 |
📌 ポイント
合同会社は「一人社長として創業・節税重視・採用はあまり考えていない」という方に特に向いています。設立コストの低さと運営の自由度の高さが最大の強みです。一方、将来的に資金調達や株式上場、大規模採用を考えているなら株式会社を選ぶほうが無難です。
📝 このセクションのまとめ
- 節税・コスト削減・法人格取得を優先するなら合同会社が有力な選択肢
- 親族への収益分配や事務負担の軽減を重視する方にも向いている
- 一人社長で今後の採用拡大や上場を考えていない場合は合同会社一択でもよい
終わりに
本記事の内容は YouTubeチャンネル 社長の資産防衛チャンネル の下記動画を参考に作成しています。AIによる書き起こしを活用しているため、誤字脱字がある可能性があります。ご了承ください。本サイトは 社長の資産防衛チャンネルを応援しています!
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