節税対策

金・ゴールド投資の税金を税理士が解説|5年保有で課税1/2・50万円控除・消費税免除の優遇まとめ

金・ゴールド投資の税金を税理士が解説|5年保有で課税1/2・50万円控除・消費税免除の優遇まとめ
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金投資には50万円控除・長期保有で1/2課税など、意外な税制優遇が揃っています。

株価暴落、円高、仮想通貨の下落が続く中、唯一強さを見せているのが金(ゴールド)です。現在1gあたり約1万7,000円と、ここ3年ほどで価格が約2倍になっています。金は「税金が高い」というイメージがありますが、実はあまり知られていない税制優遇が複数存在します。今回は金の税金の仕組みを詳しく解説し、他の金融商品との比較や節税対策もご紹介します。

金(ゴールド)の税金の基本|譲渡所得・総合課税とは

金への投資は株のように配当がありません。値上がり益(キャピタルゲイン)を狙う投資です。この売却益にかかる税金は譲渡所得として扱われ、かつ総合課税の対象となります。

総合課税と分離課税の違いは以下のとおりです。

課税方式内容主な対象
分離課税他の所得と合算せず、単独で税率を適用して計算する株式・FXなど
総合課税給与所得・事業所得・不動産所得・年金収入などと全て合算して税率を計算する金(ゴールド)など

会社員の方であれば、金の譲渡所得が年間20万円を超える場合に所得税の確定申告が必要となります。

⚠️ 注意

金の地金やのべ棒を継続的・営利的に売買している場合は、事業所得または雑所得として扱われます。一般的な個人投資家には該当しないことが多いですが、念のご注意ください。

総合課税の税率は「超過累進税率」|儲けるほど税率が上がる仕組み

総合課税が適用される金の売却益は、超過累進税率(所得税+住民税の合算)が適用されます。課税所得が大きくなればなるほど税率が上がる仕組みです。

課税所得の範囲所得税+住民税の合計税率
195万円以下15%
195万円超〜330万円以下20%
330万円超〜695万円以下30%
695万円超〜900万円以下33%
900万円超〜1,800万円以下43%
1,800万円超〜4,000万円以下50%
4,000万円超55%

📌 ポイント|超過累進税率のよくある誤解

「課税所得900万円を超えると43%になるなら、900万円以下に抑えた方がいい」と思う方が多いですが、これは誤りです。超えた部分だけに高い税率が適用されます。年収が1億円あっても、課税所得195万円以下の部分には必ず15%が適用されます。

金の売却益が少ない方は税率15%で済む可能性がありますが、多額の利益を得た場合は55%の税率が適用される部分が大きくなる可能性もあります。これが「金は税金が高い」と言われる主な理由です。

📝 このセクションのまとめ

  • 金の売却益は「譲渡所得・総合課税」として扱われる
  • 他の所得と合算するため、所得が多いほど税率が高くなる
  • 超過累進税率は「超えた部分だけ」に高い税率が適用される仕組み
  • 会社員は金の譲渡所得が年間20万円超で確定申告が必要

年間50万円の特別控除|無条件で使える譲渡所得の優遇

総合課税の譲渡所得には、年間最大50万円の特別控除が設けられています。譲渡所得の計算式は以下のとおりです。

計算ステップ内容
① 売却価格金を売った金額
② 取得費購入時の価格(買ったときの値段)
③ 譲渡費用売るためにかかった手数料など
④ 特別控除最大50万円(無条件で控除)
譲渡所得①-②-③-④

📌 ポイント|青色申告特別控除との違い

個人事業主が青色申告特別控除(最大65万円)を受けるには、複式簿記による帳簿の備え付けなどの条件を満たす必要があります。一方、譲渡所得の50万円特別控除は、譲渡所得があれば無条件で受けられます。非常に使い勝手の良い控除です。

なお、この50万円の特別控除は金だけでなく、事業用の車を売った場合など、譲渡所得全体を合算して最大50万円という上限があります。複数の資産を売却した場合は合計額に注意が必要です。

損益通算のルール|金で損が出た場合の注意点

譲渡所得(総合課税)は損益通算が可能です。たとえば不動産所得や事業所得で赤字が出ている場合、金の売却益と相殺することができます。

⚠️ 注意|金で損が出た場合は損益通算できない

逆に金の投資で損失が出た場合、所得税の概念上、金は「生活に通常必要でない資産」(いわゆる贅沢品)として扱われます。そのため、給与所得や事業所得など他の所得との損益通算はできません。
ただし、譲渡所得(総合課税)同士の内部通算はOKです。金の損失を他の資産の譲渡益と相殺することは可能です。

📝 このセクションのまとめ

  • 譲渡所得には年間最大50万円の特別控除が無条件で適用される
  • 不動産所得・事業所得の赤字と金の売却益は損益通算が可能
  • 金の損失は給与所得など他の所得との損益通算はできない(贅沢品扱い)
  • 譲渡所得(総合課税)同士の内部通算はOK

5年超の長期保有で課税額が1/2に|最大の節税ポイント

金投資で最も重要な節税ポイントが、5年超の長期保有による1/2課税です。取得日から5年を超えて保有した金を売却した場合、譲渡所得の計算において課税対象額が半分になります。

具体的な計算の流れは以下のとおりです。

  1. 売却価格から取得費・譲渡費用を差し引く
  2. そこから50万円の特別控除を引く
  3. 残った金額を1/2する(長期保有の場合のみ)
  4. その1/2した金額に超過累進税率を掛けて税額を計算する

📌 ポイント|1/2課税で税率も下がる効果

課税対象の金額が半分になると、超過累進税率の適用区分が下がる場合があります。たとえば、1/2前は税率43%の区分に入っていたものが、1/2後は30%の区分に収まるケースもあります。金額が半分になるだけでなく、適用税率も低くなる可能性があるという二重の節税効果が期待できます。

📝 このセクションのまとめ

  • 取得から5年超保有した金を売却すると、課税対象額が1/2になる
  • 1/2課税は50万円特別控除を引いた後の金額に適用される
  • 課税額が半分になることで、適用される税率区分も下がる可能性がある

金融商品別の税金比較|株・FX・仮想通貨と金の違い

金の税制を他の主要な金融商品と比較すると、以下のようになります。

金融商品所得区分課税方式税率特別控除1/2課税確定申告
株・投資信託・債券配当所得・譲渡所得分離課税20.315%なしなし特定口座(源泉徴収あり)なら不要
FX(国内)雑所得申告分離課税20.315%なしなし必要
金(ゴールド)譲渡所得総合課税15〜55%(超過累進)最大50万円5年超でOK利益20万円超で必要
仮想通貨雑所得総合課税15〜55%(超過累進)なしなし必要

こうして比較すると、税率の有利さでは株やFXが最も優遇されています。しかし金は仮想通貨と比べると50万円の特別控除長期保有による1/2課税という大きなアドバンテージがあります。

⚠️ 注意|FXは国内・海外で課税方式が異なる

国内のFX取引は申告分離課税(20.315%)ですが、海外のFX取引業者を利用した場合は総合課税になります。利用する取引業者の所在地に注意が必要です。

📝 このセクションのまとめ

  • 税率の低さでは株・FXが最も有利(一律20.315%)
  • 金は総合課税だが、50万円控除と長期1/2課税で仮想通貨より有利
  • 仮想通貨は50万円控除も1/2課税も分離課税も適用されず、最も税制上不利

金投資の節税対策|低税率で運用する方法

金の投資で利益が出た際の主な節税対策をまとめます。

  • 5年超保有してから売却する:1/2課税が適用され、課税額が大幅に下がる
  • 売却額を年間50万円の範囲内に抑える:特別控除の範囲内に収めることで課税ゼロも可能
  • 事業・不動産の赤字と損益通算する:他の所得の赤字と金の売却益を相殺する

また、実物の金にこだわらない場合は、税率を下げる投資手段として以下の選択肢もあります。

投資手段内容税率
金ETF・金関連株金に連動するETFや金鉱山株などに投資。間接的に金の値動きに乗れる20.315%(分離課税)
金先物取引FXと同様にレバレッジをかけた金の先物投資20.315%(申告分離課税)

実物の金(地金・のべ棒)にこだわりがある方には向きませんが、税率を20.315%に抑えたい場合はこれらの選択肢も有効です。

📝 このセクションのまとめ

  • 基本の節税は「5年超保有」と「年間50万円以内の売却」
  • 事業・不動産の赤字がある年に売却して損益通算する方法も有効
  • 金ETFや金先物を使えば税率を20.315%に下げられる

売却時の消費税|一般個人は納税不要で受け取りっぱなしOK

金は株や投資信託などの有価証券とは異なり、実物資産として扱われます。そのため、売買に消費税が課されます。

購入時は消費税10%が上乗せされます。たとえば100万円分の金を購入する場合、実際の支払いは110万円になります。

一方、売却時の消費税の扱いは立場によって異なります。

立場消費税の扱いポイント
一般個人(会社員など)売却価格に消費税が含まれるが、納税義務なし消費税分がそのまま手元に残る=お得
インボイス登録済みの事業者・課税事業者受け取った消費税を納税する義務あり消費税分の利益はなし
インボイス未登録・免税事業者の個人事業主受け取った消費税を納税しなくてよい消費税分がそのまま手元に残る=お得

📌 ポイント|一般個人が金を売ると消費税分が丸ごと手元に

通常、事業者が消費税を受け取ると国に納める義務があります。しかし一般個人(事業として金売買を行っていない人)が金を売却した場合、受け取った消費税は納税不要です。高額の金を売れば売るほど、受け取る消費税額も大きくなります。なお、この消費税分は所得税の課税対象にはなりますが、それでも大きなメリットです。

⚠️ 注意|課税事業者・インボイス登録者は消費税を納税する必要あり

インボイス登録をしている事業者や消費税の課税事業者の方が金を売却した場合、受け取った消費税は納税義務があります。自分の立場を確認した上で判断してください。

📝 このセクションのまとめ

  • 金の購入時は消費税10%が上乗せされる(実物資産のため)
  • 一般個人が金を売却した場合、消費税を受け取っても納税義務はない
  • インボイス登録済みの事業者・課税事業者は受け取った消費税を納税する必要がある
  • インボイス未登録・免税事業者の個人事業主も消費税を受け取りっぱなしにできる

金投資を始める前に確認したいこと

金への投資を検討する際は、税制上の優遇だけでなく、取引手数料にも注意が必要です。購入・売却のたびにかかる手数料が高いと、せっかくの利益が目減りしてしまいます。証券会社や金融機関ごとに手数料体系が異なるため、事前にしっかり確認しておきましょう。

  • 購入・売却時の手数料(スプレッドを含む)
  • 保管・管理にかかるコスト(実物保有の場合)
  • 積立購入の場合の積立手数料

税制の優遇を最大限に活かすためにも、コスト面の確認を忘れずに行いましょう。

終わりに

本記事の内容は YouTubeチャンネル 税理士YouTuberチャンネル!! / ヒロ税理士 の下記動画を参考に作成しています。AIによる書き起こしを活用しているため、誤字脱字がある可能性があります。ご了承ください。
本サイトは 税理士YouTuberチャンネル!! / ヒロ税理士を応援しています!

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