高所得者が所得税を減らす7つの控除を税理士が解説【完全ガイド】
高所得なのに所得税をほとんど払わない人たちの秘訣を、7つの控除を通じて徹底解説します。
高所得者が節税できる理由とは?
実は世の中には、高所得なのにあまり所得税や住民税を払っていない人たちがいます。

本当ですか?例えばiDeCoとか、良い仕組みだというのはなんとなく分かってはいるんですけど、結構面倒くさかったりとか、全体像が見えなくてやらずにいるうちに何年も経ってしまったって感じなんですよね。

本当にそういう方がほとんどなんじゃないですか。そういう人って結構いると思うんですよ。

というわけで今回は、所得税を減らす効果のある各種控除の中でも、絶対押さえておきたいもの7つを教えていただきたいと思います。

はい、承知しました。

そもそも「控除」とは?所得控除と税額控除の違い
まず最初に所得税の税率というところから一緒に復習していきたいんですけども、皆さんすでにご存知の通り、日本の所得税は累進課税という形をとっていて、稼げば稼ぐほど税率が上がっていくということになっています。
住民税も合わせると税率は最高約55%になっているのが今の日本のルールになっています。

これ、半分以上税金を持っていかれるんですか?なかなかエグいですよね。

本当に皆さん国に貢献していただきありがとうございます、なんですが、みんな何とか節税しようとするということですよね。だいたい年収1,000万・1,500万を超えてくると相談が増えますね。
今日はそこで、意外と見落とされがちな控除の適用というところにスポットを当てていこうと思います。

「控除」ってそもそもどんな意味でしたっけ?

金額や数量などを差し引くという意味なんですけども、税制上で言うならば納税額を減らすことができる仕組みです。控除には大きく分けて所得控除というものと税額控除というものの2つがあります。

それってどう違うんですか?

所得控除は課税対象となる所得金額を減らすことができ、税額控除は税金そのものを減らすことができるという違いがあります。

いまいちちょっとわからないんですけど、どういうことになりますか?

控除されるタイミングに違いがまずありまして、所得税を計算する流れをまず知っておく必要があるんですけども、所得税計算の元となる課税所得——税率をかける前の所得のこと——は、所得金額から各種の所得控除を差し引いて求めることになっています。
こうやって求めた課税所得に税率をかけて所得税額を算出します。つまり所得控除は税率をかける前の控除ということになります。

なるほど。

こうして算出した所得税額からさらに差し引くことができるのが税額控除になっていまして、算出した税額から税額控除を差し引いた部分が実際の納付額になってきます。つまり税額控除は税率をかけた後の控除になってきます。
最終的に計算された所得税額から直接差し引くことができますので、所得控除よりも税額控除の方が節税効果は大きいということになってきます。

そういうことですね。所得控除と税額控除で、差し引くタイミングの違いがあったんですね。

はい。いずれも控除の金額が多くなれば、結果として所得税の節税になってきます。うまく活用すれば数十万円単位、あるいはそれ以上の控除を受けることも可能です。しかし要件を満たしているのに適用を受けていないというケースも多くて、控除漏れというのもやっぱり散見されるんですよ。

それはちょっともったいないですね。

【所得控除①】小規模企業共済|退職金積立で年最大84万円控除
それではいよいよここから控除を紹介していただきたいと思います。まず最初は1つ目の所得控除、小規模企業共済について教えていただけますか?

小規模企業共済なんですけども、中小企業の経営者や個人事業主のための退職金積立制度になっております。この掛け金についてなんですが、全額が所得控除の対象になります。正式には「小規模企業共済等掛金控除」と言います。

全額ってこれすごいですね。実際どれぐらいの控除を受けられるんでしょうか?

月最大7万円を1年間かけた場合、7×12で84万円分の所得控除を受けることができます。

なるほど。退職金を積み立てながらさらに年間84万円も課税所得を減らせるということなんですね。これどれくらい税金が減るんですか?

こちらは掛け金ごとの節税額一覧になってくるんですけども、例えば課税所得1,000万の方であれば年84万円を積み立てた場合、年間36万7,000円の節税ができます。

これ、いずれ戻ってくるお金の積立でこれだけ節税効果があるというのはすごいですね。

そうなんですよ。付け加えると、1年以内の前払いも可能なため、今年分と翌年分合わせて最大160万円の所得控除を得ることも可能になっています。
逆に経営が苦しい時なんですけども、掛け金を例えば1,000円まで減額するといった柔軟な使い方も可能ですね。ただし減額した部分はその間運用されないなどデメリットもありますので、余裕のある金額から積み立てていくのがベターになっています。

そういうことですね。

【所得控除②③】iDeCo・医療費控除|掛け金全額控除と意外な対象費用
では続きまして、iDeCo——個人型確定拠出年金——について教えていただけますか?

iDeCoは私的年金を自分で積み立てていく制度になっています。こちらも掛け金の全額が所得控除の対象となりますので、その年の所得税と翌年の住民税を下げることができます。また、運用で得た利益は非課税になるなど、税制的にも優遇されています。

掛け金はどれぐらいまでかけられるんですか?

職業によって上限が異なっていまして、自営業・個人事業主は月額6万8,000円、年間で81万6,000円まで掛けることができます。一方、経営者などで企業型DCに加入している場合は上限が月2万4,000円になっております。

この場合どのくらい節税になるんでしょうか?

例えば月2万円拠出した場合、年収600万の方の節税額は年4万8,000円、年収1,000万の方の節税額は年間7万2,000円になっていますね。

なるほど。じゃあ同じ拠出額でも年収が高い人の方が節税額が大きくなるということですね。

はい。先ほど見てきたように所得控除は税率をかける前の控除なので、節税効果も税率に比例してきます。ですので税率の高い高所得者の方ほど節税効果が大きくなると言えます。

なるほど、そういうことだったんですね。では続いて医療費控除についていかがですか?

原則として自分や家族の医療費を1年間に10万円を超えて支払った場合、一定の所得控除が受けられるというものになっています。

これどれぐらい控除されるんでしょうか?

医療費控除は1年間に支払った医療費から保険金などの各種保険金を引いて、さらに10万円を引いた計算額が控除額となっています。上限200万円までの控除となりますので、高額な医療費がかかる治療などは所得の多い年度にまとめて行うことで医療費控除を活用でき、節税効果も高くなってきます。

そういうことなんですね。これどういった費用が医療費控除の対象になっているんでしょうか?

意外に幅広になっていまして、治療費・医薬品の購入費・入院の際の食事代・通院にかかる公共交通機関のバス代などが対象になってきます。

これ、ちなみに歯の治療費なんかも対象になりますか?

はい、もちろんなります。ただ、治療目的の診療費は対象なんですが、美容目的の歯並びの調整などの費用は原則として控除の対象外となっています。
ただし、発育途中の子供の治療を目的とする歯の矯正は対象になってきますね。

そうなんですね。

あと意外なところですと、レーシック手術も医療費控除の対象になっています。レーシックは保険適用外で治療費が数十万円が自己負担になるので、これは覚えておきたいですね。

そうですね。

【所得控除④⑤】扶養控除・ふるさと納税|別居の親も対象になる盲点
では続いて扶養控除について教えていただけますか?

子供や親などの扶養親族がいる場合は、所得から一定額を控除することができます。例えば高校生のお子さんを扶養している場合は38万円、70歳を超える別居の親を扶養している場合は年間48万円の扶養控除を受けることができます。

結構大きいですね。扶養親族に該当するにはどんな要件があるんでしょうか?

扶養親族の主な要件なんですけども、その年の12月31日時点で16歳以上であること、配偶者以外の親族であること、納税者と生計を一にしていること、年間の合計所得金額が48万円以下であることが挙げられています。
生計が同じであれば別居していても扶養控除に入れることができますので、入れ忘れている人がいないかどうかちゃんと見直してみてほしいと思います。

別居でもOKということですね。これ結構盲点ですよね。例えば一人暮らしを始めた大学生の子供に生活費を出している場合なんかもそんな感じですかね?

そうですね。その場合も、親が生活費や教育費を出しているのであれば対象になってきます。さらに言うと、その年の年末時点で19歳以上22歳以下の人は「特定扶養親族」というものにあたりまして、この場合は控除額が63万円になりますね。一般の扶養家族・扶養親族に比べてより大きな節税効果を得ることができます。

大学生になるとやっぱり親の負担も大きいので、これはありがたいですね。

ただし、年間所得48万円以下・給与収入103万円以下という扶養親族の要件がありますので、お子さんのアルバイトのしすぎには注意してください。

そうなんですね。では次に、ふるさと納税について教えていただけますか?

ふるさと納税は全国各地の自治体から寄付先を選んで寄付することで、寄付金控除を受けることができる制度になっています。控除上限額の範囲内であれば、自己負担額の2,000円を除いた全額が控除の対象となって、所得税・住民税から控除されるものになっています。
実質2,000円の負担で、寄付額の3割相当のお野菜・果物・お米といった返礼品をもらえるというのも特徴になっていまして、かなり人気になっています。

2,000円では絶対買えるようなものをもらえるのでめっちゃお得ですよね。

そうですね。サラリーマンの方であればワンストップ特例を使えば簡単に申請することができます。

【税額控除①②】寄附金特別控除・住宅ローン控除|税額から直接差し引く強力な控除
ここからは税額控除をご紹介します。まず寄附金特別控除について教えていただけますか?

寄附金特別控除とは、特定の団体に寄付した場合に受けられる控除になっています。

さっきのふるさと納税も寄附金控除でしたけど、これ何が違うんですか?

ふるさと納税などの寄附金控除は所得控除になるので、税率をかける前の控除になっています。一方、寄附金特別控除はこちら税額控除になっていまして、税額から直接控除額を差し引くことができます。
政党・NPO法人・公益社団法人などへの寄付金についてはですね、所得控除にするか、もしくはこの寄附金特別控除(税額控除)にするかという選択が可能になっています。寄付金額や所得によっても変わってくるので、税額控除の方が有利になるケースが多くなっていますね。

なるほど。NPOなんかに寄付した場合は所得控除だけじゃなくて税額控除も選べるということなんですね。

はい、そうなんです。ただ注意点もあります。NPO法人に寄付をする場合、「認定NPO法人」かどうか確認してください。現在NPO法人自体は5万団体ほどあるそうなんですけども、この認定NPOというのは約1,200ぐらいしかないんですよ。

意外と少ないですよね。

そうなんです。意外と少なくて。あと社団法人に寄付する場合も「公益社団法人」かどうかという確認が必要になります。

では続いて住宅ローン控除について教えていただけますか?

こちらは新築物件でも中古物件でも適用可能になっております。2022年1月1日以降に住宅の取得や居住を開始した方の住宅ローン控除は、住宅ローンの年末残高に対して0.7%の減税、控除期間は13年間となっております。
年末残高の0.7%が減税されますので、例えば住宅ローン残高が2,000万円だとしたら、その年は14万円減税されます。所得税から引ききれない場合は住民税から減税されるという流れになっています。

以前は1%でしたけど、そこから下がったとはいっても、家を買う人にとってはめちゃくちゃ大きい控除ですね。やらないと。

そうですね。

控除を受けるための注意点|確定申告を忘れずに
では最後に、この控除を受ける際の注意点をお願いします。

この各種控除を受けるためには、原則として確定申告が必要になります。個人事業主は毎年確定申告をしなければ控除を受けることができませんし、サラリーマンの方も一定の場合には確定申告が必要になります。
サラリーマンは会社で年末調整をしてくれているので通常は確定申告が不要なんですけども、医療費控除や寄附金控除などをやる場合には確定申告をする必要があります。また、住宅ローン控除の適用を受けるためには初年度(1年目)は必ず確定申告をする必要があります。

そうなんですね。

個人事業主の方は毎年確定申告をしなければいけません。適用できる控除があるのに確定申告で申告をし忘れてしまうと、その分もちろん多く税金を払ってしまうことになりますのでご注意ください。

なるほど。控除の資格があってもちゃんと申告しないと適用にならないということなんですね。

はい。いかがでしたでしょうか。控除を適用することで手元に残るお金が全然違うということをわかっていただけたかと思います。しかもこれらは国が制度として用意してくれているルールに則った完全に合法なものなので、抜け漏れがないようにどんどん活用していってください。

終わりに
本記事の内容は YouTubeチャンネル 社長の資産防衛チャンネル の下記動画を参考に作成しています。AIによる書き起こしを活用しているため、誤字脱字がある可能性があります。ご了承ください。 本サイトは 社長の資産防衛チャンネルを応援しています!
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