2026年4月iDeCo改正で不要になる人続出!年12万円節税の方法を税理士が解説
2026年4月と2027年1月の2段階改正で、iDeCoが不要になる人が何百万人単位で出現。自分に最適な選択肢を見極めよう。
iDeCoの改正スケジュール:2回の大きな変更が控えている
現在(2025年10月時点)から見て、iDeCoには近い将来に2回の改正が予定されています。
- 2026年4月:1回目の改正(主に企業型DCのマッチング拠出に関する変更)
- 2027年1月:大改正(掛金上限の大幅引き上げ、加入年齢の拡大など)
基本的には国民にとって有利な改正ですが、場合によってはそうではない人たちも出てきます。なんなら「iDeCoはいらない」という人が何百万人単位で出てくるという改正になっています。
📌 ポイント
iDeCoをすでに始めている方も、これから始めようと思っている方も、今回の改正内容をしっかり把握した上で判断することが重要です。
📝 このセクションのまとめ
- iDeCoの改正は2026年4月と2027年1月の2段階
- 基本的には有利な改正だが、iDeCoが不要になる人も大量発生する
2025年現在のiDeCo掛金上限:働き方別の整理
まず現状の掛金上限を確認しましょう。お勤めの会社の年金制度によって、上限額が大きく異なります。
| 区分 | 2025年現在の上限(月額) |
|---|---|
| 自営業・フリーランス | 6万8,000円 |
| 確定給付年金(DB)または共済加入の会社員・公務員 | 1万2,000円(実質) |
| 企業型DC加入の会社員 | 2万円(多くの場合)※差額方式 |
| 企業年金なしの会社員(中小企業等) | 2万3,000円 |
| 専業主婦(夫) | 2万3,000円 |
企業型DCの会社員については、全体の上限が月5万5,000円ですが、マッチング拠出の上限(会社拠出額と同額まで)や、iDeCoとの組み合わせ上限(実質月2万円)といった制約があるため、多くの方は月2万円が実質的な上限になっています。
なお、実際にiDeCoに加入している人数は次の通りです。
| 区分 | 加入者数(概算) |
|---|---|
| 自営業・フリーランス | 約38万人 |
| 企業型DC・DB加入の会社員 | 約128万人 |
| 企業年金なしの会社員 | 約189万人 |
| 専業主婦(夫) | 約15万人 |
| iDeCoプラス(中小企業向け) | 約5万人 |
圧倒的に会社員の加入者が多いことがわかります。
📝 このセクションのまとめ
- 掛金上限は働き方・会社の年金制度によって月1万2,000円〜6万8,000円と大きく異なる
- 企業型DCがある会社員は実質月2万円が上限になっているケースが多い
- iDeCo加入者は会社員が大多数を占める
iDeCoのメリット・デメリットをおさらい
2026年4月改正を正しく理解するために、まずiDeCoのメリットとデメリットをしっかり把握しておく必要があります。
iDeCoの主なメリットは以下の通りです。
- 掛金が全額所得控除:毎月の掛金が減税になる。年収によって異なるが、税率15%〜55%が節税になる
- 運用益が非課税:積み立てたお金を投資信託(ファンド)で運用し、運用益に課税されない
- 受取時も税優遇:60歳超から受け取れる。一時金(退職所得扱い)または年金形式を選択でき、通常の給与より税金が安い
- 死亡一時金:60歳前に亡くなった場合でも遺族に支払われる
- 障害給付金:障害状態になった場合は一括または分割で受け取れる(生命保険の代わりにもなる)
- 信託法による保護:証券会社・信託銀行が破綻しても自分の資産は守られる
- 差押禁止財産:自己破産してもiDeCoは没収されない
一方、iDeCoのデメリットも無視できません。
- 掛金上限が働き方によって異なる:月2万円〜6万8,000円と幅がある
- 手数料が毎月かかる:国民年金基金連合会への月105円+信託銀行への手数料で、年間約2,000円程度の負担がある
- 60歳まで引き出せない:公的年金を補う第2年金の位置づけのため、途中解約は原則不可
📌 ポイント
「60歳まで引き出せない」という点がiDeCoの最大のデメリットです。ただし、2027年1月改正では加入年齢が69歳までに拡大されるため、60代から始めやすくなります。
📝 このセクションのまとめ
- iDeCoは掛金控除・運用益非課税・受取時税優遇の三重の節税効果がある
- 最大のデメリットは「60歳まで引き出せない」こと
- 手数料が年間約2,000円かかる点も見落とせない
2026年4月改正の核心:マッチング拠出の上限規制が撤廃される
今回の2026年4月改正で主に影響を受けるのは、大企業が採用している企業型DC(確定拠出年金)の加入者です。
現在の仕組みを整理すると、企業型DCの掛金上限は月5万5,000円です。たとえば会社が月1万円を拠出している場合、従業員も自分の給与から「マッチング拠出」としてお金を上乗せできます。ただし現在は「マッチング拠出は会社の拠出額を超えてはいけない」というルールがあります。
なぜこのルールがあるのかというと、企業年金はあくまでも企業が主体となってお金を出す制度だからです。「従業員が会社より多く出すとは何事か」という考え方から、このような規制が設けられていました。
その結果、月5万5,000円の枠があっても、会社が1万円しか出していない場合、マッチング拠出も最大1万円まで。残りの3万5,000円分の枠が無駄になるという状況が生まれていました。
📌 2026年4月改正のポイント
マッチング拠出の「会社拠出額と同額まで」という上限規制が撤廃されます。全体の上限(月5万5,000円)から会社拠出額を引いた残り全額をマッチング拠出に使えるようになります。
具体例で見てみましょう。会社が月1万円を拠出している場合:
| 項目 | 2025年現在 | 2026年4月以降 |
|---|---|---|
| 会社の拠出額 | 1万円 | 1万円 |
| マッチング拠出の上限 | 1万円(会社と同額まで) | 4万5,000円(5万5,000円-1万円) |
| 節税額(税率30%の場合) | 月3,000円 | 月1万3,500円 |
| 年間節税額(税率30%の場合) | 3万6,000円 | 16万2,000円 |
マッチング拠出をしていた方にとっては、節税のチャンスが大幅に増えるめちゃめちゃいい改正です。
📝 このセクションのまとめ
- 2026年4月改正でマッチング拠出の上限規制(会社拠出額と同額まで)が撤廃される
- 会社が月1万円拠出の場合、マッチング拠出が最大月4万5,000円まで可能になる
- 税率30%なら月1万3,500円、年間16万2,000円超の節税が実現できる
企業型DC加入者はiDeCoとマッチング拠出、どちらを選ぶべきか
ここで問題が生じます。これまで「マッチング拠出をせずにあえてiDeCoを選択していた会社員」はどうすればいいのか、という点です。
現状を整理すると、企業型DCとiDeCoは同時に利用できない(どちらか一方しか選べない)という制約があります。そのため、より多く節税・積立したい方は、マッチング拠出の上限(会社拠出額と同額)に縛られるより、iDeCoで月2万円出す方を選んでいたケースが多くありました。
しかし2026年4月改正後は状況が変わります。
| 比較項目 | 企業型DC+マッチング拠出 | 企業型DC+iDeCo |
|---|---|---|
| 2026年4月以降の上限 | 月4万5,000円(会社1万円の場合) | 実質月2万円(変わらず) |
| 2027年1月以降の上限 | 月6万2,000円から他掛金を引いた額 | 月6万2,000円から他掛金を引いた額(同額) |
| 手数料 | 不要 | 年間約2,000円かかる |
| 選べる投資信託の数 | 会社が用意した商品のみ | iDeCoの商品ラインナップ(豊富) |
2027年1月改正後は掛金上限がどちらも同じになりますが、手数料の差がある分、マッチング拠出の方が有利です。iDeCoは年間約2,000円の手数料がかかりますが、企業型DC+マッチング拠出には手数料がかかりません。
⚠️ 注意
「企業年金とiDeCoを別々のタイミングで受け取ることで節税する」というスキームは、直近の改正(出口戦略に関するルール変更)により、19年空けなければいけないという制約が設けられ、活用が難しくなっています。この点も踏まえると、企業型DC加入者はマッチング拠出を選ぶ方が無難です。
結論として、企業型DCのある会社に勤めていてマッチング拠出ができる方は、2026年4月以降はiDeCoではなくマッチング拠出一択と考えて良いでしょう。
📝 このセクションのまとめ
- 企業型DCとiDeCoは同時利用不可。どちらかを選ぶ必要がある
- 2026年4月以降はマッチング拠出の方が掛金上限が大きい
- 手数料がかからない分もマッチング拠出が有利
- 出口戦略(受取タイミングによる節税)も難しくなっており、マッチング拠出一択が現実的
すでにiDeCoを始めている企業型DC加入者はどうすればいい?
問題は、すでにiDeCoを始めてしまっている方です。2026年4月以降の選択肢は大きく2つあります。
- 選択肢①:引き続きiDeCoを続ける
- 選択肢②:iDeCoを一旦停止して、2026年4月以降はマッチング拠出に切り替える
②を選ぶ場合に注意が必要です。iDeCoを停止すると積み立ては終わりますが、これまで積み立てた資産はそのまま残ります。ただし、その資産を維持するための手数料として、信託銀行への月約66円程度の支払いはずっと続きます。これは避けられないコストとして受け入れるしかありません。
停止後に残ったiDeCoの積立金は、60歳になったらiDeCoとして受け取ることができます。
📌 ポイント
企業型DCでiDeCoをやっている方は、2026年4月以降に「引き続きiDeCoを続けるか」「マッチング拠出に切り替えるか」という選択が発生します。ご自身の状況と会社の制度を確認した上で、会社にも相談しながら検討してください。
📝 このセクションのまとめ
- iDeCoを停止してもこれまでの積立資産は残り、60歳以降に受け取れる
- 停止後も信託銀行への維持手数料(月約66円)は継続して発生する
- 2026年4月以降はマッチング拠出への切り替えを検討する価値が高い
DB・共済加入者(公務員含む)はiDeCoをどう活用すべきか
確定給付年金(DB)に加入している会社員や、共済に加入している公務員の方はどうでしょうか。
これらの方にはマッチング拠出という制度がありません。自分で追加の積立をするなら、iDeCoを使うしかありません。
| 時期 | DB・共済加入者のiDeCo上限 |
|---|---|
| 2025年現在 | 月1万2,000円 |
| 2026年4月改正後 | 変更なし(影響なし) |
| 2027年1月改正後 | 月6万2,000円から他の掛金制度を引いた額(差額方式) |
2026年4月改正はDB・共済加入者には影響がなく、2027年1月改正で大幅に上限が引き上げられます。引き続きiDeCoを活用した節税という考え方で問題ありません。
📝 このセクションのまとめ
- DB・共済加入者にはマッチング拠出の選択肢がないため、iDeCo一択
- 2026年4月改正の影響はなく、2027年1月改正で上限が大幅アップ
- 引き続きiDeCoで節税を継続する方針でOK
2027年1月の大改正:全員に関わる掛金上限の大幅引き上げ
2027年1月の大改正では、全ての区分で掛金上限が引き上げられます。
| 区分 | 2025年現在 | 2027年1月以降 |
|---|---|---|
| 自営業・フリーランス | 月6万8,000円 | 月7万5,000円 |
| DB・共済加入の会社員・公務員 | 月1万2,000円 | 月6万2,000円から他掛金を引いた額 |
| 企業型DC加入の会社員 | 実質月2万円 | 月6万2,000円から他掛金を引いた額 |
| 企業年金なしの会社員 | 月2万3,000円 | 月6万2,000円 |
| 専業主婦(夫) | 月2万3,000円 | 月6万2,000円 |
また、加入できる年齢も現在の上限から69歳までに拡大されます。これにより、60代から老後資金の積み立てを始めやすくなります。
📌 ポイント
2027年1月改正後は、マッチング拠出もiDeCoも上限が同じ「月6万2,000円から他の掛金を引いた額」になります。ただし手数料の差はなくならないため、企業型DC加入者にとってはマッチング拠出が引き続き有利です。
📝 このセクションのまとめ
- 2027年1月改正で全区分の掛金上限が大幅に引き上げられる
- 加入年齢が69歳まで拡大され、60代からでも始めやすくなる
- 企業型DC加入者はマッチング拠出・iDeCoどちらも上限が同じになるが、手数料の差でマッチング拠出が有利
まとめ:自分の会社の制度を把握することが最重要
これまでは「自分で年金を積み立てるならiDeCo一択」と説明しやすかったのですが、2026年4月の改正以降は「企業型DCがある会社でマッチング拠出ができる人はiDeCoではなくマッチング拠出の方がいい」という例外が生まれました。
企業型DCがある会社には800万人以上が勤めていますから、結構多くの方がiDeCoを使わない方がいいという話になってきます。
各区分ごとの対応方針をまとめると次の通りです。
| あなたの状況 | 2026年4月以降の推奨行動 |
|---|---|
| 企業型DC加入・マッチング拠出未実施 | マッチング拠出を開始する |
| 企業型DC加入・iDeCo選択中 | マッチング拠出への切り替えを検討(会社に相談) |
| DB・共済加入(公務員含む) | 引き続きiDeCoで節税継続 |
| 企業年金なしの会社員・中小企業 | 引き続きiDeCoで節税継続(2027年1月改正で上限大幅アップ) |
| 自営業・フリーランス | 引き続きiDeCoで節税継続(2027年1月改正で月7万5,000円に) |
| 専業主婦(夫) | 引き続きiDeCoで節税継続 |
⚠️ 注意
「iDeCoがお得」「マッチング拠出がお得」という情報は、自分の会社の制度によって全く異なります。節税情報を見聞きしたときは、まず「自分の会社がどういう年金制度を採用しているか」を確認してから判断してください。
今回の改正は、節税・資産形成の選択肢が広がる一方で、「自分はどの制度に該当するのか」を把握することが、これまで以上に重要になる改正です。ご自身の状況をしっかり確認した上で、最適な選択をしていただければと思います。
終わりに
本記事の内容は YouTubeチャンネル オタク会計士ch【山田真哉】 の下記動画を参考に作成しています。AIによる書き起こしを活用しているため、誤字脱字がある可能性があります。ご了承ください。本サイトは オタク会計士ch【山田真哉】を応援しています!
東京エリア
千代田・中央・港区から副都心各区まで、東京の優良税理士法人ランキング
関西エリア
大阪・京都・兵庫・岡山など関西圏の信頼できる税理士法人ランキング
関東エリア
首都圏の神奈川・埼玉・千葉・北関東で実績のある税理士法人ランキング
中部エリア
製造業の集積地、中部・北陸圏で企業支援に強い税理士法人ランキング
九州・沖縄
九州・沖縄地域で地域密着型サービスに定評のある税理士法人ランキング
その他地域
北海道・東北・中国・四国地方の地域に根ざした税理士法人ランキング
