所得控除15種類をわかりやすく解説!節税の仕組みと年末調整・確定申告の使い分け
合法的に税金を減らす「控除」の仕組みを理解して、節税を実践しよう。
節税とは何か?まず「いつ・どこで」を押さえよう
税金には「節税」という言葉があります。合法的に税金を安くしていくことを節税といい、私たちは正しく学ぶことでこれを実践できます。
節税を考える前に、まず「いつ・どこで」節税をするのかというタイミングを押さえることが重要です。これを知っているだけでも大きな一歩になります。
| 働き方 | 節税のタイミング | 時期 |
|---|---|---|
| 会社員・公務員 | 年末調整 | 12月 |
| 個人事業主・フリーランス | 確定申告 | 翌年3月 |
📌 ポイント
「いつ節税するか」というタイミングを知っているだけで、節税の取り漏れを大幅に防げます。自分の働き方に合ったタイミングをまず確認しましょう。
📝 このセクションのまとめ
- 節税とは「合法的に税金を安くすること」
- 会社員・公務員は12月の年末調整が節税イベント
- 個人事業主・フリーランスは翌年3月の確定申告が節税のタイミング
所得税の仕組みをざっくり理解する
節税の仕組みを理解するには、まず所得税の計算方法をざっくり把握することが重要です。難しく考える必要はありません。計算の流れを見れば、何をすれば税金が安くなるかが自然にわかります。
所得税の計算はシンプルで、「収入からいろいろ引いて、最後に残った金額に税率をかける」というものです。つまり、引ける金額が増えれば増えるほど、税率をかける元の金額が小さくなり、結果として税金も少なくなります。
「引けるものがいっぱいないか確認する」これが節税の基本的な考え方です。
| パターン | 計算の流れ | 備考 |
|---|---|---|
| 給与所得(会社員・公務員) | 収入 → 給与所得控除(自動)→ 所得控除 → 課税所得 → 税率 | 給与所得控除は給料が決まれば自動計算 |
| 事業所得(個人事業主・フリーランス) | 売上 → 経費 → 青色申告特別控除 → 所得控除 → 課税所得 → 税率 | 経費・青色申告特別控除など引けるものが多い |
給与所得控除は給料の金額が決まれば自動的に計算されるため、自分でコントロールできません。一方で、所得控除は15種類あり、各個人の状況に合わせて使い方が変わります。ここが勉強しがいのある部分です。
個人事業主・フリーランスは経費や青色申告特別控除など引けるものが多く節税しやすい環境にありますが、会社員・公務員にも給与所得控除と共通して使える「所得控除」があります。これが今日の主役です。
📝 このセクションのまとめ
- 所得税は「収入 − 各種控除 × 税率」で計算される
- 引ける金額が増えるほど税金は減る
- 給与所得控除は自動計算、所得控除は自分で申請が必要
- 所得控除は会社員・個人事業主共通の節税ツール
「控除」とは何か?基本を押さえよう
ここからは「所得控除」を単に「控除」と呼んで話を進めます。控除の基本的な性質を整理しましょう。
- 税金を減らすための仕組み
- 自分の環境・状況によって使えるものが変わる(結婚・出産・住宅購入など)
- 全部で15種類ある
- 適用するタイミングは年末調整または確定申告
📌 ポイント
15種類の控除を全部暗記する必要はありません。「今年、生活に変化があったな」と気づいたときに「何か控除が使えないかな」と調べられる準備をしておくことが大切です。結婚した、子どもが生まれた、家を建てたなど、環境の変化が節税のチャンスになります。
会社員・公務員の場合、年末調整は「節税イベント」と捉えましょう。ここで控除の情報を会社に提出することで節税が実現します。もし提出漏れがあった場合は、確定申告でカバーすることも可能です。
📝 このセクションのまとめ
- 控除は「税金を減らすもの」で全15種類
- 自分の環境変化に合わせて使えるものが変わる
- 年末調整での提出漏れは確定申告でカバー可能
代表的な控除①:基礎控除・社会保険料控除
まずは誰もが関係する2つの控除を見ていきます。
| 控除の種類 | 控除額 | 対象者・条件 |
|---|---|---|
| 基礎控除 | 48万円 | 日本に住んでいる方全員(年収2,500万円超は対象外) |
| 社会保険料控除 | 払った社会保険料の全額 | 健康保険・年金・雇用保険など給料から天引きされたもの |
この2つは会社が把握している情報です。基礎控除は誰でも適用でき、社会保険料は給料から天引きしているため会社がすでに金額を知っています。
⚠️ 注意
年末調整を適当にやり過ごすと、会社が把握しているこの2つの情報だけで税金が計算されてしまいます。その結果、本来安くなるはずの税金が高いままになってしまいます。他にも控除がある場合は、必ず情報を会社に提出しましょう。
📝 このセクションのまとめ
- 基礎控除は年収2,500万円以下なら全員が48万円使える
- 社会保険料控除は払った全額が控除になる
- この2つ以外の控除は自分から会社に申告しないと適用されない
代表的な控除②:配偶者控除・扶養控除
配偶者や家族がいる方が使える控除です。会社は配偶者の存在は知っていても、配偶者がいくら稼いでいるかまでは把握していません。そのため、自分で情報を書いて会社に提出する必要があります。
配偶者控除・配偶者特別控除の概要は以下のとおりです。
| 条件 | 控除額 |
|---|---|
| 配偶者の所得が一定以下(基本) | 38万円 |
| 配偶者が70歳以上の場合 | 48万円 |
| 上限を超えた場合 | 段階的に控除額が減少(配偶者特別控除) |
| 本人の年収が1,000万円超の場合 | 配偶者控除なし |
次に扶養控除です。「子どもが生まれたら控除が増える」と思っている方も多いですが、所得税の扶養控除は16歳以上の養っている家族がいる場合に適用されます。赤ちゃんや幼い子どもは所得税の扶養控除の対象外です(住民税への影響は別途あります)。
📌 扶養控除の判定ポイント
- その年の12月31日時点で16歳以上であるかどうかで判定する
- 扶養されている側の給与収入が年間103万円以下であること(いわゆる「103万円の壁」)
- 養っている家族の名前は全員漏れなく書いておくと取り漏れを防げる
「103万円の壁」とは、扶養している側(親など)の税金が減るかどうかの話です。扶養されている側(配偶者・子どもなど)自身の税金の話とは別であることを押さえておきましょう。
📝 このセクションのまとめ
- 配偶者控除は配偶者の所得に応じて38万円〜48万円(本人年収1,000万円超は対象外)
- 扶養控除は16歳以上の養っている家族がいる場合に適用
- 103万円の壁は「扶養している側」の税金に関わる話
- どちらも自分で情報を書いて会社に提出しないと節税にならない
代表的な控除③:生命保険料控除・地震保険料控除
民間の保険に加入している方が使える控除です。保険会社から「控除証明書」が送られてくるので、それを参考にして年末調整で提出しましょう。
生命保険料控除の対象となる保険の種類は以下のとおりです。
- 生命保険料
- 介護医療保険料
- 個人年金保険料
⚠️ よくある誤解:保険料を払えば払うほど節税になる?
「保険料を多く払えば払うほど控除が増えて節税になる」と思っている方がいますが、これは誤りです。生命保険料控除の上限は最大12万円です。どれだけ保険料を払っても控除額はこれ以上増えません。保険はあくまで「保険」の目的で加入するものです。節税目的で保険に入るのは避けましょう。
次に地震保険料控除です。こちらも保険会社から控除証明書が届きます。適用の条件は以下のとおりです。
- 自分または家族が所有していて、かつ実際に住んでいる建物・家財の地震保険料であること
- 住んでいない不動産(投資用不動産など)の地震保険料は対象外
- 賃貸マンションに住んでいて自分が保険料を負担している場合も対象外
📌 不動産オーナーの方へ
投資用不動産(事業用不動産)の地震保険料は所得控除にはなりませんが、不動産事業の経費として計上できます。控除と経費は別の枠組みですので、混同しないようにしましょう。
📝 このセクションのまとめ
- 生命保険料控除の上限は最大12万円。保険料を増やしても控除は増えない
- 保険は節税目的ではなく、保険の目的で加入するもの
- 地震保険料控除は「所有かつ居住」している建物が条件
- どちらも保険会社から届く控除証明書を年末調整で提出する
代表的な控除④:寄付金控除・医療費控除(確定申告が必要)
ここからの2つは年末調整では対応してもらえず、確定申告が必須となる控除です。法律で決まっていることなので、会社が対応できないのはケチなどではなく仕組み上の話です。
寄付金控除は、寄付をすると税金が安くなる可能性がある控除です。計算が複雑で、その寄付が控除対象かどうか判断しにくいこともありますが、寄付先の団体のホームページに「寄付をすると控除になる可能性があります」と記載されているケースが多いので、そこで確認するのが確実です。
📌 ふるさと納税も寄付金控除の枠組みで処理する
ふるさと納税は「税金の前払い」という性質があります。寄付とは厳密には異なりますが、寄付金控除という枠組みの中で前払いした税金を取り戻す仕組みです。確定申告をして取り戻す作業が必要なため、年末調整では対応できません(ワンストップ特例制度を利用した場合を除く)。
次に医療費控除です。年間で10万円を超える部分の医療費が控除の対象になります。「自分一人ではそんなに医療費かからない」と感じる方も多いですが、ポイントは家族全員の医療費を合計できる点です。
- 養っている家族全員の医療費を合計して10万円超であれば控除対象
- その年(1月〜12月)の医療費を集計しておく準備が必要
- 翌年3月15日の確定申告で申請する
⚠️ 準備なくして節税なし
医療費控除は1年間の医療費を集計して初めて申請できます。領収書やレシートを日頃から保管しておく習慣をつけておきましょう。確定申告は最近スマートフォンでも簡単にできるようになっています。「確定申告は難しい」というイメージがある方も、ぜひ挑戦してみてください。
📝 このセクションのまとめ
- 寄付金控除・医療費控除は確定申告が必須(年末調整では対応不可)
- ふるさと納税も寄付金控除の枠組みで確定申告が必要
- 医療費控除は家族全員の医療費合計が10万円超で適用可能
- 医療費の領収書は日頃から保管しておくことが大切
節税の心構え:「全部覚える」より「調べる準備」が大事
今回は代表的な控除をいくつか見てきましたが、所得控除は全部で15種類あります。これを全部暗記している人はほとんどいませんし、覚える必要もありません。
大切なのは「今年、何か環境が変わったな」と気づいたときに「税金が安くなるかも」と思い出して調べられる準備をしておくことです。
| こんな変化があったら… | 使える可能性がある控除 |
|---|---|
| 結婚した | 配偶者控除・配偶者特別控除 |
| 子どもが16歳以上になった | 扶養控除 |
| 保険に加入した | 生命保険料控除 |
| 家を購入・居住した | 地震保険料控除・住宅ローン控除など |
| 寄付・ふるさと納税をした | 寄付金控除 |
| 医療費がかさんだ | 医療費控除 |
税金というのは「何かをした結果、たまたまその状況になったから控除が取れる」というものです。節税を目的に結婚したり、節税のために子どもを産んだりする人はいませんよね。保険も同じで、節税目的で保険に加入するのは本末転倒です。あくまで「保険」の目的で加入した結果として控除が使えるということを忘れないようにしましょう。
📌 節税の3ステップ
- 「今年、生活に変化があったな」と気づく
- 「何か控除が使えないかな」と調べる
- 適切なタイミング(年末調整または確定申告)で提出・申請する
📝 全体のまとめ
- 所得税は「収入 − 控除 × 税率」。引けるものを増やすほど税金が減る
- 会社員・公務員は12月の年末調整、個人事業主・フリーランスは翌年3月の確定申告が節税のタイミング
- 控除は全15種類。全部覚えなくてよい。変化があったら調べる習慣をつける
- 寄付金控除・医療費控除は確定申告が必須
- 節税目的で何かをするのではなく、生活の変化に合わせて控除を活用する
終わりに
本記事の内容は YouTubeチャンネル 大河内薫のマネリテ学園 の下記動画を参考に作成しています。AIによる書き起こしを活用しているため、誤字脱字がある可能性があります。ご了承ください。本サイトは 大河内薫のマネリテ学園を応援しています!
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