1億円を相続したら相続税はいくら?節税方法を税理士が解説
1億円を相続する場合、相続税はいくらかかるのか?節税方法とあわせて税理士が解説します。
相続税を払う人の割合は年々増加している
相続って、場合によってはかなりの金額を受け取ることになることもありますんで、その分税金もかなりの金額になりそうですよね。

そう思っている人も結構多いかもしれないですね。実際のところは基礎控除などの控除があるので、相続財産を取得した人が全員多額の相続税を支払わないといけないというわけではないんですよね。

そうなんですか。

ただ、相続税を払う人の割合というのは年々増加していて、平成26年は被相続人に対して4.4%だったのが令和4年だと9.6%で、東京都だけで見ると15%ほどになっているんですよ。

結構増えてるんですね。

そうなんですよ。場合によってはかなり高額になってくることもあるので、税額がどのくらいになるのかというのはあらかじめ把握しておいた方がいいかもしれないですね。

例えば、1億円を相続するとなると相続税っていくらぐらいなんですか?

じゃあ今回は1億円を相続する場合、条件によって税額がどのように変化するのかというところをお話ししていきましょうか。

お願いします。

相続税の基礎控除と法定相続人とは?
早速なんですけど、1億円を相続する場合って相続税いくらですか?

それを計算するためにはまず、相続税の基礎控除について知っておく必要がありますね。相続税には「3,000万円+600万円×法定相続人の数」の基礎控除が用意されております。計算の通り、基礎控除の額は法定相続人の数によって変わってくるんですよね。

法定相続人って何ですか?

要はですね、民法上で被相続人(亡くなった方)の財産を相続できるとされている人のことですね。配偶者は常に法定相続人になります。他の人についてはこのような優先順位がつけられております。
基本的には子供だったり、直系尊属と呼ばれるお父さんだったりお母さん、あとおじいちゃんおばあちゃんですね。あとは被相続人の兄弟だったり姉妹の順になってくるということになります。それぞれ自分たちよりも優先順位が高い法定相続人がいない場合に法定相続人になっていくということになっております。

つまり、子供がいない場合は父母や祖父母が法定相続人になって、父母や祖父母がいない場合には被相続人の兄弟姉妹が法定相続人になるってことですね。

はい、そういうことになりますね。例えば被相続人に配偶者と子供が2人いる場合、基礎控除は3,000万円+600万円×3人=4,800万円ということになります。

結構大きく感じるんですけど、それでも1億円を相続する場合は課税される金額が5,200万円ってどれぐらいになるんでしょうか?

こんな感じですね。相続税は所得税などと同じように累進課税になっているんですよ。ただし税率は課税される相続金額の総額を元に決めるのではなく、それぞれ法定相続人が得る金額を元にここで決定していくということになります。

つまりどうなるんですか?

例えばですね、先ほどの条件で総額の半分を相続する場合、課税される金額は5,200万円の半分になるんですよね。なので税率は15%になります。まあ実際には他の控除などもあるんでこのようにはなりませんが、イメージとしてはそういった感じになりますね。

なるほど、そういったことなんですね。相続する割合って法定相続人によって変わってくるってことでしたっけ?

はい。それによって法定相続人ごとに相続税額も変わってくるんですよ。ここからはそれについて詳しく解説していきましょう。

お願いします。

法定相続人のパターン別・相続税額シミュレーション
では早速、法定相続人によって相続税額がどのように変わってくるのかというところを見ていきましょう。まずは法定相続人が配偶者のみの場合ですね。1億円を配偶者が相続した場合、相続税は0円になるんですね。

えっ、ちょっと待ってください。どういうことですか?さっきの話だと3,000万円+600万円×法定相続人の数、つまり3,600万円に税金がかかってくるんじゃないですか?

まあ実は、配偶者には「1億6,000万円または法定相続分まで」の配偶者控除というものが認められているんですね。配偶者控除によって課税される相続金額が計算上0円になってくるんで、税金も結果的になくなってくるということになります。

なるほど、配偶者にかなり手厚い控除があるってことなんですね。

そうなんですよ。

じゃあ今度、配偶者と子供が相続した場合はどうなるんでしょうか?

まず配偶者と子供がいる場合、相続割合は配偶者が1/2を相続します。子供には残りの1/2を分配していくという形になります。子供2人なら1/4ずつ、3人なら1/6ずつということになりますよね。

なるほど、子供が多いほど子供の相続割合が小さくなってくということですね。

はい。その上で配偶者の相続分については配偶者控除が適用されるので税金は0になってくるんですよね。なので結果として、子供の相続分のみに税金がかかってくるということになります。子供の人数が多い方が基礎控除も多くなりますし、それぞれが受け取れる金額も少なくなっているんでその分税額も少なくなるわけですね。

はい。実際いくらぐらいになるんですか?

総額1億円を相続する際の相続税額をざっくり計算していくと、子供が1人の場合は相続税額が385万円、4人の場合だと4人合わせて225万円ということになります。遺産総額から見ておよそ2〜4%ぐらいってことなんですかね。

このくらいだったらそこまで問題になることもなさそうですね。

そうですね。意外と小さいですね。

じゃあ続きまして、子供のみが相続した場合、これはどうなりますか?

子供のみが相続した場合、相続割合は子供の数で均等に分配されていきます。ただし配偶者がいないということは配偶者控除が適用されないということなので、その分課税される金額というのは高くなってしまうんですよね。

確かに、そうなると結構変わってきそうですね。ちなみに税金はいくらぐらいになるんですか?

こちらもざっくりと計算してみるとこんな感じですね。子供が1人の場合は相続税の総額は1,220万円、4人の場合だと490万円になるんです。

これ、配偶者がいる場合と比べるとかなり多くなりますね。

そうなんですよ。なので子供のみの相続になる場合は、生前贈与などまそういった相続対策を行っていくということが重要になってきますね。

なるほど。ちなみにこれって法定相続人が子供じゃなくて直系尊属とか兄弟姉妹だった場合はどうなりますか?

その場合は配偶者との相続割合が変わってくるんですよ。直系尊属の場合は配偶者の割合が2/3になって、兄弟姉妹の場合は配偶者の割合が3/4になるんですよね。配偶者がいない場合はそれぞれ法定相続人が均等に相続していくということになりますね。

そうなんですね。じゃあ配偶者がいる場合は配偶者控除が適用される割合が増えるから相続税は少なくなるってことなんですね。

はい。

配偶者がいる場合はまだこの配偶者控除があるんで税金を抑えられるというのは分かったんですけど、配偶者がいない場合は結構な負担になりそうですね。何かこの相続税を抑えられる方法というのはないんでしょうか?

相続税を抑える方法としてはまあ、このようなものがありますね。それぞれ詳しく見ていきましょう。

お願いします。

節税対策①:小規模宅地等の特例
まずは小規模宅地等の特例ですね。これは相続した土地の相続税評価額を最大で80%減額できる制度になっています。減額できるのは建物が建っている土地に限られるんですよね。なので建物部分に対しては減額の対象にならないのでここは注意してほしいところであります。

建物が必要なのに建物は対象にならないってことなんですかね。ややこしいですね。ちなみにどれぐらい減額されるんですか?

土地の用途によって異なってくるんですけれども、まず亡くなった人の自宅が建っている土地の場合ですね。こういった場合は「特定居住用宅地等の特例」というものが適用されます。この特例では330平米までの土地であれば評価額が80%減額されることになります。

こちらは亡くなった人が直前まで住んでいる必要があるんでしょうか?

亡くなった人が要介護認定などを受けていて老人ホームなどに入居した場合でも、この特例は適用の範囲になってきますね。

老人ホームに入っている場合だったらいいってことなんですね。

はい。次に亡くなった人が保有していた収益物件が建っている土地についてですね。この場合は「貸付事業用宅地等の特例」が適用されて、200平米までの土地であれば評価額が50%減額されることになります。
ただし、親族などに相場より安く貸し出していた場合だったり、長期間の空室がある場合とか、相続開始3年以内に土地の貸し付けを始めた場合、こういった場合については節税目的でしょうという風に判断されてこの特例の適用外になってくるので、ここは注意が必要になってきますね。特にこの長期の空室がある場合は注意したいですね。

はい、そうですね。

最後に亡くなった方が保有していた事業用地についてですね。この場合は「特定事業用宅地等の特例」が適用されて、400平米までの土地であれば評価額が80%減額されます。ただしこの特例を適用するためには、亡くなった人と同じ事業を相続人が継続して行っていくという必要があるので、ここは注意が必要になってきます。

被相続人の代で事業を畳むような場合は適用されないってことですね。

そういうことですね。またこちらは土地を同族会社に貸していた場合にも適用できます。ただし適用できる同族会社は亡くなった人だったり親族の持ち株割合が50%を超えるものに限られたりとか、またその土地を貸付事業に使用している場合は貸付事業用宅地等の特例が適用されるということにもなってくるので、そこは注意してください。

なるほど。ちなみにこれらの特例は併用したりできるんですか?

併用も可能ですね。ただし併用する場合は適用される土地面積の上限が変わってくるとかそういった件があるんで、まそちらはぜひ注意しておいてほしいところになりますね。

土地を相続する場合はこれを積極的に活用したい特例でしたね。

節税対策②:生命保険の非課税枠
2つ目は生命保険の非課税枠ですね。生命保険の保険金は厳密には相続財産ではないんですけれども、相続によって取得したとみなされる「みなし相続財産」として扱われます。結果として相続税の対象になってくるんですけれども、非課税枠が設けられているんでうまく活用してあげることによって相続税の節税に利用していくということが可能になってくるわけですね。

非課税枠っていうのはいくらぐらいですか?

非課税枠は「500万円×法定相続人の数」となります。例えば配偶者と子供2人が法定相続人だった場合、1,500万円までの保険金が非課税になるということですね。

これはありがたいですね。またこの方法は代償金の準備にも活用できるんですよ。

これってどういう意味ですか?

例えば相続財産に土地だったり建物みたいな分割が難しい財産がある場合ですね、特定の相続人に相続させた方が相続時のトラブルが少なくなったりするんですよ。しかしですね、土地だったり建物以外の財産が少ない場合だと、土地とか建物を相続した人が代償金として他の相続人の相続分だけ現金を払わないといけないというケースが結構多かったりするんですよね。

確かに、土地と家しか相続財産ない人も結構いますからね。そういった人は相続の時大変そうな印象ありますよね。

そこで土地だったり建物などを相続する人を生命保険金の受け取り人にしておけば、保険金を代償金の支払いに当てていけるんでスムーズな相続が可能になっていくということですね。

保険金で相続人に現金を渡せるってことですね。これはうまく活用したいですね。

節税対策③:未成年者控除と障害者控除
3つ目は未成年者控除ですね。こちらは法定相続人の中に日本に住所がある未成年がいる時に適用できる控除となっております。

具体的には何歳未満の相続人がいればいいんですか?

18歳未満の相続人がいる場合ですね。2022年に成人年齢が20歳から18歳に引き下げられましたよね。なのでそれに合わせて未成年者控除の要件も変更されているということになっています。

これいくらぐらい控除されるんですか?

控除額は「(18歳-相続時の年齢)×10万円」になります。例えば相続開始時に13歳の相続人がいる場合だと50万円の控除が適用されるということですね。未成年者控除は課税される財産の総額から差し引かれるのではなく、相続税の税額から直接差し引いていけるものになります。例えば50万円の控除があって相続税額が50万円だった場合だと、相続税額は0になってくるということになりますね。

相続税額から直接引かれるというのはこれありがたいですね。

そうなんですよ。

これ、未成年の相続人以外には恩恵はないんですかね?

未成年の相続人の相続税から控除して控除額が余った場合は、その相続人の扶養義務者の控除額として利用していくことができます。ただし法定相続人である未成年が遺言書に記載された内容などによって相続しないという風になった場合は、この控除が利用できないのでここは注意が必要になりますね。

なるほど。未成年の相続人がいる場合は少しでも相続させるようにした方が、結果的にはお得になるってことですかね。

最後は障害者控除ですね。こちらは相続人の中に障害を持つ人がいる場合に受けられる控除になっています。控除額は一般障害者の場合は「(85歳-相続開始日の障害者の年齢)×10万円」ということになっています。特別障害者の場合は「(85歳-相続開始日の障害者の年齢)×20万円」となっております。
要件はですね、相続開始日に対象になる法定相続人が日本に居住している障害者であるということになっております。こちらもですね、未成年者控除と同様に相続税額から直接差し引かれる控除となっておりますので、余った分はその相続人の扶養義務者の控除枠として利用できるというものになっております。

こちらも条件に当てはまる場合は忘れずに申請したいですよね。

今回は1億円を相続する場合の相続税額についてお話しいただきました。配偶者がいない場合は相続税が高くなる傾向にありますので、今回紹介した節税対策をうまく活用していただければと思います。

終わりに
本記事の内容は YouTubeチャンネル 社長の資産防衛チャンネル の下記動画を参考に作成しています。AIによる書き起こしを活用しているため、誤字脱字がある可能性があります。ご了承ください。本サイトは 社長の資産防衛チャンネルを応援しています!
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