相続税の計算方法を具体例つきで税理士が解説!基礎控除から納税額まで
相続税の計算方法をコツから丁寧に解説。具体例で2段階の計算プロセスをマスターしよう。
相続税の計算はコツをつかめば難しくない
今回のテーマは「超簡単!相続税の計算方法」です。これから相続税を勉強しますという方向けに、相続税の計算方法を1から丁寧に解説していきます。相続税の計算はコツさえつかんでしまえばそんなに難しくはありません。具体例を使いながら一緒に確認をしていきましょう。
まず財産をすべて時価で集計する
例えば、ここにお父さんとお母さん、そして子供2人というご家族がいたとします。このたびお父さんが亡くなってしまうケースで考えていきます。
まず相続税の計算は、この亡くなった方が残した財産をありとあらゆる財産を、亡くなった日における時価で換算していただきます。預金などは簡単で、残高を集計すればいいだけです。しかし不動産や株式といったものについては、相続発生時点での評価額を計算していくことになります。その計算方法については別の動画で詳しくお話をしていきます。
今回はこのように財産が一つに集計できましたら、この集計した箱に1本の線を引いていきます。この線は何かというと、基礎控除という「相続税のかからない部分・かからない金額」です。この基礎控除を超えた上の部分が相続税の対象となっていきます。
基礎控除の計算方法:3,000万円+600万円×相続人の数
基礎控除の金額はいくらなのかというと、以下の算式で計算することとされています。
基礎控除 = 3,000万円 + 600万円 × 相続人の数
今回見ているこのご家族は、相続人がお母さんと子供2人なので「3」が入ります。3,000万円+600万円×3=4,800万円ですね。ですので基礎控除金額は4,800万円となります。この金額を超えると、その超えた部分に対して相続税が課税されていくという流れになっています。
皆さんここで少し考えていただきたいのですが、仮に日本全国で人が100人亡くなったとします。一体何人の方に相続税がかかってくると思いますでしょうか。基礎控除を超える方ってどれくらいいるのか、ということですね。
こちらの正解は、統計データが出ています。現在、令和3年時点のデータでは9.3%ということで、100人人が亡くなると約9人の方に相続税がかかるという状態になっています。ですので相続税は一部の富裕層の方にかかる税金だというふうに言われることがありますが、それは統計的には確かに100人中9人ということなので正しいかもしれません。
相続税計算の2段階プロセスとは
それでは、この基礎控除を超えた後、相続税を具体的にどのように計算していくのかを説明していきます。
多くの方は、基礎控除を超えた部分に対して相続税の税率をかけて相続税を計算していくのかなというふうに思われるのですが、実はそうではなくて、もう少しだけややこしいプロセスがございます。
具体例を使って見ていきましょう。例えば、基礎控除を引いた後の金額が1億円の財産がある方がいたとします。基礎控除を引いた後に1億円残っている方ですね。
ここに相続税率をかけていくのではなく、まずやっていただくことは、この1億円という金額(基礎控除を引いた後の金額)を、仮に法定相続分で相続したものとして割り振りを行っていきます。
法定相続分というのは、遺産の分け方の目安として国が定めているものです。絶対この通り分けなきゃダメですよという割合ではないのですが、そういった割合がございます。
例えば相続人が妻と子供2人であるならば、妻の法定相続分は1/2、そして子どもたちはそれぞれ1/4ずつの法定相続分を持つことになります。この割合で割り振りをしていきます。
ですので、妻の法定相続分は1/2なので1億円×1/2=5,000万円、長男の法定相続分が1/4なので2,500万円、長女の法定相続分が1/4なので2,500万円というような割り振りを行っていきます。
相続税率表を使って家族全体の税額を計算する
そして、この割り振られた金額に対して相続税の税率をかけていきます。こちらが相続税の税率表です。「法定相続分に応ずる取得金額」ということで、それぞれ段階的に税率が10%から最大55%まで、超過累進税率という方式でだんだん上がっていく形になっています。
具体的にやっていきましょう。
奥さんに割り振られた金額は5,000万円でした。この5,000万円を税率表に当てはめると、5,000万円×20%-控除額200万円=800万円ということになります。
長男は2,500万円が割り当てられていました。この金額を税率表に当てはめると3,000万円以下のところになりますので、税率は15%、控除額が50万円で、2,500万円×15%-50万円=325万円ということになります。
長女も同様に2,500万円×15%-50万円=325万円となります。
この3人の税額を家族全体の相続税額として合算していきます。800万円+325万円+325万円=1,450万円ですね。これが家族全体の相続税額となります。
実際に相続した割合に応じて最終的な納税額を計算する
家族全体の相続税額が計算できたら、今度は実際に財産を相続した割合に応じて最終的に負担をしていただくことになります。
例えば今回のご家族は話し合いをして、お母さんが1/2、長女が1/2、そして長男は全く相続しないという話し合いになったとします。そうすると、妻が相続した割合は1/2、長男は0、長女が1/2ということですね。
先ほど計算した家族全体の相続税額1,450万円を、この実際に相続した財産の割合に応じて納税をしていただくということになります。
ですので、妻は1,450万円×1/2=725万円、長男は1,450万円×0=0円、長女は1,450万円×1/2=725万円というような割合になります。そして実際にこの金額で納税をしていただく形になります。
ということで、相続税の計算は以下の流れになります。
まず基礎控除を引いた後の金額を、仮に法定相続分で相続したものとして割り振りを行います。そして家族全体の相続税額を計算し、最後に実際に相続した割合に応じて納税していただくという、2段階の計算プロセスがあるということになります。
なぜ2段階の計算プロセスにしているのか
なぜこのような2段階のプロセスにしているのか、「実際に相続した財産にもう税率をかけていけばいいじゃないの」というふうに思うかもしれませんが、これには深い意味があります。
もし直接相続した財産に税率をかけていくと、例えば3分の1ずつ相続して税率をかけていくと家族全体の相続税額は1,400万円になります。ですがこれをもし1人が相続した場合、その1人が相続してそこに税率をかけていくと2,300万円ということで、累進税率なので1人に偏っていると税率が高くなってしまうのです。
このように分け方によって相続税の負担が変わらないようにするために、仮に法定相続分で相続したものとしてそこに税率をかけるということで税率を固定してしまう、そんな意味合いがございます。
相続人が多いほど相続税は少なくなる
こちらが相続税の早見表です。例えば財産額が1億円で子供が2人いた場合の相続税は770万円ということになります。
皆さんに見ていただきたいのが、相続人が1人だった場合です。1,220万円ということで、相続人が1人減るだけでこれだけ倍近く税額が変わっているのがわかるかと思います。
相続税は相続人が多くなるほど少なくなるという性質があります。この性質は、相続税対策を考える上で非常に大切なところになっていきます。ですのでぜひ皆さんに押さえていただきたいポイントになっています。
ということで、相続税の計算はまず基礎控除の金額を引いて、そこに仮に法定相続分で相続したものとして割り振りを行います。そこに税率をかけて家族全体の相続税を計算し、そして最後に実際の割合に応じて納税していくという形になっています。
どうしても慣れるまではこの2段階の計算プロセスに戸惑う方がすごく多いと思うのですが、慣れてしまえばもう結構簡単です。法定相続分で割ってそこに税率をかけて家族全体の相続税を計算し、実際に相続した金額で割り振りをするということなので、ぜひ皆さんも何パターンかこう解いてみて、この計算の仕方に慣れていただければと思います。
終わりに
本記事の内容は YouTubeチャンネル 円満相続ちゃんねる の下記動画を参考に作成しています。AIによる書き起こしを活用しているため、誤字脱字がある可能性があります。ご了承ください。本サイトは 円満相続ちゃんねるを応援しています!
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